“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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毎日投稿遂に敗れる・・・いや、疲れてしまってすみません。次は明日になるかもしれませんがなにとぞご容赦ください。

因みにウォーターセブン編でオリキャラを出します。あの鳥関係のキャラです。

※この話は2年間の間の話です。麦わらの一味は早々出てきません。




WATER SEVEN

ウタは海列車に乗っていた。初めて乗る海列車は今までの船旅と違って速くそして自分以外の人も当然いる。

 

「はい、どうぞ」

「ありがとう!」

「次、僕も!」

「次は私!」

「俺もください」

「私も欲しいです!」

「ちゃんと全員に書くから安心して!」

 

有名人で配信やライブで顔が知られている上に2回の遭難で世間を騒がせる気があまり無かったのに騒がせてしまったウタは海列車の中でサインを求めてくるファンに笑顔で対応していた。

ファンの嬉しそうな顔を見てるとウタも元気になっていく。ウタウタの実に関係なく、漸く自分の歌に自信を取り戻してきたウタにとって力の源だった。

 

しかし、1人の子供は俯いていたのをウタは見た。気になって人をかき分けてその子の所に行くとその子と目があった。

 

「ウ、ウタ・・・」

「どうしたの?」

「えっと・・・ウ、ウタは“海賊”が好きになったの?」

 

その子の一言は車内の空気を一瞬で固まらせた。ウタの配信時での“海賊嫌い”は有名だった。歌の人気も勿論あるがその“海賊嫌い”というスタンスは大海賊時代に苦しむ人にとっては希望そのものだった。しかし、世経の新聞で書かれていた2回の遭難を助けてくれたのは海賊で2回目は王下七武海こと千両道化のバギー。極悪で通っている海賊だった。良くも悪くも世間やファンに与えた衝撃は大きかった。

 

その子の言葉にウタは真剣に考えた。

クリケット達やバギーは好きだった。明るくて優しくて尊敬の念を抱くほどに自由でカッコいい。けどブラックなどの海賊は依然として大嫌いだった。ウタはそれをありのままに伝える。

 

「ううん、好きじゃないよ。けど、自由になりたくて海賊になった人もいることを知ったの・・・今は色々と勉強中かな?」

「ぼ、僕はウタが海賊になるのは嫌!」

 

その子の言葉にウタは衝撃を受けた。自分は海賊に戻る気は更々ない。今まで嫌っていたと云う部分もあるが歌を届ける約束がある。海賊に戻るよりもそっちの方を優先してるが自分と他人で見てる物が違うのを改めて知ってウタはその子の手を取って笑顔を向けた。

 

「私は海賊にはならないよ」

「ほ、本当?」

「うん、私は歌姫になりたいんだ。海賊じゃなくてね。だから海賊にはならないよ」

「ウ、ウタ・・・その変な事を言ってゴメン!!応援してるよ!!」

「ありがとう!!」

 

ウタはその子にサインをしてあげるとまた色んな人にサインや握手をしてあげていた。暫くすると流石に疲れてきたのでウタは1回離れると言って海列車の最後尾の車両の扉を開けて外を眺めてゆっくりしているとゴードンがやってきた。

 

「大丈夫かい?」

「ん、何が?」

「海賊にならないと言った事だよ。シャンクスや麦わらのルフィ君に会いたいと言っていたじゃないか」

「うん、それは絶対に叶えるし、バギーおじさんにちゃんとこれを返すのも忘れない!」

 

ウタはそう云うと腕に付けてるトレジャーマークを撫でた。2つのガラス玉が波に反射した光を更に反射して輝いていた。

 

「海賊を少しは見てきた。好きな人達も出来たけどなる気はないよ。私は歌姫として歌声を皆に届けたいんだ。シャンクスやルフィだけじゃなくてナバロンの皆やファンの皆にね。だから海賊になる必要も無いし、なる気もない」

 

力強く言ったウタにゴードンは複雑な気持ちだった。トットムジカのせいで本来ならば分かれる必要のなかったウタとシャンクスが引き裂かれてしまった。ゴードンとしてはまたシャンクスの船で楽しく歌って旅しているウタに戻ってほしいがウタにはもうその気はなかった。

全て自分が台無しにしたとゴードンは暗い顔をしたがウタが笑顔を向けた。

 

「そんな顔しないでシャンクスにはシャンクスの、ルフィにはルフィの冒険があるんだ。私にだって私の旅がある。11年も遅れたけど私の夢の為にも、私は自分の道を行きたい」

 

