ウタとモブ(ガチ勢) 作:芝猫
今後、こう言ったことがない様に書いていこうと思いますが、万が一同じ様な事があれば温かい目で見てくださると幸いです。
「ん、んぅ」
ふわりと、爽やかな風に目を覚ました。
俺は現在、草原に横になっている。
神様との交渉を経て、どうやら無事にワンピースの世界に転生できた様だ。
あの神様のことだ、うっかり「違うとこに送っちゃった♪」とか言いそうだけど安心できた。
「さーてと、そんじゃ今俺はどこにいるのかっと.....お?」
草原から起き上がり、周りを見渡すと街があった。
いや、街があるのはいいんだ。なんせエレジアにもあったからね。廃墟だけど。
問題は、人がたくさんいる事なんだよ。いるどころか商売もやってるじゃないか。
「いくら、一週間後にウタちゃんのライブがあるからとはいえこんなに早くに人が来るもんなのか?」
街まで行ってみようと思った時、不意に足に何かが当たり、こけそうになる。
「イテェな.....なんだこれ?」
そこには、丁寧にラッピングされた木箱があった。
ピンクのリボンに茶色の木箱となんともいえない箱だった。
ラッピングを取り、箱を開けてみる。
「え、いや、これ、嘘だろ?」
そこにあったのは異質な果実。
白く、そして黒く、ギザギザしている。
明らかに普通のフルーツではないことがわかった。
「これ、誰がどー見ても悪魔の実だよな?」
おかしい、自分は確かに神様に3つほど願いを言ったが、その中に「悪魔の実」が欲しいなんて言っていなかったぞ?
「ん?」
さらに悪魔の実らしきものを持ち上げると、底に巾着袋と紙切れがあった。
紙切れを拾い上げて見てみるとどうやら神様からのメッセージみたいだ。
前言撤回。
「おいおい.....まじか」
うっかりどこぞの元海軍大将のセリフが漏れてしまった。
これに関しては怒っても許されるだろう。
巾着袋にはわかりやすく『10万ベリー』と書かれている。
「まぁ、あーだこーだ言ってても仕方ない。時間は過ぎていく一方だ。とりあえず..........」
俺は『悪魔の実』にかぶりついた。
戸惑いは一切なく頬張った。元々味には少し興味があったからね。
「もぐもぐ........うっ⁉︎」
悪魔の実とはいえ見た目は果実だ。
ひょっとしたら美味いか不味いかは本人次第かもしれないと思ったが、期待はあっさり打ち砕かれた。
「不味いなんてもんじゃないぞ⁉︎なんだこれ⁉︎表現出来ねぇ不味さだ!」
口に残っている果肉を全て吐き捨てた。
「味は分かった!もう二度と食いたくない!それよりも.....能力は?」
今のところ体に変化はない。
体が熱くなったり、苦しく感じることもない。
もしや..........
「あの神、またやらかしやがったのか⁉︎」
場所を間違えるくらいだ。余計な事をして、うっかり能力もつけ忘れたとかあるかもしれない。
まずいな、あの『能力』がなかったら計画が破綻するぞ?
目の前にあるピンクのリボンを見て、これからのことを考えれば考えるほどあの神のにやけ顔が浮かんでくる。
「くそっ!あいつ!あぁ、もう!鬱陶しい、
「あ?」
当たり散らす様に目の前のリボンを投げ捨てたが.....
「リボンが.....消えた?ってことは.....」
目の前に投げ捨てた筈のピンクのリボンはその場から綺麗さっぱりなくなっており、それと同時に少しの倦怠感に襲われた。
「俺、もしかしてちゃんと能力者になっているのか?」
どうやら俺は、望み通りの能力を手に入れられたらしい。
「人、多いなぁ〜」
あれから、俺は草原から街へ移動した。
ゲームでいうチュートリアルはもう終わったんだ。
「どうやって、エレジアに行くかねぇ?」
問題はそこだ。
小癪なことに、場所こそ違うもののしっかりライブまで一週間前に転生してしまっている。
「ここから数十kmだろ?船で飛ばしても多く見積もって2日かかるとみた」
となると送ってくれる船を探さなくちゃいけない。
幸い、費用はそこそこある。豪華な船に乗りさえしなければお釣りが来るだろう。
「それにしても、あたり一面ウタちゃんグッズでいっぱいだなぁ」
暫く歩いていると、商店街の様な場所に辿り着いたのだがグッズで溢れかえっていた。
人形、ライト、バッジ、タオルなど様々なものが売られている。
そりゃそうだ。なんてったって今1番世界で愛されてるシンガーだぜ?
