“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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ちょっと湿度が高いめですが次からというかこうしないとルフィとウタの関係性が進展のしの字も出来なさそうだったのでやりました。


Love vs Control

チョッパーの部屋から出たルフィは舵を握ってるブルックの所まで急いで行った。早く自分の中にある物を何とかしたかった。

すぐに舵の所まで行くと先程までいたウタやナミは居なかった。

 

「おーい、ブルック!」

「ルフィさんどうかされましたか?」

「今、一人なのか?」

「えぇ、ナミさんにウタさんはサンジさんがクッキーを焼いたと言ったのでそちらに私達の分もちゃんとあるので後で食べましょう!」

「ホントか!?楽しみだなぁ〜・・・って俺、ブルックに聞きたいことがあったんだ!」

「おや、何でしょうか?」

 

サンジがクッキーを焼いてくれたと言われて後で沢山食べようと決めつつもルフィはチョッパーに言われた通り、ブルックに早く聞きたかった。

 

「最近、ウタを見ると胸がドキドキして苦しくなるんだ!!ムカムカもするし、モヤモヤって感覚にもなる時があっておかしくなっちまったんだ!チョッパーに診てもらったらブルックの方が良い事を言ってくれるって言うから聞きたいんだ」

「ヨホッ!?これは中々に想定外の質問ですね」

 

ルフィからのまさかなカミングアウトにブルックは色んな意味でビックリし、年寄気質な部分から若いって言いなと思ったが同時に冷や汗も少し感じていた。

 

(これはまさかの恋の問題。経験を積んで、向き合い方が分かるもので私に相談するように言うのも納得ですが難しいですね・・・恋から来る嫉妬はルフィさんの“自由”の信条に合いませんから下手に言うとルフィさんは無理矢理抑えるでしょう・・・それこそルフィさんの信条に反する事ですから慎重にならなければ!!)

 

年の功が幸いしてかブルックはルフィが今感じてる不安を見事に当てた。自由がモットーのルフィにとって他人に恋したり、嫉妬したりするのは初めての感覚であり、離れていても“仲間”だという感覚とは違う、ずっと一緒に居たいという感情をルフィは気持ち悪く感じていた。

 

耐えても苦しい、耐えなかったら気持ち悪い。

ルフィは“恋”という感情をそんな風に思っていた。

 

「そうですね・・・確かにそれは医学では無理なものかも知れませんね」

「そ、そうなのか!?ブルック・・・俺、どうしたら良いんだ?」

「・・・まず、ルフィさんはその感情に対してどう思ってますか?ゆっくり冷静に考えましょう。その感情の向き合い方に1番必要なのはそういった落ち着きの心です。慌てずにやりましょう」

 

ルフィはブルックにそう言われてゆっくりと深呼吸した。そして冷静に頭で考えた。見聞色の覇気をやる時みたいに冷静に考えた。

 

「ウタが笑ってると凄い嬉しいんだ・・・でも俺以外の男と仲良く喋ってたり、笑顔をそいつに向けてると凄いムカムカするんだ」

「成る程・・・それを1番強く感じたのはいつですか?」

 

ブルックの質問にルフィは冷静に思い出していた。ルフィが1番嫉妬していた時は割と最近だった。

 

『お前には関係ない事だ』

 

そうそれはカタクリがウタを抱えていた時だった。思い出すだけでまたムカムカしてモヤモヤしてくる。ルフィの気分は悪くなったが治すのに必要だと冷静に頭を冷やしていた。

 

「カタクリがウタを抱えた時だ。すげぇムカムカって来てぶっ飛ばしたくなった・・・」

「つまり、そこからルフィさんの心はそれを自覚したのでしょう・・・ウタさんが大事な人であると」

「??ウタは大事な友達だぞ?」

 

ブルックの言葉の意味がルフィには分からなかった。ルフィにとってウタは大事な誓いをした友達と言う認識しかなかった。故になぜ、急にこうなったのかが分からなかった。ブルックはあくまでも慎重に1つずつ解していくように話を続けた。

 

