“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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お待たせしました!!
すぐに出来るかと色々と盛ってたらまさかの9000字超え・・・歌詞を抜いても8000字・・・我ながらよく書いた・・・


fanfare

ルフィとカタクリの戦いが終わって暫くしてウタは突然聴こえてきた何かが倒れる音に気づいて目を覚ました。

まだ眠気は残っていた、夢か現実かも曖昧のような感覚だったが、ウタは確りと見た。ルフィが仰向けに倒れてるカタクリの口にベッジの所で正装した時に麦わら帽子に付けた帽子を口元に置いていた。

 

「ルフィ・・・カタクリ・・・」

 

ウタはそう呟きながらもなんとか立つとルフィがウタの方に向かってきた。何かを決心したような顔つきだったがウタを見ると笑った。

 

「ウタ・・・一緒に行こう!」

「ルフィ・・・けど、アタシ・・・」

 

ルフィの言葉にウタはうんと頷けなかった。どんな理由であれ、敵対していたのだ。それなのにすんなりと行くのは気が引けたし、首を縦に振りづらかった。

するとそんなウタに気づいたのかルフィはウタを抱き締めた。

 

「えっ・・・ルフィ?」

「ウタ・・・俺は無事だ・・・俺の仲間もだ・・・だから、一緒に出てサニー号でちゃんと話そう・・・ウタはどうしたいんだ?」

「ルフィ・・・ア、アタシは・・・」

 

『もういい、顔も見たくない!!絶交だよ!!』

『じゃあ、アタシに取っても敵だね』

『あんた誰!?誰なの!?・・・この頭痛の原因!?だったらド派手にぶっ飛ばすよ!!』

『あんた一体何者なの!?なんであんたを見ると頭痛がするの!?答えて!!』

『・・・知らない・・・あんたなんか知らない!!』

『なんなのあんた・・・痛い・・・ずっと痛いの!!なんでこんなに痛むのか分かんないほどずっと痛いの!!・・・薬って・・・毒を盛ったのはひょっとしてあんた!?』

 

ウタはルフィに酷いことを言いまくっていた事を思い出していた。どうしてなんでこうなってしまったのか分からなくなって苦しくなり、涙が出てくるがそれでも言いたい事をちゃんと言った。

 

「行きたい・・・まだ言いたい事一杯あるの・・・ルフィと仲直りしたいよぉ・・・」

「なら、行こうぜ!!」

 

その言葉を確りと聞くとルフィはウタの頬を両手で挟んで笑顔を見せた。昔からどれだけ成長しても変わらない楽しそうな顔・・・それを見るとウタも心にあったつっかえが取れてきた。

ルフィの言葉にウタは首を漸く縦に振ることが出来た。

 

 

 

 

 

〇〇〇

ブリュレはそんな2人の様子を黙って遠くから見ていた。友達が戻った事、大切な兄が負けた事で色々と感情が混乱してるがそれでもブリュレはウタを助けようと頭を悩ましていた。ここから逃がせれば良いが、そんな事をやったら自分も反逆者になってリンリンに殺されてしまう。どうするべきか考えてるとブリュレは突然と伸びてきたルフィの腕にぐるぐる巻にされた。

 

「え?・・・えぇぇぇぇぇ!?」

「よし、こっから出るぞ!!来い枝!!」

「ブ、ブリュレ!?」

 

ルフィによって拘束されたブリュレ。ウタはブリュレが居る事自体に驚いていた。

 

「ウ、ウタ・・・はいこれ!」

 

ルフィに担がれてるブリュレはそう言うとウタの持っていた手荷物を渡した。ウタはそれを受け取ってブリュレの方を見た。

 

「ブリュレ・・・あの・・・」

「ウィウィウィ・・・良いよ。友達じゃん!今度のライブに絶対に行くから、その時は良い歌を聴かせてよ」

「ブリュレ・・・ありがとう!」

「よし!行くぞ、ウタ・・・枝!」

「ブリュレだよ!!」

 

