FILM RED時空に転生したから〝時代争奪歌合戦〟をやる【本編完結・番外編不定期更新】   作:空吉

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水星の魔女最新話で展開の速さに恐れ慄くと同時に、「やっぱりガンダムだったな」という納得感があります そういやガンダム曲はまだ使ってなかったことに気づきました 番外編でやるかもしれません(予定は未定)
あと今週の本誌読んで「やっぱりプロトカルチャーじゃないか…? プロトカルチャーじゃ…」とパワーちゃん化しました

とりあえずグッドエンドルート〆回です
更新優先したので多分めちゃくちゃ誤字あると思うのですが、見かけたら教えてください……


第9話・II Good End/Special Track

 翌日。

 太陽もまだ中天に差し掛からないうちから、既にエレジア野外ライブ会場は前日と同じように大勢の観客が詰めかけている。

 昨日あんなことがあったばかりで、よくみんな元気があるな……寝てたからか? やっぱり「人間はそんなに柔じゃない」ってのは本当だったんだな……(もちろんシャンクスが言ったのはそういう意味ではない、知ってる)。

 まあ、俺としてはありがたいことだが。ウタがあのような騒動を起こしても、きちんとその理由が人々に伝わり、受け入れられているという証拠でもある。

 実は人々の目が覚めた後、俺が「エレジアの復興に力を貸してくれる人はこのまま島に残ってくれ」と呼びかけたのだが、なんとほとんどと言っていいくらいの観客が残ってくれたのだ。え、本当にいいのか? 自分のところも海賊にやられてるとかじゃないの……? 気にしたら負け? はい。

 いや、うん、ウタの育った島であることと、かつての音楽の都という知名度はなかなかに侮れないものであったらしい。まあ確かに、それなら俺が民間人でも協力するからな。

 後はまあ、単純に名残惜しいのだろう。

 なんと言っても、今から始まるのは俺こと〝銀河の妖精〟ミラと〝世界の歌姫〟ウタの『無期限活動休止前ラストライブ』なのだから。

 俺は元々、昨日がラストライブのつもり──どう展開が転ぶかわからなかったので──で乱入したからアレなのだが、結果的に運良く生き残れたからな。

 

 ──結局、夜明け前になって目を覚ましたウタは、一度彼女を保護してくれたシャンクスたちに、このライブの開催を直談判した。ファンに直接、謝罪とお別れを言いたいのだと。

 シャンクスたちは当初、ウタが長くこの島に留まることを危険視してか、若干難色を示したものの、『ライブ開催』自体は開催地の管理者ゴードンの許可を得たこと、俺もその案に乗っかって賛成したということもあり、結局許可が降りた。

 問題は、ウタのその後の身の振り方にあった。彼女の希望の『受け入れ先』は一も二もなく歓迎といった話だったが、それをシャンクスたちに納得させるため、ウタは徹底的に話し合うことを選び、俺にライブの準備を頼んで、結局まだ戻って来ていない。

 なんでまた俺が自力でライブのための設営をしなければいかんのだ……と思いつつも、共同開催という立場ではあるので甘んじて受け入れた。優秀なスタッフもいるしな。

 ちなみに俺の今後については、実のところ話がついている。俺には保護者とか面倒な説得をする相手もいねェし。

 関係のある()()()()()もありがたいことに()()()()歓迎してくれるというので、お言葉に甘えてしまった。

 まあ個人的な葛藤も無いわけではなかったが、せっかくこの世界に転生したので、()()が歓迎してくれるなら、そういう道を選ぶのもアリかなと思ったのだ。

 

 さて、さすがに観客をこれ以上待たせるわけにもいくまい。舞台袖で準備を整えると、スタッフたちと目配せで確認し合い、俺はステージへと出て行く。

 大きな歓声に迎えられ、これをしばらく聴くことが出来なくなるのだと思えば、少々寂しくもなるが……その分、今日のライブはとにかくやりたい放題やるつもりだ。そして今までもそうだったが、当然曲は全てフル尺だ。

