いやぁ、今作は本当に書くと止まらなくなって出せるのが嬉しいです。
というわけでどうぞ!!
※この話は2年間の間の話です。麦わらの一味はそうそう出てきません。
レイリーについて行って13番GRまで来るとポツンと建ってるバーを見つけた。『シャッキー’S ぼったくりBAR』という大きな看板が掲げられていて見るからにボッタクるというオーラが強くてウタもゴードンも引いていた。
「シャッキー、帰ったぞ」
レイリーがそう言って店の中に入っていったのでウタ達も入っていく。中にいたのはショートヘアの美人のシャッキーだった。
「あら、珍しいお客ね。最近話題中の歌姫ちゃんと来るなんて・・・それにモンキーちゃんの事はいいの?」
「あぁ、基礎は仕込んできたからな。彼らは私の客人だ。ぼったくるなよ」
「わかったわ、狭い店だけどゆっくりしていってね」
ウタとゴードン、マーガレットはシャッキーにそう言われて奥の席に座らせて貰い、飲み物を出してもらった。
「はい、歌姫ちゃんと九蛇の貴女にはこれ。そこの優しい貴方はコーヒーでどうかしら?」
「ありがとうございます」
「ありがとう!」
「ありがとう」
ウタとマーガレットはジュースをゴードンはコーヒーを飲んで一息ついたらマーガレットはシャッキーに手紙を渡した。
「これは?」
「サンダーソニア様とマリーゴールド様からの手紙です。内容は世間話とのことです」
「あの子達ったら・・・ありがとうね・・・えっと?」
「申し遅れました。私は3ヶ月前から九蛇海賊団の船員に選ばれたマーガレットです!」
「よろしくねマーガレット」
シャッキーとマーガレットの話の傍らでレイリーは荷物を片付けカウンターに座って酒をグラスに注ぐと一息ついてウタに話しかけた。
「さて、何から聞きたいかな?お嬢さん」
レイリーが優しくそう言うとウタは被せるように言った。早く知りたかった。
「ルフィは・・・無事なの・・・?」
ハキハキとしたいつもの感じではなくウタの声は震えていた。まさかルフィは本当に死亡したのかと最悪の考えが頭を過ぎり続ける。
「無事だ・・・戦争の傷も乗り越えて今は鍛えている所だ。安心しなさい」
レイリーから言われてウタは涙を溢した。ルフィが生きてる。その事実に安心したのかポロポロと溢れてきた。ウタはそれに気づいて涙を拭いていくが止まらなかった。
「ご、ごめんなさい・・・すぐに・・・止め・・・」
「止めなくても大丈夫だよお嬢さん。安心して泣きなさい。無理に止めると泣きたい時に泣けなくなる」
レイリーにそう言われるとウタは蹲って泣き始めた。悲しみや苦しみから来る涙ではなくて安堵からくる嬉し涙だった。嬉しくてしょうがなくて笑いたいのに泣いていた。
暫くは話しかけられないのでシャッキーはレイリーに訪ねていた。
「歌姫ちゃんとモンキーちゃんは知り合いだったの?」
「幼馴染らしい、見聞色の覇気でも本当だった」
レイリーの言葉を聞いてシャッキーはまだ泣いてるウタを見て話題の種であるルフィを思い出して笑みを浮かべた。
「モンキーちゃんも罪な男ね」
「全くだ」
ウタが落ち着くまで店の中にいる全員は待った。
〇〇〇
暫くして泣き止んだウタはそれに頭を下げるとシャッキーに誂われていた。
「モンキーちゃんたら、こんなに可愛い彼女を放って置くなんて悪い子ね」
「か、彼女じゃ・・・ないよ・・・」
「真っ赤だけど熱?」
ウタはその言葉を受けて顔を真っ赤にしていた。あまりの赤さにマーガレットが熱かと心配すると大人達は微笑ましい光景に笑った。
「しかし、ルフィの幼馴染を助けるとはバギーは元気そうだったか?」
「おじさんは元気だったよ!私を助けてくれて・・・背中を押してくれて・・・凄く優しかった・・・色々と打算があったけど・・・」
「あいつらしいな・・・」
レイリーはバギーの事を聞いて笑うと酒を飲み始める。見習いだったシャンクスは十年前に来たがバギーは全然顔を見せに来ないから、少しだけ心配していたが元気な事が嬉しかった。
「あの、おじさんの事を知ってるならシャンクスの事も知ってるの?」
「シャンクスとも知り合いだったのか?」
「私・・・シャンクスの娘だから・・・」
ウタは消え入りそうな声でそう言った。この言葉にレイリーは驚いた。十年前に会った時にも何も言われず、エレジアの事は踏み入るべきではないと思って聞かなかったがまさか娘がいるとは思ってなかった。咄嗟に見聞色の覇気を使ったが真実だとわかっても受け入れるのは容易くなかった。
