白い砂のアクアトープ 〜海の奇跡〜   作:カラスの餌

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実はこの方半年前に高校卒業して社会人になった人です。て事でちょーちょーふてーきです


新入り飼育員波音

 

 

「前より伸びた髪も〜…買ったばかりのシャツも〜」

 

 

 

俺は歌いながら、包丁で魚をリズミカルに捌いていた。と言うのも、俺は先日くくるさんにほぼ強制的に水族館のスタッフにさせてもらった。

ちなみに俺は、魚の飼育の方法は1ミリも知らない。

 

 

まぁ、そんな訳で俺は餌の調理役に任命されたってこと。

正直な話、前のバイトよりは楽しいと感じてる。

 

 

だってそれは…………

 

「波音君っ、ペンギンの餌の魚捌いてくれた?」

 

 

「は、はいっ!いっぺぇ、さ、捌けましたァっ」

 

 

「わぁ!すごい綺麗に捌けてる!これなら、皆も食べやすいと思うよっ♪ありがとう波音君っ」

 

 

そう、我らががまがまの天使、風花さんと一緒に働けてるからだ。

風花さんてば、俺が初めてがまがまにスタッフとして挨拶に行った時は、ものすごい笑顔で歓迎してくれたさ……

 

 

「こ、これくらいお手の物ですよ、漁師の息子だから、こんくらいはぁ…」

 

「ふふっ、謙遜しなくても良いんだよっ。私には到底出きっこないし、すごいと思うな♪」

 

「………!!」

 

風花さんは、笑顔でそう言ってくれた。俺は昔から1人で魚を釣っては自分で捌いて料理をしてそれを自分で食べる。これが小さい頃からの当たり前だった。

 

親父も、似たような感じだったらしい。

 

だから、魚を捌く事は俺の中では至極当然の事であって、別に特技でもなんでもない。

 

けど、風花さんはそれを素直にすごいと言ってくれて、とても嬉しかった。

 

 

「あの、波音君……」

 

 

「は、はい?」

 

 

突然、風花さんは少し顔を赤くしながら、俺の名前を呼んだ。一瞬だけ愛の告白か?!(馬鹿野郎)と思ったけど、どうやら違うようだ。

 

 

「良かったら…今日仕事終わったら一緒に、夜ご飯食べに行かない…?」

 

「ほぇ………………」

 

 

突然のお誘いに俺は変な声が出てしまった。これってあれか、東京で言う、デートのお誘いってやつか?!と思ったけど、ここは一旦冷静に。

 

 

「お、俺なんかと…?俺なんかで良ければ、時間ありますし全然構いませんけど…」

 

 

「ほ、ほんとに?やった♪じゃあ、後でくくる達にも伝えておくね♪場所は私が案内するから♪じゃ、また仕事終わりね♪」

 

そう言って、ルンルン気分で風花さんは調理室からいなくなったけど…

 

 

ものすごい可愛い笑顔だったけど、次に出た言葉で察した。デートではなく単純にお食事会のお誘いだったという事に。

 

 

 

………いや!風花さんと2人きりじゃないんかい!

 

 

まぁ、でも、せっかく誘ってくれてし行かないのも悪いしな!それに風花さんと仲良くなるチャンスさぁ!逃す訳にはいかんさ!

 

 

「よっしゃ!閉館まで頑張るさぁ!」

 

 

て事で、俺はまた直ぐに仕事に戻った。

 

 

「あ、そうだ、後でペンギンの様子見に行くさ〜!俺の捌いた魚しっかり食べてるか、みたいし!」

 

________________________

 

 

風花side

 

「良かった……しっかり誘えて……」

 

 

私、宮沢風花は最近ある男の子が気になっています。もちろん恋愛とかそう言うんじゃなくて……

 

 

「なんと言うか……不思議な子だよね…波音君…」

 

 

そう、彼だ、仲宗根 波音君の事。とても明るく優しい子って事はわかるけど、彼基本的仕事以外は1人でぼんやりしてる事が多い。

 

たまに、櫂君と話してるけど、基本的には1人が多い。

色々と話をしてくれるけど、学校の事とか家の事は全くと言っていいほど話さないし、どこか隠してる気がする。

 

 

櫂君が言うには、昔からそういう性格らしくて、基本的に自我を出す事はあんましないけど内心はとっても、色々と考えてて色んなことを気にしてるらしい……。

 

 

 

…私はそうは見えないんだけどなー…

 

 

 

「波音君と、もっと仲良くなりたいなー…それに私がどうして沖縄にいるのか話さないとな……」

 

はぁ…と、ため息をついてたら……

 

 

「どうしたんですか?宮沢さん」

 

突然横から櫂君が声を掛けてくれた。丁度いい機会だし、波音君の事を聞いてみようかなと思う。

 

 

「波音君の事でさ、あの子昔はどんな子だったの?」

 

 

私は思い切って櫂君に聞いてみた。

櫂君は、昔か……と少し顎に手を当て考えてたけど、直ぐに話してくれた。

 

 

「あいつは、とにかく昔から優しい奴でした。魚を料理するのが上手くて…それにしっかり命を頂くことの感謝する気持ちを誰よりも大切にしてました」

 

 

櫂君は少し苦笑いしながら、波音君の事を続けて話した。

 

 

「それに頭も良くて、運動も出来るし…ほんっとに非の打ち所がない奴ですよ。全く」

 

「そう……なんだ。やっぱり波音君って優しいんだね…」

 

私は少し安心した。てっきり皆の前で気を使ってるのかと思ってたので少しホットした。

 

「まぁ、でも波音たまに、おっちょこちょいなんでしっかりサポートしてくれるとあいつも助かりますよ、きっと。」

 

櫂さんはニッと笑顔でそう言って、じゃ、仕事に戻りますと言ってそのまま行ってしまった。

 

「ふふっ、仕事終わりちょっと楽しみになっちゃった。沢山お話したいな♪」

 

そう言って私も自分の持ち場へ戻った。




シリアスいれない方がいい?
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