フィーネになりそこなった合法ロリのお姉ちゃん   作:とんこつラーメン

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ピクシブでとあるイラストを見てから、一気にマイブームが『合法ロリ』になってしまいました。

それと同時に、合法ロリが出てくる作品を無性に書きたくなりました。

完全に私の我儘で書いてます。






『姉』の帰国

 風鳴の屋敷の一室。

 現当主である『風鳴訃堂』は一人の『女』と向かい合っていた。

 

「帰って来たか」

「物凄く久し振りだけどね」

 

 女と言ったが、その容姿はかなり幼い。

 身長は130センチ程度で、真っ白な髪をショートヘアにしている。

 何も知らない者が見れば、まるで祖父と孫娘が話しているようにも見えるだろう。

 

「お前の『妹』の話はもう聞いたか?」

「帰国する少し前にね。詳しいことに関しては飛行機の中で見せて貰った」

「大衆が乗る旅客機で機密事項を読んだというのか?」

「ンなわけねーだろ。どんだけ予算が無いと思われてんだ。ちゃんと、乗客は私一人だけの完全プライベートジェットだよ。私の個人資産舐めんな」

「ふっ…そうであったな。それでこその貴様よ」

「ジジイに褒められても全く嬉しくない」

 

 普段は病的なまでに国防の事を考えている訃堂が、珍しく好々爺らしい笑みを浮かべる。

 それだけ、目の前の幼女が特別だという事なのか。

 

「そう言うな。儂は貴様の事を高く評価しておる。歌手活動などにうつつを抜かしておる翼や、国防を担う立場にいながらも情が抜けん八紘や、甘い考えを未だに捨てきれぬ愚か者である弦十郎などよりもずっとな」

「仮にも自分の身内にそこまで言うのかよ」

「事実だ。貴様とて、儂と同じ立場になれば同じような感想を抱いたであろう?」

「さぁね。私は基本的に他人には干渉しないタイプだから。例えそれが実の『妹』であったとしても」

 

 自分で言って普通に後悔した。

 他者に不干渉なのは本当だけど、同時にそれが原因で妹との確執が生まれてしまったのもまた事実だったから。

 もっと自分が傍にいれば。もっと色んな事を話し合っていれば。

 もっと自分がしっかりしていれば…或いは『あんな事』にはならなかったのかもしれない。

 今となっては、どれだけ考えても意味がない事だが。

 

「それでよい。他者と慣れ合う必要は無し。情など防人には最も不要な代物。それがあるからこそ、翼も八紘も弦十郎も防人として十全に機能せんのだ」

「まるで私が感情を捨て去った国防装置みたいな言い方をすんな。私にだって最低限の情ぐらいはあるッつーの」

「どの口が言うか」

 

 訃堂からすれば、目の前にいる幼女こそが己の最も理想とする防人に他ならない。

 いざとなれば『自分』すらも切り捨てられる『覚悟』がある彼女こそが。

 

「…で、これからどうする気だ? 妹の墓参りにでも行くのか?」

「行きたいのは山々だけど、場所を知らないから無理」

「知らされておらんのか?」

「私が知ってるのは、『あいつ』によって引き起こされた事件の全貌と被害の数だけ。それ以外はマジで何にも知らない。調べようと思えば調べられるけど、今はまだ普通に面倒くさい」

「ならば、どうする?」

「寝る。時差ボケで頭がフラフラするんだよ。だから、どこか適当なホテルにでも泊まって爆睡する」

「以前、使っていた部屋はどうした?」

「アメリカに行く時に引き払った。いつ帰れるか分からないし、ほっといたら確実に部屋中が埃だらけになる。帰国して早々に部屋の大掃除とか死んでも御免だから」

 

 そう言うと、『むに~』と可愛らしい声を出して、ずっと我慢していた欠伸をする。

 よほど大きな欠伸だったのか、目尻に涙が溜まった。

 

「もうそろそろ行っていい? 空港からいきなり京都まで連れてこられて疲れてるんですけど」

「うむ…よかろう。だが、お前の力が必要と判断した時は遠慮なく強制連行するつもりでおれ」

「へいへい。抵抗なんてしねーよ」

 

 掌をひらひらさせながら、幼女は気怠そうに部屋を後にした。

 

