“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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次の話で修行編自体は終わります。
そこから、割とどうするべきか迷っててルフィらの再結集は1話かけてちゃんとやりますが、そこまでの物語は悩み中です!


Sir Clocodile

バギーの元で修行を始めてから2週間。

ウタはピコピコハンマーが避けられるようになるとナイフをバギーから投げられて追われていた。

 

「イヤァァァァァァァァァ!!!!」

「おらおらおら、もっと冷静になって避けろ!!」

「ちょっ、危ないから止めて!!」

 

割と本気で投げて追っかけてくるバギーにウタは叫びながら逃げていた。一応、バギーは当てないようにしてはいたが刺さると死ぬという恐怖に怯えてかなりへっぴり腰になりながら大きく避けて逆に当たりそうになっていた。

 

「そんなにド派手に避けるな!変な形のボールだと思え!」

「そんな事、言ったってぇ!」

 

泣き言を言うウタにバギーはまたナイフを投げた。それはウタの目の前スレスレを通って近くの木に刺さり、ウタは足を止めた。

バギーは容赦なくウタの周りにナイフを投げて動けなくさせた。

 

「だから、落ち着いて見ろって言ってるだろうが!!」

 

バギーは腕を飛ばしてウタの頭を叩いた。

頭を抑えるウタはバギーを恨めしそうに見るが睨み返されていた。

 

「いいか、おめぇは戦闘経験が欠片もねぇ。こういった時は落ち着かねぇと意味がねぇんだよ!」

「じゃ、おじさんはビビらないの!?」

「派手バカ娘、俺はな能力で斬撃が効かねぇからビビるとかビビらない以前なんだよ!」

「ズルい!!」

「ズルくねぇ!」

 

師匠と弟子の関係になってしまったバギーだが、ウタ自身に戦闘経験が殆ど無いのもあって教えられる事は多かった。どのみち覇気は教えられないので逃げ方とか避け方とかだけでも覚えとけばウタウタの実の力で何とかなると思ったからだ。

 

「ほら、さっさともう一回やるぞ。その次は上だからな」

 

バギーはそう言ってまたナイフを投げて追いかけましていく。

 

 

 

〇〇〇

ウタがやってきてからバギーズデリバリー本拠地より少し外れた所に高い平均台のような綱渡りをするような置物が置かれた。高さは数十メートルくらいあり、鉄骨で出来ていて4本あり、真上から見ると正方形に見えるようになっていた。四角は少しだけ広くなっていてウタはその1つの角に登ってくるとすぐに鉄骨を歩き始める。なぜなら金棒を持ったバギーが追いかけてくるからだ。

 

「落ちたら、派手に死ぬから集中しろ!」

 

そう言いながらアルビダの金棒をウタに対して容赦なく振り回してくるバギー。ウタは足場の悪い所で走って逃げられるほどバランス感覚をほぼ無理矢理作らされていった。元々身体能力は高い方だったが教えることに関してはド素人のバギーの無茶苦茶な修行方法と何回も訪れた命の危機にウタの身体能力は上がっていった。

 

1時間、鉄骨の上で金棒を振り回してくるバギーから何とか逃げ切ると地面に降りるがウタは毎回横になっていた。

 

「地面が私を愛してる〜、私も地面を()()に愛してる〜」

 

2週間の間にバギーの影響を受けまくっていたウタだった。ここ最近はド派手とかという言葉をよく使うようになっていた。と言ってもバギーよりは少なくテンションが上がってる時だけだった。

 

 

地面に降りて暫く休憩したら、ウタは木の棒を持ってバギーの攻撃を受けていた。

 

「へっぴり腰になるな!ちゃんと受け止めろ!お前の能力なら少しでも止めれば派手に勝つんだ!」

 

容赦なく木の棒を振ってくるバギー。ウタはウタワールドでの戦闘とは違って実に不自由な事をやっていた。殴られると痛いので腰が引けてしまってキチンと止められてなかった。寧ろ、バギーの攻撃がドンドンと早くなってくる。何回もこの後で棒を飛ばされて叩かれてるのでウタは勇気を出してちゃんと腰を据えて受け止めた。

 

「やった!!」

「バカ」

 

しかし、たったそれだけでウタは気を抜かして喜んでしまい、バギーはバラバラにした左手を飛ばして上からウタを叩いた。頭を抑えるウタにバギーはまた攻撃し始める。

 

 

 

〇〇〇

次の修行は船のマストの上で先程と同じ事をやっていた。2人共、振りやすいように棒はサーベルと似たような感じの長さでやっていた。

 

幾ら港につけてるとはいえ、揺れてる船のマストの上なので足場は最悪だった。バギーは船の上での戦闘を理解していた。何年も海賊をやってきた経験から足場が劣悪であればあるほど鍛えられると。

人に教えるという事は精々、見習い時代にシャンクスに対してより速く泳ぐために泳ぎを教えた事以外は初めてだったバギー。無茶苦茶な内容ばかりだが幼い頃から赤髪海賊団に乗っていたウタの血が戻ってきたのかみるみる向上してバギーも内心ホッとしていた。

