因みに今回は“あの男”も出ます。
※今作は2年間の間の話です。なので麦わらの一味はそうそう出ません。
ウタがライブをやると決めてから、ゴードンはアラバスタまでの移動運行を手配した。腐っても音楽の国の元国王、外にツテはある。
ゴードンは埃を被っていた電伝虫であるとこに電話した。
プルルルルルルル・・・・・
『はいこちら「世界経済新聞社」のモルガンズ』
「久しぶりだね。モルガンズ君」
『その声はエレジアのゴードンか!?こいつは久しぶりすぎてビッグニュース級だな!!』
「最近話題の歌姫を知ってるかな?」
『知ってるぜUTAだろ?どんな電伝虫を使ってんのか分かんねぇが顔が分からない歌姫。まさか情報を知ってんのか!?』
「私が育ててる」
『なんと!?こいつはまたまたスクープ!!今日だけで1ヶ月分は書けるほどのスクープが来たぜ!!』
「実は今度やるアラバスタの復興記念祭のライブの依頼が来ててね。そこに出演するつもりだ。そこまで送って欲しい」
『ちょっと待て!生きてるのは知ってたが音楽の国は赤髪に滅ぼされて壊滅したのになんでそんな依頼が来てんだ?・・・スクープ無しで足になるのはゴメンだぞ』
「国王達の間の手紙のツテでアラバスタ王国の国王コブラから依頼されてね。アラバスタオーケストラの指揮をしてほしいと。UTAの事も良いかと訪ねたら快く了承してくれたよ」
『よし!その話も記事にさせてもらうし、UTAに独占取材だ。それが条件だいいな!?』
「・・・・わかった」
ゴードンはアラバスタまでの移動する為の物を確保したが良いが相手はあのモルガンズ。スクープの為なら良くも悪くも善悪と倫理が存在しない。彼にウタがシャンクスの娘だとバレたらすぐに海軍や海賊に狙われる。しかし、空を移動するモルガンズの船は速い。下手に刺激しなければ大丈夫だ。
「どう?上手くいった?」
ウタが心配そうに聞いてきたが大丈夫だ。それにモルガンズはそろそろあれの時期だ・・・
「大丈夫、上手く行った。さて私達も準備しよう」
「うん!」
〇〇〇
「世界経済新聞」通称「世経」の移動船が空からエレジアの港へやってきた。
「飛んでるの?」
「「世経」の情報量の早さは本社だけじゃなくて“支社”も移動してるからなんだ」
規模は本社よりも小さいがその分、早く小回りが利く「世経」の支社。浮力がクウイゴスで作られた船体は気球と少しの鳥で浮かび上がれる。
港につくと何人もの記者が降りてきた。
「この度は「世界経済新聞社」にようこそ!今回、最近話題のUTAの独占インタビューとアラバスタまでの道の移動を担当する支社のW-5です!」
「よろしくお願いします!」
「お願いするよ」
「はい!では、こちらにどうぞ!なお、社長であるモルガンズ様は“お茶会”に招かれて居ませんがライブは見に来るとの事なのでよろしくお願いします」
「はい!」
「勿論です」
2人はそのまま支社のW-5に乗船していく。
「ねぇ、そのモルガンズって人が居なくて良かったね」
「あぁ、うろ覚えの記憶も役に立つものだ。これで少しは安心できる」
ゴードンがゴシップ大好きなモルガンズに頼んだのは余計な部分まで詮索するデメリットよりも移動速度を優先したからだが、裏社会の重鎮という側面もあるモルガンズはよく四皇のビッグマムのお茶会に呼ばれていたのをゴードンは覚えていた。モルガンズのゴシップ被害の悪名高さは国王達の中でも凄く有名で被害にあった国も多い。エレジアの歌手達もゴシップにやられた事があったからゴードンもそういったモルガンズの側面を良く調べて知っていた。
一方、そのゴシップ大好き“ビッグニュース”モルガンズはビッグマムのお茶会に向かいながらも悔しさに打ちひしがれていた。
「クソ、ビッグニュースがぁ!!お茶会さえなければ!!!赤髪の事とか色々と良いネタを探れたのに畜生!!!」
〇〇〇
「つ、疲れた〜」
ウタは貸してくれた部屋のベッドにダイブした。ゴードンと共にシャンクスの娘だと言うことがバレないように色々と設定を作った上でインタビューを受けたが所々でゴードンがフォローしていなければ危なかった。因みにウタはエレジア最後の国民でシャンクスの顔は見たこともないという設定で通してるがシャンクスの手配書を見せられた時は流石に色々と込み上げてきた。怒り、憎しみ、寂しさ、悲しみ、やるせなさ、申し訳無さそういった色んな感情が溢れそうになっていた。
「着くまで凄い窮屈かも・・・やっぱり止めた方が良かった・・・いや、ルフィに負けてられない!」
今のウタはルフィに負けたくない一心で動いていた。ずっと負けてないというのもあったが、1番の理由はいつもルフィにやっていた事だった。
(私の旅の冒険譚を聴かせてやる!)
