“軌跡”的な世界   作:怪獣馬鹿

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これにてジャヤ編完結!
次回の章は既に考えてるので頑張ります!
さて今回はあの男が出てきます。

※この話は2年間の間の話です。なので麦わらの一味はそうそう出てきません。


逆光

デマロ・ブラックは実に上機嫌になりながら酒を飲んでいた。クリケットから金塊をなんとか奪えて無事に七武海である千両道化のバギーの所の傘下になれる。

毎日が贅沢に暮らせる海賊の理想郷に行けることにブラック達は上機嫌だった。

心地よい歌まで外から聴こえて幸せな気分だった。

船に金塊を隠すと盗まれそうだったのでバレないように包んで持ち歩いている。

 

「上手く行ったな!」

「あぁ、これで俺達の海賊人生もエンジョイ出来る!」

「乾杯!!」

 

ブラック達はベロンベロンになるまで飲むと別の酒屋に行こうと千鳥足になりながらも金塊を持って店を出ると喧騒な街の住民が騒いでいた。

 

「あっ、何だ?」

「船長、どうも美人が1人で歩いてるようで」

 

手下がそう言うとブラックは騒ぎの中心にいる女ウタを見た。ウタは歌を歌って稼いでるようで住民や海賊らが聴き惚れていてブラック達も暇潰しに近くに行くとウタの目が変わった。歌を止めてブラックの前まで歩く。

 

「おい、どうしたんだ姉ちゃん」

「歌ってくれ〜」

「折角のいい歌だったのに」

「歌って疲れたら良いところに行こうぜ」

 

そんな言葉がガヤから聴こえてくるがウタは関係なくブラックの前に着く睨んだ。

 

「何だお前は?」

「おじさんから奪ったその金塊を返して」

 

ウタはブラックらの持ってる金塊を指さして言うと周りから大笑いされた。勿論、ブラック達からもだ。

海賊とは人から略奪して当然、特にそう云う意味ではジャヤはそんな価値観の海賊が大勢いた。

 

「おいおい、あの爺の娘がなんかか?海賊が宝を奪って何が悪い!?」

「痛い目に会いたくなかったら帰りな」

「お嬢ちゃんの来る所じゃねぇよ」

「それとも()でも探してるのか?」

 

嘲笑うブラックやガヤにウタは一息ついて思いっきりブラックの股間を蹴り上げた。蹴られたブラックは急所を抑えて蹲った。

 

「船長!?」

「ちょっと何すんのよ!?」

「こんなことしてタダで済むと思ってんのか!?」

 

ブラックの手下に言われてもウタは物怖じ1つしない。極めて冷静かつ冷徹な目を彼らに向けていた。

 

「あいにくと私の()はもう決まってるの」

「この女、ぶっ殺してやる!!」

 

ブラックがそう叫ぶと手下達が銃を構える。ガヤの海賊達も気の強い娘が泣き叫ぶのは大好きなので捲し立てるように盛り上がっていた。

ウタはそこで一曲歌い始めた『逆光』である。略奪する海賊達に対する怒りを込めた歌で、UTAの代名詞とも言えるほどの曲だった。

そして先程からウタの曲を聴いてるガヤもブラックらも既にウタワールドの中であり、ウタはその力で自らの体を武装していく。四肢に黄金の甲冑を着て背中にはブースターに背の高い黄金のティアラを着けてただただブラックらを睨んでいた。

 

「悪魔の実の能力者か!?」

「頭を潰せば関係ねぇ。撃て!!」

 

ウタの変身した姿に手下がビビるがブラックは命令した。手下達はウタに弾を撃つとウタは五線譜を両手から出現させて全ての弾を受け止めた。

 

「返すよ!」

 

ウタはその五線譜をブラックらに向けて放つと弾丸が受け止められた位置の旋律の音を鳴らしながらブラックらにぶつかって吹っ飛んだ。

吹き飛ばされたブラックらはデカい銃に替えて放つがウタは飛んで避けた。ガヤの海賊たちはそれに巻き込まれて騒ぎの根元で大暴れをしていたウタに向かって弾を撃ってくるがウタは全ての弾丸を五線譜で受け止めていた。

弾が無くなるまで全て受け止めた後でウタは容赦なく五線譜を放つとまるでオーケストラのような轟音を鳴らして海賊達を吹き飛ばした。

 

