“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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ウィーアー

バギー、シャンクスの懸賞金が上がり、ウタが賞金首になってしまっていた頃、ハンコックはルフィとウタに子供が出来たという事実を聞いて固まっていた。石にならずに固まっていてニョン婆もあまりのショックに何が起こるのか分からなかったが暫くするとハンコックは動き出して酒瓶をサンダーソニアから取った。あまりに静かかつ優雅に取るので他の仲間達も反応出来なかった。

 

「なぁニョン婆、明日から酒を断つ努力をするから呑ませてはくれぬか・・・」

「蛇姫」

「たっぷり呑んでみっともないくらい吐くほど酔ってきっぱりする・・・それではいかぬか?」

「・・・」

「お願いじゃニョン婆」

「わかりました、今宵はとことん私も吐くまで付き合いましょうぞ!」

「姉様、私も!」

「今日くらいとことんと!」

 

ハンコックの言葉にニョン婆や姉妹達はこぞってそう言うとハンコックは酒を飲み始めた。

 

「なんじゃこの酒は・・・不味いのぅ・・・不味すぎて涙が出てきよったわ・・・」

 

プライドが誰よりも高く気高いハンコック。ウタに負けたくなかったがルフィがウタの方を向いているとウタと出会った時に本当は分かっていた。それでも認めたくなかったが新聞やライブでのルフィとウタの雰囲気を見ると認めざるを得なかった。別に踏ん切りが付いたわけではない、昨日ウタに言った宣戦布告も止める気は微塵の欠片もない。ただ今はそれをやる気も祝福する気も起きないゆえに逃げるのではなく、半歩でも良いから前を向けるようにハンコックは姉妹や仲間達と思いっきり酒を飲むことにした。

止まらないその涙は決してみっともない物ではなかった。

 

 

 

〇〇〇

シャンクスや赤髪海賊団はウタの手配書を見て避けたかったことが現実になってしまったと辛く気分になったがウタ本人は手配書を見て最初は驚いていたが今は少し唸っていた。

 

「ん?どうしたんだウタ?」

「うぅ、この手配書の写真可愛くない!」

『いや、そんな事はどうでも良いだろ!』

 

気になって訪ねてきたルフィにウタはそう不満を口にするが他の面々からツッコミが入った。バギーはウタの反応を見ると心配するだけ無駄だと判断したのかもう放り始めた。シャンクスは呑気そうなウタの肩を掴んで詰め寄った。

 

「ウタ、お前わかってんのか!?お前の夢がこれから・・・」

「叶える!絶対にね・・・アタシは赤髪海賊団でシャンクスの娘!!世界一の海賊がお父さんだもん、絶対に出来る!!・・・それに未来の海賊王のつ、妻だもん!」

 

ウタはシャンクスやバギーにルフィを見てそう答えた。ルフィの妻と答える時にまだ恥ずかしいのか少し顔を赤くして本当に大丈夫なのか不安に思ったが目をちゃんと見ると何を言われても曲げないという意思を確り感じた。

 

「そっか・・・もう子供じゃねぇもんな・・・」

「うん!」

 

シャンクスがそう優しく言うとウタは強く頷いた。するとサンジやルウを筆頭としたそれぞれの船のコック達が大量の料理や酒を持ってきた。

 

「おっ、もう話は良いのか?」

「お頭〜、ウタ〜!!飯が出来たぞ〜!!」

 

サンジやルウの言葉を聞いてルフィとウタは顔を見合わせると笑いあった。色々と大変な1日だったがこれから食べる物は絶対に美味しいともう料理の匂いだけで分かった。

 

「「よ~し、宴だ〜!!」」

 

ルフィとウタは笑顔のまま大声で同時にそう叫んだ。

その宴は大いに盛り上がった。ライブの最終日で戦う必要もなく終わるはずだったのに予期せぬ出来事によって戦う羽目になった疲れもあって一同は大いに盛り上がった。

 

