“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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お待たせしました!!本当なら明日に出すつもりでしたが皆様の感想が早く読みたいのでフライングで出します!!
その代わり、章分けは明日までお待ち下さい。
というわけで第二部の修行編の開幕です!


※この話は2年間の間の話です。麦わらの一味はそうそう出てきません。


“奇跡”的な世界
Mister


時間はウタがシャボンディ諸島に居たときまで遡る。

レイリーはルフィの服を作ってるウタに聴いてみた。

 

「ルフィは新世界を色々と旅をすると思うが君はルフィに付いて行く気かね?」

「ううん、付いて行く気はないよ」

「ほう、どうしてだね?」

 

レイリーはついて行く気がないウタに少し興味が出たのか訪ねた。

 

「ルフィにはルフィの冒険があるし、私にも私の旅があるから・・・ただ新世界のどこかで1回あってお互いに色々と話したいなぁ・・・」

 

それを聞いてレイリーは少しだけ安心した。今のウタがルフィらの冒険についていけるとは到底思えなかったのだ。明らかに色々と不足していた。もしもついて行く気なら止めるつもりだったがそうじゃないなら、なんとか助言できそうだった。

 

「なら、新世界で誰かの庇護下に入りなさい。向こうは前半の海と違い、四皇が支配する海。カタギとはいえ過酷なのには違いない。それに何の能力かはわからないが君の今つけてる海楼石をみるに・・・」

 

レイリーはウタが海楼石を身に着けてるのを気づいていた。見聞色の覇気でウタの長手袋の中に入ってるのがわかったからだ。話しながら酒を一回呑んで続けた。

 

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レイリーの指摘にウタに緊張が走った。ズボシだったからだ。トットムジカでエレジアを滅ぼした事を知ってからと云うものウタは自分の能力が嫌になっていた。バギーに海楼石を貰ってから、自分の歌は取り戻したが依然としてウタウタの実は嫌いだった。

 

「新世界では自分の力を信じれぬ者や驕れる者はすぐに潰される。カタギでもそれは関係ない・・・ルフィに会うつもりなら自分の能力に向き合わないといかんな・・・それこそ怖いなら誰か知り合いの能力者に教えて貰えばいい」

 

レイリーの言葉にウタは考えた。自分の知り合いで能力者でなおかつ庇護下に入ればなんとかなりそうな人物は1人しか思いつかなかった。

ウタはその後でエレジアに戻って映像電伝虫を持ってゴードンと分かれてレッドラインを横切る商人の一団に歌払いで乗せてもらってその知り合いの所まで来たのだ。

 

 

 

 

〇〇〇

「だから、おじさん。私に能力の使い方を教えて!」

「能力は教えられるもんじゃねぇよ、バカ娘!」

 

本部にある座長部屋のソファーに座ってあっけらかんと言ってくるウタにバギーはツッコんだ。能力なんて個人で鍛える物であって教える物ではない。ましてやウタのように特殊すぎる能力をどうやれば良いのかバギーには検討もつかなかった。

 

「やっぱりダメかぁ〜」

「当たり前だろお前、そもそもあんな初見殺しみたいな能力をどうやれば、俺様に教えられるんだよ」

「その・・・使う意気込みみたいな感じを・・・」

「派手バカアホボケ!!」

 

どことなく甘い考えでやってきたウタにバギーは割と本気で説教を始めていた。自分で切り開いていく物を人に教えて貰おうなど大甘も良いところだった。とはいえ、新世界での活動をやる危険性もバギーは考え始めていた。

 

(もしここで俺がコイツを追い出して下手な考えのままでなんかあったら今の派遣業に影響が出るんじゃ・・・だったら、逃げ方とかそう言うのは教えて後は勝手にさせた方が良いんじゃ?)