「大事な人と云うのは添い遂げたい人の事を言います。具体的には墓の中に入っても居たい。自分の人生の全てをその人に捧げても苦にならないと思える人の事です」

「そ、そんなのいらねぇ!!俺には夢があるんだ!ウタにだって・・・それに“新時代”を・・・」

 

ブルックの言葉にルフィは咄嗟にそういった。海賊王になるためにここまで来たし、ウタにはウタの夢がある。それをわかってるからこそ、ルフィはそう言った。そんな事はやりたくないし、やらせたくなかった。

 

「落ち着いて下さい・・・勿論、人にはそれ個人の目標や夢があります。両方どちらか“が”大事なのではなく、どちら“も”大事なのです。それに対して自分らしい付き合い方を人は“自由”に決めていくんです・・・」

「“自由”に?」

「えぇ、そうです!“自由”に決めていいものなのです・・・それでは、ルフィさんはその感情に対して何か不安な事はありますか?」

 

ブルックに言われてルフィは自分の“恋”という初めての感情に対しての不安を冷静に考えてみた。

 

『サボはうちの子だ!!』

『身分の低い称号のねぇ奴らはこの俺に逆らう権利すらない事を覚えておけ』

『見ろ、貴様のお陰で中途半端に死にきれねぇかわいい部下どもが苦しんでる』

『まぁ・・・バカは死なねぇとわからねぇか』

『てめぇにこれ程効率良くあの女を使えるか!?』

『ここは俺様の国だと言ったはずだ!!』

『何を返してほしい!?奪ったものならいくらでもある!!』

『口を慎めよ・・・私は神だ』

『正気が貴様らァ!!全世界を敵に回して生きてられると思うなよォ!!』

『てめぇらは影で俺の部下になることを幸せに思え!』

『世界を兵器まみれにして俺は死の国の王となるのさ!』

『どいつもこいつも俺のカゴの中で操られていればこんな大虐殺をせずにすんだんだ!!』

『もしも・・・あいつがあの時!!!黙って結婚さえすりゃ・・・得られた力は強大だった!!!』

 

ルフィが自分の恋に対する不安を考えて出てきたのは自分が最も嫌いな感情だった。心の底から大嫌いで自らの信条の敵。

 

『俺は空からこの海を“支配”する男だ!!!』

 

そう、それは“支配”だった。ルフィが自分の恋心を気持ち悪く感じていたのは恋も“支配”も一緒だとどこかで思っていたからだ。

そして改めてきちんと認識したせいでルフィは心の底から気持ち悪くなった。自分もそいつらと同じだと思ったからだ。

 

『エース、ルフィ・・・俺達は必ず海へ出よう!!この国を飛び出して自由になろう!!』

『いつか必ず海へ出て!!思いのまま生きよう!!!誰よりも自由に!!!』

 

自分の大事な物を作ってくれた大切な人達との約束を汚しているとルフィは感じた。本来なら歳を重ねるにつれてそういったものではないと自覚していくがルフィはこれが“初めての恋”で、また多くの支配を強いてきた者達とずっと戦いながら冒険してきた。

故にルフィは恋は知らないが支配は知ってる状態で初めて恋した事で恋=支配と繋げてしまっていた。

 

違うとどんなに思ってもウタと無理やりでも一緒に居たいという思いに嘘はつけなかった。

 

ルフィはそう認識するとポロポロと涙が止まらなくなった。大事な幼馴染であるウタにそんな事を考えてる自分が心底気持ち悪かった。

 

「ル、ルフィさん!?どうしたのですか!?」

「ブ、ブルック・・・俺、俺・・・」

「と、兎に角落ち着いて下さい・・・そしてゆっくりと話してください。大丈夫ですよ。私達、仲間がついてます」

 

ブルックは落ち着かせようとルフィに優しく接した。それに対して暖かさを感じたルフィは必死で涙を止めようとしたが止まらなく、暫く掛かった。

 

 

 

 

〇〇〇

暫くして漸く落ち着いたルフィはブルックに話し始めた。自分がウタに対して酷い事を考えてるとブルックに話し始めた。

 

「ブルック、俺最低な奴だ・・・ウタに対してシキみてぇな事を考えて・・・“支配”なんてやりたくねぇ・・・」

「ルフィさん・・・」

 

不味いことになったとブルックは思った。冷静にゆっくりと自覚させていけば上手くいくと思っていたが想像以上にルフィは恋を知らなさすぎた。

 

(恐らく自分の中に初めて生まれた感情に今まで経験した感情の中で1番近い感情を重ねたのでしょう・・・何とかしなくては・・・この死んでも骨だけブルック、悔やんでも悔やみきれません!!)

