最近また別ゲーにハマってしまった……
地中を掘り進めながら静かに地上に上がっていく。不明な気配に近付くと、徐々に感じ慣れてきた気配に変わっていく。ニャニャで確定だな。
確定したのでそのままニャニャを追い抜いてから周りの気配がなくなったところで地上に飛び出す。纏わりついた土をふるい落としてからニャニャの方へと向くと、急に俺が出てきたことに驚いたのか尻もちをついていた。
「……本当に来たニャ。」
「シュルルルル。」
本当に来た?まるで俺が来ることを予測していたみたいな言葉に首を傾げるが、まずは村に帰す方が先だろうとニャニャが歩いてきた方に向けて頭でニャニャの身体を押して村へと帰そうとする。
「ニャァァァァ!!待つニャ!まだ村に帰る訳にはいかないニャ!それに旦那さんからも許可は貰っているニャ!」
「シュル?」
ルルが許可を?いや、それ以前になんでニャニャが村の外に出ているんだ?
疑問に思っている俺を見てニャニャは説明が必要と判断したのかポーチを漁る。しばらく漁っていたが、目当てのものを見つけたのかそれを取り出して俺に突き出した。
「これニャ、ボクはニャンターだからHRを上げないといけないニャ。だからクエストを受けてきたニャ。」
ニャニャが取り出した紙をマジマジと見てみると、卵のマークが書かれている。文字は読めないので詳しい内容は分からないが、恐らく卵の納品クエストだろう。
なるほど、納得がいった。ルルの護衛仕事が終わればニャニャはまたただのニャンターに戻るのだからHRを上げておかないといけないか。それなら仕方ない。
けどこのままニャニャを1人で行かせるのは不安だな。今のニャニャでも受注出来ていることから大型などが出現しない危険度が低いクエストだと思うが、念のため俺もついて行った方がいいだろう。
考えは纏まったので一度地中に潜る。そのあと反転して胸から上を地上に出し、ニャニャに行くぞと指示を出す。
「旦那さんがシュルルのことだからついてくると思うって言ってたけど、ほんとだったニャ。」
「シュルルルル。」
まぁ、なんだかんだニャニャは仲間になったんだからな。何かあればルルが悲しむだろう。それは避けたいし、俺がついて行かなかったのが原因で死なれたりすると後味が悪い。
どんな状況でも逃げて戻って来れるぐらいの実力をつけるまでは付き合ってやるよ。色々な奴らと戦ってきたから俺の判定は厳しいぞ?
途中でシュルルと合流して進むこと暫く。ボクらは無事に目的地である渓流にたどり着いたニャ。ユクモ村より近い位置にある場所なので徒歩で行かないといけなかったのは予想外だったけど、無事に着いて何よりニャ。
キャンプでユクモ村からの移動道具を片付けて代わりに狩猟道具を持ち込む。それからクエストの依頼書を取り出してもう一度読み直すニャ、キチンと確認しとかないとたまに間違えることがあるので要注意ニャ。
依頼内容は変わらずガーグァの卵を3つ納品ニャ。依頼者コメントは要約するとガーグァの卵が食べたい!なだけなので無視ニャ無視。
「そろそろ行かないとシュルルが心配してこっちに来そうニャ。」
流石にここのキャンプにシュルルは入らないのでキャンプを降りたところで待ってもらっているニャ。旦那さんがシュルルはついて来てくれるよと言った時は疑っていたけど、本当について来てくれてビックリしたニャ。
シュルルには手を貸してもらってばっかりニャ。ボクが新人……新猫だからと言い訳することは出来るけど、それはしたくないニャ。
タマミツネ遭遇時、ボクはとっても悔しかったニャ。シュルルが爆破属性というトップレベルの危険属性を扱っているのは分かったニャ。きっと旦那さんはボクがシュルルとタマミツネの争いに巻き込まれないように配慮してくれたのも分かっていたニャ。でも悔しいのは悔しいんだニャ。
せめて隣にいたかったニャ。戦えなくてもウザイ奴がいるとタマミツネの注意を逸らしたかったニャ。それが出来なくてもせめて旦那さんの護衛をしたかったニャ。あの時の旦那さんからはボクを頼ろうとする気配を感じなかったニャ。
力がいるニャ。経験がいるニャ。ボクはあの中で何も知らないひよっこニャ。旦那さんに雇ってもらったからには、いつまでもそんな立場にいる訳にはいかないニャ。
……この2つを手に入れるために1番手っ取り早い方法は、シュルルに頼ることなんだけど……。なんだろう?頼ったら最後、その先は地獄ニャと何処からか忠告が飛んできている気がするニャ。頼るのは最終手段にしておくニャ。
考えも程々にしてキャンプから降りると狭いエリアでシュルルが窮屈そうに辺りを見渡していたニャ。その雰囲気は辺りを警戒しているのではなくて、どちらかと言うと懐かしむ?もしかしたらシュルルは過去にここを訪れたことがあるのかもしれないニャ。
「お待たせしたニャ。ボクは今からガーグァの卵を探すけど、シュルルはどうするニャ?」
ボクの質問にシュルルは少し悩む気配を出したけど、すぐに地中に潜っていったニャ。だけど分かりやすく下から叩いて振動を送って来るから地中からボクについてくる……ってことでいいニャ?