 

バギーはあくまでも自分の仕事と金集めに影響を与えない為に考え始めた。傭兵を派遣する非加盟国でも人気なウタを連れてそこでタダでライブすれば更なる人気と派遣をされるのではと考えてバギーは深い溜息を吐いた後で向き合った。

 

「能力は自分でやるしかねぇが戦い方と庇護下に入るって事はOKにしてやるよ・・・・すげぇ嫌だけど!!」

「本当!!?」

 

嫌そうに言ってるバギーにウタは笑顔で喜んだ。その無邪気そうな顔をぶん殴りたくなるバギーだったが堪えた。この苛立ちはシャンクスに会ったときに百倍にして返そうと誓うとそもそもの疑問点をバギーはツッコみ始めた。

 

「そう言えばシャンクスに会わねぇのか?一応、連絡先なら知ってるぞ?」

 

バギーは四皇であり父親であるシャンクスの方がより安全で強くなれると思ってウタに聞くと神妙な顔つきになった。

 

「シャンクスには頼らない」

「何で?」

「11年前の事で恨んでたし、真実を知ってから感謝もしてるし、会いたいって思ってるけど・・・じゃ何で1回も手紙すら寄越さなかったの?」

 

少し蹲って答えるウタ。声からは怒りや悲しみなど色んな感情が抑えられていて一言では言い表せないほど複雑だとバギーは悟った。

 

「ここで私から会いに行くのも凄い癪に障るから、死んでも私から行くもんか。シャンクスが自分から来たら、ぶん殴って喧嘩して色々と言いあってどうするか決める!」

(いや、巻き込まれる俺様の身は!!?)

 

完全に父娘喧嘩中の娘の反応だった。

そんなのに巻き込まれたバギーは溜まったもんじゃなかった。さっさと引き取りに越させようか迷ったがシャンクスの性格を知ってるバギーは事情を説明しても任せてきそうで上手くいかない予感の方が高かった。寧ろ、そこから同盟とか結んできてより色んな所から目をつけられる厄介な状況になりそうだと直感した。

 

「頑固父娘が・・・わかったよ!その代わり、俺のやってる海賊派遣には何も言うな。後、週一で歌を手下共の前で歌え、ファンが多いからな。それが条件だ。ぶつくさ言ったら海に沈めるからな!?」

「おじさん最高!」

 

嬉しさのあまり抱きついてくるウタをバギーは体をバラバラにして避けた。鬱陶しいかったからだ。

 

「え〜、なんで避けるの?カワイイ姪っ子が抱きついて来てるのに??」

「自分で言うな、派手バカ娘ェ!!」

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

カライバリ島の森の中でウタは作業服のような動きやすい服を着てバギーと向かい合っていた。バギーの手にはピコピコハンマーが握られていた。

 

「よし、新世界で海賊が上り詰めるには覇気って力が必要だ」

「ハキ?」

「まぁ、俺も出来ねぇから詳しくは分からねぇ。出来ればロギアの能力者でも殴れてどんな攻撃でも避けて自分よりも格下なら手も触れずに気絶させられる力だがそんなのは教えられねぇ。だが、お前の能力は歌を聴かせれば確実に勝てる。なら、どんな体勢だろうがどんな状況だろうが歌えるようになれば良い」

 

バギーはピコピコハンマーの先に絵の具を塗って軽く振って振り心地を確かめると笑った。かなりの悪人顔だった。

 

「これから徹底的に殴って蹴りに行くからお前は海楼石を持ったまま避けろ。体力がより付くからな。名付けて“避けて逃げて気づいたら夢の中大作戦”!!」

「うん、わかった」

 

ウタの声を聞くとバギーは容赦なくウタの頬をピコピコハンマーで殴った。痛みは感じなかったが頬には絵の具がついた。

 

「もう始まってるぞ、これが全部避けれるようになったらナイフに剣に金棒に銃に大砲と色々と変えていくからな。気を抜くと・・・・すぐに死ぬぞ」

 

本気の声だった。ウタは久しぶりに本気でバギーが怖いと感じるとすぐにピコピコハンマーで殴ってくるバギー。ウタはそれを避けたが蹴りを入れられて吹き飛ばされた。

 

「バカ、ハンマーだけでやってくる素っ頓狂がいると思うか!?集中しろ!」

 

本気で怒鳴ってくるバギー。ウタはすぐに立ち上がった。自分の旅の為に始めた事であり、バギーには色々も迷惑を掛けてるのに情けない所は見せたくなかった。

 

「よし、来い!」

「いい根性だ!!」

 

