カゲロウデイズ -Mekaku City Plain daze-   作:せんと凪

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 あけましておめでとうございます。と言っていいのかあれですが、こんにちは、こんばんは、初めましての方は初めまして、せんと凪と言います。
 この二次創作小説を開いていただき、また読んでいただき誠にありがとうございます。

 前回の投稿からもう一年以上過ぎてるんですよね……とんでもないな。そして、とてもありがたい事に、続きが読みたいとメッセージがあったんですよ! それが嬉しくて続きを書くつもりは無かったのですが、書いてみました!
 そうそう、メカクシティアクターズ今年で10周年なんですよ! いやぁ時の流れってのはすっごい早い!。っと、前置き長くなってしまいましたね、それでは本編をどうぞ。


遭遇Ⅱ

 

『ミーン、ミーン、ミーン』

 

 やけにうるさい蝉の鳴き声がまとわりつく暑さを加速させていた。

 顎からポタポタとこぼれ落ちた汗が地面に染みを作っていく。家を出て五分はもう経っただろうか? 既に体は限界を迎えている。

 

「せっかくシャワー浴びたのにこれじゃぁパーだな……」

 

 暑い、熱い、アツイ、あつい、あちゅい。とにかく暑いのだ、こんなん、熱中症になるわ。いやまぁ、夏だから当然と言えばそうなのだが……にしたって暑すぎる。

 例を挙げるとするならば大釜の中華鍋をこれでもかってくらい熱し、釜の上に橋をかけてそこを綱渡させられている体感だ。

 

「あつい……あつい」

 

 また同じ言葉を誰も聞いていないのにぶつぶつと繰り返し唱える。

 ネット記事で見た通り、確かにこの暑さは熱中症患者が続出するわけだ、直に体感してわかった、納得納得。………じゃねーよ、そんな事納得したってこの暑さはどうにもならんわ! 馬鹿かッ!。

 でもまぁ、うだうだ思ってても仕方がない、新品のマウスを買うためだ我慢するしない。それに、この茹だるような暑さもデパートにつけば一気に吹き飛ぶさ、フッハハハ!

 

 一人、死んだ目をした18歳の少年は歩きながら口の左端が上げ、ニヒヒっと笑った。傍から見たら不気味、不審者そのものだが、幸い周囲には人はいなかったので、セーフ。通報案件にならずに済んだ。暑さで頭がヤラレちゃってんだわこりゃあ。

 

「……えっとぉ、デパートはもうすぐのはず……」

 

 携帯の液晶に表示された地図でデパートまでの距離を確かめる。

 よしよし、次の交差点を渡ればデパートは目と鼻の先だな。歩道に着くと赤信号で多くの人々が止まっているのが見える。お盆だからな? にしても人混みってのは苦手だ、中にいるだけで疲れる。皆んな良くこんな暑さの中居られるよな、どうかしてるぜ。

 

 額に垂れる汗を拭い、疲れの混じったため息を吐いてもう一踏ん張りと気合を入れ直す。目線を地面から向こう側の歩道に歩みを止める人混みの方に向ける。

 

 

 

 

 ───その時だ、視界に映る景色に激しいノイズが走った様にみえた。

 

 

 そのノイズの最中。視界の先で揺らめくカゲロウの中に、黒い服に身を包んだ“赤い目の誰か”が、俺の事をじっと見つめて、何かを言っているような姿が見えた気がした。

 

 俺は、目をかるく擦ってパチパチと目を何度か見開く。何も異常はない。視界はクリアだし特にこれ以上何かが起きることもなかった。

 

『ピッピピ』

 

 赤信号が青に変わり、足を止めていた人々は向こうに渡り出す。俺もその人混みに紛れ交差点を遅れて渡った。

 

 さっきのは一体なんだったんだ? 幻覚なのか? それとも妄想が現実化した? ……いやナイナイ。これはきっと暑さで頭が少しやられちまっただけだな。多分さっき見たのも、向こう側にいた人がそういうふうに見えただけだ。

 気のせい忘れろ忘れろ。さて、歩道は渡りきった目の前には目的地であるデパート。さっさとマウス買って帰るか。

 

 

 *

 

 

「うっひょおおおおおおお!!」

 

 入店するととても心地よい涼しさが身体を包み、思わず声が出てしまった(小声です)。

 両手を広げ、体の底から厚さが抜けていくのをこれでも勝手くらい感じている。

 ああまさに恵だ、涙が出てくる! ここはオアシスやぁ! もぅっ素晴らしい! クーラーが効いてる店最高!!。

 ───はっ!?、いかんいかん、あまりの気持ちよさに意識が飛びかけていた。

 デパートの見取り図ではパソコン用品は7階だったよな。携帯に表示したデパートの見取り図を眺める。

 結構広そうだな……おっ、玩具の売り場も近くにあるのか。マウス買って帰る予定だったが、玩具コーナーでプラモデルでも物色して帰るのもいいな、よしそうしよう。

 エレベーターは混んでそうだしエスカレーターで行くか。

 

 7階到着後、携帯のアプリで場所は既に把握済みなのでスムーズにそして適度な速度でパソコン売り場に向かう。

 

 その途中ふと視界に懐かしい顔をが映ったのに驚き、俺は歩みを止めた。

 

「え……伸…太郎……?」

 

 見間違いだろうか? 一瞬、ほんの一瞬だけだったがかつての親友の姿がそこに合った気がした。

 だがそんな筈はない。伸太郎、あいつは2年前に起きた事がきっかけで、高校を中退しそれ以来会っていない。外出なんてもうほとんどしてないとあいつの妹からも聞いてる。それがたまたま今日同じ日に外出ってあり得る話か? いや無い。他人の空似だろ。そうだ、そうだよ。それに会ってどうすんだよ? 俺はあいつが一番辛い時に何にもしなかったし、あんな酷い事を言っちまったんだぞ……俺は……俺は。