「それじゃあ、探しに行くニャ!初めてのクエストニャ!」
あの、シュルル?ついて来ているのは分かってるからもう振動を送ってこなくてもいいニャ。旦那さんはともかく、ボクは立っていられないニャ。やめ、やめるニャァ!!
「おかしいニャ。全然卵が見つからないニャ。」
懐かしき渓流の風景を楽しみながらニャニャについて回ること20分、未だにニャニャは卵を見つけることが出来ずにいた。
当たり前だがな。ニャニャはガーグァの巣を探している。それじゃあ見つかる訳が無い。恐らくニャニャはガーグァの卵をどうやって手に入れるか知らないんだろう。
ガーグァと初遭遇した時に隠れて巣の位置を探っていただけだったのですぐに気付いた。ニャニャがいた地域にはガーグァは生息していないので知らなくて当たり前か?
俺から教えてやっても良いが、そうするのはニャニャがどうしようもなくなって俺に聞いてきた時だけだ。俺からすぐに教えてやるとニャニャが考えもせずに俺を頼る癖がつくかもしれないからな。
自分で考える力を付けさせなければいつか何処かで簡単に死ぬだろう。思考を止めればこの世界だと死に直結する。狩りなら尚更だ。
いっそのことニャニャの警戒心を強くするために地中から奇襲してみるか?いや、まだ早いかもしれない。やるとしてもドスジャギィなどを1匹で狩れるぐらいの実力をつけてからの方がいいだろう。
ふふふ、その時が楽しみだな。しっかり育ててやるから安心しろよ。やるからには徹底的にだ。
何かを感じたのか地上でニャニャが毛を逆立たせて辺りを見渡しているのを見ながら思わず喉を鳴らしてしまった。
「ニャ〜、シュルル。なんか変なこと考えてないかニャ?なんだか友達のニャンターが厳しい教官に目をつけられたのと同じような気配を感じたニャ。」
おっと、いけない。今後の予定を考えていたら気配が漏れてしまった。ガーグァは臆病で警戒心が強い種だ。俺のせいで逃げられてクエストが失敗なんてなったら申し訳がない。
あとその限定的なシチュエーションが少し気になるぞ。その友達アイルーは無事だったのか?あ、駄目だ。考え始めたら止まらなくなってきた。
「ニャー!駄目ニャ!お手上げニャ!」
あまりにも見つからないので手を投げ出して地面に寝っ転がるニャ。遠くでガーグァが呑気に草を食べているのが恨めしいニャ。八つ当たりで攻撃したくなるけど、それが原因で隠れられたら本当に終わりニャ。
こんなことならガーグァの情報を村の人とかに聞いておけば良かったニャ。卵のある場所なんて何処の草食竜でも同じと思ったのが間違いだったニャ。
クエスト失敗ニャ。これは大人しく村に引き返して情報を集めてからまた来るしか無いニャ。でもニャァ、旦那さんに報酬の卵で今夜は卵パーティーをするニャって言ってしまったニャ。楽しみにしてるって目を輝かせて言ってくれた旦那さんに成果なしって報告はしたくないニャ。
一応、解決策はあるニャ。でもこれは本来ならないはずの手段ニャ。頼るのはすっごく抵抗があるけど、背に腹は変えられないニャ。
「シュルルはガーグァの卵が何処にあるか知っているかニャ?知っているなら教えてほしいニャ。お願いするニャ。」
この地を懐かしんでいたシュルルなら知っている可能性が高いと思うので、地面に頭を下げてお願いするニャ。これで知らなかったり、知ってても教えてくれなかった場合は素直に帰るしかないニャ。
ここで旦那さんの名前は出さないニャ。それをすればシュルルが知っていた場合、必ず教えてくれると思うけどしたくないニャ。
地面が揺れてシュルルが現れるニャ。ジッとボクを見た後に再び潜って消えていったニャ。一瞬ダメかと思ったけど、地面から土埃が出ていることに気付いたニャ。
そこを見れば、ゆっくりとガーグァたちの方に移動していくニャ。シュルルが地中を移動するときは振動以外分からないのにこうして目で見て分かるレベルの移動をしているってことは教えてくれるってことニャ?