「なぁなぁルフィ」

「ん?どうしたんだウソップ?」

「いやよ、子供が出来たんならもう名前とか決めてたりすんのか?」

「おいおい、いくらなんでも早すぎるだろ」

「そうよ、そんなにすぐ決まるものじゃないでしょ」

 

ウソップはそう聞いてきてサンジやナミ達にツッコまれているとウタがそれに答えた。

 

「実はもう決まってるよ!」

『えぇ!?』

「あら本当なの?」

「うん、凄く良い名前なんだ!」

 

皆がそれに驚き、ロビンが先に聞くとウタは笑顔で答えてルフィの方に顔を向けた。

向けられたルフィは食べていた肉を全部飲み込んでちゃんと微笑みつつ答えた。

 

「あぁ、メリーだ、モンキー・D・メリー!!」

「おっ、良い名前じゃねぇか」

 

ルフィは皆にそうハッキリと言うと近くで飲んでいたシャンクスにメリーを知らないジンベエとヤマトは素直に良い名前と思い、話だけ知ってるブルックはルフィに微笑み、メリーを知ってる皆は笑った。ウソップはルフィに対して腕を回してきた。

 

「ルフィ〜、お前って奴は本当に・・・最高の名前じゃねぇか!!」

「だろ!?」

 

ルフィとウソップはそのまま肩を組んで盛り上がっていてシャンクスやウタは2人がここまで喜んでる事に首を少し傾げつつも宴を楽しんでいた。

 

「ルフィ先輩!」

「ん?どうしたロメ男?」

「げぇ!?」

「此度は結婚おめでとうございま・・・あの、なぜシャンクス大先輩は逃げるので??」

「うるせぇ来るな、ストーカー野郎!!」

 

暫くしてバルトロメオが来た瞬間、近くで飲んでいたシャンクスはルフィやウタの後ろに隠れてそう叫んだ。2人とも一体バルトロメオが何をやったのか気になって見てみるとバルトロメオは首を傾げてるだけだった。

 

「シャンクス、何があったの?」

「このトサカが本当にしつけぇんだよ!俺とルフィの事を聞くためにあちこちのナワバリに来て凄え苦情が来てんだよ!!なまじ旗とか燃やしてねぇから怒るに怒れねぇ・・・教えねぇって言ってんのに来やがる・・・マジでてめぇいい加減にしろよ!?」

「・・・お前が言う資格ねぇだろ」

 

シャンクスの言葉を聞いてルフィとウタは何やってんだと本気で思い、近くでハイルディンやMr.3達と飲んでいたバギーはこの1年間のシャンクスに振り回されていたのもあって無情にそうツッコんだ。

ウタは何とも言えない理由にどっちの味方でいようか悩んでいたがシャンクスがこのままどっかに逃げてしまうのもそれはそれで嫌なのでとりあえずシャンクスの味方をした。

 

「う~ん、別にアタシはどうでも良いけどとりあえず今日は止めて、この後で新曲も歌うんだから」

「何、そうなのか!?」

「楽しみだなぁ〜!!」

「そうか、なら仕方ねぇべ!!」

 

ルフィ最優先男のバルトロメオはウタが新曲を披露すると聞いて喜んでるルフィを見るとあっさりと引いた。バルトロメオが引いた事にシャンクスは少しホッとして酒をまた飲み始めて楽しんでいるとコアラ、ベポ、ブリュレ、キラーの4人が戦闘前まで着ていた電飾まみれのウタグッズを着てやってきた。

 

「ウタちゃん!」

「あ、コ・・・コアラ!?ブリュレ!?何その格好!?」

「ウタちゃんを応援する為に作った親衛隊のコスチュームだよ!!」

「中々の出来だよ!」

「す、凄いかわいい!!ありがとう!!」

『よし!』

 

自分達の掴みが上手く行った事を親衛隊の4人は喜びあっていたがウタやルフィにシャンクスを除いた周りの目が冷たい事に気づいてなかった。

カタクリとアナナは暴走してるブリュレに対して引きつつも出来上がったドーナツを持ってやってきた。

 

