あの夜から数日後、マックイーンは無事退院した。
あの夜、泣き濡れたマックイーンを病室に送り、僕らはそこで一晩過ごし絆を一層深めた。その中で、マックイーンは学園に戻り、復帰に向けたリハビリを行うという話を持ち出した。
術後の安静を図るという事で学園からは退院後一ヶ月の休学期間を与えられていたが、彼女は学園で少しづつ復帰に備えたいとのことだった。
僕もその意見には賛成し、マックイーンは退院後、学園に戻ることになった。
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今日はマックイーンが学園に帰る日だった。
約束通りの時刻に駅に来たが、彼女の姿がそこにない。
……どうしたんだろう? まさか寝坊でもしたのだろうか?
「お兄さん!!」
佇んでいるとそんな声と一緒に背中を叩かれた。
後ろを振り返ると、大きなトランクを引いたダイヤちゃんとそのお付きの人達の姿があった。
「あれ? ダイヤちゃん、どうしたの?」
「今日でお別れです」
そう言って俯き寂しそうな表情を見せるダイヤちゃん。
「えっ⁉︎ 本当に⁉︎」
「はい」
「また、急に何で?」
「お祖父様の具合も良くなりましたので、本家で静養することになりました。それで私も本家で日本トレーニングセンター学園入学試験に向けて勉強することになりましたので」
「そっか……寂しくなるなぁ。マックイーンも今日学園に戻るし」
「え? ……そうだったんですね。マックイーンさん、東京に戻るの、今日だったんだ……。もう少しここに居られれば良かったなぁ」
ダイヤちゃんの声はほとんど聞こえなかったけど、寂しがってくれているようで、その事が冬と違ってほとんど一緒に居られなかった僕の心にチクチクと刺さってきた。
最後になるという事で二人で思い出話に花を咲かせていると、ホームに入ってくる列車があった。
「あれ? まだ列車は来ない筈なんだけど……?」
「臨時列車ですよ、サトノ家が用意した」
「そうなの!?」
改めてダイヤちゃん、というか、サトノ家の大金持ちぶりに震えが来ていた。
「それでは私はこれで……。……ウン…………あ、彰お兄さん、ちょっと」
最後に乗り込むダイヤちゃんが振り返って僕を手招きしてきた。
なんだろ……?
「どうしたの?」
ダイヤちゃんに視線を合わせるように身を屈めた。
「彰さん、郷ではお世話になりました。これはほんのお礼です」
その言葉とともに僕の頬に柔らかい感触が伝わってきた。
ダイヤちゃんが背伸びして僕の顔を押さえて頬に唇を寄せていた。
「唇は恥ずかしいので頬でごめんなさい。それに不意打ちで奪っちゃったらさすがにマックイーンさんに悪いですし」
そう言うと身を翻し一目散に車内に駆け込んでいった。
そしてその後は一度も顔を見せることなくダイヤちゃんは去っていった。
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それからしばらくして
「ごめんなさい。遅くなりましたわ」
通りの向こうからマックイーンが駆けて来る。
「遅いよ」
「ごめんなさい、二人に捕まってしまいましたわ」
あの二人か……仕方がないな。
「それでダイヤさんは……? 今日帰るとの事でしたが……?」
「え? ダイヤちゃんのこと知ってたの?」
「ええ。……ひょっとしてもう?」
「うん、少し前に臨時列車で。あ、マックイーンもダイヤちゃんに会いたかったとか?」
「そうでしたか……。私は彼女とはパーティーかトレセン学園で会えるでしょうから良いのですが、一言言っておきたかったことがあったのです。でもまあ仕方ありませんわ。それよりもう少し時間はありますわよね? 遊びに行きましょう!」
ここで過ごす最後の時を楽しんで駅に戻ると、始発の車両が停まっていた。
マックイーンはこれに乗り東京に帰る。
「行くの?」
「ええ」
短い言葉。でも、その言葉を交わす間にいくつもの会話が流れていた気がする。
初めて言葉を交わした舞踏会。
互いを少しづつ知り、一度は失いそうになった事もあった。
そんな今までの想いが全て今の言葉に集約されていたような気がした。
「そうか………頑張ってね」
「彰もね。何時までも私を独りにしないで下さい。早く隣に立って私を支えて下さいまし」
「うん。頑張るよ。………マックイーンも焦らないで。何かあったら必ず連絡して。必ず支えになるから」
「うん………」
「僕も頑張る……。マックイーン、君に追いついたら……」
「そうしたら……」
「また……」
車両に乗り込むマックイーンが僕を振り返り、一瞬動きを止める。
「また二人で同じ刻を歩もう」
「ええ」
満面の笑みを浮かべるマックイーン。
時には迷い、挫折し、諦める事もあるかも知れない。
でも、もう僕もマックイーンも1人じゃない。互いを信じ、互いに支えあって生きていこう。
去り行く電車を見送りながら、僕はそう思った。
そして季節が移り……。
《トウカイテイオーだ! トウカイテイオーだ! トウカイテイオー、奇跡の復活!! 》
そして……。
拝啓
時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
先日は日本ウマ娘トレーニングセンター学園の職員採用試験にご応募いただき誠にありがとうございました。
さて、慎重に選考いたしました結果、貴殿を学園附属医療施設のウマ娘スポーツ医療専門医として採用することに内定いたしましたので、ここにご通知申し上げます。競技指導教諭資格保有者であることを考慮し、本採用後に再度配属先について検討いたします。
なお、後日承諾書等の書類を提出していただきますが、詳細につきましては改めてご案内いたします。
終わりました。
元話から流用する際、設定を練り直したつもりだったんですけどね、またまた活かしきれていませんでした(温泉設定、また活かせなかった)
結果、恋愛系にも育成系にもならない中途半端なものに。
強いて言えば………言えば……これ、何系でしょうね?
この後? 何にも考えていません。
源泉が湧く土地とその周囲は一族が所有していますが、シンボリ家(not本家)が毎年パーティー開催するぐらい影響が強い地ですからマックイーンが嫁に来るかどうか。
マックイーンは本流に近い(分家筆頭格)けど本流では無いし(と言う設定デス。元ネタ・公式の事は知りません。公式通りなら良しですが)
そうなると本家はライアンが継ぐのかな?
ダイヤちゃん? 彰がトレーナーになったら多分押しかけて来るかも? なので賑やかになるでしょう。後は知らん。
さて、終わったので※や水平線を⏱にして、中央寄せにしたり、1〜3話の私を僕にしたり、あちこち修正しなくては。