 

「オラ!」

 

バギーの攻撃を上手く受けられず、ウタはマストにぶら下がる状態になる。バギーはそれを見て冷酷にもウタの手を踏み付ける。

 

「おじさん、セコい!」

「戦闘にセコいも汚いもあるか!お前が教えてるのは海賊だぞ!!眼の前で勝てそうなのをほっぽり出す素っ頓狂がいるか!その体勢になったお前が悪い!」

 

バギーは極めて冷酷だった。普通なら助けようとするかも知れないがバギーにとってウタは海賊派遣の為の宣伝に必要なだけであってそこまで個人的な思い入れは無いし、敵は確実に殺しに来るのに一々愚痴ってたら話にもならんのでバギーはウタを蹴り落とした。

 

だがウタも元からあった身体能力の高さを駆使してマストから垂れていたロープを掴んで上手く着地した。バギーがウタの為にやっておいた緊急の安全ローブである。

 

「本当に落とす人がいる!?このデカっ鼻親父!!」

「さっさと上がってこい!まだまだ派手にやるぞ!!」

「今度は私が落としてやる!!」

 

流石に何回もコテンパンにやられるとウタもキレてきて倒そうと躍起になり、勢いよく上がっていくが能力ありならまだしもそんなド素人のウタに負けるバギーでもなく、また落としていた。

 

 

 

 

 

〇〇〇

体の方が終わるとウタは新聞を座長室で読み、バギーも本を読んでいた。バギーは本の類が大の苦手である。寧ろ、進んでは読まない。しかし、ウタが座長室で勉強し始めてるとウタから絡んできた。

 

「ねぇ、おじさん。ここの革命って何が原因だったの?」

 

何気なしに聞いてくるウタ。バギーからすればそんなもんは知らんと冷たく返してたが気になると止まらなくなるウタの質もあってバギーは片っ端から本を集めてそれを資料にさせて読ませていた。そうすると自分の金で買ったということもあってバギーも読み始めていた。

 

お互いにお互いの生活に影響が出ていた。

 

「おい、そろそろ準備しろ。ライブだ」

「あ、そうだね。わかった!」

 

週一のライブの為にバギーとウタは部屋を出て準備を始めた。ウタは白を基調としたいつもの衣装ではなく、赤いスーツのような衣装を着ていた。バギーはいつも通りのローブを着ていた。

 

バギーズデリバリーの広間の上にはカバジの曲芸用の綱渡りの綱があるがライブの時にはそこにもう1本の綱が張られて板が敷かれる。

 

『オメェら!!今話題の歌姫のUTAのライブの始まりだぜ!!楽しんでいくぞ!!』

 

バギーの号令と共に熱狂する手下達。

ウタは空中の板の上に立った。

 

『UTA!!』

『今日も可愛いなぁ!!』

『俺と熱い1夜を過ごそうぜ!!』

『どけ、今日こそはパンツを見るんだ!!』

『馬鹿!だからスーツを着てるんだろうが!!』

 

マナーの良いとは言えない客なので割とゲスい事も平気で言ってくるがバギーに気に入られているというのもあって邪な事を実行する輩はおず、ただの悪ノリに近かった。

 

『今日も歌うよ!!それから私の下着を見る()はもう決めてるから無理!!』

 

ウタもそう返すと曲を歌い始めた。『風のたより』に『ヒカリへ』がここでは大人気だった。特に『ヒカリへ』に関しては初のお披露目がバギーのビックトップ号というのもあってバギーズデリバリーは自分達のテーマ曲だと認識していた。

 

 

 

 

〇〇〇

ライブも終わり、バギーは上機嫌になって酒瓶を持ちながら座長室にウタと一緒に戻っていく。

 

「おじさん、あんまり飲まないでよ」

「わかってるってお前は俺のおかんか?」

「え〜、やだ!こんなかっこ悪いの」

「んだとこの小娘!」

 

じゃれ付きながら部屋に戻っていく。まるで親子のように接してる2人が座長室に入ると1人の男がソファーの上に座っていた。

 

「クハハハハハ・・・バギー、久しぶりだなぁ」

 

その男は黄金の鉤爪の男、クロコダイルだった。バギーは借金をしてる相手が突然来たことに固まった。

 

「クロコダイルゥ!?なんでここに!!?」

「え?クロコダイルってビビの国を滅茶苦茶にした!?」

 

ウタは眼の前の男が友達の国を滅茶苦茶にしたやつだと知ると睨んだ。クロコダイルはそんなのは別に慣れてるので気にしてなかった。

 