「まさか・・・嘘を言ってないのはわかる・・・しかし、エレジアは・・・いや私のような部外者が口を出すべき問題では無いだろう・・・その事を知ってる者は?」
「ゴードンとジャヤであった猿のおじさん達にバギーおじさんも知ってる」
「これ以上は広めないようにしなさい。でないと君は四皇クラスの海賊に追われてしまう。そしたら自分の命や大切な人の命まで危うくなる」
レイリーからの警告にウタは首を縦に振った。それを見るとレイリーはウタに聴いた。
「それでシャンクスについて何を知りたいんだ?」
「バギーおじさんが能力者になるまでシャンクスとの水泳対決で200連勝してたって・・・本当?」
「あぁ、本当だ。シャンクスには言うなよ。本人も案外200連敗を気にしてる」
レイリーはシャンクスとバギーの過去を話し始めた。
●●●
「なぁ、バギー」
「あっ、何だよシャンクス?」
「今日もやろうぜ」
「また負け惜しみを言うのか?」
「今日は負けねぇよ」
まだ、ロジャーが海賊王になる前、バギーが海賊見習いとして入った直後、シャンクスは同年代であるバギーが来てしかもロジャーを含めた他の船員達に可愛がられているのを見てシャンクスは凄く不満だった。自分の居場所を取られるかと思っていた。喧嘩はほぼ互角だった事もあって海賊なので水泳で対決していたのだがバギーは泳ぎが上手くシャンクスは負けてばかりだった。最初は負けたことに悔しくてしょうがなかったシャンクスだったが徐々にそれをやり続けて楽しくなっていった。負けようが勝とうが同年代と思いっきり競い合える状況が楽しくなり、バギーも楽しんでいた。
「ロジャー船長、また審判をやってくれよ!」
「おい、お前ら・・・その前に掃除をだな・・・」
「良いじゃねぇかレイリー。よし、ならあの岩まで行って先に戻ってきた奴が勝ちだ。よーいどん」
ロジャーがそう言うとシャンクスとバギーは船から飛び降りて少し離れた所にある岩まで泳いだ。最初は互角だったが徐々にバギーがシャンクスを離していき、最初に戻ってきて少し経ってからシャンクスも戻ってきた。
2人はロジャーらに上げて貰って息を整えていた。
「クソ・・・今のは練習だ、もう一回!」
「負け惜しみをするんじゃねぇ」
負け惜しみをするシャンクスにバギーは両手を猫の手みたいにして見せた。それはウタがルフィにやっていた時のポーズと似ていた。
「それやめろ、腹立つ!!」
「じゃ、勝ってみろよ!!」
「あぁ、勝って俺がそれをやってやるよ!」
「上等だ、2回戦だ!!」
盛り上がってるシャンクスとバギー。他の船員たちも捲し立てて行くがレイリーが2人の頭を叩いた。
「その前に甲板掃除だ!!終わらなかったら晩飯抜きだぞ!!」
いつものようにレイリーの鉄拳で2人の喧嘩は止まった。
〇〇〇
「負け惜しみのポーズ?」
「あぁ、こうやって両手でやってたな。まぁバギーが能力者になってからやらなくなってたがな」
レイリーは朧気ながらもポーズを真似してウタに見せた。ウタは昔、シャンクスが誂ってきた時に見せてきて、自分もルフィに対してやっていたポーズに似ていたので元はバギーおじさんだと分かると何だが知らない内に縁が出来ていたと分かって笑えた。
「どうしたんだい?」
「ううん、何でもない」
ゴードンがウタに訪ねてくるがウタは折角の自分だけがわかった面白い縁なので内緒にした。
「他にも色々とバギーとシャンクスの話はあるがバギーが能力者になってシャンクスに助けられた時の大泣きは凄かったな。あまりにも大泣きでロジャーが慰めていた」
「へぇ、おじさん・・・そんなに泣いたんだ」
「元々、気弱で臆病だったからな。シャンクスに勝ててた物も無くなって一気に不安になったんだろう。だが、喧嘩ばかりしてたが2人とも本当の兄弟のように仲は良かった」
レイリーは昔を懐かしみながら酒を味わっていた。またシャンクスとバギーと一緒に飲めたら飲みたいなどと思いながら飲んでいた。
「そう言えば、レイリー。モンキーちゃんとハンコックの仲はどうなってるの?遂にプロポーズした?」
シャッキーは結構通るような声で言った。ハンコックの惚気ぶりを知っているレイリーとマーガレットは冷や汗を欠きながら、ウタの方を見た。
「はっ?」
バリンッ!
