FILM RED時空に転生したから〝時代争奪歌合戦〟をやる【本編完結・番外編不定期更新】 作:空吉
端折りすぎた気もするので気が向いたら加筆があるかもしれませんが、その時はお知らせします。ほぼ変わらないとは思いますが!
最後にちょっとしたお遊び程度のアンケートがありますので、よければ参加してもらえると嬉しいです
ぽい、と勢いよく〝
ブルーノがマスコットと化してしまったので、バルトロメオが爆笑していた。まあわかる。かわいいし。そういや小さくなったサニー号がいるのも忘れてたな。チョッパーとベポも追加して並んでくれませんか?
一方で、沈んだ表情の俺たちを見て、ローは「どうやら説得は失敗だったようだな」と事態を察し、軽くため息をついた。
「ええ……。それどころか事態が急転しました。ウタがおそらく現実で〝ネズキノコ〟を摂取してしまったので」
「タイムリミットが出来てしまった」
途端にローとルフィの表情が厳しくなり、バルトロメオが思い切りショックを受けた顔をした。
そんな中で、俺はコビーとブルーノからじとりと物言いたげな視線を向けられる。
意識して目を逸らし、口笛を吹くなどという漫画みたいなことをしてみるが、まあ当然のように誤魔化せなかった。
ルフィが首を傾げて問いかけてくる。
「ミラ、お前なんかしたのか?」
「……別に」
「『別に』どころじゃありませんよ。ミラさん、あの能力使用は本気だったんですか」
俺のせいってのかァ!? やるかオラァン!
……まあ俺のせい、かも、しれん、けど。けど!!
「うるせーぞ〝今を生きる人類〟属性!! 畜生めー!!(総統閣下)
本気も本気だよ!! この際ちゃんと弁明しとくけど、ありゃ
もうこの際〝銀河の妖精〟の外面など取り繕ってはいられない。もぎゃああああと突如喚き出した俺を見て若干引かれている気もするが、それどころじゃねえ。え? 元から? はい。
グワーーッああなるんだったら技能の〝説得〟だか〝言いくるめ〟でも取っておけばよかった!! 取れないけど!!
──いや待てよ、ネズキノコが残ってるということ自体の方は、落ち着いて考えたら全然あり得たわ。
スン、と表情を元に戻して考えるポーズを取ると、コビーが「うわあ! いきなり落ち着かないでくださいよ!!」と若干ビビっていた。忙しいやつだな。
ネズキノコをウタが食べること、それ自体が変えられなかったのは、それこそ歴史の修正力のせいだなどというのはテンプレだし、1個くらいなら隠し持っててもまあおかしくはない。ウタだって考えなしじゃないからな。
反省としては、やっぱりエレジア周りの流通から押さえておくべきだったという点か。戦略的なミスだ。エレジアに自生しているのかもしれないが、前乗りライブ設営の期間中に島を散策した時は見かけなかったんだよな。
そして最も謎なのはウタの覚悟ガンギマリ状態だ。あんだけ言っても結論が揺らぎやしないとか、おっかしいな、こんなはずじゃ……。ラリってもないのになんであんなことになった??
