白い砂のアクアトープ 〜海の奇跡〜   作:カラスの餌

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寒い〜

私事ですが、格闘技始めました


4話 奇跡の体験

 

 

「ふんふふーん♪いやぁ…2人きりでは無いけど、風花さんとご飯食べに行くの楽しみだなぁ〜」

 

 

俺は先程、風花さんに夜ご飯は水族館の皆と一緒に食べないか?と誘われた。普段は自分で釣った魚を捌いて、調理して1人で食べてるため、あまり誰かと夜ご飯を食べるという事に縁がない。

 

「にしても、風花さんって、見た目凄く綺麗だし、都会の人さ。彼氏さんとかおるのかな……」

 

と、何を考えているんだ俺は。仮にもバイト先の先輩という立ち位置の人にそんな下心丸出しは良くないよな!

 

 

風花さんにバレたら、これだから男の子はと言われかねないよ…ほんとに…。

 

でも、ちょっと風花さんになじってもらいたい(((

 

おっと、失礼失礼。危うく変な発言が出るところだったさ

 

にしても最近、頭から風花さんの事が離れない日が続いている。

正直、今までに無い経験だから、少々困っている、勉強の時とか寝る前なんて特にだ。

 

「うちなーであんな偉いべっぴんさん見た事ないから、印象強く残ってるだけなのかな……」

 

俺が今まで生きてきた中で風花さんは1番容姿が整ってる女性だった。

もちろん今まで見てきた異性が綺麗じゃなかったという訳でなく、普通の人とは違う輝きみたいなのが感じた。

 

俺はそう考えながら、ペンギン達のエサ用の魚を捌いていた。

 

「あぁ、まただ…また考えてる…。業務に集中しなきゃいかんさ…」

 

暇さえあれば、考えている。一体俺はどうしちまったんだ

 

……いや、ホントは分かっている

 

「俺…風花さんのことが好きなのかな…」

 

認めたくない、自分が一人の異性を好きになるなんて。だってらしくないし何より色んな時に思考にバグを起こらせるからだ

 

 

「えぇい!忘れろ忘れろ!今は水族館で働いてる自分の事だけを考えるさ!」

 

俺はそう言って、バケツに捌いた魚を入れてペンギン達の飼育されてる場所へ持っていった。

 

 

「あ〜波音君〜。それ終わったらでいいから、後で水槽洗うの手伝って〜俺一人だとしんどいからさ〜」

 

「分かりましたよって…空也さん…目死にかけてますよ…」

 

道中エサを運んでる最中俺と同じく男性のスタッフの屋嘉間志 空也

(やかまし くうや)さんに会ったが、ココ最近シフトがえげつないくらい入れられてるらしく、目が死んだ魚の目をしていた。

 

「ホント、あいつも勘弁してくれよな〜、おじいの願いだから聞いてるけど…ほんとに…」

 

「はは…確かにくくるさん、ちょっと人遣い荒い場面さ見かけますよね…」

 

「お!?波音君わかる?!だよな〜、あいつほんとに人遣い荒い…うんうん…」

 

途中、空也さんに同情した瞬間一瞬で生きた目をし、めちゃくちゃ、くくるさんの愚痴を語り始めた。

空也さんは普段はぶっきらぼうだが、何やかんやで男の俺や櫂には優しく接してくれて個人的には話しやすい人物さ。

 

そして、空也さんの話を聞きながら談笑してたら気付いたら休憩時間、空也さんは上がりの時間に入ってた。

 

「お!今日のシフト終わりー!波音君また明日〜」

 

「は、はい〜お疲れ様でした〜。」

 

そう言って上機嫌のまま、俺の前から走って事務所へ向かっていった。

多分だけど、俺は暇つぶしに付き合わされただけだと思う。

いや十中八九そうさ。

 

一応改めて言っておくさ、悪い人では無い。

 

そして、そのまま俺は持ち場へ戻る時あるの物が目に入った。

 

「やけに見映えがいいな…それに奥のあれは…」

 

一つだけ大きなガラスの水槽があった。中には沢山の種類の魚が泳いでいた。そして奥には光のような物が見えた

 

しかし、俺はあることに気付いた。

 

「あ、あれ?!人が…いなくなってる…さっきまで子供はここで走り回ってたのに…」

 

人っ子一人いなくなっていた。それどころかまるで俺以外の人がこの世界からいなくなったみたいだった。

 

すると……

 

「み、水が溢れて…!まずい!逃げなきゃ…!」

 

突然水槽から大量の水が溢れて、ガラスを破り俺の方へ流れてきた。

 

 

「っ………!」

 

俺は溺れたと思い、必死に泳いだ。しかし不思議と苦しくはなく体は軽かった。

それに視界もハッキリとしていた。

 

周りを見渡すと俺の周りに魚が大量に泳いでいた、鮮やかに綺麗な色をした魚達が俺の周りをゆっくりと泳いでいた。

そして、真上にはジンベイザメが、その巨体をゆっくりと動かし泳いでいた。

 

まるで、海の世界に放り込まれた気分だった。うちなーの海の底に放り込まれたまるで、そんな気がした

 

そして、奥からなにやら人が見えた

 

「あれは……」

 

その人物はどこか見覚えのある人物だった。

長い綺麗なストレートの黒髪で、ほっそりとしたあの体型、そして誰よりも明るい笑顔

 

「もしかして……母さん…?」

 

そう、あれは間違いなく俺の母だった。

 

「なんで……母さん…母さんは5年前に…病気で…」

 

そう、俺の母さんはだいぶ前に亡くなっていた。絶対治すって笑ってくれたけど、母さんは亡くなった。最後まで泣くことなく強く生きたそんな自慢の母さんだった。

 

「波音………っ」

 

「……!」

 

海の中だけど、声が聞こえた

 

俺は走り出した、すぐそこに母さんがいる。

ずっと言いたかった事があったからだ。

 

「母さん…俺…こんなに大きくなったんだよ…!ちっさかったのにさ…」

 

俺は母さんを抱きしめた。抱きしめた感覚はなかったが、暖かい何かを感じた。

 

「うんうん……おっきくなったね…波音…そしてごめんなさい…。約束…守れなくて…」

 

「母さんは謝らなくて良いんさ…!俺の方こそごめん…最後まで…迷惑かけっぱで…」

 

そう言うと母さんはあの優しい笑顔でこういってくれた。

 

「波音…波音は昔から優しいね…母さん、波音がこんなに立派に育ってくれて何よりだよ。あの人とも仲良くね…」

 

「母さん…最後に一つ言いたいことがあるんだ…」

 

光が消えそうだった。俺は今までいえなかった事を伝えた。

 

「恥ずかしくて今まで言えなかったさ…いつもありがとう…そしてこれからは安心して俺達を見守ってな…」

 

そう言うと、母さんは満面の笑顔を俺に向けて光だし消えて行った。

 

 

そして

 

「っ…!ここは……」

 

先程まで立っていた水槽の前に俺は戻っていた。

 

 

 

 

 




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