“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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次回でジャヤ編は終わりです。そして次回のラストであの男も出ます。お楽しみに!!

※この話は2年間の間の話です。ルフィ達はそうそう出てきません。


Romance

ジャヤの西にあるモックタウンは今日も荒れていた。

酒場での殺し合いは日常茶飯事。そんな中で1つの海賊団が飲んでいた。

「三枚舌のデマロ・ブラック 懸賞金2600万ベリー」以下その海賊団達。

 

「船長、天夜叉と千両道化のどっちの傘下に入るんですか?」

「そりゃ、生き残りそうなのに決まってんだろ。まぁ入りやすいなら道化か・・・あそこは金塊を持っていきゃ本人がすっ飛んで来るからな」

「けど、俺達金塊なんて持ってないですよ」

「全部、金に変えちまったし、そんなに金塊を腐るほど持ってる船はグラン・テゾーロぐらいしか無いからな。」

 

バギーの宝好きは有名だった。冒険も普通にやるが宝探し自体好きで派手な宴会好きでもあり、バギーズデリバリーは基本的に毎日宴をしてると言われるくらいに騒がしい。そして他の七武海と違って傘下に入りやすかった。孤高のミホーク、男嫌いのハンコック、基本的に独断行動のウィーブル、今は天竜人の奴隷扱いのくま、最悪の世代の出で少数精鋭のローなどと、ドフラミンゴとバギー以外は全員論外と言えるほどに旨味が無さそうだった。

だからブラックは入りやすいバギーの傘下になって暴れたかったが肝心の手土産の金塊がなかった。

 

そんなブラックの会話を聴いていたのか酒場の客の1人がポロッと呟いた。

 

「金塊だって・・・ならあの爺から取れるだろうな・・・」

「おい、止めろってあの爺に関わるとロクな・・・」

「金塊がなんだって?」

 

ブラックは銃を構えた状態でその客らの前に立っていた。その客らを脅して話を聞くとジャヤの北東にある辺境で金塊を持つ奴らがいると云う内容だった。正に良いタイミングで良い情報を得たブラックはバギーズデリバリーに連絡していた。

 

『はい、こちらバギーズデリバリー』

『傘下に入りたい。懸賞金は2600万の三枚舌のデマロ・ブラックだ』

『契約金で10万ベリー。もしくは金塊のどちらを持ってる?』

『金塊だ。場所はジャヤ』

『・・・明日の昼には座長が向かうが無い場合は・・・殺す』

 

電伝虫はここで切れた。船員から不安の声が上がるがブラックは彼らに銃を向けて黙らせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

ウタはクリケット達の荷造りを手伝っていたが問題が起こった。それはマシラとショウジョウによるクリケットの取り合いだった。

 

「だからおやっさんは俺の船に乗るんだ!」

「オウオウ、おやっさんは大園長たる俺の船に乗るんだよマシラ!」

 

こんな感じで殴り合いを始めていた。ウタはわりと派手な喧嘩を見て止めないのかクリケットに尋ねた。

 

「止めないの?」

「ほっとけ、何時もの事だ。他の奴らも気にしてねぇだろ?」

 

猿山連合軍の船員達も2人の喧嘩は日常茶飯事なのか完全に無視して荷造りをやっていた。ウタも最初は無視していたのだが何時までも喧嘩してて荷造りを手伝ってないのと喧嘩が嫌いなのもあって、2人に近づく。

 

「ねぇ、ちょっと!」

「「あ?!なんだ!!」」

「喧嘩は止めて手伝ってよ!!私、喧嘩とかの類はすきじゃないの!!」

「「うるせぇ、邪魔すんな!!」」

 

大声で怒鳴られてウタは段々と2人に対して腹が立ってきた。何よりも喧嘩の理由が下らなさ過ぎて呆れる。そんなウタはクリケットや他の船員達に耳を塞ぐように言うと2人に子守唄を歌った。ウタウタの実の力で2人ともすぐに心がウタワールドに行って眠ってしまった。クリケットはすぐに悪魔の実の力だと分かって耳を塞ぐのを止めた。

