カゲロウデイズ -Mekaku City Plain daze-   作:せんと凪

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追想フォレスト3

 

 8月15日

 

 やたら暑い日差しに晒されながら、目的地の遊園地まで歩く一同。

 

「ゆ………遊園地とか……無理だから………あぁ……マジでアチいなぁ……くっそ……」

 

 うだるような暑さに耐えながら、歩く如月伸太郎。

 そんな彼の姿を見て不満を漏らす妹、如月モモ。

 

「ねぇ……お兄ちゃんそれ、本当見てるだけで暑苦しいんだけど。後、その服全然イケてないし、我慢大会じゃないんだからさぁ……」

 

 伸太郎は、そんな妹の小言を聞いて、昔はよく「お兄ちゃんお兄ちゃん」って可愛い奴だったのになぁ……と鑑賞に浸っていた。

 

「………別にいいだろ? 直接迷惑かけてるって訳じゃねぇんだから。つーかお前こそなんだよ、その服? バライティ番組の罰ゲームになってるぞ」

 

 如月妹の服には、下のシャツに“大江戸”と書かれ、その上には“鎖・国”と胸あたりに大きく二文字に分けて書かれたパーカーを着ていた。

 

「は、はぁ!? この服のセンスがわからないとかセンスないよお兄ちゃん! てかお兄ちゃんこそ何その赤ジャージ!? ダサいし、てか浪人生? 引きこもり、ニート丸出しだから」

 

「う、うるせぇよ!」

 

 “ニート”というワードが刺さったのか、焦り声が裏返る。

 しかし、伸太郎は自分の赤ジャージを貶されたのが、少し癇に障ったのか、妹に反撃に出る事にした。

 

「お前な──」

 

 が、その瞬間モモの頭を軽くチョップする、者がいた。

 その者は、モモが振り返るとその顔を近づける。

 その人物は仮入団の《トキ》だった。

 

「あたっ! うぅ………何するんですか…っ! せん、ああえっーと、トキさん? ん、何々?」

 

 トキはモモの前にスマホの画面をかざし見せる。そこには短い文が書かれていた。

 

『如月、言い過ぎだ。伸太郎に謝れよ、ジャージの事』

 

 とメモ帳機能でそう書かれていた。

 

「えー、トキさんそんな事言われても……悪いのはお兄ちゃんですし……」

 

 再びポチポチと文字を打ち込み、携帯を見せるトキ。

 

『いいから、早よ謝れ』

 

「………わかりましたよ……お兄ちゃん……その……ジャージダサいとか、浪人とか言ってごめん……」

 

「おっ!? な、なんだよ急に……」

 

「だからごめんて!!」

 

「あっ、お、おう! お、俺もその……悪かったな……服の事」

 

 伸太郎は若干困惑しながら、も妹の謝罪を受け入れた。

 伸太郎は助けてくれた? その人物を見る。スマイル顔が書かれた紙袋を被った、“トキ”という人物を。

 

(こいつ、俺を助けてくれたのか? 顔は、わからねぇーし、つーか何で紙袋? もっとこうなかったのか? はぁー本当何なんだ一体?)

 

 そんな伸太郎の視線に気付いたのか、トキは伸太郎に向かって「良かったな」とでも言うようにグッジョブサインが送られてきた。

 

(……何だこいつ)

 

「な〜に話してたんすか、シンタローさん!」

 

 声の方を振り向くと、そこには、白いモコモコの塊を背負う、緑色のつなぎを着た大柄な青年は爽やかな笑顔をこちらに向けてくる。

 

「えーっとあんたは、確かあんたは………セトさんでしたっけ?」

 

「そうっす! で何トキさん達と話してたんすか?」

 

 良かった、名前は合っているんだと一安心する伸太郎。

 

「いや特には……ちょっと服の事で話してて喧嘩になりそうな所を……そのこのトキ? が助けてくれたってだけだ」

 

「ふむふむなるほど……でも、仲直りはしたんすね! 良かったじゃないっすか!」

 

「あ、ああ……」

 

「仲良いのは良い事」

 

 と、小さく呟く白いモコモコの塊の少女。

 

「マリーもそう思うっすよね! 俺もそう思うっす!」

 

「にしてもあんた、良くこのクソ暑いのに、人なんか背負って歩けるな、すげぇーよ」

 

「あぁ、俺普段からバイトとかで重い荷物運んだり担いだりしてるんで全然平気っすよ。マリーなんてそれに比べれば軽いんでらくっす。でも、マリーもいつも引きこもってるから、今日みたいにバテるんすよ」

 

「うん……今度から少しずつ運動する……」

 

「………」

 

 引きこもりと言うワードに親近感を覚えつつも、箱入り娘とヒキニートでは余りの差がある事に若干傷ついてしまう伸太郎だった。

 

「でも、皆んな本当ごめんね……バスを使えたら良かったんだけど……私のせいで」

 

 先頭を歩いていた、キドがいつの間にか伸太郎が歩く歩幅えと近づいてきていた。

 

「すまないな……俺の能力は他人に触れると効力がなくなってしまし、バスだと人にぶつかる可能性があるからな、如月や目立つトキを隠せないんだ。重ねてすまない」

 

「団長さん、顔あげてください。別に団長さんが悪い訳じゃないですから……私がもっとこの目の能力を使いこなせれば良かっただけですかです」

 

「そうか」

 

「もう、僕抜きで皆んなにに話してるのさ? もう直ぐ目的地に着くよほら」

 

 カノの言うように目的地の遊園地は目と鼻の先だった。

 

「いや〜楽しみだねぇ、遊園地先ずは何に乗ろうか?」

 

「私ジェットコースターに乗りたい!」

 

 マリーがそう言うと、伸太郎は息を飲み込んだ。

 

 えっ? ジェットコースター? 普通に無理なんだけど??? 俺多分死んじゃうよ。

 

「そういえばエネちゃんは? さっきから随分静かだけど、お兄ちゃん何かしらない?」

 

「電池の消費を抑えたいんだと……もう直ぐ着くから電源つけておくか……はぁ……ジェットコースター嫌だなぁ……」

 

 携帯の電源をつけてジェットコースターに乗りたくないとぶつぶつ唱えるので合った。

 

 





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