ウタはそう云うと体を伸ばして中に戻っていった。ゴードンは遭難時にウタが経験したことを聞いていたがそれらはウタにとって凄く良い経験だったのだろう。誰かのためではなく、自分の夢の為に進んでるウタ。身勝手でも浮足が立ってるわけでもなく地に足をつけて進んでいて逞しくなっていた。

 

「シャンクス・・・君の娘は私達の想像以上に良い経験をしてきたようだ」

 

ゴードンはこの場にいない父親であるシャンクスにそう言うと車内に戻っていった。

 

 

 

 

 

〇〇〇

ウォーターセブンはアクアラグナと地盤沈下の問題に悩まされている町であるがその姿は美しい。島の全域に張り巡らされた水路の中心には巨大な噴水がある。中心街は高いところにあるがゴア王国のような身分によって分けるのではなくあくまでもアクアラグナに対する避難の為に高くなってる。

 

海列車を降りたウタはその美しさに魅了されていた。

 

(こんな綺麗な島でライブが出来るなんて最高!)

 

ウタとゴードンは駅から歩いて暫くすると町の入口に貸しブル屋があったのでゴードンは入っていき、ウタもそれに付いて行く。店の中には泳いでる海洋生物のブルがいてウタは初めて見る動物に近づいていった。

 

「やぁ、いらっしゃい!ブルをお求めに?」

「あぁ、一体借りたい」

「お好きなのを・・・」

 

ゴードンがブルを借りようと店長に言い、店長も貸そうとブル達のプールを見たら、一匹のブルがウタに懐いていた。それはかつてルフィの顔を舐めたブルだった。恐らくウタの雰囲気にルフィと似たのを感じたのだろう。

 

「気に入られたようだな」

「ではあの子でお願いするよ」

 

ブルの背中にゴンドラを乗せて乗り込んだ。ウタはそこまで大きくないが一般的には巨漢の部類のゴードン+荷物を持っても全然平気なブルにウタははしゃいでいた。

 

「すごいね!!暫くの間よろしく!!」

「ニーッ!!」

「では、まずは中心街に行こう」

 

ゴードンが手綱を引いてブルは中心街を目指していく。ブルは慣れているのか速いがスマートに水門エレベーターまでスイスイと行って中心街まで登っていく。

 

「大掛かりな仕掛けだね」

「ここは水の街だからな」

 

水門エレベーターで上がって中心街を見ると活気に溢れていた。陸が多いが水路を中心に作られている町。それは陸地だったアラバスタやジャヤとは違った世界だった。ブルに乗って進んでいき、この町の市長であるアイスバーグが経営しているガレーラカンパニーに近い所までブルで来てそこから歩いて本社まで行った。

 

「市長のアイスバーグさんは只今3日後のライブ会場のプールの方にいます。呼んできますね」

 

社員の船大工はそう言って電伝虫で連絡していた。ウタとゴードンはその間、暇になったのでウタは気分転換に鼻歌を歌い始めた。

海楼石のおかげでウタワールドへ行かなくても良いのでウタもゴードンも自由に歌っていた。

 

「んまー、凄く良い歌声じゃねぇか。遅れて申し訳ない。市長のアイスバーグだ」

「アイスバーグさん、今回は呼んでくださりありがとうございます」

「んまー、こっちも昨年に派手な催しをやって住民がそういった事に飢えていてな。来てくれるのは嬉しい」

 

アイスバーグはゴードンと握手をして予定を話し合った。ライブは3日後でそれまでは自由にしてくれていいとのことで、ウタは観光する気満々だった。アラバスタを出てからと言うもの観光なにそれ?と言わんばかりに冒険と波乱万丈が似合う事をやっていたが偶にはこういう事もやりたいのだった。

治安が良い町という事もあってウタは1人で観光しに行った。

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

世経の本社でモルガンズは頭を悩ましていた。ウタがウォーターセブンでライブをやるので直ぐにでも飛んで行きたかったがどんなに頑張っても今の本社の位置からだと1週間は最低でも掛かるので遠くていけない。ウォーターセブンにある支部にいる記者に任せたいがアラバスタでの情けない取材のせいでまた似たような物だと世経のプライドに関わるので悩んでいた。だがどんなに悩んでも自分ではもう無理なので任せるしかない。

 

『いいか、絶対にビックニュースを取ってこい!どんな手を使おうが人の人生を台無しにしようが関係ない!!ニュースニュースニュースニュースニュース!!!この上ないビックニュースを手に入れろ!!命令だ!!』