枝呼ばわりするルフィにブリュレは当然の如く訂正を求めたが、時間が無いのもあってルフィはウタも抱えて合流地点であるカカオ島の鏡から外に出ようとした。

 

 

 

〇〇〇

一方、外ではオーブンを筆頭にビッグマム海賊団が構えていたがその前にあることが起きていた。ジェルマ66が既にカカオ島に来ていて大混戦が起こっていた。

本来なら12男のヌストルテを少し時間をかけて倒してから来てるのだが、そのヌストルテがブリュレのやったカタクリの大暴露で動揺してる隙を付いて非常に短時間で倒した為に予定よりも早く来て暴れていたのだ。

 

ルフィはそんな大混戦の中に鏡から出てきた。

 

「麦わらだ!!」

「兄さんを倒した奴だ、殺せ!!」

「ウタもブリュレもいるぞ!!」

「ウタは兎も角、ブリュレは守れ!!」

 

ジェルマ66と戦いながらリンリンの子供達がブリュレを助けようとルフィを狙ってくるが、ルフィとウタを担いで脱出しようとカカオ島に潜伏していたサンジが飛び出して退けるとルフィはブリュレを離してサンジにしがみついた。

 

「よし、行くぞルフィにウタちゃん!!」

「おう、頼むぞサンジ!!」

「あれ?プリンの花婿さん??」

 

サンジに対しての印象がプリンの花婿という事でしか知らないウタは少し混乱しつつもジェルマ66の協力もあって無事にカカオ島から脱出してサニー号に合流した。

 

 

〇〇〇

一方、ウタを狙ってルフィを絶望のドン底に叩き落とそうとしていたシキは、バレットによってキャンディ島に無理矢理飛ばされて戦闘をしていた。

 

「トットムジカが戻ったか・・・今度こそ!!」

「逃がすかジジイ!!」

 

見聞色の覇気でルフィやウタが合流したのを知るとすぐにそっちの方に行きたかったのだがバレットによって防がれていた。バレットも別に誰がシキに狙われようがどうでも良かったが折角の楽しみなのにそれを逃がす気などさらさらなかった。

 

「このクソガキぁ!!」

「カハハハ!!楽しもうぜ!!」

 

幾つかの不安要素であるシキとバレットの戦いはルフィらがリンリンの縄張りを出るまで続いた。

 

 

 

 

〇〇〇

サニー号に合流したルフィとウタが傷をチョッパーから治療されてる最中、ジェルマ66の船に乗ってやってきたジャッジがサンジの事についてルフィに聞いてきた。

ジャッジからすればサンジは出来損ないで弱者を守る為に情に流されて兵士として役に立たない精神で飯炊きに従事して王族のプライドもない、改造人間として生まれたのに皮膚は盾にならないと罵倒してきたがルフィからすれば全てサンジの良い所でしか無くて首を傾げていた。

だからルフィは単純に口下手なだけだと思って取り敢えず援護してきてくれた事に礼を言うと非常に苦々しい顔をして去った。

 

「なんであいつ、急にお前の良い所を言ったんだ?」

「な!」

「そういう意味で言ってねぇだろあいつは!!」

「わはははは!!最高じゃなお前達!!」

 

ルフィはチョッパーと首を少し傾げてサンジは怒り、ジンベエは笑った。和やかな雰囲気が続いていくがまだ脅威は去っていなかった。

 

ケーキを食べにベッジが置いていったふんわり島でリンリンはケーキを食べて食い患いとそれによって起こっていた激ヤセが治って横になった。

 

そして前に回り込んできたビッグマム海賊団の大船団がいたがそれはジンベエの仲間達である魚人海賊団が援護に回ってジンベエとルフィらを逃がそうとしていた。

しかし、仁義に熱いジンベエは仲間達を見捨てることが出来ずに残ると伝えるとルフィからワノ国で待つと言われ、必ず行くとだけ伝えてサニー号から降りてビッグマム海賊団と戦い始めた。