「あれ?お兄ちゃんにアナナどうしたの?」

「ドーナツを持ってきただけだ」

「本当!?やった~!!」

 

カタクリがドーナツを持って来たと聞くとウタはより喜んだ。ドレスローザや万国で食べたお菓子命なビッグマム海賊団のお菓子が絶品なのは良く知ってるので純粋に嬉しかった。隣でそれを見ていたルフィは同じように美味しいお菓子がやってきた事に喜びつつも持ってきた相手がカタクリでそれに喜んでるウタというのが複雑だったのか胸を擦っていた。

 

「ルフィお兄ちゃん、不安しすぎじゃない?」

 

基本的に楽観的な考えで前向きなルフィだがウタ関係になるとそれもてんで駄目だった。万国で危うくウタを失いそうになった事や今日の大騒動もある上に相手があのカタクリとなると尚更だった。

そんな不安がってるルフィにアナナは冷静にツッコミを入れてるとカタクリはルフィに少しドヤ顔を向けた。恋に破れたカタクリであるがそれはそれとしてやはり好きな人の笑顔を見れるのは嬉しく、認めてるルフィ相手だからこそドヤっとしてみたくなったのでやると案の定、ルフィは眉間に皺を寄せた。

 

「ウタ・・・」

「ん?どうし・・・ル、ルフィ!?」

 

ルフィはウタを急に抱きしめてカタクリに対してドヤ顔をした。これは自分にしか出来ない特権だという感覚をカタクリに向けるとバチバチと不機嫌になったのでルフィからすればしてやったりの気分になった。

抱きしめられてるウタは顔を真っ赤にしていた。何回もやっている事だがこう急に来られると恥ずかしさが勝っていた。

 

((あのくそガキぁ〜))

 

そんないちゃつきを見てて不機嫌になってるのはカタクリだけでなくシャンクスやバギーも不機嫌になっていた。

 

(ウタ・・・君が幸せになって私は嬉しい!!)

 

そして漸く手当が終わったゴードンはその光景を見て感動のあまり泣いていた。

そんなこんなで宴は順調に進んでいった。今度は誰がやってくるかもなく、邪魔する存在もいなかった。多くの者達がその宴を心から楽しんでいてウタも心から楽しんだ。眠気がやってきても先程のシャンクスとバギーが言い争ってる時に少しだけ眠れたのも相まって起きれていたし、こんな面白い事を寝て終わりたくなかった。

ウタはそう考えているとゴードンにあることを言った。それを聞いたゴードンは泣いて了承し、すぐさま準備を始めた。バギーにも話してその準備を手伝って貰ってる最中、ウタはこっそりと羽でビックトップ号から飛んでエレジア跡地の城へ向かった。

城についたのは良いが最早城の形なんて殆どの残っておらずウタは音符をたくさん出し瓦礫を退かしてあるものを探していた。

暫くすると目的の物が見つかった。それはシャンクス達がウタの為に作った『頑張れウタ!』と書かれている応援幕だった。

ウタは応援幕を見つけると嬉しさのあまりギュッと抱きしめると服を変えた。

白いモノトーンではなく全てオレンジのモノトーンに変えて応援幕を体に巻き付けた。黒を貴重としている応援幕なのもあって明るいオレンジと良く合っていた。

 

「よし!行くよ、ラストソング!!」

 

ウタはそう意気込むと皆の元へ戻った。

 

 

 

 

〇〇〇

ウタはビックトップ号に戻ってくるとライブの準備が出来ていた。と言ってもビックトップ号の甲板に簡易的なステージを作って他の船で周りを囲んでるような感じだ。

 

「うん、いい感じじゃん!」

「あ、ウタ!どこに行って・・・それってシャンクス達のやつか?」

「うん、取りに行ってたんだ!」

 

ルフィが帰ってきたウタに尋ねると身に纏ってる応援幕を見て納得し、遠くからそれを見ていたシャンクス達は娘であるウタの優しさに早くも泣いていた。

ウタは最後の曲を歌うために早速ステージに上がるもあまりにも大勢いるし、他の船から見る人の事も考えるとまだ高さが足りなかった。新しく増設して貰おうかなと考える面々もいたがウタにはそれに関しての問題をなくせる男を知っていたので頼むと快く了承した。

