フィーネになりそこなった合法ロリのお姉ちゃん   作:とんこつラーメン

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懐かしの環境

 私が風鳴機関の所長に就任して早くも一週間が経過した。

 あれから私は自分の研究室で寝泊まりをするようになり、なんでかそこにキャロルも一緒になることに。

 私達はお互いに体が小さいから、ベットの大きさ的には全く問題は無いけれど、どうして一緒に寝るの?

 その疑問を本人にぶつけたら顔を赤くしながら『お…お前と一緒の方が寝つきが良いからだ』なんて可愛い事を言われたので、思わず本気で抱きしめてしまった。

 

 で、今も私は研究室にてお仕事の真っ最中。

 

「うーん…使っている『物』が『物』なだけに、非常にやり易くはあるんだけど…微妙にアイツなりのアレンジを加えてやがるな…」

 

 シンフォギアを製造していた時の癖でも出てしまったのだろうか。

 どうもこれは『オリジナル』を意識している節が所々に散見させられる。

 

「だからと言って、そこまで問題にはならないけど。これぐらいなら、まだ何とかなる」

 

 研究者特有の困った癖として、独り言が多いというのがある。

 誰も聞く者がいないのに、自分の考察とかと自然と口に出してしまうのだ。

 私も御多分に漏れず、その癖があったりする。

 

 だから、不意な訪問にはめっちゃ弱い。

 

「櫻井博士。失礼します」

「ふにゃぁぁぁっ!?」

 

 いきなりドアが開き全身がビクッとなる。

 慌てて後ろを振り向くと、そこに立っていたのはキャロル配下のオートスコアラーの一体であるファラが書類の束を片手に立っていた。

 

「ファ…ファラか…びっくりさせないでくれ…」

「申し訳ありません。それよりも、頼まれていた資料をお持ちしました」

「おぉ…ありがと」

 

 ファラから書類を受け取り中身を確認していく。

 うんうん。これだよこれ。

 

 私とキャロルが風鳴機関に入ってから、すぐにキャロルが少しでも働き手を増やす為に密かに建造していたオートスコアラーをこっちに寄越してくれた。

 最初は色々とありはしたが、キャロルの説得と私自身の能力を見せる事で大人しくさせることに成功。

 今ではちゃんと言う事を聞いてくれる有能な部下になっていた。

 

「いいよなぁ…オートスコアラー…私も作ろうかなぁ~…暇な時にでも」

「暇潰しにオートスコアラーを製造なされるおつもりですか? お言葉ですが、そう簡単には…」

「分かってるって。私だって一朝一夕に作るつもりはないさ。仮に作るとしても、地味にコツコツとやっていくよ」

 

 だとしても、一ヶ月もあれば形にはなりそうだけど。

 

「そういや、キャロルはどうしてる?」

「マスターならば、今はお出かけになられております」

「外出? 一体どこに?」

「そこまでは。ただ『もう一人ぐらい亞里亞を補佐する者がいても良いだろう』と言っておられました」

「私を補佐…?」

 

 うーん…?

 副所長のキャロルに部下となる研究員たち。

 それに加えてオートスコアラー3体も来た事で、十分過ぎるほどに戦力は充実してるんだけどなぁ…。

 

「もしや、ミカを連れてくるつもりやもしれません」

「それって確か、四体造られたオートスコアラー最後の一体…だったよな?」

「はい。起動の為のエネルギーが我々よりも多く必要なため、今はまだ起動できておりませんが…起動の目途が立ったのかもしれません」

「キャロルの事だから有り得そうだな…」

 

 けど、こうしてファラ達を残して出かけるって事は、それだけ私以外の人間達も信用し始めてきているって証拠かな。

 個人的には、キャロルの精神的成長にも期待してたりして。

 

「ま…いっか。ん?」

 

 ふと壁掛け時計を見ると、もうお昼になりかけていた。

 道理でお腹が空く筈だわ。

 