あまりの強さにブラック達は割に合わないと感じで金塊を持って船に逃げていくがウタは船をミニチュアのように小さくさせた。

 

「俺達の船が!?」

「そんな!!」

「こんなのありかよ!?」

 

狼狽えるブラック達の前にウタは降り立って睨んでいた。先程吹き飛ばされた海賊達は全く起き上がってこず、ブラックらには殺されるという恐怖が襲ってきた。

 

「ひぃぃ、来るんじゃねぇ!!」

 

ブラックはウタに怯えながら、弾を撃つが全て当たる瞬間に音符になって消えていた。手下達は既に戦意を喪失して跪いていて、船長であるブラックも遂に金塊をウタの前に投げて跪いた。

 

「命、命だけは助けてくれ・・・」

 

ウタはそのみっともなく情けない姿に何も言わない。こんなのに関わる時間すら勿体なく、早く金塊をクリケットの所に返してあげたかった。

 

「命は奪わない・・・けど、許す気もない」

 

ウタは波を操ってブラック達を海に放り出した。能力者はいなさそうだし、どうせすぐに上がる。ウタはブースターで空に飛んで消えた。

 

 

 

 

 

〇〇〇

現実世界ではジャヤの住人の殆どをウタワールドに連れていったのでウタは凄く眠たくなりながらも金塊を持って海岸線を歩いていた。

すぐにクリケットの所に帰りたかった。

モックタウンの海賊は嫌いだがウタにとってクリケット達は大切な友達だった。

 

(早くこれを返して一緒に・・・)

 

だが、流石にウタワールドで暴れたのと大量の人を連れて行ったので眠気が止まらく、限界が来て倒れそうになった。

 

「嬢ちゃん!!」

 

しかし、ウタが心配で応急処置だけしたクリケットがウタを受け止めた。

 

「嬢ちゃん、無事か!?」

「・・・おじさん・・・ちょっと寝れば戻るよ・・・これ・・・」

 

ウタは金塊の包みをクリケットに渡そうとしたが力が入らなくて渡せず、地面に落ちた金塊が顕になった。

 

「・・・本当にありがとうよ・・・だから今は休め・・・でないと折角の“面白い物”が見れないぞ」

 

クリケットはウタの親ではない。ただ会っただけの知り合いだ。説教なんてしないが感謝の言葉を言って抱き締めてあげた。

 

「うん」

 

ウタは強く頷くと眠った。

クリケットはウタを抱えて、後から追ってきたマシラやショウジョウに金塊を持たせてすぐに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

ウタが目を覚まして真っ先に気づいたのは潮の匂いだった。体が揺れてるので船の上だと分かり、ウタは飛び起きて船室から出ると海の上に停泊していた。

 

「よお、嬢ちゃん。起きたか?」

 

クリケットは包帯を体に巻いていたが元気そうにウタに挨拶してきた。

 

「おじさん、大丈夫なの!?」

「あぁ、折角嬢ちゃんが金塊を取り戻してくれたのにそう簡単にくたばってたまるか・・・ありがとうよ」

「・・・おじさん・・・」

 

照れ隠しなのかニヒルに笑って言うクリケットにウタは安心と嬉しさと少しだけ照れた笑みを返してあげた。

 

「オウオウ、嬢ちゃん。どうだった俺のベットは?良い感じに寝心地良かっただろ!?」

「俺のハンモックも気持ち良いのにな」

「バカ、バナナ臭いハンモックになんか寝かせられるか!」

「お前だってその髪の匂いが臭いだろうが!!」

「馬鹿野郎、俺は毎日シャンプーとリンスと洗濯と消臭をしてんだよ!!」

 

ショウジョウとマシラが言い争ってるのを見てウタは変わらない2人に少し笑った。

 

「気持ち良かったよ。でも今日はハンモックで寝たいなぁ」

「ホントか!?なら良いのを準備してやるぜ!」

「ちゃんと洗濯と消臭はやれよ?」

「やるに決まってんだろうが!!」

 

また言い争いから喧嘩を始めそうな2人。ウタとクリケットは変わらない2人を見て笑ってると船員が慌ててやってきた。

 

「“アレ”がもうすぐきます!」

 