 

ブルックはルフィの話を聴いて絶対に何とかすると決めた。どうすればルフィにその感情を捨てさせないまま、ゆっくりと進ませていけるのか、ブルックは持てる経験の全てを使って何とかしようと決めた。

 

「俺、ウタにそんな酷い事したくねぇよ・・・」

「ルフィさん、今なんと言いましたか!?」

 

ルフィの言葉にブルックは間髪入れずにそう返した。

そう言われてルフィは冷静に言葉を思い出しながら答えた。

 

「ウタに酷い事したくねぇ・・・って」

「ルフィさん、なら大丈夫ですよ。ルフィさんは初めての恋で自分の中にある1番それに近い感情と繋げてしまっただけです。支配は相手を思う事などありません」

「ブルック・・・俺、良くわかんねぇよ・・・」

「相手を思う事・・・つまり“愛”はどんなことをやっても“支配”とは一緒になりません。けど“恋”は“愛”と一緒に出来ます・・・ルフィさんは絶対に大丈夫ですよ。ウタさんを“愛”してますから・・・」

「で、でも俺・・・怖えよ・・・」

 

ルフィは今までに感じた事のない恐怖を感じていた。それはウタを傷つけるかも知れないという恐怖だった。

 

「怖いのは当然です・・・自分がそんな事をしてしまうかも知れないと思うのですから怖くて当然です・・・でもルフィさんなら大丈夫ですよ。今までそんな風に未知の旅を続けて来たではありませんか・・・」

 

ブルックはルフィが感じてる恐怖を乗り越えられる事を今までの旅に絡めて言った。しかし、ルフィは納得出来なかった。

 

「けどよぉ、全然ワクワクしねぇよ・・・」

 

そうルフィはこれに関してワクワクしてなかった。エースにサボ、ルフィは大切な人達に愛を教わっていた。そしてルフィも愛している。恋の先にある愛をルフィは先に知っていた。だから、ルフィにとってこれは答えが最初から分かってる旅でワクワクとした感覚はなかった。

ブルックはそれを聞いて違う方向から目を向けさせようと決めた。ブルックの経験を持ってしてもルフィのウタに向けての愛と家族に向けての愛がどう違うのか分からなかった。だから、違う視点から行くことにした。

 

「では、ルフィさんはウタさんとどうしたいのですか?ゆっくりと考えて思ったままを言ってください。何をしたいのかやりたいのか・・・私に教えてくれませんか?」

 

ブルックはゆっくりとウタと何をしたいのか考えるように言うとルフィは目を瞑って考え始めた。

 

 

 

〇〇〇

ルフィは考えていた。

自分がウタとどうなりたいのか考えた。

すると景色が浮かんできた。

サニー号の頭の上で隣にはウタがいて、のんびりとしていて自分が寝てる横でウタは楽しく鼻歌を歌ってる。そして島とかを見つけると2人でそこを探検しているそんな光景が浮かんだ。

 

 

 

 

 

〇〇〇

「俺、サニー号の頭の上でウタの歌を聴いて島とか見つけたら一緒に探検してぇ・・・」

「そこにはウタさんに酷いことをしてる自分がいましたか?」

 

ブルックの言葉にルフィは首をブンブンと横に振って否定した。そんな事は微塵の欠片も考えてなかった。考えていたのは自分もウタも楽しそうだと思える事だった。

 

「ルフィさん、それが“恋して愛する”事なんです。自分で2つが一緒になれる事を証明しましたね」

 

ブルックにそう言われてルフィは漸く自分の中にあるものが“支配”とは違うものだと理解できたし、先程まで感じていた気持ち悪さが途端に薄れていった。すると先程までの不安も薄れてルフィは笑えた。

 