「最近の羽振りが良さそうでな。金を返して貰いに来た。インペルダウンで共に脱獄したよしみで貸してやったがそろそろ返せ」

「ま、待て!!ほら、俺達って大所帯だから食費とか移動費で無くなってて・・・」

「毎日の宴会を週一にすれば2週間で20億ベリーは貯まるだろうが・・・しかも高い酒に肉に魚を買い占めやがって・・・」

「だってアイツら、派遣先で頑張ってくれてるからよぉ。旨いもん食わせないと割に合わねぇだろうが・・・」

 

バギーは金がなくなる理由を述べていくがクロコダイルはうんざりした様子でバギーの首を掴んで締め上げる。

 

「おじさん!!」

 

ウタはクロコダイルを殴っていくがロギアの力で当たった所が瞬時に砂になっていくので効かなかった。鬱陶しく感じたクロコダイルはウタを殴り飛ばす。バギーは持っていた酒瓶をクロコダイルに投げつけるが軽く避けられてウタの方に投げ飛ばされた。

 

「歌姫UTA・・・裏世界の好事家で人気がある・・・借金の形には丁度いい・・・」

 

ウタに近づくクロコダイル。バギーはそんなウタの前に立った。

 

(ここでコイツになんかあったら、派遣業に支障が出ちまう!!)

 

あくまでも派遣業優先のバギーはウタを守ろうと立って、クロコダイルに頭を下げた。

 

「頼む、コイツだけは手を出さないでくれ!!金は必ず返す!!だからコイツだけは!!」

 

土下座してまで頼み込むバギー。クロコダイル的には金を返してもらえば充分なので脅しにはちょうど良かったと思うことにした。

 

「良いだろう、2週間後に借金と利子の分を合わせて16億ベリー返せなかったら、そこの娘を好事家かもしくは天竜人にでも売ってやる」

 

クロコダイルはそう言うと体を砂にして消えた。

ウタはバギーの所に行くと、バギーは頭を抱えていた。

 

「おじさん、大丈夫?」

「大丈夫じゃねぇよ、どうしよう16億ベリーなんて大金、用意出来ねぇよ!!」

 

旅をやり続けて16億ベリーがどれほどの大金なのかウタにもわかった。恐ろしいくらいの大金だったがクロコダイルはヒントもくれた。

 

「でもおじさん、宴会を週一にすれば」

「出来るわけねぇだろうが!!毎日、派遣に行って帰ってきてるってのに旨い飯も酒もなかったら辛いだろうが・・・」

「説明すればわかってくれるよ!」

「無理だ・・・俺は弱い・・・全部ウソとハッタリだけで成り上がってきた。こんなのを明かしたら、全員居なくなって全てが水の泡になる!」

「そんな事ないよ!」

「あるんだよ!!力が弱い!嘘だらけ!!こんな俺が力を得るにはこんな事をやって引き繋ぐしかねぇんだよ!!ここは“海賊”の世界だ!!」

 

バギーは自分の事を良く知っていた。弱いし、嘘だらけ、調子乗り、そんなバギーは人を引き止めるのには宴しかないと思ってた。だから、飢えだけはないようにしてきた。そんなバギーに宴を止めろと言うのは自分の勢力を全て捨てろと同じ事を言われているようだった。

 

「・・・一緒にどっかに逃げるか?」

 

バギーはウタにそう言った。派遣だけではなく、バギーもウタと居て楽しいからこそ、不幸になって欲しくない。そう言うとウタは目を丸くさせた。

 

「ちょっと待ってよ。ここで逃げたら、ここの人達はどうなるの?色んな考えはあるとして、おじさんを慕って集まってくれた人達じゃない!!裏切るの!?おじさんの庇護下じゃないとまた、ただの海賊になるんだよ!?」

「あぁ、所詮は他人だ・・・信頼で飯は食えない」

 

他人の人生などお構いなしなバギー。ウタはそんなバギーの頬を思いっきりビンタして殴り飛ばした。

 

「最低!!私は・・・こんな・・・こんな人に・・・」

 

ウタは涙を溜めながら、バギーを睨んだ。信頼していた。カッコイイと心から思っていた。ルフィにとってのシャンクスのように偉大な男だと思ってたのにその全てを裏切られた気がした。

 

「おじさんなんか大っ嫌い!!」

 

ウタは腕に付けてたトレジャーマークをバギーに向かって投げて部屋を出た。

1人残されたバギーはトレジャーマークを取りながら、握りしてめいた。

 

「ロジャー船長・・・やっぱり俺には無理だ・・・アンタみたいな男になれねぇ・・・レイリーさんみたいに強くもなれねぇ・・・ギャバンさんみたいに勇敢にもなれねぇ・・・おでんさんみたいに挑戦も出来ねぇ・・・シャンクスみたいに優しくもなれねぇ・・・俺はロジャー海賊団の汚点だ・・・恥晒しだ・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」

 

バギーは蹲りながら、今まで利用していた大事な大事な思い出と大切な人達に謝っていた。












というわけで借金取りのヤクザなクロコダイルさんも来ました。この章はウタとバギーの物語ですので次回をお楽しみに!!果たしてウタはバギーを助けられるのか、頑張ります!!
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