 

 一人立ち尽くし翻弄されていると背中に衝撃をくらい俺は、体勢を崩し膝を強打して倒れた。

 直後、後ろの方で、どてん! っと2回続けて誰かが倒れる音が響いた。

 

「あいったー!!!」

 

「いったー!!!」

 

「うえぇ、痛いよー!!!」

 

「き、キサラギ大丈夫か!? マリーお前はまた……」

 

 痛みに数秒悶え俺は、膝を押さながらゆっくりと立ち上がった。

 

「すすすみません!!」

 

 振り返るとそこにはもう既に頭を下げている少女の姿があった。後ろには涙をポロポロ流している白髪の女の子とその子を慰める深緑のツナギのような服を着た少年。その周りに紫のフードを被った男性? いや女性と黒いフードを被った少年が居た。

 

「ああ……いや、いいよ……(痛い)…こっちも…止まってたのが…悪いから、謝らなくていいですよ……(あぁいてぇ)」

 

「いえ! こっちの方が断、然、悪いのでほんとすみません!」

 

 さらに深々と頭を下げる少女。

 

「いやもう大丈夫だから(まだすっごい痛いけどな)頭上げてくださいって……」

 

 ん? そういや、この声どっかで聞いたことがあるような……?。

 

「ほ、本当ですか?」

 

 申し訳無さそうに頭を上げる、その少女と目が合った時俺はこの人物が誰なのかをやっと認識した。

 

「…あっ、えっ、き、如月!?」

 

「えっ!? 先輩!? ウソ、なんでこんな所に居るんですか!?」

 

「いや、それはこっちのセリフのでもあるんだが…」

 

 後ろにいる四人は知らないが、目の前に居る彼女が誰なのか俺は知っている。

 彼女の名前は如月桃。自身が通う高校の後輩で先ほど見かけたであろう伸太郎の実の妹。そして巷で大人気のアイドル。街中で現れればたちまち人だかりが出来て、異常なほど注目を集めてしまう人物。本人はそれをかなり気にしているのでたまに相談に乗っていたりする。

 そんな彼女とまさかこんな所で出くわすとは思いもしなかった。

 

「えっと……先輩は、その買い物ですか?」

 

「…あ、ああ。マウス買いに来ててな、家で使ってたのが急に壊れちまって買いに来たって感じ……如月もその、友達と買い物か?」

 

「はい、そうですね」

 

 アイドルの活動が忙しくて友達ができてないんじゃないかって思ってたから、ちゃんと休みも取れてるようだし良かった。

 

「そうか、邪魔したな………そうだ。如月、その……伸太郎……兄貴元気か?」

 

「えっ!? お、お兄ちゃんで、ですかぁ!?」

 

「あ、ああ……?」

 

 なんだ? やけに驚いているが。

 

「げ、元気だとお、おもいます……よ……た、多分。毎日家でパソコンいじってニヤニヤしてますし」

 

「そ、そうなのか……」

 

 まぁ、暗いよりは元気ならいいか。それを聞いて少し安心した。

 

「如月もアイドル活動無理すんなよ、またなんかあったら相談乗るから。んじゃあ俺は行くかr──」

 

「すいませぇ〜ん、ちょっといいですかぁ?」

 

 もう行こうと思った時、如月と一緒に居た黒いフードを被った少年が割って入ってきた。

 

「えっ、カノさん?」

 

「キサラギちゃん、キドが呼んでるよ。あとごめんなさい、兄さんはちょーっと待ってくださいね」

 

 と言って返す間もなく友達のところに合流する如月と黒フードの少年。少し離れたところで何やら話し合っている。

 

 待っててねって、なんで待たされるんだ?。邪魔しちゃ悪いしもう行こうと思ってたんだけどな。特に急いでる理由も無いし気長に待つか。

 

 しかし今日はなんなんだ? マウス壊れるし、通販お盆で使えなくて買いに来る羽目になったり、幻覚見たり、友達の空似をみるし、その妹には体当たりされて倒されるし、まったくなんて日だ。もうこれ以上何も起きないでくれよ。

 

 ふと周りを見渡して見ると、人通りの少ない所である客がスポーツバッグを下ろして中身を確認しているのが見えた。

 ジムの帰りか、それとも観光客? 忘れ物でも探してんのかな、なんてノリで眺めていた。

 でもこの客なんでこんな厚着してんだ? クーラー効いてるから寒くて着込んだって感じにしちゃあ妙にごわついてるよな? ……いや待てよ、なんだそれ……?。

 男が上着を脱ぐとその下には自衛隊やサバゲーの上級者が着てそうな装備を身につけていた。さらにスポーツバッグの中身も偶然見えてしまった。その中に入ってたのは銃火器の類だった。

 じ、銃? なんでそんなもん持って来てんだよ……それにその服装……。

 さらにそいつが向いた方向を目で追うと同じ服装の二人と合図を送り合っている。

 他にも同じ様な連中が何人も居るのか? なんだ、なんか、なんか……やばいぞこれ……逃げた方が良く無いか?。

 

 そうだ、如月達に早く伝えに行こうと思った瞬間────それは起こった。

 

 

 激しい爆音と共に大きい爆発が起きた。

 

 

 





 実は主人公の名前はまだ決めていないんです。
次の投稿もいつになるかわかりませんがなるべく早く書きたいなと思っています。
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