 

こうして、陰謀や絶望が渦巻いたリンリンのお茶会は幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

それから、暫くするとルフィとウタはサニー号の一室に二人きりでいた。

そこはバルトロメオの船で作った2人のベッドが置いてあった。フランキーがゾウに着いた時にサニー号の空いてる部屋に置いたのだ。

つまり、船長室が出来た。まだベッドだけしかないが確かに作られたルフィの部屋だった。

そんな部屋で2人は床に向かい合って座っていたが謝ろうと思い頭を下げた。

 

「「ごめんなさーーーーーーイッ!!」」

 

互いに凄く近くに居たのでデコ同士をぶつけてしまい、頭を上げた2人はデコを擦りながら見た。

 

「・・・痛いね・・・」

「あぁ、痛えな・・・」

「・・・ごめんね、アタシの謝り方が・・・凄くて・・・」

「何言ってんだ?俺の方が凄かったぞ、だから痛えんだ!」

「違う、アタシの方が凄かった」

「俺だ!」

「出た・・・負け惜し・・・」

 

何時もの調子になって話し始めようとウタはしたし、ルフィもそれに乗ったがウタはそこまで言うと感極まって何も言えなくなり、ルフィも止まった。

 

「ルフィ・・・本当にごめんなさい・・・アタシ、大事な事を全部忘れてた・・・」

「良いんだ・・・俺もミンゴの時に忘れてた・・・だからこれでおあいこだ・・・それにごめんな・・・」

「何が・・・」

「俺・・・ウタが辛い目にあってたのに何も出来なかった・・・ミンゴの時だけじゃねぇ、今回も・・・エレジアでも・・・何にもやれてなかった・・・」

「ルフィには関係ないじゃん・・・全部、アタシの問題なんだから・・・」

 

ルフィの言葉にウタは俯きながらそう言った。全て自分の問題なのにそんな風に心配して貰ってウタは巻き込んでしまった申し訳無さと悔しさがあったがそれで止まるルフィではなかった。

 

「関係ないなんて言うなよ・・・一緒に“新時代”を作るって言ったじゃねぇか・・・お前が居ない“新時代”なんて・・・嫌だ!!」

 

ルフィは大声でそういった。ウタは顔を上げてちゃんと向き合うとルフィは泣いていた。それを見るとウタもまたポロポロと泣き始めた。

 

「う、うわぁぁぁぁ〜!!ルフィ、ごめんなさいごめんなさい!!アタシが馬鹿だった!!ルフィに酷い事やって、何もかも台無しにしかけて・・・本当にごめんなさい!!」

「ウタ、ごめんよ!!俺も馬鹿だった!!ウタがバギーに助けてもらってたのを知らずに酷いことを言っちまった!!シャンクスの事も俺が自分で聞かなかったのに・・・勝手に怒って・・・本当にごめん!!」

 

2人は泣きながら抱きしめあって悪かった所を言い合った。お互いに相手を尊重したが為に良い印象がない相手を尊敬してるが為に起こってしまった言い合いはこうして幕を閉じた。

 

お互いに暫く泣いて漸く落ち着くとルフィは懐からあるものを取り出した。それはウタがルフィの為に用意し、カタクリが預かっていたエレジアのライブチケットだった。

 

「あれ?それ、なんでルフィが・・・」

「カタクリが俺の事を思い出さねぇようにって持ってたんだ。倒れる時に渡されてウタにごめんって、伝えてくれって」

「そうなんだ・・・カタクリは本当に優しいな・・・」

 

カタクリの不器用な優しさに触れていたウタは最後まで優しくいてくれた事に感謝した。

 

「そんなに・・・良かったのか?」

「ん?だって凄い優しくて大人で・・・誰よりも前に立ってて・・・カッコ良かったから・・・」

 