「丁度いいし、昼休憩にでもするか。ファラ」

「なんでしょうか」

「他の研究員たちにも昼休憩に入るように言ってくれ。適度に体と頭を休ませないと、進む研究も進まなくなる」

「了解しました」

「それともう一つ。ガリィの事をよく見ておいてくれ。あいつはアイツで非常に役にたってくれているが、同時に行動が読めない所があるからな。お前とレイアだけが頼みだ」

「確かに…マスターのご命令で大人しくはしていますが、それでも時折、調子に乗ることがありますから…了解しました」

 

 これでよし…っと。

 んん~…! 思い切り体を伸ばしてから椅子を降り、ファラと一緒に部屋を出る。

 

 因みに、この風鳴機関には食堂なんて洒落た物は存在していない。

 何故なら、誰も料理なんて作れないからだ。

 私を含めた全員が生粋の研究馬鹿揃いなので、食事は基本的に外食かコンビニ弁当がメインとなっている。

 ならば外から誰かを雇えばいいと考えるだろうが、ここにいる連中にソレ系の発想を求めてはいけない。

 研究費用を少しでも多く捻出する為ならば、食事の質を落とす事は愚か、食事そのものを放棄することすら考えるようなバカばっかりだ。

 私のそのバカの一人なんだけど。

 なので、私も今から外に行って食事をしてくるつもりだ。

 出来ればキャロルと一緒に行きたかったんだけどなぁ…。

 

 なんてことを考えていたら、まさかな事が起きた。

 

「ん? 亞里亞か。今から昼でも食いに行くのか?」

「キャロル。今、帰ってきたのか?」

「まぁな。ファラ、ちゃんと亞里亞の手伝いは出来ているか?」

「勿論でございますわ。ねぇ、博士?」

「あぁ。ファラだけに限らず、オートスコアラー達は本当にいい仕事をしてくれているよ」

 

 流石に専門的な事は不可能だが、それでも機材を運んだり、研究資料を持って来てくれたりと、ちょっとした雑用をしてくれるだけでも非常に助かっている。

 ここには雑用が苦手な連中が多いからな…。

 

「そういや、さっきからキャロルの隣にいる子は一体誰? なんかキャロルに似てるけど…」

「そうだった。実は、オレが出かけていたのはこいつを連れてくるためだったんだ」

「この子を?」

 

 なんかフード付きの外套っぽいのを身に付けてるけど…よく顔が見えない。

 けど、顔つきや体付きなんかがキャロルにそっくりだ。

 

「こいつはエルフナインと言ってな。要はオレが錬金術で作ったホムンクルスの一体で、本来はオレの記憶を転写、複製をする為に製造したのだが…もうその必要も無くなったからな。元々は欠陥を抱えた劣化コピーとして廃棄をする予定だったのだが、腐ってもオレのコピーの一つ。少しは役に立つかもと思って連れて来た」

「成る程ね…」

 

 この施設自体は大きいから、別に少しぐらい人員が増えても全く問題は無い。

 というか、これからの事を考えると、戦力は多ければ多いほどいい。

 

「え…っと…エルフナインです。貴女の事はキャロルから教えて貰いました。非常に高名な研究者であると…」

「まぁ…それ程でもあるかな?」

 

 取り敢えずは否定しない。

 言葉だけでもこうしておくことは、相手との関係を築く上で割と重要だ。

 

「つーか、まさかそのままの格好で来たの?」

「オレも何かを着せた方が良いかとも思ったんだが、何を着せればいいのか良く分からなくてな…」

 

 だと思ったよ。

 まだキャロルに誰かを着飾るのは難しいか。

 

「大丈夫。こーゆー時は…」

 

 指をパチンと鳴らすと、すぐに近くにいた女性職員たちが数人やって来てくれた。

 …試しにやってみただけなんだけど、まさか本当に来るとは思わなかった。

 

「なんですか所長!」

「お呼びですかッ!?」

「あー…うん。実は…」

 

 かくかくしかじか。かくかくうまうま。

 ちゃんとぼかす所はぼかして。

 