 

「──みんな、急なライブなのに、昨日に引き続きこんなに集まってくれてありがとう。そして、この〝エレジア〟の復興に力を貸してくれること、本当に感謝します。

 先に話した通り、私アルナスル・ミラと、ウタの2人は、無期限で活動を休止する。

 だからこれは、これまで聴いてくれた皆に感謝を捧げるライブ。そして、この〝音楽の島エレジア〟の復興を祈念するライブだと、ここに宣言させてもらう。

 ああ、ウタはちょっと遅れているから、先に始めてしまうね。来るまで()がずっと歌っているつもりだから、退屈はさせないよ」

 

歓声が波のように押し寄せる。俺は姿勢を正し、一度深呼吸をしてから、マイクを構え直した。

 

「皆も、悔いが残らないくらい、思いっきり楽しんでほしい。じゃ、一曲目行くよ」

 

バンドメンバーともアイコンタクトで確認し合い、準備が整うと、すうっと大きく息を吸い込んで、このフレーズからライブの開幕を告げた。

 

 

────よみがえれ

 

 

やっぱり〝復興〟祈念だからね。

 え? 〝復興〟にかかる意味合いの歌詞がこことサビ前だけだし他作品OPからとか出オチ感すごい? うるせーぞ! 立派にブチ上がる曲じゃい!!

 

 

空と大地が 交差している

今たたずんでるこの世界で

命がうまれ また沈んでく

繰り返される 営みの中

 

こんなもんとよぎった瞬間(とき)

夢は力をなくす

もう一度生まれよう

この場所で

 

正義のその奥で夢が息づいてる

重なる力を信じて

正義のその奥に闇が潜んでいる

見極めろ全てを

振り上げた(ゆうき)は切り裂くためじゃない

引き合う絆で 呼び覚ませ 鮮やかに

 

 

 基本的に〝復興祈念〟とは、やっぱりその場にいる人が盛り上がって楽しい気分になってくれることが一番だと、個人的には思っているしな。〝音楽で元気を届ける〟というやつだ。

 2曲目からも、俺はなるべく観客が楽しめる曲を選んだつもりだ。──まあ、正直にいうと俺がやりたかっただけなんだけど! やりたい放題やるとはこういうことじゃあ!!

 

「ライトでも腕でもタオルでも回せェ〜!!」

 

 

夢ならたくさんみた

醒めたままでもまだ会いたい

君がそうさせた 恋は欲張りだね

飛び跳ねそうな心の ゆくままにゆこうよ

理想も妄想も現実も

全て君を軸に廻る

新しい世界へ

 

 

次は観客にも一緒に歌ってもらえるパート、クラップが入る曲だ。そして何より、『旅』を彩り、その背を押してくれるような曲。

 俺も歌いながら観客を煽っていると、一体感が感じられていいんだよな〜!

 

 

響け 風ノ唄 目を閉じれば 

心の声 背中押すよ

目指す雲はずっともっと高く

届け 風ノ唄 耳澄ませば

心の声 溢れ出すよ

眩いほどの輝きを放つ

君よ 青い旋律になれ

 

 

そして次は、俺の個人的な信条から、全てに決着がつくまでは絶対に歌わないようにしていた曲にした。

 ウタと俺の禊のためにはどうしても『戦うこと』が必要だと思っていたから、〝歌で戦いを終わらせる〟この人たちの歌は意図的に避けていた。

 だけどもう、全ては丸く収まったし……もういいかな〜などと……いいよなぁ!?

 

 

夜空を駆けるラブハート

燃える想いをのせて

悲しみと憎しみを撃ち落としてゆけ

おまえの胸にもラブハート

まっすぐ受け止めてデスティニー

何億光年の彼方へも突撃ラブハート

 

 

ここで俺の〝見聞色〟に、やっとウタの気配が引っかかった。もうすぐこちらに辿り着くだろう。

 うむ、セトリの流れ的にもちょうど良かったな。

 

「そろそろもうひとりが到着しそうだから、()のステージは一旦この曲で区切りとする。

 だから今までで一番声出して、一番跳んでくれよな。いくぞォ!!」

 

 

──Oh oh oh oh oh oh oh

Oh oh oh......

