vtuberさんただいま炎上中   作:なべたべたい

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第1章 彼氏バレにはご注意を
1話 今日も今日とて燃えている


最近買ったゲームチェアに座り配信の準備をする。

マイクの電源を入れマイクテストを何度かした後に配信開始ボタンを押す。

 

「あーどうも皆さま今晩は今日は少しだけ配信したいと思います」

 

画面の中で自分と同じ動きをする赤髪の男を見ながら話し始め、そのままチラリとコメント欄の方を見るといつもの事ながら阿鼻叫喚なコメント欄になっていた。

 

コメント

:氏ねカス

:さっさと辞めろ

:直結クソ野郎

:この後三期生の配信だから?

:ゴミ

 

最初の頃はあまりの酷さにvtuberを辞めようかとも思ったが、なんやかんや辞めずに続けていると最近ではファンのコメントだけを認識して、アンチコメントは認識しないと言う謎の特技を会得した。

 

「そうなんですよね。この後ユメノミライに三期生が入るんですよ。ぜひ皆さん三期生の子達の事を応援してあげてくださいね」

 

コメント

:はーい

:辞めろ

:クソクソクソクソクソクソクソ

:俺はお前も応援してるぞ!

 

「俺の事も応援してくれるホムラビトも、ぜひ三期生だけじゃなく他のメンバーの事も応援してあげてね」

 

ホムラビトとは俺こと、九重ホムラのファンネームであり、数少ない俺のファンだ。

そもそも俺はユメノミライという大手のvtuber事務所に所属しているvtuberなのだが、何故ここまで配信が荒れているのかというと、理由は様々あるのだろうがやはり大まかな理由としては、ユメノミライというvtuber事務所が女性アイドルグループとして売っている事だろう。そら誰だって自分の推しているアイドルグループに男が1人紛れ込んでいたら怒るだろう。

 

これを聞いたら何故俺の配信がこんなにも荒れているのかがわかると思う。

まぁそんなこんなで俺の配信はいつも、荒れに荒れているのである。

 

コメント

:さっさと辞めろ

:三期生ってどんな子達?

:つまんない

:消えろ

 

「三期生か……実は裏でも話したことすらないからどんな子達なのかわからないんだよね。だからごめんね」

 

実はそうなのだ、運営からのお達しでこれからは本格的にアイドル売りをしていくとのことで、出来るだけ他の演者さん達とは関わるなと言われ、三期生達に至ってはディスコードなどでも一度も話をしたことが無いのだ。

 

出来ることなら挨拶ぐらいはしたかったのだがまぁこれも仕方ないことなんだろう。

 

コメント

:いつも無能な運営が有能

:運営ナイス九重ホムラは氏ね

:そうだったんだ

 

「まぁという事だから三期生の子達がどんな子か知りたい人はぜひぜひ、今日の21時からまぁ後大体30分ぐらいから始まる、初配信リレーをお楽しみに」

 

コメント

:了

:カスつまらんさっさと辞めろ

:こんな奴が入ってるとかユメノミライはオワコン

:三期生の配信楽しみ

 

「だよね俺も三期生達の配信はすごく楽しみ。それと俺の事はいくら馬鹿にしてもいいけど、ユメノミライの事を馬鹿にするのは辞めてもらってもいいかな?」

 

コメント

:それはそう

:コイツは直結クソ野郎で氏ねばいいけどユメノミライは神

:ユメノミライ最強ユメノミライ最強

 

今日1番のコメント欄の速さを見て全くと言っていいほど貢献は出来なかったが、それでもここまでユメノミライという事務所が成長したのだと感じ、少し目頭が熱くなった。

 

そんなこんな話しているうちに時間は過ぎ、後10分程で三期生達の配信が始まる時間になることを確認しの配信を閉じる方へと持っていった。

 

「まぁ、という事で時間もいい感じなので今日の配信はこのくらいにしたいと思います。概要欄に三期生達の初配信のリンクがあるので、できれば見に行ってチャンネル登録と高評価してあげると彼女達は喜ぶと思うのでぜひよろしくお願いします。それじゃあ乙ホムでした」

 

コメント

:乙ホム

:面白かった

:辞めろ

:乙ホムでした

 

配信終了して三期生達の配信を見ようと配信サイトを開くと、その際自分のチャンネルが開かれた。チャンネル登録者数4823人。その数字を見て現実を突きつけられる。俺と同期の奴らは何十万人もののチャンネル登録者を持ち、これから配信を始める三期生達に至っては、まだ産声も上げていないのに低い子でも1万、多い子に至っては5万人もの登録者を持っているのである。

 

それに俺の登録者のほとんどがユメノミライだから登録してくれた、俗に言う箱推しという人達で、実際の実力で考えると多分1000人もいないのだと思うと、やはり少し悲しくなる。

 

そんな事を考えながらも三期生達の配信を待った。

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