「同じ血が流れていながらも、選ばれなかった者…か。皮肉なものよな。だが、それで良かったのやもしれん。より優秀で、尚且つ情に流されぬ『姉』が生き残った。奴さえコチラに来れば、もう他の者どもは用済みやもしれぬな」

 

 そう呟くと、訃堂は手に持つ書類の束をペラペラと捲る。

 

「きゃつの研究の集大成…これさえあればもう、『歌』などという下らぬ物を頼りに起動するシンフォギアなど無用の長物。矢張り…貴様こそが最も防人に相応しき女よ。なぁ……」

 

 書類を懐に仕舞いながら、悪い笑みを浮かべた。

 

「『櫻井亞里亞』よ」

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 

「あんがとねー」

 

 風鳴邸から再び黒塗りの車で移動し、辿り着いたのは馴染みの町。

 嘗て、亞里亞が賃貸していた部屋が有った町でもある。

 

「…暫く見ない間に随分と様変わりしたもんだな。なんつーか…まるで浦島太郎にでもなった気分だ」

 

 そもそも、こうして日本の地を踏むこと自体が非常に久し振りなのに、ずっと住んでいた町の想像以上の変貌っぷりに思わず口がポカーンとなった状態に。

 

「…そういや、私って了子と一緒に街を歩いたことって一度も無かったな…」

 

 亞里亞と了子は確かに実の姉妹ではあったが、実際には『血の繋がっただけの赤の他人』と表現した方が正しい関係だった。

 

「いつからだっけ…了子と姉妹らしい会話をしなくなったのは……」

 

 相当に昔…それこそ子供時代だったような気がするが、余りにも過去すぎて全く思い出せない。

 昔やった自分の研究とかに関してなら、全てを事細かに覚えているのに。

 

「あ……」

 

 きゅ~…。

 いきなり亞里亞の腹の虫が鳴った。

 今は何時だっけと近くにあった街頭の時計を見上げると、もうすぐ昼の12時になろうとしていた。

 道理で腹が空く筈だ。今思えば、朝から何も食べてない。

 プライベートジェットだったから機内食は食べてないし。

 

「……どこか適当な場所で済ませるか」

 

 ポテポテと短い脚を動かして、食事を求めて完全に未知の場所となってしまった馴染みの町をさ迷い歩くことに。

 カードは持ってるし、念の為に換金した日本円も財布の中にある。

 いざとなれば通帳から引き出せばいいだけの話だ。

 余り散財をしないタイプである亞里亞の通帳には、それこそ唸るような数の0が並んでいる。

 全額を引き出せば、大豪邸なんて余裕で幾つも買えるほどの金がある。

 本人には全く自覚は無いが、亞里亞は世間で言うところの『億万長者』なのだ。

 

「あ…いい所みっけ」

 

 ふと視界に入ったのは、近代的な街の喧騒から明らかに浮いている、何とも古めかしい趣の食堂。

 だが、古い時代の人間である亞里亞は知っている。

 こんな店で出される飯は本当に美味いと。

 そこらの無駄に綺麗に着飾っているような店とは訳が違う。

 純粋に味だけで勝負している店は最も信頼が出来る。

 

「久し振りに食べる日本食…ここで決まりだな」

 

 ゴクリと唾を飲み込んでから食堂の入り口を潜る。

 すると、店内から気持ちのいい声が飛んできた。

 

「らっしゃーせー! お好きな席にどうぞ―!」

 

 どーこーにーしーよーうーかーな。

 なんてことを考えつつ店内を見渡していると、なにやら物凄く見覚えのある大きな背中が視界に映った。

 

「…まさかな」

 

 赤い服に赤い髪。

 どう見ても『彼』にしか見えないが、そんな『偶然』なんてある筈がない。

 自分にそう言い聞かせながら、敢えて亞里亞はその男の隣に座った。

 大人用の椅子なので、座る時には少しだけジャンプをしなければいけなかったが、そんな事は今までの人生の中で何度も経験済みなので全く気にしない。

 それどころか、どんな角度でどんな力加減で飛べば大丈夫なのか、この幼い体に完全に染み付いていた。

 

「ご注文が決まったらお呼びください」

「ほーい」

 