 

お前の勇気昂る時 運命の(ドア)開かれる

それは夜明けか永遠(とわ)の闇か 鋼の拳に聞け!!

 

遥かな大宇宙(おおぞら)に 光の矢を放つんだ

I can fly! (Hey) You can fly! (Hey)

We can fly! (Hey) “Motto! Motto!!”

 

Skill my heart 銀河の果てまで

熱い夢を燃やせ All I can do!

Skill my soul 魂を呼び覚ませ

時代が俺を導くかぎり 無敵さ!!

 

 

うごごご……さすがにあの大御所の原曲と比べると、俺1人ではどうしても声量も音圧も劣ってしまうのが悩みの種だ……が致し方なし! 楽しかったし!!

 大きな歓声と光の海の中、()もそれに応えるべく大きく手を振って、そして頭を下げる。

 元の姿勢に戻ったところで、ステージにウタが駆け込んできた。

 

「みんな、お待たせ! 

 ミラもお疲れさま、ちゃんと聞こえてたよ!」

 

「おう、そうか。シャンクスたちと話はついたか?」

 

「ばっちり! 納得させてきたし、もう出航したよ。映像電伝虫持たせちゃったけどね! だから今頃、このライブを見てくれてると思う。

 さて──じゃあ、私の番だね」

 

バンドメンバーは続投のため、俺だけが一度舞台袖へと引っ込む。

 今回のライブは当然〝能力〟を使うわけにいかないので、ウタ専用アニマルバンドは出せないからな……。

 そして始まるウタのステージ。

 俺が最大限にまで観客席を盛り上げるセトリだったのとは打って変わって、〝世界のつづき〟と〝風のゆくえ〟のバラード2曲構成だ。

 しかし、映画のエンディングと違って、この2曲をしっかりと歌っている彼女の姿を見ると、やっぱりちょっと泣けちまうな。本当になんとかなって良かった……。ルフィたちにも本当に感謝しなくては、という思いが日毎に大きくなっていくばかりだ。

 「私が死んでも、歌は死なない」って意味合いの言葉、マクロスF劇場版でも物凄く痺れたけど、あれは元祖(シェリル)の大きな決意でもあったからで。

 一方ウタと〝風のゆくえ〟の方は……しんみりしちまう要素の方が大きかったからさ……。

 

 ウタのステージが終わり、彼女に呼ばれて再度舞台袖から出ていく。

 隣に並ぶと、ウタは呼吸を整えた後、静かに話し始めた。

 

「まずは、みんなに謝らなきゃいけなかった。あんなことをして、本当にごめんなさい。……そして、受け入れてくれて、ありがとう。

 私がもっと自分から〝外の世界〟を知ろうとしていれば、あんな手段を取らなくても良かったのかもしれないって、やっと気づけました」

 

「無期限活動休止を決めたのは、このままずっとここにいたら、また世界政府や海軍の人たちが私を追って来ちゃうかもしれないと思ったから。

 だから私、最後に一曲だけ歌って、もっと世界を見る旅に出ることにしました。ミラも、それに付き合ってくれるそうです」

 

「私からはいつもみたいに、もう、発信は出来なくなる。だから、お願いがあります。

 ……本当は、私はこんなことをお願いできる立場じゃないって分かってる。

 だけど、どうか。

 海軍も、海賊も、市井の人も関係ない。せめてこの日が終わるまでは、どうかみんな一緒の立場で。

 私が、私と大切な人たちが夢見た〝新時代〟を、今だけでも見せてくれますか!?」

 

そして、一瞬の静寂と、その後の爆発するような歓声。ウタの願いが聞き届けられた証拠だ。

 ……なんか雰囲気おかしいな、〝時代争奪歌合戦〟としては俺の勝ちでよかったと思うんだが……? 試合に勝って勝負に負けたみたいになってる……?