ウタがそういう風に優しく言うとルフィは少しだけ強くウタを更に抱きしめた。ぶっ飛ばしてスッキリしたがウタがそう言うとまたモヤモヤした物が出てきた。ウタはルフィの腕に軽く触れると優しく答えた。

 

「けど、アタシは・・・ルフィが良い・・・何回、喧嘩してもルフィが良い・・・」

 

ウタがそう言うとルフィはドキッとなった。胸に手を当てて少しだけ早くなった心臓の音に首を傾げてるとウタもどうしたのかとルフィを見た。

 

「どうしたの?」

「いや、なんでもねぇ。それよりも前にライブに行かねぇって言ってたけど・・・俺、行くよ」

「え?」

「シャンクスに会っちまうけど、俺が約束したのは偉大な海賊のシャンクスだ・・・ウタを悲しませたシャンクスじゃねぇ・・・だから、一緒にぶん殴ってやる」

「ルフィ・・・」

「シシシ!!」

 

ウタはルフィが来てくれる事に嬉しくなったがシャンクスの事に関しては自分でやる気だったので手を出して欲しくなかった。

 

「ありがとう・・・でもね、シャンクスの事は自分でやりたいんだ」

「ウタ・・・」

「もうちょっとかも知れないんだ・・・もうちょっとで答えが出そうなんだよ・・・アタシがシャンクス達と別れてからの12年の答えが出そうなんだよ・・・今度のライブで出そうなんだ・・・そしたら漸くアタシは本当の意味で一歩踏み出せるかも知れないんだ・・・巻き込んで凄く申し訳ないし、本当にごめんなさい」

 

ウタはルフィに謝りながらそう言うとルフィは優しい声でウタに応えた。

 

「何言ってんだよ・・・俺とウタの仲じゃねぇか・・・そんなの気にしねぇよ・・・誓った“新時代”の為なら、しょうがねぇじゃん・・・もっと巻き込め!!俺は絶対に離れねぇ!!」

「ルフィ・・・じゃ、エレジアで何が起こったか話すね。アタシが何をしちゃったのか・・・」

「あぁ、全部話せ・・・俺もシャンクスと何があったのか話す・・・だから、バギーと何があったのかも全部聞く・・・」

「ルフィ・・・凄く長くなるよ・・・」

「シシシ、俺もだ・・・」

 

2人はそのまま話し始めようとしたが、その前に部屋の扉がノックされたので何かと気になって開けるとサンジが立っていた。

 

「飯の準備が出来たんだが悪い、邪魔したか?」

「本当かサンジ〜!!飯〜!!ウタも一緒に食べようぜ!!旨えんだサンジの飯は!!」

「ちょ、ちょっとルフィ!!」

 

ルフィはウタの手を引っ張って食堂に向かっていった。サンジは自分の飯を美味しそうに食べようとしてくれる仲間の姿に嬉しくなった。

 

「帰ってこれて良かった♪」

 

サンジはそう呟くと早く戻って新しい料理を作っていかなければ腹ペコのルフィにすぐに全部食べられるので機嫌良く戻った。

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

ルフィ達がリンリンの縄張りから抜ける少し前、鏡の世界では仰向けに倒れたカタクリをブリュレが治療していた。

 

「あいつらは?」

「どうせ、答えたら良かったって言うんでしょ?」

「ブリュレ・・・お前も未来が見えるのか?」

「さぁ?・・・お兄ちゃん・・・アタシ、望んで無いからね・・・アタシ達の為に自分を捨てて完璧になるお兄ちゃんなんてアタシは望んでないから・・・」

「ブリュレ・・・俺は・・・家族を守る為に・・・」

 

ブリュレはカタクリにそう言うが相変わらずの返事をされたので思い切ってやった事を暴露した。

 