準備が完全に整うとウタは大声で頼んだ。

 

「それじゃお願い、ウォーターセブンの時みたいに!!」

「任せるべ!」

 

そうウタが頼んだ男はバルトロメオだった。ウォーターセブンの時のライブでバリアで色々とやったのを知っていたので頼んだ。

バリアによってウタのステージが上がっていく。自分の能力でやるというのも出来るが既に服でやっていてこれ以上やると歌えないかもしれないと思ったからやってもらった。

 

多くの人達が自分を見ている。

そこには愛する家族・・・夫・・・育ての親・・・喧嘩ばかりの友達・・・憧れた男・・・大切な女友達・・・恋のライバル・・・尊敬してる友人・・・夫の仲間達と皆が自分を見ていた。

 

『皆、今日は色々とあったけどアタシ・・・皆とこうやって楽しくできて嬉しい!!だから聴いて、私の新曲で神曲!!』

 

ウタはそうやって皆に笑顔を向けると全員が熱狂で返した。それは自分が昔から欲しかった物だった。大切な幼馴染に大切な家族に多くの人達の前で歌いたく、そして皆を楽しませる歌姫になるのが夢だった。

 

だからウタは全力でトリを飾る最後の曲『ウィーアー』を歌った。

 

「ありったけの夢を〜かき集め〜♪探しもの探しに行くのさ〜♪ONE PIECE♪♫♬」

 

ウタは歌いながらこれまでの“軌跡”を思い出していた。

 

「羅針盤なんて〜渋滞のもと〜♪」

 

あの日、12年前の真実を知ってどうすれば良いのかわからなくなった。

 

「熱にうかされ〜舵をとるのさ〜♫」

 

そしてルフィとの約束の麦わらマークや手配書を見て旅に出た。

 

「ホコリかぶってた〜♪宝の地図も〜♪」

 

アラバスタでのライブが成功してビビやトトなど様々な人に出会えた。

 

「確かめたのなら伝説じゃない!」

 

遭難したがノックアップストリームを見れて世界の広さを改めて知れた。

 

「個人的な嵐は誰かの〜♪」

 

ルフィの死亡説を見てしまってまた途方にくれてしまったがそこでバギーに出会えた。

 

「バイオリズム乗っかって〜♪」

 

そこから無事に立ち上がれたこと、そして初めてこの“世界”で歌ってバギー海賊団の皆の熱狂を受けた。

 

「思い過ごせばいい!」

 

ビビ、トト、バルトロメオ、クリケット、マシラ、ショウジョウ、ジョナサン、ガープ、ジェシカの事をウタは1人ずつ大切に思い浮かべた。

 

「ありったけの夢を〜かき集め〜♪」

 

大切な家族であるルフィ、シャンクス、バギー、ゴードンのその優しい背中を思い出していた

 

「探しもの探しに行くのさ〜♪」

 

シャボンディでレイリーからルフィが生きてると言われて泣いた時の事

 

「ポケットのコイン♪」

 

ルフィに追いつく為にバギーの所に行って弟子になった

 

「それとYou wanna be my Friend?」

 

バギーの所で真実を知って喧嘩してもまた仲直り出来た

 

「We are, We are on the cruise!」

 

全力で歌って目を閉じたウタに浮かんできたのはあの日、トレジャーマークを投げてきたバギーの姿だった。

 

「ウィーアー!」

 

1番が終わり、ウタは熱狂で返してくれてる観客の皆に笑みを返した。

 

 

 

「ぜんぶまに受けて♪信じちゃっても♪」

 

ファンの皆に真実を話して拒絶された辛い記憶

 

「肩を押されて 1歩リードさ〜♪」

 

そんな時に助けてくれたのは今まで出会ってきた友達だった。

 

「今度会えたなら〜♪」

 