ガーグァはまだシュルルに気付いていないニャ。ガーグァの背後で土埃は消えて、代わりに舌が地中から出てくるニャ。そして──ガーグァの尻を思いっきり叩いたニャ。
「クゥエェェェェェ!!!??」
背後からいきなり攻撃されてガーグァが驚きの声を出しながら前にずっこけるニャ。結構いい音が鳴ったニャと場違いのことを考えてながら見守っていると、立ち上がったガーグァの下にある卵にビックリしてしまったニャ。
「シュルルルル。」
「ありがとうニャ!頑張るニャ!」
地面から出てきた自分を攻撃してきたであろう奴が自身より遥かに大きい大型モンスターと知って大慌てで逃げていくガーグァを尻目にシュルルがボクの方を見るニャ。首を傾げてボクを見ている様子から、これでいいか?と聞いてきているような気がしたのですぐにお礼を言うニャ。
それに満足したのかシュルルが卵を持って地中に消えていったニャ。出来ればその卵も欲しかったけど、流石にそこまで甘えてはダメだと自分に言い聞かせるニャ。
やり方は教えてもらったし、もう大丈夫ニャ!とっととクエストクリアして旦那さんと一緒に卵パーティーと洒落込むニャ!あ、シュルルにも後でキチンとお礼を渡さないといけないニャ。旦那さんに聞けばシュルルの好きなものが分かるかニャ?
やり方を知ったニャニャがガーグァに挑むこと数回、2つの卵を納品することが出来たが、最後の1つで行き詰まっていた。
背後から脅かせないといけないことをニャニャが理解するまでに数匹逃げられ、成功してもすぐに卵に取り付いてしまったことでガーグァから反撃をもらってしまうことで数個の卵が割れたり、落ちたのが金の卵やフンだったりとかなり回数を重ねてしまったことで完全に自分たちを狙う存在がいると知られ、ガーグァたちから警戒されてしまっている。
大半のガーグァは姿を隠してしまい、残っている数匹は背後から近付いても最大限に警戒しているため、直前に気付かれて逃げられる。
一度こっちも姿を隠してガーグァたちの警戒を解かないとダメそうだが、ニャニャがガーグァに接近する方法を必死に考えているためそのままにしている。あと何回かチャレンジしてダメそうだったら俺がキャンプまでニャニャを引っ張っていけばいいだろう。
「……これならいけるかもしれないニャ!」
唸っていたニャニャが髭をピンと立てて閃いたようだ。茂みに移動してから俺を呼ぶので静かにニャニャの後ろから舌だけを出す。
「シュルル、一度ボクをガーグァに向けて投げて欲しいニャ。これでガーグァが卵を落とすなら、ボクのブーメランでも何とかなるかもしれないニャ!」
自信満々に言うニャニャに俺は首を傾げる。わざわざそんな確認の仕方をしなくても普通にニャニャがブーメランを投げれば良いのでは?