「そう言うと思ったから、さっきの麦わらとの喧嘩の声を全部万国中に流してるからね!皆、お兄ちゃんがそんな風に思ってたなんて知らなかったから混乱してたよ・・・」

「やったのはフランペかと思っていたが・・・お前だったのか・・・はぁ・・・もう戻れねぇな」

「お兄ちゃん・・・それはどうかな?」

 

カタクリはそう言うと脱ぎ捨てたファーを身に着けてどうしようかと悩ましてると声が聴こえてきた。

 

「カタクリ〜!!」

 

カタクリは上半身を起こしながらブリュレと一緒に声がした方向を見ると兄であるペロスペローと姉のコンポートを筆頭に大勢の兄妹が走ってきた。

 

「ペロス兄にコンポート姉?」

「この大馬鹿!!」

「ぐわぁ!!」

 

そしてカタクリはペロスペローを追い越して突進してきたコンポートの拳を顔面に受けてまた地面に倒れた。

 

「ちょっとコンポートお姉ちゃん!カタクリお兄ちゃんは今、治療中なんだけど!」

「あ、ごめんねブリュレ・・・手間かけさせてけど、アタシはカタクリに言いたい事があるんだから・・・」

 

コンポートは倒れてるカタクリの胸倉を掴むと抱き締めた。カタクリは何がなんだか分からずに困惑してると頭をコンポートに撫でられた。

 

「カタクリ・・・ずっと聞いてたよ・・・ごめんね・・・辛いことを背負わせ続けて・・・けど、これだけは忘れないで・・・アタシは何があってもあんたのたった1人の姉だからね」

「コンポート姉・・・」

 

するとペロスペローもまたカタクリを抱き締めた。

 

「カタクリ・・・もう、1人で抱え込まないでくれ・・・」

「ペロス兄・・・」

 

それだけではなかった。同じ三つ子であるオーブンやダイフクは近くに座って他の兄妹達も近くに座った。皆、言いたい事があるのは見聞色の覇気で分かったがそれを言われずともカタクリは嬉しくて涙がポロポロと出始めた。

 

「なんだよ・・・皆、優しいな」

「当たり前だよ・・・家族なんだから・・・」

 

カタクリの呟きに間髪入れずコンポートが答えた。嬉しくてしょうがないカタクリは抱きしめてくれてる自分の姉や兄を抱き締めた。すると3人の近くに歩いてきた者がいた。シキに騙されてウタに毒を盛ってしまったアナナだ。顔を凄く青ざめていて歯をカタカタと鳴らしていた。

 

「カタクリお兄ちゃん・・・」

「アナナ・・・こっちへ・・・」

 

カタクリはアナナの姿を見ると手を伸ばした。アナナは殴られると思った。それほどの事をしてしまったと自覚し、目を瞑った。しかし、カタクリはアナナにそんな事はせずにただ手を伸ばして持ち上げると抱き締めた。

 

「お、お兄ちゃん・・・」

「アナナ・・・ごめんな・・・兄ちゃんなのに辛い思いをさせて・・・ごめんな・・・」

 

カタクリはアナナにそう謝った。全て不甲斐なかった自分が悪いと言ってアナナを許した。するとアナナも緊張や恐怖の糸が切れたのか大泣きした。

 

「う、う、うわぁぁぁ〜!!ごめんなさい、ごめんなさい、お兄ちゃんごめんなさい!!私・・・お兄ちゃんにもウタお姉ちゃんにも酷い事しちゃった〜!!」

「今度のライブの時に一緒に謝りに行こう・・・観させて貰えないかもしれないが行こう謝りに・・・」

「うん・・・うん!・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい・・・」

 

カタクリは幼いアナナを落ち着かせるように背中を擦りながら、一緒にエレジアに行くことを決めた。

シキの策略によって崩壊したかに思えたシャーロット家の兄妹の絆は壊れていなかった。次男であるカタクリの叫びは全員ではないが確かに兄妹に届いていた。

 

