次回でアラバスタ編は終わります!
今作は短期集中不定期更新にする気なので次回が終わると少しだけ時間を空けますので悪しからず。
※今作は2年間の間の話です。なので麦わらの一味はそうそう出てきません。
明日には復興祭が始まるのでユバの街も昨日より活気に溢れていた。
朝からゴードンもウタも明日のライブに向けての調整をしていて、それが終わって後は本番を待つだけになったが終わった時はもう既に夕方だった。
「よし、これで明日の準備は完了!」
ウタはそう意気込みをしつつもビビとの約束は流石に時間が遅くなって無理かもと思った。悪い事をしちゃったかなと思いつつも遅れた事は謝らないとと決めてビビを探してると彼女は大きな門【UKKARI hot-spring island】の前にいた。
「ウタ、こっちこっち!」
呼ばれてウタは門の前に行くとビビとカルーが桶にタオルと洗剤を入れて持っていた。カルーは2つも持っていた。
「それ何?」
「これ?桶と洗剤とタオル」
「いや、なんで持ってるの?」
「これから温泉に行こう!」
「温泉?」
ウタはビビに引っ張られて門を潜ると頭の上に客席を載せたヒッコシクラブが何体もいた。結構壮観であるが暗い場所なのでウタは普通にビビった。
「え?なにこれ?」
「温泉行きのヒッコシクラブ。明日に備えてゆっくり汗を流しましょう!」
「へぇ~、そんなのあるんだ・・・入ってみたい!」
好奇心旺盛なウタは入ってみたいと思い、ビビの誘いに乗った。カルーから用意してくれていた洗剤セットを貰ってウタ達はヒッコシクラブのハサミの上に乗って出発した。
女好きのハサミはビビに加えてウタもいる事にご満悦で何時もよりも速度が速かった。
ウタは親しくしてくれるビビに感謝しつつもなんでこんなにやってくれるのか不思議だった。
「ウタ、もうすぐ着くわよ」
「え、もう?早い!」
ビビやカルーと一緒に客席の前に来てハサミがトンネルの中を出ると見えたのは大きな温泉宿だった。出て最初に感じたのは硫黄の匂いとアラバスタの砂漠とは違った暑さ。ウタはアラバスタとは違う雰囲気の所に目を奪われていた。
ハサミが止まってウタはハサミから飛び降りて温泉宿に掛けて暖簾を潜るとそこにいたのは羽の生えたカニみたいな頭の男が顰めっ面をしながら睨んでいた。
「カニだ・・・」
「カニではない・・・ゲダツだ」
それはかつて空島でチョッパー相手に沼の試練をやって落ちたゲダツだった。今は色々とあってここの温泉の
「
(久しぶりだ)
「・・・・この人は?」
「ここの温泉番長のゲダツさん。うっかり屋さんだけど良い人なの」
(ありがとう)
「・・・・無口な人だね」
「うぉ!?」
ウタに言われてゲダツはうっかり返事をし忘れていた事に気づいて目を丸めていた。ウタはビビについて行って女湯の方に行った。カルーもそれに付いていった。
「カルーは向こうでしょう!!」
「クァー!!!」
だがすぐにビビに男湯の方向に投げ飛ばされていた。ゲダツはまたうっかり女湯に忍び込もうとするオスに気づかなかった事にビックリしていた。
〇〇〇
能力者であるウタは力が抜けながらも温泉を満喫していた。初めて入る広い場所に知り合いと入って全て楽しく夢心地だった。
「楽しんでくれて良かったわ」
「ねぇ、ビビはなんでそこまでやってくれるの?凄く助かってるし嬉しいけど」
ウタの言葉にビビは少しだけ考えた後で話し始めた。
「ウタは海賊は嫌い?」
「・・・うん、嫌いかな・・・身勝手でファンも苦しんでるって声をよく聞くし・・・好きじゃない」
ウタはルフィやシャンクスに会いたいという思いを持ちながらも嫌いと言った。真実を知るまでは大嫌いだったがそれを知ってからウタの中にある恨みや憎しみが歪になっていた。
「私も国がクロコダイルにやられてたから嫌いって思いもある。けど、実は私、海賊船に乗ってたんだ」
「え!?」
「ホンの短い間だったけど大切な私の仲間」
ビビは大切な記憶を思い出し、愛しさを感じて話していた。その笑顔でどれだけ幸せな記憶なのかウタでも分かるほど幸せそうだった。
「色々と皆に引っ張られて私は大切な国を守れた。大きくなれた・・・それに改めて気づいたの仲間や友達といれば“楽しい”って、どんなことでも乗り越えられるって」
「仲間や友達といれば・・・“楽しい”」
「そう、だから今、友達といて私は凄く楽しい!」
ビビの友達と言う言葉にウタは驚いた表情で自分に指を指した。ビビはそんなウタに頷いて応えるとウタは顔を真っ赤にして反対の方を向いた。
「友達・・・友達か・・・」
そう呟くウタの頬には嬉し涙が溢れていた。ルフィ以外に出来た同年代の優しい友達で涙よりも笑顔を見せたいのに涙しか出ないから恥ずかしくてビビの方を向けなかった。
