FILM RED時空に転生したから〝時代争奪歌合戦〟をやる【本編完結・番外編不定期更新】   作:空吉

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今回短いです、すみません。
ちょっと今週末が忙しいため、書き上がってる分だけで更新優先しました。


第8話 〝Diva in Abyss〟VS

「歌は歓喜」

「歌は絶望」

「歌は欲望」

「歌は狂気」

「歌は闇。逝かせてあげる。堕天使の歌で」

 

──You're imitation, Not imitation

You're imitation, No! No! No! No!

さあ楽しませて

 

 

若干困ったことに、Yami_Q_rayメンバーそれぞれの決め台詞パートが始まってしまい、え? これ俺もやるの? やるんだよなあ……になって闇雲パートを担当してしまったんだが、なんとか乗り越えた。我ながら上手かったんじゃないか?

 

 

──この世界は退屈ね 幻滅しちゃうほど

すべて奪ってあげるわ 愛も 夢も 歌も 希望も

その声は 届かないわ

コワシテシマエ

 

バラバラに身体中を 生命を 全てを

興味はない 心なんて 今 蹴散らして

 

 

ところでこの、進化(?)した〝歌の魔王(トットムジカ)・第二楽章〟、先ほどから攻撃方法が増えた足を使っての物理攻撃と、ビーム……は普通に映画でも使ってたから分かる。

 が、途中からおそらくマイクロミサイルらしきものも飛んでおり、なんか……おかしくないか? と思ってたら、無人戦闘機・ゴーストを生み出して動かし始めて、目ん玉飛び出るかと思った。多分飛び出た。原作でもよく飛び出るし。

 明らかにオーバーテクノロジーな上、いくら能力者でも人間相手にはさすがにオーバーキルレベルじゃん!? ベガパンクもまだ作ってないと思うんだが!? 

 ……作ってるかもしれねェ……。セラフィム作れてバルキリー作れないことはない気もする……。くそッなんとかコネクション作って仲良くなっておけばッ! 

 しかしベガパンクのことよく知らねンだよな。ロボとか作れるみたいだけど、ここまでの近未来SF的な戦闘機とかは……どうなん? サンライズ産(ガンダムとか)も含めたスーパーロボット系もちょっと専門外な印象あるしな……。どっちかというとサイボーグとか人造人間とか血統因子関連とか、生命科学系の……。あ、エヴァはいけそう。ほんとに?

 はっ、いかん、思考が関係ない方に寄ってしまった。

 

「なんだよあれ!?」

 

「まさか、古代兵器……!? でもそんなはずは……!」

 

うわっほら見ろいらん誤解を生んでる! 仮称〝ウラヌス〟がそれっぽい攻撃をする兵器だったばかりに! しかし〝古代兵器〟って聞くとプロトカルチャーの遺産かな? になっちまうな。また思考が逸れた。

 言いたいことはつまり、いくら取り込んだ人間を反映する機能があるからって、トットムジカくんの性能ぶっ壊れじゃあないか? ってことだ。Yami_Q_rayメンバーの再現度も高すぎるし……。 正直間近でYami_Q_ray見られるのはめちゃくちゃありがたいけど、あんまりオーバーテクノロジー見せると世界政府も黙ってないんじゃ……全部滅ぼせば問題ない? なるほど真理。うーん。

 

 

──始まる -Destroy- 終わりの音が

鳴り響いた 邪魔をしないで

Like an Angel 細胞の奥から

叫ぶように 歌う 破滅を

 

Evil, Evil あなたも Evil, Evil

本当はきっと願っているんでしょう

でも 嫌、嫌 嘘つき まだまだ

足りないようね 痛みが

 

 

しかし、いくら俺が〝見聞色〟使いを重点的に狙って現実世界との連携を意識的に防いでいるにしても、さすがに攻略が遅い……遅くない? まだ始まったばっかり? そうか……。