「さて、まだ倒れてるフランペにはアタシとペロス兄でお仕置きして・・・皆、立て直すよ!もう一回、1からね!!」

「勿論だ、コンポート!!私達はこれでへこたれるシャーロット兄妹ではない!!」

『おぉ!!』

 

ペロスペローとコンポートの宣言に兄妹達は再び立ち上がる事を誓った。

カタクリもアナナを抱き締めながら、ルフィと最後に話した事を思い出していた。

 

 

 

 

 

●●●

ルフィが地下に叩き落されて暫くすると腕を伸ばして登ってきた。ヘロヘロでもう立てないほど疲れていたが、目の前にカタクリが立ってるとルフィはなんとか立ち上がった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・最後に教えてくれ・・・お前とウタは何の約束をしたんだ・・・全てを出した・・・技も経験も力も覇気も・・・なのに負けた・・・理由が分からないままで負けられない・・・だから・・・教えてくれ・・・」

 

カタクリはボロボロになりながらもそう尋ねてきた。ルフィは別に答えなくても良かった。そんな義理はないからだ。しかし、ここまでウタを巡って戦ってきた事に加えて、ウタを大切に思ってきたカタクリに敬意を込めてルフィは話し始めた。

 

「俺と・・・ウタは・・・“新時代”を誓ったんだ・・・一緒に作ろうって・・・それに約束した・・・お互いか自分の夢の果てまで叶ったら・・・一緒に旅しようって約束したんだ・・・」

 

カタクリはその言葉を聴いて全て悟った。ルフィとウタが“婚約”していた事に加えて、なぜルフィが最後まで諦めなかったのか・・・その全てを悟った。

 

「そうか・・・これをウタに返してくれ・・・お前の記憶を思い出させない為に預かっていた・・・すまなかったと伝えてくれ・・・」

 

カタクリはそう言って懐の中からウタが書いていたルフィの名前が入ったエレジアでのライブのチケットを渡した。ルフィはそれを確りと握って首を縦に振った。

 

「フッ・・・随分と未来を見てるな・・・負けたよ・・・」

 

カタクリはそう言うと負けた理由が分かって満足したのか仰向けに倒れた。限界だったのもあるが負けた理由が分かってスッキリした。ルフィは自分から背中をつけて負けを認めたカタクリに敬意を籠めて、散々とフランペから罵倒された口を隠す為に麦わら帽子の上に被せていた正装の帽子をカタクリの口の上に置いた。

 

 

 

〇〇〇

カタクリは無事にウタ達が出た事や、ルフィの敬意、そしてウタによって素を出せるようになった事など諸々を含めて、2人に感謝しながら前にまた進むことを決めた。

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

食べ終わったウタはルフィとサニー号の船主の頭の上で今までの事をある程度話をしていたが、何かを思い出したルフィはナミに預けていた物を返して貰ってウタに渡した。

 

「ウタ、これ返すよ・・・」

 

ルフィはウタに麦わらマークの手袋を返した。

ウタはそれをギュッと握った後に自分の左手に付けた。

 

「ウタ・・・そのマークって昔、俺が描いたやつだよな?」

「うん・・・アタシ達の“新時代”のマークでアタシの旅始まりのマーク・・・ありがとうねルフィ・・・」

「なぁ、一曲歌ってくれねぇか?・・・俺、ウタの歌が聴きてぇ・・・」

 

ウタにそう言われるとルフィはウタを優しく抱き締めながらそう言った。ウタもそう言われると断れないし、歌いたかったのもあって、ウタはだったら皆の前で歌いたいと言って甲板にルフィと一緒に戻り、ナミ、チョッパー、ブルック、キャロット、サンジを集めた。

ウタはそんな皆の前で『fanfare』を歌い始めた。

 

「悔やんだって後の祭り♪もう昨日に手を振ろう♪さぁ、旅立ちの時は今 重たく沈んだ錨を上げ♪」

 