 ………………まあ、細かいことはこの際、いいか…………大事なのはウタが生きてるってことだし……許してやんよ(震え声)

 ウタは思わず浮かべてしまった涙をぐいぐいと袖で強く拭っている。あーあー、せっかくのメイクが台無しになっちゃうぞ。

 俺はそんなウタに肩をすくめながら、姿勢を正して歌う体勢を取る。最後の曲は2人のデュエットにすると、最初から決めていたのだ。選曲の権利は俺だがな! 〝歌合戦〟勝ったし!

 

「……みんな!! ありがとう゛!! 

 ……じゃあ、最後の曲は、もちろんミラと一緒に。

 いつか本当に〝新時代〟を実現できますようにと願いを込めて。そして、私たちはここから進むからという決意をこめて。

 聞いてください──〝逆光のフリューゲル〟!」

 

大きく湧く観客と、俺やスタッフがこの曲のために調整した設備に照明が、このライブのトリにふさわしく、舞台を飾り上げる。

 

 

「聞こえますか…?」激情奏でるムジーク

天に解き放て

「聴こえますか…?」イノチ始まる脈動

愛を突き上げて

 

 

 何? 〝逆光〟でタイトル被ってる? ……まままよくあることだし……(目逸らし)。逆に考えるんだ、被っちゃってもいいさと。

 それにあの〝逆光〟を歌っていたウタが今度はこの〝フリューゲル〟を歌うのって、良くない? 良いって言って(懇願)。

 

 

遥か彼方 星が音楽となった…彼の日

風が髪をさらう瞬間 君と僕はコドウを(うた)にした

そして夢は開くよ

見た事ない世界の果てへ…

 

 

 あとはあれ。俺の何よりも好きな言葉知ってる? 『原点にして頂点』だよ!! え? マクロス? リン・ミンメイと熱気バサラって「マクロスで好きなキャラ誰?」って質問に対しては別枠じゃねェ?

 実はシンフォギアもさ……俺……TWO-M○Xメインボーカルばりの高○さんの歌唱が久々に聴けるもんだと思って……だからめちゃくちゃ楽しみにしてて……。

 それが起こった時、俺は自分の部屋へ行き、2時間ねむった…。そして………目をさましてからしばらくして、推しが1話の、それも前半で退場したことを思い出し…、………泣いた………。

 

 

Yes, just believe 1000年後の今日も 生まれ変わって歌いたい

暖かいよ この温もり

絶対離さない

Just feeling 運命なんてない 物語は自分にある Jump

逃げ出したくなったら 宇宙を見上げよう

勇気こそが輝くんだよ Singing star

 

 

だから心底、〝良かった〟と思うのだ。

 ウタがこうして楽しそうに生きて歌っている姿を見ることができて。せめてこの時空だけでもと〝歌合戦〟を仕掛け、映画のシナリオを改変した甲斐があるというものだ。

 この時空に生まれた俺は、ウタがいないならそんな世界は要らないと、そう、はっきり言えてしまうから。

 

 

Yes, just believe 神様も知らない ヒカリで歴史を創ろう

逆光のシャワー 未来照らす

一緒に飛ばないか?

Just feeling 涙で濡れたハネ 重くて羽撃けない日は Wish

旋律は溶け合って シンフォニーへと

二人でなら翼になれるSinging heart

もっと高く 太陽よりも高く

 

 

割れるような歓声を体いっぱいに受けて、俺はウタと手を取ってカーテンコールのような礼をする。

 その後指を鳴らすと、ライブスタッフがステージへと機材を運び込んでくる。位置に着くと俺たちは頷き合い、俺が最後に声を張り上げた。

 

「それじゃ、あとはDJタイムだ! みんな好きにすごしてほしい! エレジアは元国王ゴードンの名に置いて全て解放されているし、物資も山のように積んできた!