ビビは暫くの間、ゆっくりと浸かってノンビリしてるとウタが背中にもたれ掛かってきた。
「ウタ?」
「ビビ、明日のライブ。絶対に良い歌をユバに・・・アラバスタに届けるから・・・約束するから、楽しんでね!」
「楽しみにしてるわ!」
「ありがとう!」
そう云うと2人は笑いあった。温泉の警護をしていたクンフージュゴン達も2人の幸せそうな雰囲気を見て幸せな気分になっていた。
〇〇〇
そんな2人に近づく者がいた。子電伝虫を頭に乗せたカルーだった。そして受信先は男湯にいたコブラとゴードンだった。
「うぅ、ウタ・・・私は凄く嬉しいぞ!」
「ビビぃ、流石は私の娘だ、誇りに思うぞ!」
「いや、あんたら何やってんだ!?」
護衛隊長のイガラムがおっさん2人にツッコむ。昨日、あれだけテラコッタにボコボコとやられたのに全然懲りてない過保護な親達、どうツッコミを入れるべきか分からなかった。
『ねぇ、聞きたいんだけどビビのこれってなんでこんなに大きいの?』
『キャ、ちょっとウタ!何するの?』
『いやぁ、ちょっと羨ましくなって』
『もう、ウタも結構あるじゃない』
『えぇー、ビビには負けるよ』
一体、壁向こうの花園で何が行われてるのか凄く気になる会話が流れてきた。流石にコブラもゴードンも不味いことになったと思ってきた。
「カルー、即時退却せよ」
『クワァ』
コブラがそう云うとカルーも返事を返した。カルーが退却する音が聴こえてくる。
『それじゃ、次はサウナの方に行きましょ』
『行く行く!』
ギュム!
2人の声の後に何が踏まれた音がした。それを聞いてたイガラムはサァーっと顔が青ざめた。
『うん、何かしら?』
ザバッ!
『カ、カルー!?』
『ねぇ、カルーなんで子電伝虫を持ってここにいるのかしら?』
『ク、クワァクワァ』
『そう、さっさと男湯に戻りなさい!!』
子電伝虫からそんな怒号が聴こえてその声は段々と小さくなっていった。コブラとゴードンは一体なぜ小さくなってるのか分からずに顔を見合わせてた。
「クワァァァァ!!!!」
そしてビビによって投げ飛ばされたカルーに2人とも押し潰された。
「アァァァァァ!!!??」
イガラムの叫びが男湯に響いた。
コブラとゴードンは無事ではあったが不敬を働いた罪で暫くの間、温泉を出禁になった上に主犯のコブラとゴードン、実行犯のカルー、そして見てたのに止めなかったイガラムの面々はユバに戻りしだい逮捕された。
〇〇〇
ビビとウタはアホの面々を放っておいてユバに戻ってゆっくりと体を癒やしていた。
「本当にパパったら信じられない!暫くの間、王宮から出さないようにしないと!」
「ゴードンもお願い、絶対に許さないんだから!」
ビビとウタは怒りに燃えながら、親の文句を言っていたが次第に内容は変わっていった。どうせなら楽しい話をしたくなってウタは先程ビビが言っていた“海賊”の話を聞きたくなった。
「ねぇ、ビビはその海賊とどんな事したの?」
「冒険ね。暑い熱帯雨林に行ったり、雪国に行ったり、そこで色んな人と出会ったわ。巨人族にも会えたし」
「巨人族にあったの!?良いなぁ〜、私も会いたい。巨人族の人にも私の歌を楽しんでほしい!」
「ウタならきっとすぐに出来るわ!」
「本当?」
「えぇ、いつも聴いてて楽しくなれるもの、きっと世界中の人に届くわ!」
ビビに言われてウタは嬉しさと恥ずかしさの両方を感じながらも笑顔で返した。
「実は復興祭が終わったら、トトおじさんは開拓者を連れてエルマルに行くの」
ビビの言葉にウタはエルマルの事を聞いて真っ先に思い出したのは砂で覆われて廃れた街になっていたことだった。一目見ただけで無理ではないのかとわかってしまうほどに廃れてボロボロだったのになぜそこに行くのか分からなかった。
「明日のライブ、楽しみにしてるからね!」
ビビがそう云うと2人は寝ることにした。ベットに入って夢の中に行くかと思ったがウタは眠れずにいた。初めてのライブとどうしてボロボロな所に行くのかわからずに眠れないでいた。
ウタは部屋から出てライブ会場を下見に来た。寒さを感じる砂漠特有の夜は肌寒いが夜のユバもオアシスの名に恥じない綺麗さだった。
「どうしてこんなに綺麗な所から辛そうな所に行くんだろ?」
ウタはそう呟く。
返事なんて返ってこない。ウタは明日のライブが終わったら聞いてみようと考えて部屋に戻ろうとすると、一人の男がライブ会場のステージの前に穴を掘っていた。
思いっきり不審な行動をする男にウタは近づいた。
「ちょっと何やってんの!?」
「あぁ、誰だべオメェ」
「それはこっちの台詞!」
「オラか?オラはバルトロメオ。海賊だべ」
「いや、何やってんの!?明日、ここでライブが行われるんだよ!?まさかこのステージに何かするんじゃ!?」