「うん・・・ブルック、ごめん。船長なのに泣いてるとこを見せちまった」

「何を言ってるのですか、私達は仲間ですよ♪♪むしろ、見せてくれないと安心出来ませんよ♪♪それじゃ、恋が何か分かった所でウタさんはまだ食堂にいますねぇ・・・」

「・・・俺、ウタの所に行ってくる!!」

 

ルフィはそう言うと吹っ切れたのかウタの所に行った。ブルックは何とか上手く自覚させられてそういった感情を捨てさせない方向に持っていけた事に安堵した。

 

「若いって良いなぁ・・・ヨホホホホホ」

 

 

 

 

〇〇〇

ウタはサンジに言われたのでナミと一緒に食堂でクッキーを食べていた。美味しくてナミやサンジと楽しく喋っていた。

 

「えぇ!?ウソップってウォーターセブンで仲間になったんじゃないの!?」

「シロップ村よ」

「なんで、そんな事になってんだ?」

 

ウタはナミやサンジと喋りながらウソップがシロップ村で仲間になった事に驚いていた。バルトロメオからの情報でそげキングがウォーターセブンで仲間になっていたのを知ったのでてっきりその正体であるウソップとはそこであったと思っていたら違った。

ナミもサンジもなんでそんな事になってるのかわけが分からなかった。

 

「だって、そげキングが仲間になったのがウォーターセブンって言われてたから、てっきりウソップとはそこで会ったのかな?って思って・・・」

 

そげキングという名前を聴いてナミとサンジは色々と頭を抑えていた。あの時は本当に色々とあったからなぁと懐かしさも込みで思い出していた。

そんな中でルフィが扉をバンと開けて入ってきた。

 

「ウタ!!久しぶりにチキンレースやろうぜ!!」

 

そして昔みたいにウタと勝負しようとチキンレースに誘うがウタは現在クッキーを食べていた。つまりチキンを食べる程お腹は空いてなかった。

 

「え?今、クッキー食べてるからこれ以上はちょっとお腹に入らないから・・・やるなら明日にしようよ」

 

ウタはそう言って断った。

そして見事に誘いをウタに断られたルフィは今まで以上にショックを受けた。しかし、相手を思うことが愛とブルックに教えられたのと明日にやろうと言われたのもあってルフィは堪えた。

 

「・・・そっか、じゃ明日やろうぜ!!」

 

ルフィはそう言うとさっさと食堂から出た。ウタはルフィが勝負に誘ってきた事に昔と変わってないなと思って懐かしい気分に慕っていた。

ナミとサンジはルフィが珍しくも聞き分けの良い所を見て疑問に思ってウタに断りを入れて窓から外を見ると頭がガックリと項垂れてるルフィの姿が見えた。明日には出来るとは知っててもショックなものはショックだったのだ。

まさかな状態にナミもサンジも驚いていた。

 

「ナ、ナミさん・・・これって・・・」

「どうやら・・・ウタもルフィに負けず劣らずの鈍感ってことね・・・」

 

サンジはまたショックで嫉妬に狂いそうになり、ナミはあまりにもレアすぎる状態に面白くなってきたと思った。

 

 

 

 

 

こうして基本的に距離感がバグってる幼馴染であるルフィとウタの恋は始まった。














































というわけでルフィ・・・無事にウタに対する恋心を自覚・・・ただ書いてて思った。どうしてこうも不穏な雰囲気が基本的に纏わりつくのか自分の作風を呪いたくなってきました。

正直に言ってブルックに相談せずにルフィが恋を自覚してしまったら、好きでたまらないのに酷いことをしたくないとウタから逃げ続ける何とも重いかつ面倒くさい展開になりそうだったのでマジでリクエストを募集して良かったです。絶対に書けるものは書くと決めてるので。でないとワノ国までそんな雰囲気が流れそうでした。


そしてブルック、マジでナイス!!

次回からは昔から色々とやってきたせいで距離感がバグりまくって更にいうとそういった物を基本的に感じさせないルフィとウタの恋物語が漸く始まります・・・この鈍感カップルをどう料理してやろうか、たっぷりとやっていきます・・・本当にリクエストが無かったらマジでまた陰惨な雰囲気になってたと思います・・・
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