その言葉にクリケット、マシラ、ショウジョウの顔が変わった。3人は大きな声を出して指示を出して船員達を上手く使っていた。

 

「何が来るの!?」

 

ウタが心配のあまりに声を出すと3人はニカッと笑っただけだった。

 

「海流が出ます!!」

「よし、全員捕まれ!!」

 

2つの船の前に大きな渦潮が出来た。あまりの大きさにウタは船にしがみついていた。恐ろしく感じ、大きな海獣の類が呑まれていく様を見てより怖くなっていたが、クリケット達が笑っているのを見るとウタの緊張や恐怖心も段々と安心してきた。

 

やがて、渦が消えて不気味なくらいに穏やかになる。

 

「嬢ちゃん。こっちに来な!!」

 

クリケットの元に行くと舵を確りと握ってるように言われてウタは確りと握る。マシラとショウジョウ、クリケットも確りと握っていた。

 

ウタは何が始まるのか少しだけワクワクしていくと段々と目の前の海が迫り上がってきて空に突き出していった。

 

「なにこれ!!?」

「見な嬢ちゃん!これが突き上げる海流(ノックアップストリーム)だ!!」

 

ウタに対してノックアップストリームの音に負けないようにクリケットが大声で答えた。体がビリビリと衝撃を感じて見たこともない壮大な物にウタは見惚れていた。

 

クリケットは十年以上も見てきた物が見納めになるので涙が少し出てきたがそれをすぐに拭いて笑った。

 

「十年間の勝負は俺の勝ちだよな?あばよ、ノーランド(・・・・・)!!」

 

クリケットは黄金郷(ロマン)の為に死に今でも故郷で笑い者にされている先祖のノーランドに別れを告げた。

 

「ウキキ、これで見納めか!!」

「オウオウ、ちょっと寂しいぜ!!」

 

マシラとショウジョウも笑いながら言っていた。そこには哀愁という感情はなかった。ウタにはクリケット達の感情はわからないが本当に凄いものが見れてポツリと呟いた。

 

「・・・世界って広いな〜・・・」

 

エレジアに居た時には分からなかった感動をウタは自分の体に刻み込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

それから2日後、見事に近くの治安のいい街がある島に着くとウタは降りた。

 

「送ってくれてありがとう!!」

「達者でな!」

「今度会ったらもっと冒険しようぜ!」

「オウオウ、一緒にもっと楽しもうや!!」

 

ウタは別れを寂しく思いながらも笑顔を向けた。クリケット達も笑顔を向ける。

 

「おじさん、私もっと世界を見る!もっと楽しんでみる!!」

「そうだ、もっと楽しめ!!折角の広い世界なのに狭い世界で終わるのは勿体ないからな!」

「うん、そしていつか私の歌を世界中に届ける!!世界の果てにいるおじさん達にも届くように!!」

 

ウタの言葉にクリケット達は大笑いした。凄く子供のような夢で楽しそうな夢だと思っていた。

 

「そうか、お前の(ロマン)はそれか。世界中に届くようにな!!」

「おじさん達も頑張ってね!!」

「嬢ちゃんも頑張れよ!」

 

クリケットがそう言うと握りしてた右手を突き出してきたのでウタも同じようにした。離れていて一切触れてないのに右手に暖かさを感じていた。3人の海賊船は出港した。長居して居られないと言うのもあるが次なる冒険へと向かったのだ。

ウタは船が見えなくなるまで手を振ってお別れした。

 

「絶対に届けるからねぇ!!!」

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

ジャヤでは混乱が起こっていた。

 

「七武海だ!!」

「千両道化のバギー本人だ!!」

「逃げろ!!」

 

金塊の手土産を聞いてバギー本人が来たのだが、ブラックらがその金塊を持ってないとの事でモックタウンの大通りで縛って蹴っていた。

 

「おい、金塊はどこだ!?俺に手土産として渡してくれるド派手な金塊はどうしたんだ!?俺を騙したのか!?」

「船長!!」

「もうやめてくれ!!」

 

ブラックを蹴るバギー。ブラックの手下が叫んでいるがバギーは蹴るのを止めなかった。

 