意気込むウタに詰め寄ってバギーはまたピコピコハンマーで殴った。

 

 

 

 

〇〇〇

1日で全身絵の具まみれと痣だらけになったウタは体を綺麗にした後で座長室で新聞を読んでいた。テーブルには世経だけじゃなくて海賊向けのブルーベリータイムとか世界にある殆どの新聞が置いてあった。

 

「お前はまだまだ世界の事を知らなさすぎる箱入り派手バカ娘だ。色々と旅して多少はわかったなら視野をより拡げろ」

 

バギーはそう言って新聞を読ませまくった。世界を知らない旅する前のウタなら影響があったかも知れないが色んなとこで旅をして人脈を拡げていったウタはあくまでも情報としてそれを処理できていた。

バギーはそんなウタの隣で財政の計算を始めた。毎日毎日宴会で食費がかなり嵩んでいるので備蓄は少ない方なので削れる所が無いか探していた。

 

(クソ・・・借金を返さないといけねぇのに食費で殆ど消えてやがる・・・どうしよう?)

 

考えても妙案が浮かばないバギー。もうすぐ宴に出ないといけないのにこのままだと金を借りてるクロコダイルにやられると本気でビビっていた。

 

「おじさん・・・」

「あ、なんだ?」

「本当にありがとう・・・私、おじさんしか気軽に頼れないから・・・」

 

ウタの本音にバギーは手を飛ばして頭を撫でてやった。頼られるのは純粋に嬉しかったからだ。色々と胃痛が辛いがなんだかんだ言って純粋に慕ってくれるウタをバギーは気に入っていた。

 

「アホ、こんな悪党を慕うバカがいるか。とっとと鍛えて何とかなったら出てけ」

 

自分が骨の髄まで海賊なのを理解してるバギーはそう言った。悪態をつくバギーにウタは笑うとグシャグシャと雑に撫でられた。

 

「あぁ、髪が!!おじさん酷い!」

「さっさと勉強して寝ろ。明日も早いからな!」

 

バギーはそう言って座長室から出ると大広間に着て体を大きく見せるために赤いローブを羽織って傘下の奴らの前に来た。

 

「よぉ、オメェら盛り上がってるかぁ!?」

『キャプテン・バギー!!』

『盛り上がってるぜぇ!!』

『毎日が最高!!』

『バギー!バギー!バギー!バギー!バギー!』

「そうかぁ、まだまだ盛り上がるぞ!!飲んで食って騒いで楽しめ!!」

『うぉぉぉぉぉー!!!』

 

 

 

 

●●●

それは古い記憶だった。

バギーがバラバラの実を食べてシャンクスに助けられてレイリーに仲間を騙した罰として甲板掃除と夜の見張りをさせられていた時だった。

大泣きしながらやっていた。

 

「くそっ、なんでこんな事になってんだよ〜」

 

全ては金欲しさに色々とネコババしようとしたバギーの自業自得であるがバギーはカナヅチになった悲しみの方が大きかった。見張りの仕事も嫌になってオーロジャクソン号の端でバギーが蹲ってると後ろから足音が聴こえてきてバギーは振り返った。

 

「バギー、調子はどうだ?」

「船長・・・」

 

バギーに話しかけに来たのは後の海賊王ゴール・D・ロジャーだった。いつもなら酒瓶を持ってるロジャーだが今日は何も持ってなく、バギーの横に座った。

 

「泳げなくなったのは残念だが、まぁ気にするな。俺やレイリー、シャンクスが助けてやる!」

 

バギーの肩をパンパンと叩いて安心させようとするがバギーは体を小さくさせたままだった。

 

「船長、ごめんなさい・・・」

「ん?何がだ?」

「騙そうとして・・・宝の地図も・・・」

「そんな小さい事、いちいち気にしなくて良い」

 

バギーは泣きながら謝るがロジャーは全て笑って許していた。懐の大きい船長だった。

 

「船長・・・お願い・・・捨てないで・・・」

 

孤独のバギーはそう言った。金になるものは全て無くなり、誇れる物すらも出来なくなったバギーは不安でそう口走った。するとロジャーから拳骨が振り下ろされてバギーは頭を抑えた。