「んなこと興味ねぇべ。オラは憧れのあの人がこの場所で何メートルも穴を掘ったのを知ったから追体験してるだけだべ!」
そう言って穴を彫り続けるバルトロメオ。ウタはそんなバルトロメオの首を締めて止めようとした。地盤がどうなってるかウタには分からなかったが、そんなことはやらない方が良いと言うのはなんとなく分かった。
「だから止めて!ステージに被害が出たらどうするの!?」
「そんなもん、興味ねぇべ。オラのテンションの方が大事だべ」
しかし、腐っても海賊のバルトロメオに振りほどかれてウタはバリバリの実の能力で出来た球体のバリアに閉じ込められる。脱出しようとガンガンと叩くがビクともしなかった。
「そのバリアは破れねぇべ。オラの楽しみが終わるまで大人しくするべ」
問答無用でドンドンと掘っていくバルトロメオ。ステージに砂が被さっていってウタは初のライブ会場を汚されていくのは我慢ならなかった。
「私のステージを汚すな!!」
ウタはそう叫び、感情のままに歌った。
それは歌なのか曲なのか叫びなのか分からないが
バリバリの実は理屈の力であり、物理では破れない。超人系の悪魔の実の力だ。では悪魔の実とは“戦闘”のみでしか強くなれないのかと言われたら違う。悪魔の実とは上述の通り、理屈的な力。理屈に戦闘力は関係ない。能力者が自らの能力に対して「こうだ!」という意思が能力を強くする。現にバルトロメオのバリアも絶対に破れないと言う意思で硬くなってる。
それはウタウタの実も一緒だ。
歌えばウタワールドという仮想現実を作り出す能力でウタはその世界では殆ど無敵。何故なら「こうだ!」という意思が強いからだ。
それがステージを汚された事で現実世界にも表面化したのだ。“覚醒”したわけではないので一時的な物でしかないがバリアを破ったウタは呆気にとられたバルトロメオの顔面を殴って吹き飛ばした。
「だべぇ〜!!??」
「私は明日のこのライブを楽しみにしてんの!友達にも最高のライブにするって約束した、大切に育ててくれた人もここの王様も皆、頑張って明日に備えてる!それを邪魔するなら私が相手になる!!」
ウタはバルトロメオにそう叫ぶとゆらゆらと立ち上がられて睨みを返してくる。しかし、今のウタには全く効果は無かった。
「お前、誰だべ」
「私はウタ。世界の歌姫になる女だ!」
「オラはバルトロメオ。とある男を海賊王にする為にこの海を渡ってきた!」
「なら、海に返ってよ!」
「断る!」
ウタとバルトロメオの言い争いは平行線だった。互いに睨み合いが続き、本気の殴り合いが始まろうとしていた。
「ヴォー!!!」
「だべー!!?」
しかし、それは突然現れたラクダによってバルトロメオが吹き飛ばされて終わった。急に現れたラクダにビックリするウタ。
「ウタ、大丈夫?」
そのラクダ・・・マツゲの上にはビビが乗っていた。
「ビビ!?」
「貴女が居なくて探したら、あの鶏みたいな海賊と争ってるのが見えてマツゲに乗って来たの!」
「私は大丈夫。怪我とかもないよ!」
「ヴォヴォヴォ!!!」
ウタの言葉を聞いてビビは安心するとマツゲが器用に憲兵達に命令をして吹き飛ばされたバルトロメオの捜索を始めていた。
ウタはなんかどっと疲れて座り込む。
「本当に大丈夫?」
ビビがマツゲから降りて駆け寄るがウタは元気よく立ち上がった。
「大丈夫。怪我はしてないし、それにステージもちょっと汚れちゃったけどすぐに綺麗になりそう!」
「良かった・・・けど、無茶はしないでね。明日を楽しみにしてるのは私だけじゃないんだから」
「うん、心配してくれてありがとう」
ウタとビビはそのままマツゲに乗ってホテルに戻った。バルトロメオが荒らしたステージや周りも綺麗に一晩で戻った上に憲兵達の捜索のせいでバルトロメオは大人しくするしかなかった。
疲れた事もあってウタはすぐに明日に備えて眠った。
余談だが先程、逮捕されたコブラ達はステージを戻す人員にされて夜な夜な頑張って戻していた。そして翌朝になり、無事にステージも戻り、保釈金を払われて出られたがウタとビビの目はいつも以上に怖ろしく、疲れた体に染みた。
はい、次回はライブです!
そして会合したウタとバルトロメオですが印象は最悪ですww。順当に行かないほうが面白そうなので弄くれる限り弄くります。
また悪魔の実に対する解釈ですがワノ国の古代種とかバリバリの実の能力の一端とかニカとか読んでて相手や建物とか無制限に影響を与えるのはニカの特権みたいですが個人の想像力と自分の理屈を押し通すってワンピースらしいと思うのでこういう感じに行きます。
ただ、覚醒はしてないので自由には使えませんし、更に言うとバトルは最小限にしたいのでそうそう出す気はないです。