 

「ほう、悪魔の実か」

「うん、ウタウタの実。歌を聴いた人を夢の世界に行かせる能力」

「へぇ、楽しそうな夢を見てると思うか?」

 

クリケットはマシラやショウジョウが幸せそうに寝てるのでウタに聞いた。

 

「うん、2人とも私の歌を聴いて褒めてくれてる」

「・・・おい、それって夢と現実の両方を見て話してるって感じか?」

「うん、これ凄く眠たくなるんだ」

「なら寝とけ。代わりに2人を止めてくれた礼だ」

「わぁ、ありがとう・・・」

 

ウタはそう云うと眠った。眠るとウタワールドは閉じるが暫くは3人とも寝たままだ。クリケットは流石に嫁入り前の娘が外で雑魚寝は悪いと思い、部屋のベットに寝かせて荷造りを再開した。

 

 

 

暫くして、ウタは起きるとマシラとショウジョウの2人に平謝りされた。ビックリしたウタだがどうもクリケットが起きた2人に説教してたらしい。ウタはなら手伝ってねと言ったがそれは寝てる間に終わっていた。折角、手伝うと言ったのに寝てただけにウタは色々と申し訳無さを感じていた。

 

「ま、バカどもの喧嘩を止めてくれたからそれでチャラだ。最後にこれを載せれば良いだけだしな」

 

クリケットはそう云うと袋に包まった物をポンポンと叩いた。マシラとショウジョウがノリノリでシンバルやらマイクでドラム風の音を響かせたりしてて、ウタもそれにつられて興奮してきた。

 

「なになに!?」

「10年間、ジャヤの海で探して手に入った物だ」

 

包から出てきたのはサウスバードが鐘を持ったデザインの金塊だった。初めて見る金塊にウタの目は奪われた。

 

「凄い、なにこれ!?」

「俺が黄金郷の証明をしようと10年間この海を潜って手に入れた。まぁ黄金郷は“バカ共”が証明してくれたからな」

 

“バカ共”という言葉にウタはマシラとショウジョウの方を向くが2人は首を横に振った。

 

「こいつらじゃねぇ。1年前にやってきた奴らで夢追いのバカ共だったよ。久しぶりに良い若造どもだった」

「おやっさん、アイツラの事大好きですね!」

「オウオウ、俺らも好きだぜ!」

 

ウタはそんな夢を追いかける人も居るのかと思った。その人らの事も凄く聴きたかったがそれよりもウタはもっとこの猿山連合軍の事が知りたくなった。海賊だがウタの知っている海賊っぽくない彼らの事を知りたかった。

クリケットもマシラもショウジョウもウタに上機嫌で話し始めた。

 

クリケットの一族の事にマシラやショウジョウがそれのファンだった事など様々な事を話していて酒も飲み始めて賑やかになっているとクリケットが突然、倒れた。

 

「おやっさん!!」

「不味い、何時もの発作だ!!」

 

マシラとショウジョウはクリケットをベットの上に寝かせてタオルとかを頭とかに当てた。ウタは突然の事に何も出来なかった。

 

「い、一体どうしたの?」

「おやっさんは10年もの間、無茶苦茶海に潜り続けて潜水病が持病になってんだ」

「普通はこんなになることは無いんだがおやっさん、先祖のノーランドの無実を証明したくてずっと・・・」

 

マシラとショウジョウは冷静になろうとはしていたが大切な人が倒れててそんなことが出来るわけもなく、内心慌てていたのが動きから分かった。

ウタはただそれを見ているだけだったが、発作が落ち着くとウタはクリケットの頭元に来て歌った。

『世界のつづき』。ウタがシャンクスに置いていかれてから口ずさみながら歌った曲。柔らかな旋律が特徴の曲で既に寝てるから分からなかったがクリケットの強張っていた顔は柔らかくなり、マシラやショウジョウもウタワールドに入った。

 

 

 

 

〇〇〇

「なるほど、嬢ちゃんの夢の世界ってことか・・・」

 

