vtuberさんただいま炎上中   作:なべたべたい

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21話 九重ホムラ偽物騒動無事解決!

いつものように何か配信に使える情報は無いかとネットの海を漂っていると、ユメノミライの運営ではなく園野さんから連絡が入った。

 

そこで自分が園野さんに確か、謎の理由で炎上している事を調べてほしいと伝えていた事を思い出し、本来の仕事で忙しいと思うのにこんな短時間で、俺が配信の合間とはいえ一週間探しても見つからなかったものを、見つけてくるのは流石はネットアイドルを運営する事務所の社員だと思った。

 

いや、それとも単に園野さんが凄いのか?

 

そこの所は分からないが、特段興味があるわけでもないので、その考えを捨てて俺はすぐにスマホを手に取り通話開始ボタンを押し、スマホを自分の耳元に当てた。

 

「もしもしこちら園野ですが、そちらは九重ホムラさんの電話番号でお間違えないですか?」

「はい、間違ってませんよ。それでいきなり連絡してきてどうかしたんですか?」

「今少しこちらがバタバタしているので、ホムラさんには悪いですが手短に話しますね。まずホムラさんは九重(くじゅう)ホムラと言う個人勢vtuberを知っていますか?」

「苦渋?なんだか辛そうな名前ですけど、その人がどうしたんですか?全く知りませんけど……」

「では少し詳細をお話ししますね、この九重ホムラですが簡単に言ってしまえは、名前からもわかるようにホムラさん貴方の偽物ですね。」

「苦渋ホムラがですか?」

「はい、九重ホムラがです。」

 

確かに名前は同じだが苗字が全く違うのに、どうしてそれが俺の偽物になるんだ?

 

と思いながら、パソコンで適当に苦渋ホムラと調べてもやはりその件の相手は見つからず、逆に多くの俺の悪口が発掘された。

 

そんな感じで俺が勝手にダメージを負っている間にも、園野さんは話を続けておりどう言う話の流れかは聞いていなかったので分からなかったが、俺があまり要領を得てないようだったのを察してなのか、園野さんは俺宛のメールでこの苦渋ホムラについての資料を送って来た。

 

そのメールに写っていたのは、苦渋ホムラではなく九重ホムラという名前に、自作なのか劣化版俺みたいな絵が写っており、その下にはチャンネル登録者数やどういう動画を投稿していたかまでがまとめて書かれていた。

 

「あ!あー九重ホムラね!うんうんわかったわかった。なるほど……これはアウトなのでは?」

 

それも俺の偽物という事もあり本物でさえほとんど人気がない状態なので、そんな物の偽物が出たところでほとんど誰にも見向きもされなかったのか登録者数は500人程度で、更には動画の主体はコラボらしくそれもほとんどが相手のチャンネルでやっているとのことで、この偽物のチャンネルにはほとんど動画がなかった。

 

「はい、ホムラさんの言う通りこれは完全にアウトですね、更にこんな事もありましたからね」

 

と相手には了承を得ています。と言って俺に送られて来たのはこの偽物とその偽物に誘われている人とのDMでのやりとりなのだが……

 

「いやそこでユメノミライの名前を出すのは普通に詐欺だろ」

「そうですね、ですがホムラさんの名前を語っている時点でそれは本人では無いので詐欺ですね」

「いやー、なんか急に俺の偽物が出たと思ったら、スッゲェ小物でびっくりなんだけど?と言うかこの人は自分のチャンネル伸ばしてないけど、何の為に俺の名前を語ったんだ?コラボ相手は俺の名前を使えるからメリットあるかもしれんが、この偽物事態にそこまでメリットないと思うんだけどな?」

「自分の考えでよければ話しましょうか?」

「お、聞きたい聞きたい」

「多分恐らくなのですが、単に女性vtuberとコラボしたかったのでは?と自分は考えます。根拠としては以前渡した資料に載っているvtuberも全員女性ですし、このホムラさんの偽物が実際にコラボしている相手も、女性vtuberですし、何より自分が確認した配信では基本コラボ相手の女性vtuberに、セクハラまがいの事しかしてませんでしたからね」

 

おいおい本物が女性vtuberにできるだけ関わらないようにしてるのに、何で偽物が積極的に女性vtuberとコラボしようとしてるんだよ!