シャンクスと大喧嘩してバギーの娘と世間に公表した時

 

「話すつもりさぁ〜♪」

 

ドレスローザでルフィと再会出来た

 

「それからのことと これからのこと♪」

 

嬉しくて泣いて抱きしめ合った

 

「つまり〜いつも〜♪」

 

ハンコックと出会い、お互いに恋のライバルになった

 

「ピンチは誰かに〜♪」

 

ルフィとシャンクスやバギーに関して大喧嘩をしてしまった

 

「アピール出来る いいチャンス♪」

 

バレットに襲われてカタクリが助けてくれた

 

「自意識過剰に!」

 

シキ、バレット、リンリンの恐ろしさをウタは改めて思い出しても怖かった

 

「しみたっれた夜を〜♪ぶっ飛ばせ〜♪♪」

 

記憶を失いルフィと戦った事

 

「宝箱に興味はないけど〜♪」

 

ルフィとカタクリが自分をかけて全てを出して対決したこと

 

「ポケットにロマン♪」

 

お互いに泣いて謝ってよりルフィと強く繋がれた

 

「それとYou wanna be my Friend?」

 

そして、ルフィとキスをして恋人になった

 

「We are, We are on the cruise!」

 

大変な日々だが全て大事で大切な自分の軌跡だ

 

「ウィーアー!」

 

2番を歌って観客の中から特に盛り上げようとしてくれてるルフィ、シャンクス、バギーを見つけてウタは涙が出そうになったがラストまで気を抜かない。

 

 

「ありったけの夢を〜かき集め〜♪」

 

シキ、バレット、テゾーロ、バージェスといった敵によって混乱した今日

 

「探しもの探しに行くのさ〜♪」

 

もう駄目かと思って絶望した

 

「ポケットのコイン♪」

 

そんな状況で傷ついて励まして助けてくれたバギー

 

「それとYou wanna be my Friend?」

 

ルフィ、シャンクス、カタクリやたくさんの出会ってきた友人や仲間にも助けられた

 

「We are, We are on the cruise!」

 

そしてルフィや皆と共にシキ達を空の彼方までぶっ飛ばした

 

「ウィーアー!」

 

シャンクスと和解出来た事、ゴードンに泣いて喜ばれた事

 

「ウィーアー!」

 

バギーとシャンクスに抱きしめられた事

 

「ウィーアー!」

 

ルフィと結婚出来た事をウタは大切に思い出してた全力で歌った。

その歌声を聴き終わった観客達は大熱狂で返してくれた。ウタはそれを全身に浴びて嬉しさのあまり涙が出てきたが今は皆にこの気持ちを言いたかった。

 

「皆〜!!アタシ、本当に凄く幸せだよ!!」

 

 

 

 

 

〇〇〇

ウタの最後の曲も終わり、それぞれがまた別々の旅を始めていく。舞台にもなったビックトップ号は色々と片付けをやっていて出るのが遅く、多くの面々を見送っていた。

カタクリ達に麦わら大船団、そしてルフィの傘下に入る事になったハンコック達、一応別れの挨拶をバギーはされてレイリーはハンコック達について行った。コアラはイワンコフと出て、キラーはベポやローに近くの島まで送ってもらっていた。

 

ルフィ達も少し遅れてだがまた冒険の海へ出かけた。

挨拶をするような間柄でも無いのでバギーはチラッとしか見えてなかったが一目見てルフィの姿は見えなかった。

先程からウタの姿も見えないので船内で早速イチャツイてるのかと思った。

 

そして最後にシャンクス達が出て行く中でバギーはシャンクスと目があった。お互いに色々とあってローグタウンの時と同じようにまたやりたい事をやるために分かれていく。シャンクスは暫くすると笑った。

 

「バギー、お前には負けねぇからな!!」

「けっ!そりゃこっちの台詞だ!!今度会う前に首を洗って待っとけ!!」

 

シャンクスの啖呵にバギーも同じように返す。

2人の顔は清々しいほどに笑っていた。

 