「……自分の影響を過小評価するのは悪癖かもしれんな」
ブルーノが核心をついたことを言っていた気がするが、耳には入らなかった。
「そちらはどうですか?」
と問うコビーに対し、自慢げにバルトロメオが示したのは、ずらりと集まった海賊の面々である。ブリュレやオーブン、クラゲ海賊団──ウタの能力によって拘束されていた連中を解放した見返りに協力してもらう、という形だ。
しかしオーブンとブリュレはルフィがいるのを認めた瞬間に顔を顰め、「手を組むのは死んでもごめんだ」とブリュレの能力で鏡の中へと消えてしまった。「ウタを倒すのは勝手にやらせてもらうよ」との言葉付きだ。
ヘルメッポが慌てているが、俺は「まあすぐ戻ってくることになると思うよ」と肩を叩く。
「なんでそんなことが分かるんだよ」
「ルフィんとこの航海士殿はこういうことにめっぽう強いから」
ヘルメッポが意味がわからんと首を捻っている。まあ少し待っとけって。
俺の言葉を聞いていたのか、ルフィがバルトロメオに自分の仲間の行方を聞くが、まだ戻ってきていないと首を横に振られる。
「あいつらがウタの弱点を見つけてこないことには、勝負にならねェぞ」
ローたちが深刻な表情になるが、俺とルフィは余裕の表情だ。俺は〝知識〟から、ルフィは仲間たちへの信頼から。何という人間性の差。まあ原作主人公とテンプレ転生オリ主の差だから……。
案の定、少し経てば鏡の中から一味の皆さんとオーブン&ブリュレご
コビーがこちらの状況を伝えたのち、成果を尋ねると、有能な考古学者ロビンが城で見てきたトットムジカの伝承と、その攻略法を説明する。
しかしいつ聞いてもこの攻略法、ゲームのボスみたいだな……になってしまうんだが、実際メタ的にも事態を強制的に終わらせる
閑話休題。
作戦会議は『現実側で誰がウタ=魔王トットムジカを攻撃するのか?』という議題に入っている。海軍は一般市民を巻き込めないので無理だ、とコビーが言う。……めっちゃやってましたよ? とはさすがに言えねェ!
混沌の時代の中で海軍の正義を未だに実践しようとしているコビーくんには頭が下がりますよほんと。〝今を生きる人類〟属性だけど。いや『だから』というべきか。くそっ天敵め。
「1人いる。そうだな? ミラ君」
「お。ゴードンさん」
ここでゴードンさん乱入! アピールチャンス! さほどアピールすることはないが。
「誰だ? ミラ様の知り合いか?」とウソップが言い、バルトロメオがそれに「ウタ様の育ての親だべ」だと説明する。ゾロは「1人いるってのは誰のことだ」とゴードンさんとついでに俺まで睨んでくる。そんな怖い顔しなさんなよ〜。
「シャンクス。四皇〝赤髪のシャンクス〟だ」
「ウタの父親だよ。今でもね。……ウタの方は、まあ複雑かもしれないけど」
出された四皇の名に周囲が息を呑む中、ルフィだけが真剣な顔つきになる。
「おっさん。やっぱりウタとシャンクスに何かあったのか」
ゴードンさんが押し黙ってしまう。次いで俺に「ミラは知ってんのか」と視線が注がれたけど、首を横に振る。
「知っているけど、教えられない。
義理、というものがある。合理的に考えれば伝えた方が手間は省けるが、残念ながら俺にその権限はないのだ。たとえ自己満足であろうとも。
それを聞いたルフィが飛び出していく。ウタのところへ向かったのだ。
バルトロメオは狼狽えるが、麦わらの一味はルフィの突飛な行動には慣れているため全く動じていない。
挙句の果てにゾロは魔王の攻略に関して『現実世界で攻撃が始まりタイミングが合うまで、ひたすら攻撃を続けていればよい』などという脳筋戦法を実践するつもりだ。まあそれしかねえよなあ、連絡手段がないのは痛いし。バルトロメオが膝をついて感極まっている。
取るべき行動は決まった。あとはウタのところへ向かうだけだ。
その痛ましい過去を、ウタの慟哭と共に聞くのはさすがに堪えた。
皆も隠れながら、険しい顔つきになっている。