海を超えて人気なんだから、周辺の島では一週間前でもお祭り騒ぎだろう。
「ウタちゃんファンとして、いくつか買いたいところだが先に船見つけなきゃなっと」
商店街を抜ければ、港が見えた。
きっと乗船場もここにあると思って探してはみたが....
「なくね?乗船場なくね?」
船はある。だがどれもこれも漁師や運搬用の船しか見当たらない。
『音楽の島 エレジア行き』なんて看板がぶら下がった船もない。
「ちくしょう、またかよ」
出だしから最悪だったけどさらにヤバくなってきた。
能力者になっても現地へ行かなきゃ意味ないんだよ。
そう思って頭を抱えていると
「どーした?坊主?」
後ろから野太い声で話しかけられた。
「なんかあったのか?」
いかにも漁師って感じのおじさんが立っていた。
「いや、俺エレジアって島に行きたいんですよ」
「エレジアっつったら.....ウタちゃんのライブ目当てか?」
「そーなんですよ!どーしても行きたいんです!」
「でも一週間前だぜ?ちぃっとばかし早すぎねえか?」
「そこをなんとか。何かいける方法は知りませんか?」
漁師のおっさんならば、ひょっとすればいい船を紹介してくれるかもしれない。
するとしばらく顎に手を当てていたおじさんがニヤリと笑い口を開いた。
「坊主、喜べ!実は俺たち漁師は今晩から漁に出かけるんだが、偶然エレジアを通るんだ!よかったら乗っていくか?」
「ほんとですか⁉︎」
こりゃありがたい!船を探す手間がはぶけたぞ!
「しかしなぁ、船に乗せるのに
「ん?」
おっさんは笑顔で指を四本出して見せた。
まぁそんなうまくいかねぇか。
世の中、GIVE & TAKEだしなー。
「ちなみに他にエレジア行きの船とかは?」
「ないな」
「他に乗せてくれそうな漁師とかは?」
「いないな」
「おぉう、マジか」
本日2回目の元海軍大将が口からこぼれる。
「で⁉︎どうするんだ?乗るのか?乗らないのか?」
口から唾を飛ばしながら急かすおじさん。
背に腹は変えられねぇ。
これも愛すべきウタちゃんのためだ。
「わかりましたよ。払います。だから乗せてください」
「よーし交渉成立だ!俺は、ヨーゼフ!短い付き合いだがよろしくな!」
結局その場で俺はヨーゼフに4万ベリーを支払った。
一気に財布が軽くなったな。
「そんじゃ、夕方に船を出すからそれまでにここに来いよー」
ヨーゼフはホクホク顔で船に戻って行った。
「しかし、まだ正午ぐらいだぞ?どーやって時間つぶそうか」
行きたい場所もなかったのでとりあえず商店街で生活必需品等を買いにいった。
こんな形ではあるがウタちゃんに会うのだ。身だしなみには気をつけないとね。
残った6万ベリーは更に少なく3万ベリーになっちまった。
そうこうしているうちに日は傾き始めた。
おっさんとの約束の場所に行く道中、あるものが目に留まった。
アクセサリーの露店にある銀色の
「おばさん、これいくら?」
眼鏡をかけたおばさんに話しかける。
「それかい?1万5000ベリーだよ」
少し高いな.....
余った金が更に少なくなりそうだ。
しかし、どーも目が離せないんだよなぁ。
残してても仕方ないしな.....
「おばちゃん、買うわ」
「はい、まいどあり」
結局、ネックレスを購入してその場を後にした。
「おう!遅かったじゃねえか!このまま来なかったら置いてってたぜ?」
「申し訳ないね、そんじゃ頼むぞ?」
ヨーゼフの漁船はそこそこボロかった。
こんなのに、4万ベリー支払ったのか.....
「なんだ、文句あんのか⁉︎」
「いや、ないさ。さぁ、出港しましょう」
俺は、漁船の適当なところに座り込んだ。
これでようやくスタートラインに立つことができる。
エレジアにつけば、あの人に会おう
ウタちゃんを助けるにあたって必要不可欠な人を
なぁ?
ゴードンさん?
次回、推しと優しいフランケンシュタイン出ます。
早くウタちゃん書きたいぃ。