カゲロウデイズ -Mekaku City Plain daze- 作:せんと凪
今日で『メカクシティアクターズ』がなんと10周年! おめでとうございます!!
今回の話はタイトルにある通り、ヒビヤくん主体の話です。なので、この二次創作のオり主人は、今回1ミリも出てきません。
グロい描写があるかもしれないので一様タグを追加しました。グロいかな……? グロいかもしれない……。そこまでグロくないかも。
「────────」
目の前の光景に息を呑んだ。
ただ君と話していただけなのに、どうしてこうなった? いつもと変わらない日のはずだったのに。
目が眩む。ただただ立ち尽くすしかない僕。
横断歩道に残る焼け焦げたタイヤの跡と、引きずられた君の痕跡。
アスファルトに削られて出来た赤黒い血の跡と肉が真夏の日差しに焼かれた、その匂いと君の香りが混ざり合う。
強烈な吐き気が押し寄せてくる。頭が痛い。
左を向いちゃダメだ。その跡を目で追ってはダメだ。何度も何度も痛む頭の中で唱える。
ダメだ……ダメだ……見るな。それを見れば僕はきっと───。
そんな事とは裏腹にゆっくりと、ゆっくりと無意識にその目は追ってしまう。
──君の結末を。
押しつぶされた君の体。道路に着く血と肉と骨の君の残骸。
垂れる血、擦り切れた内臓が道路に飛び散っていた。
耐えきれず、胃の中の物を吐き出してしまった。
「───ゔっ、お"ぇ" え"‼︎ はぁ……はぁ」
酷い動悸、眩む視界。それでもあの光景だけは、はっきりと目に焼き付いている。
顔を強く覆っても指の隙間から見えてくる目を疑いたくなるような場面。
その瞬間、視界は一瞬にして黒く塗りつぶされた。
「───────」
いつもそうだ。全てが終わる時、僕は昨日と今日に戻される。
もう何度目だろう? これを見るのは。いつもと同じ会話。いつもと同じ行動。
それらから君をどれだけ達ざけても、どれだけ違う行動をとっても、君は何度も何度も何度も僕の前から消えてしまう。
どうして死ぬんだよ。
「───もう……もう……やめてくれ……」
痛々しく、潰れ掠れる声が、けたたましく鳴り響く蝉の声にかき消される。
鉄柱に貫かれた君。
ぐちゃりと潰れた顔だったモノからは、もう君である事がわからない。ぷらぷらと千切れる寸前で、垂れ下がる手足。
貫かれた体は原型を留めてるだけでもう君じゃない。
あれは君じゃないんだ。
そうだ、そうなんだよ……。
あれは君…………なんか、じゃ…………ない。
これは現実なんかじゃない。きっと夢だ。
そうだ夢に決まってる。タチの悪い悪夢をずっと見せ続けられてるだけだ。
早く醒めろ。
また何度も見た光景が幾度となく繰り返される。
もう嫌だ……僕はもう君の死ぬとこなんて見たくない……。
いつになったら僕はこの悪夢から目醒めるんだ? 早くこの夢を終わらせてくれ。
いつもみたいに我儘な態度でいてよ。
時より見せる照れた顔を見せてよ。
ねぇ、怒ってる? もし怒ってたら謝るよ。何度も謝るよ。
だから……だからさ
もう死なないでくれ。
何度も願っても、何度祈ってもユラユラとゆらめくカゲロウが─────突きつけてくる。
これが、夢じゃないぞって。
と言った感じです。
ちなみに僕がカゲプロで好きな曲は結構あります。