 目の前にお冷とメニュー表が置かれ、それを開きつつチラッと隣を覗き見る。

 すると、自分と同じようにメニュー表を見ていた男と目があった。

 

「げ…マジかよ…」

「なっ…! き…君は…まさか…亞里亞くん…なのか…!?」

 

 この隣にいる赤い服を着た大男こそ、訃堂の息子にして亞里亞にとっても古い知り合いでもある『風鳴弦十郎』その人だった。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 ガツガツと大盛りのカツ丼を食べている横で、亞里亞は普通サイズのきつねうどんをチュルチュルと食べている。

 

「こんな場所で亞里亞君と再会するとはな…。いつ日本に帰って来たんだ?」

「今朝。で、ついさっきまで風鳴の屋敷でジジイと会ってた」

「親父か…」

 

 詳しい理由は不明だが何故か訃堂は亞里亞の事をとても気に入って重宝していた。

 それこそ、実の息子である弦十郎よりも遥かに。

 研究者として己に対してもストイックな姿勢が、自らの事を『護国の鬼』と称する訃堂の琴線に触れたのか。

 

「そ…そう言えば、その髪はどうしたんだ? 俺の記憶が正しければ、アメリカに行く前までは茶髪だったような気がするが…」

「向こうで染めた。ちょっとした気分転換に」

「そうか…」

 

 会話が途切れる。

 久し振りに再会だというのに、話が上手く続かない。

 仕方がないので、ここで仕事の話をする事にした。

 

「…君がいない間に色んな事があった。それこそ、とても一言では語り尽くせない程の事が」

「知ってる。全部資料で読んだよ。『ルナアタック』の事から、その後に起きた『フロンティア計画』の事も含めてな」

「…そうか」

 

 ここで事件の当事者の一人として色々と話をする事は簡単だ。

 だが、亞里亞の場合は他の者達とは事情が違い過ぎる。

 

「聞いたよ。二課…解散になったんだってな」

「あぁ。だが、その後すぐに再編成され新たな組織となった」

「それも知ってる。国連直轄の超常災害機動タスクフォース『S.O.N.G』…だろ? つっても、二課のメンバーはそのまんま移籍して、実質的には名前と本部の場所だけが変わったってだけの話だろ?」

「簡単に言えば、そうなるな」

 

 スープの上にプカプカと浮いているかまぼこをパクリと食べ、口直しにお冷を飲む。

 

「しかも、随分と『若い連中』を率いてるって話じゃないか。大丈夫なのか?」

「問題無い。確かにまだ彼女達は若く、未熟な部分も多々あるかもしれないが、それでも『誰かを助けたい。救いたい』という気持ちは人一倍だ」

「…気持ちだけでどうにかなれば、誰も苦労なんてしてないっつーの」

「亞里亞くん…」

 

 昔から亞里亞は感情論を嫌う。

 決して否定はしないが、その事を堂々と話すといつも不快そうな顔になる。

 良い意味でも悪い意味でも、亞里亞は科学者気質なのだ。

 

「なぁ…亞里亞君」

「断る」

「まだ何も言ってないんだが…」

「言ってなくても、言おうとしてる事は分かる。どうせ『自分達の仲間になってくれないか』的な事を言いだすつもりだったんだろ?」

「…御見通しか」

「当たり前だ。一体何年越しの付き合いだと思ってんだ」

「うむ……」

 

 昔から、亞里亞と腹芸をして勝てた者は数少ない。

 あの訃堂でさえも時には手玉に取るほどなのだ。

 

「けど、私の事を話すぐらいの事はしなくちゃいけないだろうな。その『若い連中』には…さ」

「来てくれるのか?」

「一応はな。けど、国連の犬に成り下がるつもりはない」

「分かっている。俺としては君が同行してくれるだけでも有り難い。昔とはメンバーも様変わりしているが、それでもきっと歓迎してくれる筈だ」

「どうだかな……」

 

 小さな手でドンブリを持ち上げ、残ったスープを一気に飲み干す。

 プハ~…という声と共に、見た目相応の可愛らしい満足げな笑顔を浮かべた。

 

「お勘定」

「はいよー」

 

 

 

 

 

 

 




時系列的には『G』と『GX』の中間。

次回更新日は未定です。
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