こうして全ての船が出た中でバギー達のビックトップ号もエレジア跡地から離れる事になった。

 

「バギー君、乗せてくれてありがとう」

「近くの島までだからな」

 

エレジア最後の国王であるゴードンはエレジアから離れる事になった。単純にもうエレジアは粉々に砕けて住めない。それにウタがシャンクス達と和解した事でゴードンも漸くスッキリ出来た。これからはまた新しい子供達に音楽を教えていこうとやっとゴードンも12年前から進むことが出来た。

 

「しかし、ウタったら最後にあんたと挨拶もしないなんてね」

「結婚して幻想から覚めたんでしょ」

「よくあるパターンだガネ」

「ご愁傷様です船長」

「お前らな!!!」

「はぁ・・・」

「騒々しい・・・」

「だんだん憐れに見えてきた・・・」

 

アルビダ達がウタが最後にバギーに何も言わなかったことに関して容赦なく言っていきツッコみ、クロコダイルやミホーク、ダズかそれを見て呆れていると部下達が1つの樽を持って来た。

 

「座長、ちょっと見慣れない樽がありました!」

「はぁ!?そんなもん勝手にどうにかしとけよ!」

「それが“千両道化”のバギー様へと紙が貼り付けてあって・・・」

 

部下達がそう言って紙をバギーに渡すと樽が勝手に動き始めた。バギーやアルビダ達は驚き、クロコダイル達は何がいるのか悟ると呆れてゴードンは「まさか!?」と呟いた。

 

「あぁぁぁぁぁ〜〜〜!!よく寝た〜〜!!」

 

そして中から勢いよく樽を破ってウタが出てきた。

 

『ギャァァァァァァァ!!なんで居るんだ!?』

 

ウタが出てきたことにバギーを初めとする大勢が叫び声を上げた。

 

「あっ、お父さんおはよ~」

「あっ、おはよ~・・・じゃねぇよ!なんでお前はここに居るんだよ!?麦わらやシャンクスの所に行かなかったのか!?」

「えっ?いやアタシ妊婦だからチョッパーとかホンゴウさんとかトラ男から冒険から離れた方が良いって云われてルフィだと絶対それ無理だし、シャンクス達もキツそうだったから1番落ち着いてそうなこっちに来たの」

「はぁ!?お前、ふざけてんのか!?」

「ふざけてないよ、だってアタシ“娘”だもん」

 

その言葉にバギーは一瞬固まるとウタは笑顔で続けた。

 

「ルフィの“妻”で赤髪海賊団の“音楽家”で“娘”で千両道化のバギーの“娘”・・・それがアタシ!だからこれからもよろしくね・・・“お父さん”!」

 

バギーはウタに対して確かにそう言ったし、それを訂正する気なんて微塵の欠片もなかったがまたこの1年クラスの厄介事が来るかと思うと冷や汗が止まらなかった。

 

「ふん・・・まぁいても問題はないだろ」

「あの強さを持ってるしな」

 

クロコダイルとミホークはメリットとデメリットを瞬時に判断してウタの言葉を受け入れた。他の面々も続々とウタがまた来ることに喜んでる中でバギーはキレた。

 

「出てけ〜〜〜〜!!!!!」

「えぇ~!?なんで〜〜〜〜!?!?!?」

「フザケンナ、この・・・大ハデバカ娘〜〜〜!!!」

 

広い果てしなく続いていく海の上でバギーとウタの父娘の声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

時は少し進む。

アレからこの大事件に関わった者達を世間はこう認識していた。

バレットはまたインペルダウンのレベル6に投獄されてテゾーロとその一味も同じ場所に投獄。

唯一シキは見つからなかったがその数年後にフワフワの実が悪魔の実の状態で発見された。

元海軍大将のゼファーとその仲間のNEO海軍は多くの者達が海兵に復帰し、ゼファーはガープやセンゴク、おつるとまた喧嘩をしながら戻れた日常を謳歌した。

 

そしてとある男が“偉大なる航路”を制覇して新たな海賊王になった。

 