クリケットはウタワールドを見てそう思った。ファンシーな世界でけど幸せという感じが溢れていて癒やされる世界だ。気持ちのいい世界だとクリケットは思った。現実と似ているが違う。夢の世界だ。クリケットはいつもよりも軽い体でそれが分かった。

 

「おやっさん!!」

「無事か!?」

 

マシラとショウジョウがクリケットの元にやってきた。2人ともさっきの喧嘩でウタワールドについて知ったからここが何処なのかすぐに分かった。

 

「お前ら、大丈夫だ」

「「「良かった〜」」」

 

3つに重なった声を聞いてクリケットはウタがマシラ達の横に居ることに気づいた。

 

「嬢ちゃん、もう寝な。俺達もすぐに起きる」

 

クリケットの言葉にウタは理解出来なかった。なんですぐにあんな持病を持ってる体に帰ろうとするのか分からなかった。

 

「おじさん待って、どうして戻ろうとするの?ここに居たら病気なんて無いのに・・・幸せがあるのに・・・」

 

クリケットはウタにそう言われるとマシラとショウジョウを少しだけ離れさせた。幸せを決めようとしてるウタと一対一で話し合いをしたいからだ。

 

「確かにここは良いところだ。俺も体が軽くて気分も良い」

「だったら・・・」

「でも長居する気はねぇな」

 

クリケットは淡々とそういった。良いところだと自分でも感じてるのにどうしてとウタは思った。

 

「俺は10年かけて病気持ちになったが後悔はない。先祖のノーランドとの決闘に手助けありだが勝ったしな。それに俺は冒険がしてぇ。あの体でもいいからもっとやりてぇ」

「・・・・私には分からないよ。なんでそこまでやるのか・・・」

「“夢”だからな。それにロマンってやつは手に入りにくいから入った時が格別なんだ」

「手に入りにくいから格別・・・」

「あぁ、嬢ちゃんは今までどんな人生を送って来たんだ?俺達の話ばっかりで全然聞いてなかったから教えてくれ」

 

ウタは話してみた。ウタウタの実でエレジアを壊した事、父親であるシャンクスが全ての罪を被ってくれた事、育ての親のゴードンと共に11年間滅んだエレジアにいた事も何もかも全部話した。

今までシャンクスを恨んでいた事もどうするべきかわからずにいること、今は島々のライブをやっていることも話した。

ルフィについては話さなかった。ルフィとの関係はウタには大事な根っこであって誰にも話したくなかった。

マシラやショウジョウは大泣きをして、クリケットはただ黙って聴いていた。

 

「そうか、だから嬢ちゃんはここが本当に幸せだって信じてるのか・・・」

「うん」

「・・・そんな世界にはみだしものの海賊を入れるとは嬢ちゃんは優しいな。大海賊時代じゃ珍しい・・・けど、悪いが俺はロマン好きのバカでな・・・くたばるまで追いかけてぇんだ」

「・・・それが“幸せ”なの?」

「あぁ、俺の“幸せ”だ」

 

クリケットがそう云うとウタは黙って頷いた。交渉が上手く行ったのでクリケットはウタの頭を撫でた。撫でられるのはウタからすれば久しぶりで撫でてるクリケットの顔を見るとアラバスタのトトと同じような笑顔をしていた。

 

「ありがとな」

 

ウタはそれを聞くと目を閉じてウタワールドを閉めた。目が覚めると夕方から完全に夜になっててクリケットと同じタイミングで目が覚めた。

ウタはなんだか気まずい雰囲気になって黙ってるとクリケットはまだ寝ていたマシラやショウジョウを蹴り起こしてた。

 

「おい、てめぇら起きろ!」

「「あ?おやっさん。どうしたんだ?」」

 

マシラとショウジョウは寝ぼけた状態で返事をした。

 

「嬢ちゃんもてめぇらも朝までにサウスバードを捕まえてきてくれ」

 

クリケットはそう言うと3人を外に出した。ウタはサウスバードを知らないのでクリケットから金塊と同じ感じの鳥だと言うのを教えてもらったが何でそれが居るのか分からなかった。