「というわけで、この子に何か適当に服を見繕ってあげて」

「そんな事なら喜んで!!」

「寧ろ、こっちからお願いしたいぐらいです!!」

「そ…そっか…」

 

 彼女達の興奮具合に割と普通に引いた。

 

「と言う訳で…」

「ちょっくら…」

「「失礼しま~す!!」

「わぁぁ~っ!? キャロルゥゥゥゥゥゥッ!?」

 

 エルフナインちゃんは、女性職員二人によって手を引っ張られながら近くの空き部屋へと連行されていくのでした。

 それをハイライトの消えた目で見送りつつ、キャロルは渇いた笑いを浮かべながら手を振っていた。

 

「オレと亞里亞も通った道だ。お前も精々、そいつらの着せ替え人形になるがいい…」

 

 キャロル…割と本気でげっそりしてたからなぁ…。

 あれは忘れたくても忘れられない…。

 

「さて…と。エルフナインちゃんはアイツ等に任せて、私達はお昼でも食べに行かない?」

「もうそんな時間か。いいだろう。ファラ」

「何でしょうか、マスター」

「お前はエルフナインの傍にいてやれ」

「私も一緒に彼女の服をコーディネイトするのですか?」

「いや…そうじゃない」

 

 あ…なんとなくキャロルが言おうとしている事が分かったかも。

 

「アイツがどんな風に辱められていたか、後でオレに事細かに報告しろ」

「成る程…了解しました」

 

 そこで普通に『成る程』と言う辺り、創造主に良く似てるなぁ~と実感する。

 AIのベースとなっているのがキャロルの精神構造の一部らしいから尚更だ。

 

「ンじゃ、お昼行ってくる」

「はい。行ってらっしゃいませ」

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「ど~こに入りましょうかねぇ~…っと」

 

 最初は近場で済ませようかとも思ったけど、やっぱ行き慣れた場所が良いと思ってテレポートジェムを使って、いつもの商店街へとやって来ていた。

 

「亞里亞はここが好きだな」

「まぁね。美味い店が充実しているし、なにより…」

「なにより? なんだ?」

「安い!」

「そこか…。お前の総資産はかなりの額じゃなかったか?」

「それでもだよ。金は無限にある訳じゃない。節約できる所はしておかないと。それに、高級な場所ばかりが良いとは限らないんだよ」

「そうなのか?」

「商店街の端の方にある少し寂れた食堂みないなのが、意外と穴場だったりするんだよ。ん?」

 

 なにやら私の鼻孔を刺激するいい匂いが…こっちか?

 

「お…良い感じの食堂発見。こんな所にこんなのがあったんだな…」

「確かに美味そうな匂いを店内から感じるな…ゴクリ…」

 

 キャロルも食の素晴らしさに目覚め始めたか。

 いつか一緒に食べ歩きとか出来たら最高だね。

 その時はエルフナインちゃんも一緒に。

 

「今日の日替わり定食は…アジフライか…悪くないな」

 

 でも、何にするのかは実際にメニューを見てからにしよう。

 ここで決めてしまうのは愚か者のする事だ。

 

「ここにするのか?」

「当然。私の腹がここにしようと訴えてる」

「なら早く入るとしよう。オレも本格的に腹が空いてきた」

 

 つーわけで、二人揃って店内へと入りまーす。

 

「いらっしゃいませー」

 

 店員の定型文が私達を出迎え、どこに座ろうかと店内を見渡していると、なんだかデジャヴな光景が目に飛び込んできた。

 

「あれー…? 気のせいカナー…? どこかで見た事のある背中が見えるぞー?」

「ん? この声はもしや…」

 

 もう後姿だけですぐに分かる。

 だって特徴大爆発だもん。

 

「あ…亞里亞くん…か…?」

「まーた、お前かよ…弦十郎…」

 

 国連傘下の組織の司令が、こんな所で飯食ってんなよ…。

 どうしていつも食事処で遭遇するんだよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 




ロリ追加。





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