 まあウソップの覚醒は後半だからとしても、元々ウタがどっちの世界も見ることが出来るんだから、頼ったらいいのに……と思ったが、ありゃウタも〝ナツナツ〟のバフ&デバフを効果的に使えていなくて、それで頭がいっぱいに見えるな。何か考える素振りも見せているし。

 まあ急に押し付けられた能力だし、そもそもなんで基準が〝能力者主観の新旧〟なんだよ! とは思うかもしれん。

 ウタの〝新時代計画〟は結局ご破算ではあるから、考えようによっては全てに〝懐古(※平成にあらず)バフ〟乗ると思うんだけどな。まあこういう……ゲーム思考? メタ思考? は俺みたいなの(転生者)でもない限り普通はしないか。

 あとあれはわりと〝気持ちの乗せ方〟が重要なんだよな。法則に気づいたときはちょっと謎だったけど。別に歌エネルギーやフォールド波があるわけではないと思うし……。

 それはとりあえず置いておくにしても。そこで手を緩めるほど、俺は優しくないぞ。

 

 

──滅びは快感

 

 

歌の魔王(トットムジカ)〟が手足を勢いよく振り回し、戻ってきていたコビーにゾロやロー、現実世界でのライムジュースらの攻撃の初動を潰す。

 返す刀で、今度は狙いを定めていたウソップら遠距離組に向けて一際鋭いビームを放ち、狙いを逸らす。その中でもヤソップの狙撃が確かにこちらに届いていたのはさすがと言うべきだろうな。

 ふむ、いつになく俺の思考が冴えているし冷静だ。〝見聞色〟の調子もいい。〝歌の魔王(トットムジカ)〟の使役に加え〝見聞色〟まで使っているのだから、体力はゴリゴリ削れているはずなのに、全く疲労感がない。これがアドレナリンドバドバ出てるというやつかな?

 ンッン~~~~~♪ 実に! スガスガしい気分だッ! 歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だ…………もう歌ってたわ。

 

 

──もっともっと遊んでよ

そんなんじゃ足りないわ

その手は届くのかしら (ほらおいで)

足掻いて嘆いて見せて

コワレテシマエ

 

偽善者が無垢に 笑う様は

罪深き夢 ああ

 

 

──ああ、〝歌の魔王(トットムジカ)〟が何だか高揚しているような様子に感じ取れる。この感覚は……なんだ?

 けど、そうか、お前も楽しいのか。これを見越して歌い手に俺を選んだのか?

 

 

──Into the dark. Destroy- 染め上げていく

綺麗でしょ 邪魔をしないで

Hey, hey, Idiot 歪んだ顔で

歌うように 叫べ 絶望

 

天地創造の序章

 

 

つーか大体なぁ! バーチャルな歌姫だの仮想現実だのって題材はなぁ! マクロスでやってないわけねェんだよなぁ!!

 

「これまで積み重ねてきた偉大なる先人達の歴史にィ! 太刀打ち出来ると思うんなら! 精々足掻けよ〝新時代〟共!!」

 

お、ちょっと今のボスっぽくなかった?

 俺の感情に()()したのか、〝歌の魔王(トットムジカ)〟が勢いをつけて足を振り抜き、ロビンの〝巨大樹(ヒガンテスコ・マーノ)〟、サンジの〝悪魔風脚(ディアブルジャンブ)〟──うーんあれは〝粗砕(コンカッセ)〟だったかな? まだ予備動作の段階で危険を感じて防いでしまったから判断がつかなかった──等々をまとめて薙ぎ払ってしまった。地味に〝粗砕(コンカッセ)〟好きな技だからちょっと見たかったわ。

 眼下に見る景色の中で、なかなか決め手に欠けるために悔しげにこちらを見上げる海賊・海軍・CP(サイファーポール)連合にちょっと優越感を感じてしまう。こりゃチートが流行るわけだ(ド偏見)。