ウタはこれから曲のテンションが上がっていくのに合わせながら気持ちを高めた。

 

「congratulations!今胸に高鳴るファンファーレ!もう色彩階調(グラデーション)は無限で脳に紙吹雪を舞え!覚悟なき者はされ あてどない流浪の旅 Nobody knows 航海の末路」

 

まだ完全には上がらない。一度テンションを溜めてウタはさらに続けた。

 

「例えて言うとすれば僕はパントマイムダンサーです♪見えもしねえもんを掴んで天に昇った気になって♪」

 

人の望む立場から自分で降りられなかった自分やカタクリを遠くから見てるように続けた。

 

「やがて風船が割れ 独り悲しい目覚め そんな日でも 懲りずに「ヨウソロ」を・・・」

 

1番目のサビに突入し、ウタはめいいっぱい叫んだ。

 

「ちょっと待ってと言われたって♪どっち行くんだと問われたって♪「答えはいつも風の中」にあるんですって♪いつの間にか大人になって♪うっかりして真面になって 失った宝物 探しに行こう!」

 

1番目が終わり、2番目に突入するとウタはカタクリの事を思い出しながら歌った。

 

「吹き荒れるよ 今日も見通しの悪い海原で♪みんな悪戦苦闘してるんだ 独りじゃないぞ 頑張れ♪歓喜の裏側で 誰かが泣く運命 それが僕でも 後悔はしないよ」

 

ウタは1人で抱え込みながら戦っていたカタクリを思い出して歌った。

 

「「僕はボクさ」と主張をしたって♪僕もボクをよく知らなくて ぐるぐる自分のしっぽを追いかけ回して♪ひょっとしたらあなたの瞳に いつか出会った本当の僕が迷い込んでやしないかなぁ?って探してみる♪」

 

心から感謝と友愛を込めてウタは歌い続ける。

 

「まるで袋のネズミ 自分で自分を追い込んでた さぁ 旅立ちの時は今 重たく沈んだ錨を上げ♪悔やんだって後の祭り もう昨日に手を振ろう♪さぁ 旅立ちの時は今 風をよんで デカい帆をはれ!」

 

ラストのサビも含めてウタはルフィにカタクリの事を想いながら歌った。

 

「ちょっと待ってと言われたって♪どっち行くんだと問われたって♪「答えはいつも風の中」に あるんでしたっけ!?きっと今日もあなたの瞳で♪僕も知らない新しい僕は ぐるぐる旅をしてる♪いつか誰もが大人になって♪ちゃっかりした大人になって♪失った宝物 探しに行こう!」

 

歌いきって皆が拍手をする中でウタ、ルフィ・・・そして遠く離れた場所で家族の優しさに触れてるカタクリは前に進むことを改めて決心した。

 

 




  





















というわけでやけに2番の歌詞がカタクリに似合っていたのでストロングワールドの主題歌であるfanfareを届けました!!シキの参戦は後付でしたがこれで締めようとは思ってましたので出来て良かったです。

そして次回は毎度笑える新聞ネタ・・・モルガンズ出番でっせ!!

その次から応募して頂いたルウタイチャラブ編第二弾です!!またそれをやりつつ、シャーロット兄妹の話を思いついたのでそれも書いて行きます。
因みにまだまだルウタネタの募集は止めてないので書いてほしいネタがあればぜひ活動報告にどうぞ!!
イチャラブ編の途中で、シチュエーションの被りが無ければ出来る限りやる方向で考えます。

さて、イチャラブ編が終わったら、原作だとワノ国ですが今作がどう描くかはお待ち下さい。少しルフィの方にこの話で問題が出来たので(マジで想定外)ワノ国ではそこを解消できるように頑張ります。


このルフィVSカタクリ編はどうでした?

  • 想像より重かった
  • 重すぎだ!!
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