それが今から8年前。

とある島である一家が仲良さそうに話していた。

 

「これがアタシの物語だよ」

「母ちゃん母ちゃん!もっとシャンじいの話をしてくれ!」

 

赤髪の男の子が紅白髪の母親の上に乗って1人の祖父の話をするようにせかしていた

 

「ちょっと“サニー”!!ママのシャンじいの話は前にしたじゃん!!次はパパの話!!」

 

白い髪の女の子は黒髪の父親の上に乗って父親の話をしてもらうようにせかしていた。

 

「ししし、“メリー”もせかすなって」

「そうだよ、ちゃんと話してあげるから2人とも待ってね」

「だってよ、慌てんなよ姉ちゃん」

「それはあんたよ!」

 

メリーと呼ばれた姉とサニーと呼ばれた弟は両親を間に挟んで言い争いをまた始めた。

元気な我が子達を見て2人の親は笑っていると父親の持っていた麦わら帽子が風に吹かれて少し飛んだ。

 

新時代が到来して幸せになったある一家の日常の“一幕”だった。

 

 

 

 

 

 

▼▲〇〇

もう1つある少女の物語がある。

エレジアでライブを終えて再び海賊王になると誓ったLuffyは夜の番もあってサニー号の頭の上で夜の海を見ていた。

大切な幼馴染はもういなくて辛いがそれでも夢の為に進もうとしていると不思議な気配を感じてLuffyはそれがどこから来てるのか見聞色の覇気で探すとそれは隣から来ていた。

何が起こってるのか検討も付かないが懐かしくそしてもう聴けないと思ってきた歌声が聞こえてきてLuffyはまさかと思った。絶対にありえないと、だが宙に音符が現れてそれが人型を形成していくと彼女が現れた。

それは先日、エレジアでもう会えなくなったUTAだった。

 

「嘘だ・・・なんで・・・ウタが??」

 

Luffyは自分の頬を力一杯痛みが出るほど抓ったが今見えてる光景が嘘ではなく現実だと知ると涙が止まらなくなった。

 

「ルフィ・・・その・・・」

 

UTAは気まずそうに何を言えば良いのか迷ってるとLuffyはそんな事を一切気にせずUTAを抱きしめた。

 

「ル、ルフィ??」

「嫌いだ・・・ウタなんか大嫌いだ・・・勝手な事ばかりやって・・・勝手にいなくなって・・・また来て・・・もうわけわかんねぇよ・・・わかんねぇよ」

 

Luffyは口では嫌いと言っていたが力強く抱きしめてるその腕が震えてる事にUTAは優しさと暖かさを感じていて涙が止まらなくなった。

 

「ルフィ・・・色々とあってね・・・聞いてくれる私の話・・・」

 

UTAはLuffyに涙を流しながらそう聞いた。

 

「聞く!!聞くから・・・全部話せ!!おれは絶対にウタから離れねぇ!!」

 

LuffyはUTAの言葉に力強く涙声になりながらもそう返した。UTAは一回Luffyを離して顔を合わせた。お互いに涙や鼻水でグチョグチョで酷い顔だったがUTAはLuffyを安心させようと笑った。

 

「聞いてくれる??凄く奇跡に溢れた“軌跡”的な世界の話・・・」

 

UTAの言葉にLuffyは頷いて答えた。

 

「ルフィ・・・私も・・・“大好き”!!」

 

エレジアで再会した時と同じようにUTAはLuffyに抱き着いた。そして彼女は話し始めた。不思議で広いこの海のように不思議な体験。

 

 

 

 

 

 

これは彼女が()()()()“軌跡”的な世界の物語

 

 

 

 






















皆様、長い間おまたせしました!!
これにて“軌跡”的な世界は完結です!!2022年の8月から始めたこの作品はこれにて堂々完結です!!
作者個人の言葉は後書きに載せますので最後に1言

お付き合いありがとうございました!!

また後書きは1話として消費しますのでまた活動報告に新しい記事を載せますのでそこで質問などがございましたら載せてください。明日出す後書きで答えます。
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