 しかし、前世からの謎の鬱屈がつい出てしまったな。……ちょっと〝歌の魔王(トットムジカ)〟との同調レベルがおかしいような……? そんなに俺が気に入ったのか、〝歌の魔王(トットムジカ)〟。

 とりあえずYami_Q_rayたちと合わせて歌唱を続行するが、……サンジくんは集中しようね。お前にとってはやり辛いの分かるけどね。

 Yami_Q_ray、みんな衣装も露出高いしボディラインは出てるし、可愛い子だから目のやり場には困るわな。わかるよ(冨岡義勇並感)。けど、そんなんだからせっかくの技も不発に終わるんやぞ。

 気を取り直し、悪役モードにしっかり戻る。

 

 

──黙って消えなさい

わたしはひとりでいいの

闇は光よりも 美しいのに

何を守りたいの

その弱い心じゃ自分さえも

粉々に崩れてくわ

 

聴こえるメロディー

耳をすまして

救えない Destiny...

 

 

闇カナメがするり、と眼下の人々をなぞるように指を動かす。

 瞬間、〝歌の魔王(トットムジカ)〟の右眼が妖しく煌めいてレーザービームを発射し、周囲が爆風に包まれた。景気がいいなァ! ラスサビ前にはうってつけだ。

 

──始まる -Destroy- 終わりの音が

鳴り響いた 邪魔をしないで

Like an Angel 細胞の奥から

叫ぶように 歌う 破滅を

 

Evil, Evil あなたも Evil, Evil

本当はもう気づいているんでしょう

でも 嫌、嫌 嘘つき まだまだ

足りないようね 痛みが

 

 

爆風に巻き込まれながらも空中で体勢を整え、再度こちらに向かってくる近接攻撃組。おっと今度は現実側の赤髪海賊団が先に攻勢に出たか。

 こちらを睨みながら愛刀(愛『剣』じゃないのか、というのがずっと疑問だ)グリフォンを構えたシャンクスが向かってくる様子は普通にめちゃくちゃ恐怖なのだが、残念、〝ウタワールド〟との連携にはなりませんでしたね。……え? うわっ、ゴースト数機分まとめて両断しやがった!! 今の何? ミホークかよ。 まあミホークと並ぶ剣の腕があるとかなんとか言っていた気もするが……。

 も〜、今ちょうど盛り上がるところだから、もう少し待っといてくれや。見せ場なんだよ!

 

 

──Evil, Evil わたしが Evil, Evil (全てを今)

止まらないの 堕天使の歌は (覆い尽くす)

ほら 暗い、暗い 凍りついた世界

魅せてあげる アビスを

 

羽をなくして堕ちていく…

 

 

──よし、最後のポーズまでバッチリだ。うーん、ユニットになるとソロとはまた違った気分が味わえていいな。たしかなまんぞく。

 リザルトとしては、こちらは無傷(※ただし俺の体力は持って行かれている)、海賊連合側は割とダメージ入ってる感じかな。

 

「フフン。おらおら最初の威勢はどうしたんだよォ〜! このままだと結局『()が! 世界で1番! 強いってことなんだよ!』で終わっちゃうぞ〜!」

 

ここまで理想的なYami_Q_ray再現ができたこともあって、心から調子に乗ってしまうな、こればかりは! ガハハ!

 俺の言い草が我慢ならなかったのか、ルフィやオーブンが拳を構えて飛びかかり、ナミはゼウスを待機させ雷撃を落とし、チョッパーは〝柔力強化(カンフーポイント)〟で、ジンベエは〝唐草瓦正拳〟で〝歌の魔王(トットムジカ)〟の胴体部分に攻撃を加えてきた。

 場所で言うと〝歌の魔王(トットムジカ)〟の首のあたりに並んでいる〝Yami_Q_ray〟部分を攻撃しないのは、ファン心としては「それでいい! 攻撃したらぶっ飛ばすぞ」が正直な心情だが、合理的な思考では「明らかに〝歌い手〟がネックなんだからそっちから当てた方が……」と考えてしまう。心がふたつある〜。まあ攻撃したところで効かないんだが。

 現実世界でも赤髪海賊団が皆攻撃に参加してはいるんだけど、ンンー、いかんせん合いませんねえ……。

 ギミックを攻略しないと無敵時間さんが発生したままなのは、まあやはり〝歌の魔王(トットムジカ)〟がボス格なのは伊達ではないということか。

 

 

「────わかった」

 

 

あ? 