「一体、俺の金塊を奪ったのは誰だ!?」

「お、女・・・」

「はっ、女だ!?派手にボア・ハンコックでも来たのか!?それともビックマム海賊団か!?」

「ち、違う・・・知らない小娘に・・・」

「知らない小娘に奪われただと!?派手にコケにしてくれるじゃねぇか!!」

 

バギーは体をバラバラにしてブラックの下に手を持っていき空中に高く浮かび上がらせた。

 

「空中錐揉み大サーカス!!」

 

ブラックは空中から錐揉み回転しながら落ちて思いっきり地面に体をぶつける。ブルゴリなどグランドラインの猛者には効かないが頂上戦争後にグランドライン入りしてきた雑魚には良く効いた。

 

「船長〜!!!」

「頼むやめてくれ!!」

「そうだ、やるならあの紅白女に!!」

 

泣いてるブラックの手下を後ろからバギーズデリバリーの幹部アルビダが金棒で殴って黙らせる。

 

「うるさい!!」

「流石アルビダだ、よし、Mr.3。派手に処刑の準備をしろ!!」

 

幹部のMr.3がバギーの指示に従い、ドルドルの実の力でブラックらを磔にした。そして一人一人、目の前に大砲を構える。

 

「それじゃ、派手に死ね!」

「ま、待ってくれ!あんたに侘びとして1000万ベリーやる!!」

 

ブラックは命欲しさにデマカセを言った。そんな金なんてないし、こんなんに騙されるのはそうそういない。だがバギーは違った。

 

「1000万じゃ割に合わねぇな」

「なら一億ベリー!!」

「・・・・・それなら良いか・・・よし、一億ベリー俺の元に持ってこい。俺は寛大だからな。2年くらい待ってやるさ」

「ほ、本当か!?」

 

バギーはブラックの髪の毛を一本抜くとフラスコの中に入れて参謀のカバジに渡した。

 

「その代わり、これもトンずらこきやがったらお前を海のど派手な花火にしてやる」

 

ブラックはバギーの言葉に必死に頭を縦に振った。他の手下も同じように振った。

 

「野郎ども、さっさと帰るぞ。宴の続きだ!!」

 

バギーはそう音頭を取り、ブラック達を開放させて帰ろうとしたがバギーはブラックの船の近くで止まった。

 

「これ、お前らの船か?」

「あ、あぁ・・・」

 

バギーはそれを聴くと船に容赦なくマギー玉をブチ込んで船を爆破させて沈めた。バギー玉自体がそもそもかなりの破壊力を誇ってそれを小さくしたマギー玉も威力は落ちていない。おまけに凄く小さくて見えづらいのでブラック達からすればバギーが何もせずに船を爆破させた怪物に見えた。

 

「次はちゃんと渡してくれるよな?」

 

バギーは凄く優しい笑顔で言って、さっさと自分の船に戻っていった。一先ずなんとかなったブラック達は七武海の恐ろしさに震えていた。

 

「船長、どうすんだよ?」

「そうよ、2年で一億なんて人生何回繰り返しても無理だよ」

「うるせぇ、今考えてんだよ!!」

 

ブラックは頭を悩ましながら考えたがそんな大金をすぐに手に入れる方法なんてそれこそ一発逆転を狙って宝探しに行くしかなかったが、ブラックにそんな度胸はなかった。

 

「船長帰るぞ」

「うるさいべ、まだ飲ませろや。まだ麦わらのルフィ先輩の事を話足りねぇんだべさ!」

「良いから帰るぞ!ばあちゃんに朝まで飲むなって言われてただろうが!」

 

何とも場違いな声がしてブラックはそっちの方向を向くとベロンベロンに酔ったバルトロメオがガンビアの手によって引き摺られていた。あれだけの騒動があったのに全然気にせずに飲んでいたのだ。

 

「麦わら・・・そうだ、良いことを思いついた。俺達にはまず力がねぇ。だから集めて奪い取ればいい!」

「どうやって?」

「世界中が知ってる“死んだ”かあやふやな極悪党になれば出来る」

 

ブラックの言葉に手下達は誰の事を言ってるのか一発で分かった。頂上戦争後のマリージョアでの事件から姿を消したルフィの事だった。全く上手く行きそうにない作戦だが、七武海から狙われた彼らにしてみれば良い案だと思った。

 