ニャニャも俺の言いたいことは理解しているのかすぐに理由を話してくる。なんでもまずは確実に落とすかどうかを確認したいらしい。なのでガーグァの知覚外から遠距離攻撃を出来る俺を頼ったと。
ニャニャ自身を投げるのは、提案者である自分が身体を張らなくてどうするという考えかららしい。近くにある石でいいと思うのだがニャニャは譲らない。この方法でガーグァが卵を落とした場合は俺が手を貸したため納品はしないとのこと。それなら手伝ってやってもいいかと了承する。
「よし、準備完了ニャ!いつでも投げるニャ!」
武器を構えて準備が出来たようなので舌をニャニャの身体に巻き付けて持ち上げる。そのままガーグァが俺たちに背中を見せたタイミングを見計らい、茂みから思いっきりニャニャをぶん投げる。
ここでワンポイントなのだが、俺とガーグァの大きさの差から俺が何かをガーグァに投げるときは角度を下にして投げないといけない。何故いきなりそんなことを言ったかと言うと──狙いが逸れた。
「ニャァァァァ!!!」
ガーグァに当たる前に地面に接触し、身体を守るために丸まってゴロゴロと転がるニャニャ。それなりの力で投げてしまったため、なかなか止まる様子がない。このまま転がっていけばガーグァの真下をくぐり抜ける形で通りすぎるだろう。
ガーグァは転がってくるニャニャに気付いたのか、怯えた様子で走って逃げ出す。しかし余所見をしていたのか、走り出したすぐ近くには石があり足を取られて転倒してしまう。
そこに転がってくるニャニャ。武器を地面に刺すことで転がるのを止めようと考えたのか、抱え込んでいた武器を腕ごとピンと伸ばして……転倒していたガーグァの尻に突き刺してしまった。
「ケェェェェェ!!!!」
「あっ……。」
「シュルルルル。」
断末魔とも取れる叫び声を上げてガーグァは倒れ伏した。近付いて様子を見てみると白目を剥いて気絶しており、ピクピクと身体を痙攣させている。
ニャニャの方を見ると、ガーグァの尻に武器を腕ごと挿入しており、かなり深く刺さっているのが分かる。
うわぁ、俺が投げといてなんだけど……すまんかった。
ニャニャも武器を抜こうとしているのだが腕ごと入っているためなかなか引き抜けず、無理に引き抜こうとするとガーグァがビクンと痙攣するため困ったような表情で俺を見つめてくる。
俺たちのせいでこうなってしまったので非常に申し訳ないが、気絶しているガーグァにこれ以上痛みがないように首を折って絶命させる。そうなればニャニャもガーグァを気にする必要がなくなるので自力で引き抜くことが出来た。
「シュルル、ボクもうちょっと自分の力で頑張ってみるニャ。」
「シュルルルル。」
絶命させたことはニャニャも俺も気にしないのだが、あんな感じで絶命させてしまったことにはすこし申し訳なさがある。
ガーグァを綺麗に解体して素材をポーチに入れたニャニャの顔は、なんというかズルはダメだなと思っていそうな感じがした。
最後の卵を納品して村に帰還したのは、それからすぐ後のことだった。
オリ主……ニャニャ投げを習得した。もしストーリーズの方へ突入したら使う確率が増える。
ニャニャは仲間なのでクエストに誘われたら普通についていく。割とニャニャを鍛えることに前向き。取り敢えずブラキディオスから逃げれるくらいにまでは鍛えたい。特訓方法?爆発しながら突進ですが?逃げてニャニャ。
ルル……自分のやることは終わったので卵を楽しみにしながら村で色々食べてる。どうやら村の料理にハマった模様。村を出る前に何気なしに体重計に乗ってアトラル・カが憑依する。
ブホー(アプトノス)……やることが無いので食っちゃ寝を繰り返している。コイツも村を出る頃には太ってオリ主に馬鹿にされる未来がある。その悔しさをバネにして次の村か町に着く頃には元に戻っている。
ニャニャ(アイルー)……ルルがオリ主なら来るよと言ってたのを疑っていたが本当に来てかなり驚いている。
変なところで行動力があるが、全てが良いことに繋がるわけではない。安易に自身を投合武器としてオリ主に使わせたため、オリ主に投合武器として認められた。近くに石とかなければ投げられるかもしれない。
ガーグァ……転けてしまったせいで太い武器で尻を掘られた。正直この描写のせいで投稿するのを悩んで遅れた。不快だったらマジで申し訳ない。構想段階では面白いと思ってたんや……正気に戻るってこんな感じなんですね。
因みに今回のタイトルは『ニャニャをガーグァの尻目掛けてシュゥゥゥト!!!』にしようと思ってました(過去形)