 ……ウタじゃん。やっと能力の使い方が分かったのか?

 

 

「ようやくわかったよ。何を歌えばいいのか。さっきからずっと、曲が心に響いてるんだ。これも〝ナツナツ〟の力なの? 

 ……違うね。私、ミラと歌ってて初めて覚えた感覚があるんだ。

 これが、〝歌を届ける〟こと。〝歌で心や世界を震わせる〟ってことなんだよね。ミラのおかげで、改めてちゃんと〝歌〟に向き合えた」

 

 

は? オイオイオイオイ待て待て待て待て……何を言い出してるんだウタの奴は? ここはONE PIECE世界であってマクロス世界じゃないんだぞ、概念持ち込んだ俺が言うことでもないかもしれない……が……。

 ……まさか俺やウタが体力削られてもずっと調子良く歌えていたのは、本当に〝歌の力〟のためだったってのか? さっき考えている素振りを見せていたのは、これを感じ取っていた?

 

 

「〝この曲〟は本来ボーカルが5人だよね。ミラなら知ってるでしょ? 〝歌の魔王(トットムジカ)〟が今再現しているのと同じ人数。

 今は私ひとりで歌うけど、一緒に音楽を奏でてくれる音楽家の仲間ならちゃんといる。ブルックさん、ゴードン、パンチさんとモンスター!」

 

 

そのウタの呼びかけと同時に、ゴードンさんに加え各海賊団で音楽家を務める面々が得意とする楽器が各々の手に現れる。……えっゴードンさん参戦!? マジ!? 

 ブルックなどは〝ソウルキング〟時代の見た目にまで戻り──おい、〝ナツナツ〟の能力ちゃんと使えてんじゃねえか。なんで使ってなかったんだよ。

 ……()()()()()()()()5()()

 

 

「それに、これならきっと、〝歌の魔王(トットムジカ)〟に攻撃も通るようになるはず。そういう確信がちゃんとあるの」

 

 

 おい、そんな、まさか。そんなことが──俺のマクロスファンとしての原作至上主義におけるジレンマ、『〝Yami_Q_ray〟に対抗できる主人公ユニット』の逸話──つまり弱点まで、この〝歌の魔王(トットムジカ)〟が反映・再現しているとすれば────

 

()()()()()()()()()()()()ってことかよ……!! くそ、この原因が何かは分からんし、エネルギーの正体がフォールド波か歌エネルギーかは知らんが、やってくれたな!

 次だ〝歌の魔王(トットムジカ)〟!! 〝歌〟さえ発動できれば対抗できる!!」

 

「これが私の〝新時代(こたえ)〟だよ! ルフィ、シャンクス、お待たせ! みんなもお願い!」

 

「「おう!! 野郎共、気合い入れろォ!!!!」」

 

──そして、〝歌の魔王(トットムジカ)〟が奏でる『3曲目』の音楽に咄嗟に乗せた俺の歌声と、ウタたちの奏でる音楽と歌声が、互いに響き、ぶつかり合う。

 

 

 

──望み 集え 崇め 祀れ

 

──あきらめない あきらめない

あきらめないAi Ai Ai A どこまでも

 




劇場版マクロスΔ&マクロスF、Blu-ray&DVD発売おめでとうございます。けどやっぱりYami_Q_rayはもっと動いてるところが観たかったなァ!!
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