 

「バカ!俺達が大事な仲間を見捨てるか!」

 

本気の目だった。バギーに対してロジャーは本気で叱ってきた。けど、何も無くなったバギーは更に口走った。

 

「でも、俺・・・弱いしヘタレだし、何も出来なくなっちまった・・・泳げなくなったし・・・」

「だったら、新しい出来ることを見つければいいだろうが、まだまだ若いんだから何でも出来らぁ。それに悪魔の実を操れればきっと強くなる。頼りにしてるぜ!」

「本当・・・?」

「あぁ、んでもっと誇れる物を見つければ良い!自分(てめぇ)自分(てめぇ)の幸せを狭めるな」

 

ロジャーの暖かい言葉にバギーは嬉しくなった。自分が弱いことも気弱な事も充分に理解していたバギー。だから宝があって船を降りれば迷惑を掛けずに済むし、楽に生きれると思っていた。

そう考えていたバギーだがもう船を降りる気持ちは無かった。

 

「船長、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!俺もう船を降りようとも思わねぇ!!船長の役に立ちてぇ!!・・・この船にいたい!!」

 

バギーはそう言ってロジャーに抱き着くと頭を撫でられた。海賊だからなのか雑で髪がぐしゃぐしゃになったがバギーにはそれが堪らなく心地良かった。

 

「バギー、何があってもお前は俺の仲間だ。これからも頼りにしてるぜ。俺は1人じゃ何も出来ねぇからな!」

「おう、任せてくれぇ!!」

 

バギーは顔面から涙や鼻水など出るものを全て出しながらロジャーにそう言った。

その日の夜、2人は一緒に見張りをしながら楽しく過ごした。それを船室から見ていたシャンクスはロジャーとまるで親子のように接してるバギーに少しだけ羨ましいと思いながら、また寝た。

 

 

 

 

 

〇〇〇

宴が終わり、酒に酔っていたバギーは頭を抑えながら懐かしい夢を見た。

自分とロジャー船長だけの大切な思い出を久しぶりに見て懐かしくなっていた。外を見るとまだ夜でバギーは部屋で寝ようとローブを脱いで座長室に戻っていく。他の面々を起こさないように静かに座長室に戻るとウタがソファーで寝ていた。

 

「ったく、ベッドを使えって言っただろうが・・・」

 

バギーにとってウタは大事な派遣業の成績を上げるために大切だった。だから、座長室で住まわせる事にしたし、ベッドも使えと言ったのにソファーで寝たら意味がないとバギーは呆れながら、ウタを抱えてベッドに連れていった。ベットで横にさせて布団を掛けてやるとバギーは自分の机に戻って外を眺めていた。

まだ外でもどんちゃん騒ぎをしてる奴らがいて楽しそうだった。

 

(俺はロジャー海賊団の恥晒しだ。カタギには手を出したし、金にがめついし、弱い・・・あんな夢、もう見ないと思ってたのに・・・)

 

バギーはそう思いながら、昔の光景を思い出していた。シャンクスは大嫌いだが、あの時の冒険は大事な思い出だった。しかし、弱く。ロジャーの処刑後にその名前の重さに堪えきれずに全てを隠して生きて海賊をして極悪になった。それなのに今の地位がその思い出で作られている事、自分の見栄を貼る質でそれを作り上げてきた事にウンザリしていた。弱くて情けない自分にバギーはうんざりした。

 

「船長、俺はまだロジャー海賊団って名乗って良いのかな?」

 

その呟きに応える者は誰も居なかった。

 









バギーとウタの修行が始まりました!!
そして、本格的にバギーが話に組み込んで来ます!これはマジで当初の予定とは違います。最初の構想では前回のバギー編の後でちょくちょく出そうかな?というノリでバギー編を出してましたが、予想外の人気と書きやすさと書いてて面白かったのもあってドンドンとより書きたい欲に溢れたのでこの修行編を始めました!!
この章で目指すのは前回のバギー編の逆!!
バギーがウタを助けるのではなく、ウタがバギーを助ける事を目指して書きます!!
次回もお楽しみに!!次に登場するのはあの男です!!
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