幼い時にシャンクスの船に乗っていた頃、ウタはルフィに何処で旅したのか冒険譚をよく聴かせていた。そしてそれで羨ましがっていたルフィをからかうのが楽しかった。楽しかった記憶をウタはもう一回やりたいのだ。
コンコンッ
そんな事を考えていると部屋のドアが叩かれた。
「ウタ、ちょっと良いかな?」
「ゴードン?良いよ」
ゴードンは楽譜を持って入ってくる。表情はいつも音楽をやるときの彼と同じで真剣だった。ウタも表情が真剣になる。
「ちょっと行き詰まってしまってね。君の意見も聞きたいんだ」
ゴードンは演奏する曲である《アラバスタ行進曲》の楽譜を持っていた。指揮者として1流である彼は分析し、アラバスタで1番人気のあるクラシックを指揮する為に本番の2、3ヶ月前に入って調整し、準備する。ウタもゴードンによる英才教育のおかげで良くわかっていた。
2人はそのままそれぞれの音楽に関して成功させるために調整を始めていた。
一方、その頃W-5の記者はモルガンズに電伝虫でキレられていた。
『馬鹿野郎!こんなありきたりな事、記事にしても弱いだろうが!!もっともっと聞き出せ!!相手の事なんかどうでもいい!徹底して骨の髄までしゃぶってビッグニュースを取ってこい!』
ゴードンが「世経」を騙すために作った設定に流石の支社の記者らも色々と聞き出せずにいたがモルガンズはそれに対してキレていた。やっぱり自分がインタビューをすれば良かったとモルガンズは泣いていた。
〇〇〇
それから、5日後。
アラバスタに無事に到着したウタは肌を守るために厚着をしていた。因みになんとかボロを出さずに無事にインタビューも済んだのでホッとしていた。
後日、支社の全員が東の海に左遷されたのは余談である。
「ではライブ会場があるユバにはエルマルへ渡ってから1日かけて砂漠を進んでいくから少し何か食べよう」
「良かったぁ、お腹空いてたの!」
久しぶりに見る外の世界、初めて訪れたアラバスタ。何もかもが新鮮だった。港町であるナノハナに溢れてる香水の香りに港町特有の潮の匂い、全てが見たこともない景色だった。
そんな中でウタとゴードンは飯屋に入った。そこは1年前にルフィが食い逃げしていた店【Spice Bean】だった。エースとスモーカーを吹き飛ばした時に出来た風穴には木の板が張られていて何とも言えない感じになっていた。
ウタは久しぶりすぎるエレジア以外というかゴードンと自分以外の料理にご満悦だった。
「美味しい!!」
「あぁ、ありがとう」
店主も優しくてウタは上機嫌になり、沢山食べていた。乱雑に積まれた皿に食欲が止まらないウタ。店主は1年前に食い逃げされたルフィの姿が横切り、ゴードンに勘定を払えるのか確認を取っていた。
〇〇〇
「いやぁ、美味しかった!」
細い体の何処にあれだけの食事が入ったのかゴードンはコブラに前借りしていたお金が予想よりも減った事に嘆きつつも喜んでるウタを見て嬉しくなった。
2人はナノハナからエルマルへと渡る船に乗った。
ほんの数時間くらいの船旅だったが、ウタはそこからエルマルを見ていた。幾つかの建造物はあるが人は少なかった。
砂漠に覆われている街だった。
2人はそこからヒッコシクラブに乗って街を出たがウタはエルマルが気になっていた。
「ねぇ、あの街に何があったのかな?」
「私も新聞でしか知らないが河の水が衰え、ダンスパウダーの旱魃が起き、海水が逆流して枯れたらしい」
「・・・あの街の人達、とっても疲れてるように見えた」
「復興が半年前に始まったばかりらしいからな。完全に戻れるか分からない」
ゴードンの言葉を聞いてウタは胸にムカムカした思いを持ちながらもヒッコシクラブの上でエルマルが見えなくなるまで目を離さなかった。
〇〇〇
ウタとゴードンが去ったナノハナに1つの海賊船が着いた。
「つ、遂に来たべ〜アラバスタ!!」
船長である賞金首「人食い バルトロメオ 懸賞金8000万ベリー」もうすでに海賊串刺配信事件や市民放火などはやっていた為に高額だった。
「船長、とりあえずどうする?」
「新聞じゃ、あの人はこっからユバに行ったらしい!お前ら、とっとと砂漠を渡る準備をして行くべ!!聖地巡礼だぁ〜!!」
バルトロメオがそう宣言するとルフィと同じ所を見るために海賊団は準備を始めた。
はい、というわけでルフィのオタクであるバルトロメオ登場です。ウタがルフィの軌跡を辿っていく話なのでバルトロメオの登場は決めてました。
他にも色々と出すつもりです。
取り敢えず、エタりやすい質ですので一章ずつ出して暫く開けて出してを繰り返そうと思います。