「俺達は今日から“麦わらの一味”だ」

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

バギーはアルビダとMr.3から愚痴愚痴と文句を言われていた。

 

「あんな見え透いたバカみたいな案に乗るなんてアホすぎでしょうが!」

「まともな海賊なら絶対にやらないガネ」

「うるせぇ!あれだけ痛めつけたんだ。次はちゃんと払ってくれるさ。それよりも宴だ!」

「「「「「うおぉぉぉーー!!」」」」」

バギーの宴好きに2人は呆れ果てていた。こんなんなのに何故か七武海までのし上がってるのはもう奇跡の星の下で生まれたしかないと思った。

そんなバギーに副船長のモージが近づく。

 

「バギー座長」

「おう、その紅白娘についてわかったか?」

「何でも凄い美人で歌が上手かったらしいのと悪魔の実の能力者だそうで」

「ほぉ~、そいつは面白え。ちょうど新しい戦力と宴を盛り上げるやつが欲しくなってきた所だ」

 

バギーはその情報だけ聞いてウタを狙い始めた。海の船の上でバギーの高笑いが響いていた。

後ろの昔からバギーを知ってる面々とMr.3は嫌な予感を感じていた。

 

 

 

 

 

 

〇〇〇

この世界で遭難はよくある。

海だらけなので本当によくある。そして遭難して連絡を取る場合、「世経」の新聞の最後のページに遭難した場合の救助してくれた連絡先が船ごとにあるのでウタは自分が乗っていた客船を見つけて書かれた連絡先に掛けてみるが中々繋がらなかった。

あまりにも暇なのでウタは受話器を耳に当てながら新聞をペラペラと読んでいくと1つの記事を見て新聞を目を見開いた。

 

『麦わらのルフィは死んだのか?』

 

記事の見出しに書かれていた文字にウタの動悸は激しくなり、食い入るように記事を読んだ。頂上戦争で兄のエースを失い、自身もかなりの負傷を負った事、そしてマリージョアでの16点鐘を行い、それから一切の記録が無いことが書かれていた。根も葉もないモルガンズらしい憶測も書かれていて、あれは自殺する合図だったとか負傷の傷が開いて死んでるとか、下らない事と人は思いそうだが、今のルフィを知らないウタには不安でしかなかった。

 

「ルフィが死んだ?」

 

ウタはそう呟いた。

 

(違う違う!ルフィが死ぬはずない!!)

 

必死に頭を振ってその考えを消そうとしていた。ウタは1人誰にも相談すら出来ない状態で不安と向き合う羽目になった。

 

 

 

 

 

〇〇〇

一方、その頃。

ウタと逸れてしまったゴードンは救助してくれた海軍支部の中将に直談判をしていた。

 

「まだウタは見つからないのですか?」

「落ち着いて下さい。お嬢さんは我々が必ず見つけ出します。それまでは大人しくしてください」

 

ゴードンは海軍中将のジョナサンにありきたりな言葉を言われて下がった。そんなジョナサンに1人の老人が煎餅をバリバリと食べながら近づいてくる。

 

「何じゃ、今日も来たのか?」

「えぇ、最後の国民のようですしね。まぁあれは娘みたいなものでしょうが」

「お前も大変じゃのう?」

「ガープ先輩にそんな事を言われる日が来るとは」

 

煎餅を食べていたのは今は海軍中将を引退して後進の育成をやっている英雄ガープだった。

 

「何じゃ、辛辣じゃのう?」

「忘れもしませんよ。私が新兵だった頃に既に大佐だった貴方に連れて行かれてどれだけ私が酷い目にあったか・・・中将で一応立場が同じになって離れた時は泣きましたもの」

「相変わらず軟弱じゃな。ワシが久しぶりに鍛えてやろうか?」

「それは後輩のボガード君の役目ですから丁重にお断りします」

 

ジョナサンはそう云うと新聞記事に載っていたウタの写真を見ていた。

 

「君の先生はナバロンに居るから出ておいでぇ」

 

ジョナサンはナバロンの司令室でそう呟いた。







というわけでバギー登場です。
いや、他にもガープとかナバロンとか出てきましたけど。
まずはあの赤鼻からやります。
というわけで次回からバギー編です!
お楽しみに


(作中で一億と10億を素で間違えていた箇所があったので訂正しました。)
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