 ────()たちからの、せめてもの〝(パーティー)〟のプレゼント、楽しんでくれよ!」

 

 ライブスタッフに後を任せ、俺とウタは手を取ったまま舞台を走り去る。流れ出した音楽と、「ありがとう」「ずっと待っている」そんなファンたちからかけられる言葉を背に、向かうのはエレジアの〝港〟だ。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「みんな、お待たせ!」

 

「おう、来たな! ウタ! ミラ!」

 

 

──君はスターまばゆくシャイン

 

 

太陽のような笑顔で迎えてくれたのは、サウザンドサニー号と、ルフィ。そして麦わらの一味の皆さんである。

 そう、俺とウタはめでたく……でいいのか? とにかく、かの〝麦わらの一味〟のクルーとして迎え入れてもらえる事になったのだ。海賊なので普通にお尋ね者なのだが、それは俺やウタにとっては小さな問題に過ぎない。

 ウタの主目的は〝世界の見聞を広げること〟であったが、赤髪海賊団はなんか基本ラフテルの墓守って感じだし、あんまり向いてなくね? という俺の遠慮ない一言によって、ウタが〝麦わらの一味〟入りを希望したのだ。

 ちなみに俺は先ほど話した経緯で終わりのため、割愛。

 

 

──自分じゃ気付けない

 

 

「あっそうそう、シャンクスがね、ミラが付いててくれるならいいって」

 

「……それは別にいいんだけどさぁ、シャンクスたち()のこと買い被りすぎでは? ()別に強いわけじゃねェんだが」

 

「で、ルフィがいつか帽子を返しに来る時、私達も一緒に来いってさ」

 

ウタさん聞いてる? つかそれはもしや死刑宣告? 帽子を返しに行く時って十中八九対決の時じゃ……いや……まあ……そうとは限らんか……?

 

「ウタ、ミラ君。待っていたよ。ちょうど一味の皆さんに先ほどのライブを見てもらっていたところだ」

 

ゴードンさんも見送りに出てきてくれたらしい。サニー号の甲板にいたようで、梯子をするすると降りてくる。

 その腕に抱えられた映像電伝虫からは、先ほどのライブ会場の様子が映し出されている。みな楽しんでくれているようで何よりだ。

 

 

──心、リラックスして未来(あす)をイメージ

行方、自由自在

 

 

「──ゴードン!!」

 

ウタがそんな彼に向かって飛びついた。それに驚いたゴードンが電伝虫を落とさぬよう慌てていたので、俺がそれを持つのを引き受ける。

 

「今まで、本当にありがとう。迷惑もたくさんかけてごめんなさい。──私にとって、ゴードンはずっと、大切な2人目のお父さんだよ」

 

「……!! ウタ……!! 私も、君のことを実の娘のように思っていたよ……!! どうか、これからも体には気をつけて、元気でやりなさい」

 

そうして家族としての別れのハグを交わす2人。ウタが目元を拭って笑顔で離れると、ゴードンさんも微笑みかけた。

 

 

──諦めかけちゃった夢にリベンジ

老若男女のプライド

 

 

「じゃあ、おっさんも本当にありがとう!」

「ゴードンさん、お世話になりました」

「ゴードン! いつかまた会いにくるからね!」

 

俺たちも乗り込んだサニー号の甲板の上から、麦わらの一味を代表してルフィが一言声をかける。

 電伝虫を返した俺と、ウタも改めてゴードンに手を振った。

 ゴードンさんも大きく手を上げて応えてくれる。

 

 

──Everybody シャッフルしよう、世代

連鎖するスマイル

Let's Party エンジョイしなきゃもったいない

だって、人生は一回

 

 

ゴードンさんに抱えられた電伝虫からは、まだずっとライブ会場の様子が映し出されている。

 そこには、所属も身分も関係なく、〝音楽を愛する人たち〟が〝音楽を楽しむ〟姿ばかりが見える。

 そんな声に送られることほど、歌手として光栄なこともないだろう。

 

「よォし、出航だァ〜〜〜〜!!!!」

 

我らがキャプテンの一声で、サニー号は新たな旅へと進みだす。

 これからどんな旅路が待っているのか、それは海しか知らないが──この仲間達となら、なんだって乗り越えていけるだろう。

 ……俺とウタが早く戦力になるように頑張らないとな、うん。

 

 何はともあれ。ウタと俺、イレギュラーな2人のクルーを増やした〝麦わらの一味〟の冒険はまだまだ続く。

 続くったら、続く! ……原作いつ終わるんだー! 時空合流するなら教えてくれェ!!