 

「その鳥がなんで必要なの?」

「ふっ、なに。ちょっと良いものを見せてやる。ちょうど良い時期だからな。本当は未練がましいと思って見る気は無かったんだが11年間、外を見てこなかった嬢ちゃんに“世界”ってのを見せてぇのさ」

 

クリケットはニヤリと笑って言うとマシラとショウジョウと一緒にウタは森へ行った。黄金郷に関してはもう未練はない。けど夢の中だけしか幸せを感じたことのない娘に折角ジャヤに来たのだからアレを見させてやりたいと思った。クリケットは欠伸をしてもう1回眠って体調を整えようと家に入ろうとすると1隻の船が此方に向かってくるのが見えて、岸に着くと船から6人の人間が降りてきた。

そいつは酒場で金塊の情報を探していたブラック達だった。

 

「誰だ?」

「海賊だ」

 

ブラックは銃を抜いてクリケットに襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

森の中でマシラとショウジョウにウタはサウスバードの事を聞いていた。

 

「こんな夜なのに鳥って見つかるの?」

「オウオウ、それが見つかるんだよ」

「ウキッキッ、なんせ変な声だからな」

 

ウタはそんな変な鳴き声でもこんな夜でそんなの分かるわけもないと思った。

 

『じょ〜〜〜〜』

「うわっ、変な声」

 

それはすぐに吹き飛んだ。あまりにも変すぎる鳴き声にウタは思わずそう言った。声の方向を向くとサウスバードがいてウタ達に対して笑っていた。なんとなくバカにされてるのが分かったので絶対に捕まえると3人は燃えた。サウスバードは3人のチームワークを乱そうと大量の虫を上から落とした。1年前に来たナミみたいにウタもビビるかと思ったが平然と体に付いてたのを取っていた。

 

「お前、平然としてるな」

「11年間虫や動物が友達だったし、それより前に虫取り対決とかしてたから平気なんだよね」

 

当てが外れたサウスバードは巨大てんとう虫だったり、オケラ軍団を当ててみてもマシラに打ちのめされて、蜂で仕留めようとしたがショウジョウの音波でやられていた。サウスバードは段々と腹が立ってきてゴギブリの大軍を送った。

 

「いや〜、それは無理!!」

 

流石にゴキブリの大軍は嫌だったようでウタはショウジョウの後ろに隠れた。ショウジョウは音波でゴキブリを蹴散らすとサウスバードは飛んで逃げた。

 

「逃げた!!」

「絶対に逃さないぞ!」

「ゴキブリ嫌いなのに・・・もう本気で怒ったよ!!」

 

3人はおちょくってきたサウスバードを絶対に捕まえようと必死に追いかけていた。

 

 

 

〇〇〇

クリケットとブラックらの戦闘はクリケットが優勢だった。1年前の頂上戦争で白ひげが死に海賊自体が増えたことで質は1年間でだいぶ下がり、また懸賞金も民間に対する被害で高くなるので高い=強いではない。1年前のベラミーらに比べればブラックらは遥かに弱い。幾ら、猿山連合軍の船員をブチのめしていたとしてもクリケット1人には手も足も出なかった。

 

「その程度で金塊を奪いに来たのか?ちゃんちゃらおかしいぜ」

「うるせぇ、俺は2600万ベリーのデマロ・ブラックだぞ!!」

 

クリケットに殴られて倒れてるブラックはそう叫んで銃をまた構える。他の手下も銃を構えるが先程から避けられてばかりだった。

 

ブラックがまた撃とうとするとクリケットが突っ込んでいく。銃を抜いてブラックの頭を至近距離でぶち抜こうとした瞬間、クリケットはまた発作を起こした。銃を落としてしまい、発作で倒れる。ブラックはそんな倒れてるクリケットの体を銃で撃ち抜いた。銃で撃たれて体にまた大怪我を残してクリケットの意識は途絶えた。

 

「このクソ爺が」

 