 

と言うかこの偽物、梅さんやオンプさんに姫花さんをコラボに誘うだけ誘って、しっかりコラボしないってvtuberとしての才能ねぇな。

 

あんなに伸びそうなvtuberなのに……

 

「と言うか何で俺なんだ?普通にハジメとか他の男性vtuberの方が、女性vtuberとコラボもできると思うんだけどな?」

「さぁどうしてなんでしょうね?もしかしてホムラさんが運営と仲が悪いから、バレないとか考えたんでしょうかね?」

「いや、流石にそれはないでしょw」

 

 

「くそッくそッ!何でこうなるんだよ!」

 

そう叫ぶ男の目の前にあるパソコンには、ユメノミライというそこそこの大きさのvtuber事務所から、法的処置を取るとの文書が届いていた。

 

男は過去に女性vtuberとイチャイチャしたいという理由で、何度もユメノミライやアンダーライブに応募しているのだが、ユメノミライは女性アイドルグループなのでもちろん受かる事はなく、アンダーライブもそんな邪な考えの持ち主を合格する訳もなく、他にも個人の女性vtuberに一緒に話そうよなどの言葉をかけていたが、もちろんそれも無視され続けていた。

 

それでもどうしても女性vtuberと関わりを持ちたかった男は考えた。

 

そんなある時男の中に天恵が降りて来た。

 

「そうだ!人気vtuberの名前を騙ろう!」

 

だが男も馬鹿ではなかった。

 

「流石に有名どころすぎると、すぐにファンや運営に見つかってダメになるだろう。だからって弱小を狙ったとしても、ネームバリューが無いからコラボに託けないだろう。あー何処かにネームバリューはあるのに人気のない男性vtuberはい無いものか……って流石にそんな都合の良い奴がいるわけ」

 

居た!

 

それも有名企業に入っている癖に、人気は全くなく見ているのもほとんどアンチで、尚且つ運営との関係も最悪で、バレにくい最高の物件が!

 

という訳で俺は九重ホムラに成り代わり、数字が欲しい個人勢の女性vtuber達とコラボをし始めた。

 

そんな感じで俺はかわいい女性vtuberとコラボが出来て、更にあの憎っくきクソ野郎のホムラの野郎の地位も落とせて、完全に勝ち組状態まっしぐらだったとある日、ホムラのファンと思われる奴らから、やめろや通報するなどの負け組の弱者どもの僻みが何度か来ていたので、最初の頃は少し煽ってやっていたのだがそれも最近は飽きて来て、ほとんどの連絡を無視するようにした。

 

そんな生活をしていたある日、クソ野郎のホムラが俺の女とコラボしているのを発見した。

 

それに対してイライラし鬱憤晴らしにネット上にホムラのありもしない悪口や悪評を流しまくっていると、ユメノミライを自称する所からよく分からない通知が来たが、あのクソ野郎はユメノミライの運営に見捨てられてるから、本物のユメノミライの運営ならこんな連絡をしてこないだろうと放置していたが、その後も1日おきに何度も動画の削除要請などが来ていたが、俺はこんな事を毎日する暇な奴が居るんだなと無視していたある日、削除要請などでは無駄だと感じたのか、その自称ユメノミライは法的処置を取るなどと、出来もしない妄言を吐き捨てて来たので、出来るものならやってみろ!

 

という気持ちでそのメール画面を見ており、こんな馬鹿げたメールをどこのどいつが送って来たのか気になり、初めてその相手のメアドを見てみた所……

 

凄く見覚えがあった。

 

それはユメノミライ法務部のメアドであった。

 

過去にホムラのクソ野郎をクビにさせるために、何度も法務部にホムラのありもしない悪評を流しまくっていたから間違い無いだろう。

 

それがわかった瞬間全身から嫌な汗が流れ始め、呼吸が荒く視線もあちこちに移動し、思考がうまくまとまらなくなって来た。

 

「くそッくそッ!何でこうなるんだよ!」

 

男は急いで自分のチャンネルを消し、ツイッターのアカウントなども全て削除したが、そんな事を今更やっても既に遅く、ユメノミライ側は今回の件で被害を被った個人勢からも情報を集めており、さらには過去のホムラに対する誹謗中傷などの証拠も全て押さえており、今回の九重ホムラ偽物騒動を利用して、九重ホムラへの誹謗中傷を減らす為に、これからは九重ホムラに対しての誹謗中傷も法的処置を取るという前例を作っておきたいと考えていたので、今回の事は公式ホームページにも書いたり、他にも公式ツイッターでも正式な法的処置を取るとの文書を発表した。

 

こうして、九重ホムラ偽物騒動は本人がその存在を認知する前に、ほとんどが解決しており結局のところ偽物の声ひとつ聞く事なく、無事に事件は解決することが出来た。

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