ジュースの入っていたコップを握って粉砕した。更には目の輝きが少しばかり減っていたがすぐに正気に戻った。
「あ、コップが・・・ごめんなさい・・・」
「良いのよ安物だから、それよりも怪我とかしてない?」
「大丈夫です」
「良かった・・・で、レイリーどうなの?モンキーちゃんとハンコックの結婚式はいつ?」
「そんなの決まってないぞ」
ウタはそれが聴こえると安堵した。どうやらそういった話は無いようだったがそのハンコックという人物が気になり、マーガレットに訪ねた。
「あの、ハンコックって人の写真とかある?」
「蛇姫様?勿論あるよ、美しいお姿を見てると頑張れるから、昨年から船員に渡されてるんだ」
マーガレットはそう言ってハンコックの写真を渡した。抜群のプロポーションであり、世界一の美女と豪語するだけの美しさだった。
(うわ、凄い綺麗な人・・・)
あまりの美しさに写真なのに光を放っているようにウタは見えた。そして抜群のプロポーションを見て自分の体つきを比べてしまい、ハンコックに比べて貧相な自分の体を見て落ち込んだ。
ズーンと言う音が聞こえそうなほど落ち込んでるウタ。シャッキーはそれを見て笑うとまだまだレイリーに聴き続けた。
「そう言えばサンダーソニアからの手紙で料理が上手くなってるらしいわね。特にモンキーちゃんの大好きな肉料理が。マリーゴールドからも甲斐甲斐しく世話をしようとしている姿が新鮮らしいわよ」
グサグサとその言葉がウタの心に刺さる。実際は
『ルフィ、妾と結婚して欲しい』
『ハンコック、俺の為に色々とありがとう。これからは結婚して一緒に暮らそう!』
『ルフィ、大好き!!』
ウェディングドレス姿のハンコックと新郎姿のルフィによる寸劇まで想像してしまってウタはより落ち込んだ。
(そうだよね。私が会ったのは10年以上前でそれから音沙汰ないし、最近までルフィの現状を知らない女よりも尽くしてくれる人の方がルフィも良いよね・・・料理だってパンケーキ以外はあまり上手じゃないし、甲斐甲斐しく世話ってキャラでもないし・・・)
ウタはドンドンと暗くなっていき、これ以上聞くとさっきとは違う意味で泣きそうになってきた。それを間近で見ていたゴードンは助け舟として立ち上がった。
「さてと、そろそろ私達もホテルに戻ろう。夜になると危険だからね」
「・・・そ、そうだね・・・お邪魔しました」
ウタとゴードンはそう云うとBARから出てホテルに戻っていった。2人が去ったのでレイリーはシャッキーに呆れた目を向けた。
「なんであんなデタラメを?」
「歌姫ちゃんが可愛くてね。それにあれだけ分かりやすく惚れてるのにあれじゃ、実らなそうだったから」
「はぁ~・・・」
レイリーはシャッキーのオバサン臭い誂いに呆れて、マーガレットはジュースをお代わりして味を楽しんでいた。
〇〇〇
あの後、無事にホテルに着いたウタは借りてる部屋のシャワーを使っていた。
汗を落としつつもルフィの事を考えていた。
「ルフィは生きてた・・・凄い嬉しいけど・・・複雑だなぁ・・・」
生きてる事は良かったがまさかあんな美人と一緒にいるとは思ってなかった。実際は一緒にいないがウタはシャッキーの言葉からのルフィとハンコックがほぼ同棲をしているものだと勘違いしていた。
「あれに比べたら私の体は貧困だしなぁ・・・ルフィも大きいのが好きかも知れないし・・・」
世界一の美女であるハンコックと比べるウタ。やってて物悲しさを感じた。
(・・・やだ・・・やだやだやだやだ!!!!ルフィが誰かと結婚するのなんて想像するのも嫌!!負けるもんか!!世界一の美女がなによ・・・私は世界一の歌姫になる女よ、負けるもんか!!)
大切なルフィに対する感情が爆発したのかウタはそう決意して打倒ハンコックと燃えていた。
〇〇〇
「くしゅん!」
女ヶ島に一先ず戻る航海の途中でウタが燃えてる時と同時刻、ハンコックはくしゃみをした。
「姉様、風邪?」
「なにか羽織る?」
妹の2人が気遣って来るがハンコックはかなり鋭い目つきをした。
「違う、ニョン婆が言っていた。突然のくしゃみは“恋敵”が生まれた証拠と!つまり、ルフィを狙うポッと出の泥棒猫が現れたと言う事じゃ!!」
怒りの炎を燃やしてるハンコック。サンダーソニアもマリーゴールドも突拍子もない事に呆れていた。
「妾は負けぬ!!ルフィは絶対に渡さぬ、何故なら妾は美しいから!!」
ハンコックはそう宣言して見下しのポーズを取った。奇しくもその指先はシャボンディ諸島を指さしていた。
こうしてグランドライン前半の海で新時代まで続く仁義なき女の戦いが始まった。
というわけで、ウタVSハンコックの火蓋が切られました。世界一の歌姫VS世界一の美女。早く続きを書きたいです。
シャボンディ諸島は後1話にするか2話にするか迷ってますが後の頑張りはマーガレット次第です。
そろそろタグにバギーを入れようか割と本気で迷い中なのが悩み