 

 

──レインボーは空だけじゃない

胸にも架かるぜ

どんなミラクルも起き放題

ユニバース・フェスティバル

 

 

 

Finale II:Good End「夢の宴〜ユニバース・フェスティバル〜」

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 エレジアを出航し、安定した航路に入った頃。サンジから並々と酒が注がれた樽ジョッキを渡された。おっと、これは? ウタと2人で目配せして、ちょっと照れたように笑う。

 甲板に集まってきた仲間たちの中で、ウソップが樽ジョッキを掲げて音頭を取った。

 

「え〜〜それではァ、天下の歌姫2人の乗船を祝してェ……」

 

「「「乾盃(カンパ)〜〜〜イ!!!」」」

 

ガコン! とジョッキをぶつけ合って、「宴だァ〜〜!!!!」との船長のお言葉で、俺とウタの歓迎の宴が始まった。……正直照れるんだよな。俺って前世は飲み会とか苦手だったし……あれ? 海賊やってけるのか俺? 海賊とかパリピ集団だぞ? 酒は好きだけど……。

 

「ヨホホホ、よければウタさんとミラさん、私とセッションなどどうでしょう」

 

ブルックがバイオリンを担いで話しかけてきた。

 いいな、多分俺とウタの役職も〝音楽家〟扱いになるんだろうし。3人揃ってやるのも……あ、それなら。

 

「ブルックさん、ウタ、それならやっぱり〝あの曲〟歌おうよ。ウタは久々の海賊復帰だし、よければ最初はメインボーカルで」

 

「ええ!? そりゃ覚えてるけど……うん、そうだよね。海賊って言ったら〝アレ〟だよね……よーしブルック、ミラ! お願いします!」

 

いそいそと声出しをして、ブルックさんもバイオリンのチューニングを済ませ、準備万端だ。

 すうっとウタが大きく息を吸って、歌い出す。

 

 

ヨホホホ ヨホホホ ×4

 

ビンクスの酒を 届けにゆくよ

海風 気まかせ 波まかせ

潮の向こうで 夕日も騒ぐ

空にゃ 輪をかく鳥の唄

 

 

それを聞いたルフィたちも途中から歌い始めて、やはり大合唱になった。

──フフン、もうウタがあの声で歌っている〝ビンクスの酒〟を〝存在しない記憶〟とは言わせねェ!!(ドン!!)

 まあ、この時空限定ではあるし、Special Trackであることには変わりないんだけどな!

 

 

Finale II:Special Track「ウタの歌、ビンクスの酒」

 




というわけでこれにて本編完結となります。ここまでお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました!! 
正直こんなに作品を読んでもらえることも、反応をもらえることも初めてだったので、本当に恐縮しきりでしたが、それ以上にただ「嬉しい」という気持ちでいっぱいです。心から感謝申し上げます。
そしてこれまで感想をくださった方々、途中で返信を停止してしまいすみませんでした。しかしいただいた感想は逐一拝読していました。
その中で自分の意図したことがきちんと伝わっているなと安心したり、鋭い読みで裏設定まで看破(?)された方までいて驚いたり、常に刺激をいただいておりました。重ねてお礼申し上げます。

今後については、まず設定資料(というほどでもない)を公開して、その後は番外編の更新をしていきたいと思います。原作時空転生ifなど、ネタはちょくちょく考えております。
まだお付き合いいただける方は、どうかお待ちくださると嬉しいです。また、活動報告の方も一度見ていただけますと幸いです。
よろしくお願いします。

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