「わ、分かりました・・・」

 

モルガンズに言われて世経のウォーターセブン支部の記者である【トルオ・スクープ】は冷や汗をかきながらカメラを整備しつつもエレジアについてのメモを持ちながらも町に出た。

 

 

 

〇〇〇

「甘〜い、美味しい!!」

 

ウタは観光を楽しんでいた。水水飴を買って舐めて食べ歩きをしてあちこち見ていた。服にアクセサリーにそして町の名物料理。新鮮だったが水に埋もれた町がチラチラと歩いていたら見えてどこの場所にもそれぞれの問題があるんだと思いつつも楽しんでいた。トトおじさんの時みたいに解決案か復興案が出てるのかわからないのでウタは後でアイスバーグに聴こうと決めた。

 

「次はどこに行こうかな!プールも良いけど浮き輪がないと泳げないしなぁ」

 

行く場所に悩みながらウタは角を曲がると人にぶつかって倒れた。

 

「いったぁ〜、あっ、ごめんなさ・・・」

「ったく、前をよく見て歩け・・・」

 

ウタはぶつかった人に謝ろうとしたが止めた。なぜならそいつはバルトロメオだったからだ。

 

「あぁ〜!!アンタはあの時の鶏!!」

「お前はオラの邪魔したクソ女!!」

 

「「なんでここに!?」」

 

アラバスタでステージを巡って対立した2人が意図せずまた出会ってしまった。しかも思いっきり相手を罵倒していた。

 

「またオラの邪魔をする気か!?」

「こっちのセリフよ、また私のステージに手を出す気!?」

 

睨み合う2人。バチバチと云う音が聴こえてくるほど敵対心を剥き出しにしていた。

 

「オラの聖地巡礼を二度と邪魔させねぇべ!!オラはあのお方に追いつくんだ!!」

「あのお方って一体誰よ!?」

「あぁ!?麦わらのルフィ大先輩に決まってんだべ!!」

「・・・・は!?」

 

バルトロメオの言葉にウタは一瞬だけ固まったがすぐに復活してルフィの事を聞いた。

 

「あんた、ルフィと知り合いなの!?」

「口を慎むべ!!麦わらのルフィ大明神先輩と言うべ!!オラはローグタウンであの千両道化のバギーに危うく処刑されそうになった時に天がルフィ大明神先輩を助けたのをこの目で見て!!海に出て、お近づきになるために来たんだべ!!」

 

(ルフィにバギーおじさん。何やってるの!?)

 

色々とツッコむ所が出てきたがルフィとバギーのせいでこんな迷惑極まりないアホが生まれたなら溜まったもんじゃないとウタは2人にキレそうになった。

 

「オラは世界で1番、ルフィ先輩や麦わらの一味を知ってる者だべ!!」

「あぁ!?」

 

調子に乗ってるバルトロメオの言葉にウタはカチンとなった。確かにウタは今のルフィを知らない。しかし、昔のルフィを知っているウタは少なくともアラバスタでのバルトロメオがやった行為にルフィはキレると本気で思っていた。そんな迷惑な奴がルフィの理解者面してるのが凄く気に入らなかった。

 

「ルフィは絶対にアンタなんか嫌いだと思うよ」

「・・・何だと?お前、本気で殴られたいだべか?」

「アンタにルフィの理解者面してほしくないだけ」

「一体、お前はルフィ先輩の何だべか!?追っかけか!?ストーカーか!?」

「・・・私はルフィの幼馴染だ!!」

 

大声で堂々と云うウタ。バルトロメオはその言葉にビックリしていた。

そして、町に出てビックニュースを手に入れようとしていた世経の記者のトルオは偶然にもそれを離れた場所から聴いてしまった。

 

「ビックニュース・・・ビックニュースだ!!歌姫のウタと麦わらのルフィが幼馴染だなんて先日の赤髪と千両道化以上のビックニュースだ!!」

 

トルオの叫びが喧騒なウォーターセブンの中心街に消えていった。










というわけでウォーターセブン編、開幕です!!
久しぶりのウタのライブは成功するのか!そしてやっぱり現れたバルトロメオ。ウォーターセブン編はこの2人が繰り出す大騒動をメインでやります。

今作初のオリキャラの【トルオ・スクープ】。
モルガンズの世経の支部の記者で名前負けしてますがウタの衝撃発言にびっくりしてます。

さぁ、ウタとバルトロメオはどうなるか、このビックニュースは世間にバレるのか、次回もお楽しみに!!
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