ブラックは意識がないクリケットに何回も蹴っていたがそれよりも金塊が優先なのでブラックと手下は家の中に入ってインゴットやサウスバードの金塊を包んで持って出ると倒れていた筈のクリケットが立っていた。ゆらゆらとしててまた倒れそうなのがより不気味だった。

 

「てめぇ、まだ動けんのかよ!」

「その金塊、どうする気だへっぽこ」

 

へっぽこと罵られたブラックはまだ減らず口を叩くクリケットを殺そうかと考えたが金塊は既に手の中にあるのに一々相手にしてられなかった。これからすぐにモックタウンに戻って七武海のバギーの手土産にするし、明日の昼・・・もう6時間もすればバギー本人が来るのだからそんな暇はなかった。

 

「船長、早くしないと千両道化がジャヤに!!」

「うるせぇ、今行く所だ!」

「ふん、小物だな」

「あぁ!?」

 

クリケットはそう言って煙草を吸った。

 

「安全圏に入りたがるやつにその金塊(ロマン)を持つ資格なんかねぇ」

 

そう言うとクリケットは今度こそ倒れた。ブラックは今度こそくたばったと思い、船に戻ってモックタウンに逃げた。

 

 

 

 

 

〇〇〇

ウタ達、3人はサウスバードを無事に手に入れていた。あれから必死に逃げるサウスバードをマシラとショウジョウが追い詰めてウタが地面に降りたとこを網で捕まえていた。

 

「歌で捕まえられたのに」

「そしたら嬢ちゃんが寝るだろうが」

「オウオウ、こんなんに一々能力なんて勿体ない」

 

マシラとショウジョウにそう言われながら、なんだかんだで能力も関係なしにこういったことをやれて楽しかった。ただサウスバードはずっと暴れていてマシラに力づくで抑えられてるのを見て、ウタは後で美味しい物を食べさせると約束した。そしたらサウスバードも諦めたのか大人しくなっていた。

 

3人は楽しさを感じながら森を出るとクリケットが銃で撃たれて倒れていた。

 

「「おやっさん!!」」

「おじさん!!」

 

慌てて3人は駆け寄って出血を抑える。倒れてる他の猿山連合軍の部下も起き始めて治療をしていく。ウタもガーゼやら綺麗な布をマシラやショウジョウに渡していた。 

 

「てめぇら・・・」

「おやっさん、何があった!?」

「何、デブの雑魚海賊共から金塊を守れなかっただけだ。どうせ反対側のモックタウンにいる。すぐに奪い返しに行くぞ」

「勿論だおやっさん、殴り飛ばしてやる!」

「いいから今は休むんだ!!」

 

マシラとショウジョウに言われてクリケットは立ち上がろうとしてウタが居ないのに気づいた。

 

「おい、嬢ちゃんは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタは海岸線を走っていた。

『好きで海賊をやってるわけじゃねぇ』

『黄金郷の証明をしようと10年間この海を潜って手に入れた』

『おやっさんは10年もの間、無茶苦茶海に潜り続けて潜水病が持病になってんだ』

『普通はこんなになることは無いんだがおやっさん、先祖のノーランドの無実を証明したくてずっと・・・』

『俺は冒険がしてぇ』

『ロマン好きのバカでな・・・くたばるまで追いかけてぇんだ』 

『俺の“幸せ”だ』

 

ウタはクリケット達との会話を思い出していた。冒険が大好きで、自分の知ってる海賊とは違くて無茶な現実にロマンを求めてる海賊。

幸せそうな海賊の苦労して手に入れた宝を略奪したのも海賊。ウタはそんな奪う(・・)海賊が大嫌いだった。

 

(絶対に許さない!!おじさんの金塊は奪い返す!!)

 

ウタはモックタウンが何処にあるのかおおよその検討は付いていたし、海岸線を走ればいずれ着くだろうと思っていた。

全力で走るウタの中に渦巻いていたのは“怒り”だった。




はい、というわけで次回は怒りで暴れるウタです。
そしてあの男も出るのでお楽しみに・・・
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