だが、それを背負うのが俺の為すべきことでもある。ここから今の手札を鑑みて、今後の状況と取るべき行動を今のうちにシミュレートし、備えておく。
ここで、ふとウタの動きが止まった。
──やっと来たか。遅いぞ、〝お父さん〟。
◆◆◆
ルフィに向かってナイフを振り下ろしたウタのその手を止めたのは、紛れもなく──シャンクスであった。後ろには赤髪海賊団が全員揃っている。12年ぶりに見た彼らの姿に、ウタの表情は凍り、しかし瞳は激しく揺らいだ。
「シャンクス……? なんで……」
「久しぶりに聴きに来た。お前の歌を」
「……っ、今さら……ッ」
ウタが唇を噛み締めて、ぱっと立ち上がって逃げるように後ずさる。
何とか動揺を押し殺そうとしているが、12年分の様々な感情と、ネズキノコの作用による攻撃的な気持ちが彼女の中に渦巻いていて、呼吸を落ち着けることだけで精一杯だ。
しかし、ウタは一度強く目を閉じてなんとか感情を制御すると、鋭くシャンクスたちを睨みつけた。
「──そう。来てくれたところ、悪いんだけど。もうすぐ私とファンのみんなが〝新時代〟を迎えるところなの。誰にも邪魔はさせない……だけど、そうだな。──決着をつけておいてもいいかもね」
ウタがナイフをシャンクスに向け、観客たちに呼びかける。操られた観客たちが、憎き〝海賊〟に襲いかかった。
◆◆◆
「シャンクスが来てるのか」
〝ウタワールド〟では、ルフィの声に、ウタが慌てて流れていた涙を拭った。
その隙をついて、コビーの号令に合わせ、隠れていた海賊たちが飛び出してウタに攻撃を仕掛ける。俺は特に攻撃手段を持たなかったので、後方待機として見ていることしかできないのが歯がゆいが、勝負どころはもう少し後なので大人しくしておく。
たちまち乱戦となって入り乱れる攻撃の中、最終的にウタを捕らえたのはバルトロメオの〝バリアボールサウンド〟だった。通常のバリアボールでは出来なかったはずだが、いつの間にか音声を遮断するバリアボールも作ることが出来るようになったらしい。映画だけの技かもしれんが。
ウタの声が聞こえなくなり、音符の戦士も姿を消す。最初はウタも「ここから出せ」というようにバリアを内側から叩いていたが、ハッと目を見開いて動きを止めると、そのままずるりと座り込んでしまった。
──様子から察するに、ちょうど今頃、現実世界で一般市民が海軍に撃たれて瀕死の状態になっている場面だろう。
守りたいはずのファンを傷つけられる瞬間は、きっとウタには酷なものだったはずだ。そしてそれが、彼女に一歩を踏み出させてしまうきっかけとなる。
ウタがゆらりと立ち上がり、暗い声で呟く。
「悪い人には悪い印を。もっと早く決めるんだった」
そしてルフィたちの衣装が瞬く間に変わる。ロック調の戦闘服──海賊が海賊であると、これでもかというほど分かりやすく示すもの。
お、俺の衣装も変わったか。……これ〝オベリスク〟衣装だな。黒を基調としたカラーチェンジ版だけど。確かにあれ〝オベリスク〟とまんまな名前がつくまでは〝シェリルの海賊風衣装〟って言われてたらしいが。これはウタのセンスのはずだけど、まあそれらしいからいいか。
「私に勇気が足りなかったから。あの歌を歌う勇気が……だけど、もう迷わない!」
──ここだ。ウタが〝トットムジカ〟の楽譜を展開するため両手を掲げようと動いた瞬間。俺も流れるように前に出て、ウタを視界の正面に捉える。
そして、ウタは、その
1. 歌ってしまった。
2. 歌うことができなかった。
トゥルーエンドとグッドエンドの2択です。どちらもちゃんと書きますが、順番はトゥルーエンドに至るルートからになります。
自分が選んだ選択肢はどちらのエンドに至る選択肢だったかな?と後で確認して遊ぶだけのアンケートということで、お気軽にご参加ください。
ウタは、その|禁じられた旋律《トットムジカ》を────
-
1. 歌ってしまった。
-
2. 歌うことができなかった。