デュランダル、フィーネからの指示で俺が狙う完全聖遺物。
「天羽々斬やらガングニールやら、神話から取るのが好きみたいだな」
「そうなのか?」
「…お前は少しぐらい教養を持て」
「勉強はできるんだよ」
「……そうか」
気づくと俺はクリスの頭を撫でていた。桃季と重ねたか、それとも妹の様に感じているのか……
「行くぞ、デュランダルを回収する」
俺はバイクハードボイルダーに跨がるとエンジンを吹かした。
「フン」
Wのマーク、気に入らない。俺を殺した奴等の物だと感じる。だが、装備は装備だ。兵士が車列を守るように位置している。
私は翼さんと奏さんと一緒に了子さんの運転する車両に乗っていた。空は司令がヘリコプターで監視しているし、兵士さんもいるから大丈夫。そう思ってた。でも
「仮面ライダーだ!」
誰かが叫んだ。それと同時に最後尾についていた車両が爆発する。
《アクセルマキシマムドライブ》
急加速するバイクが私達の前に現れると、銃の様な物で隣にいた車を破壊した。違う、そんなはずない。違う、そう思ってたのに。現実は非情だった。
「さぁ…地獄を楽しみな」
「掴まってて!」
私達の前に放たれる光弾、それを了子さんのドラテクで回避する。
「ちっ…」
「エターナル!」
《ユートピア》
「変身!」
「奏さん!」
「翼!響!守り抜けよ!」
「来たか……ユートピア!」
「ったく…何考えてやがる!エターナル!!」
黄金色の仮面ライダーユートピア。俺が相手をする約束だ。
「さぁ…行くぞ、奏」
「桃季の気持ちを考えろ馬鹿野郎!!」
ユートピアの放つ右ストレートを俺が左ストレートで相殺する。
「さっさと決める!」
《ユートピア マキシマムドライブ》
「ライダーパンチ!」
大振りな一撃、回避できない訳じゃないが、俺はつい目を離してしまった。
「あの方向に……くそ」
「嘘だろ!」
左頬に刺さるストレート、だが俺は止まらない。この程度の痛みで俺は終わらない。
「俺はエターナル、永遠に生き続ける最強の仮面ライダー!」
「何を…」
《ヒート マキシマムドライブ》
「ライダーパンチは…こうやるんだよ!」
炎を纏った一撃がユートピアの胴体に刺さる。
胸の装甲が砕け、その隙間から炎が中の肉体を燃やしていく。
「エターナル!!!!」
「……寝ていろ」
エターナルの仮面が崩れ、中の顔が見える。奏は恐怖した。その中でまるでこれからを嘲笑う様な顔をしているエターナルに。
「ふぅ…」
顔の変身を解く、鶴見待雪の顔は見られている。そして再び顔の変身を行い、俺は車両の方向にハードボイルダーを走らせる。
しかし、そこで見たのはクリスに剣を振り降ろさんとする響の姿だ。
「させねぇ!」
《サイクロン》
サイクロンメモリを使い加速する。そして俺はクリスに振り降ろされた剣をエターナルエッジで防いだ。
私、雪音クリスが狙っているデュランダルは完全聖遺物らしい、私達の目的には必要だ。
私はまだ殺しはしたくない、エターナルとフィーネもそれは認めてくれた。
だから、私は殺さない。
「なぁ、響って言ったよな。安心しろ、俺はエターナルとは違う。寝てるか麻痺してるだけだ。誰も死んでないから」
「あっ…ありがとう」
「なぁ、頼む。デュランダルを渡してくれないか。私達の計画にそれが必要なんだ!」
「それは」
「立花!いけない!その話を聞くな!ソイツは…ソイツはエターナルの仲間だ!」
私もシンフォギアを外した。敵対の意識すら消した。
「頼む!エターナルにも話をする!彼奴も!彼奴もきっとこれ以上」
あの天羽々斬の女は無力化、エターナルと同じ仮面ライダーの女も居ない。コイツはお人好しだ、だから
「舐めるなぁぁぉぁ!!!」
「翼さん!!」
あり得ない、麻痺してるのに動ける筈がない。
「止めてください!」
そう、彼奴がデュランダルとシンフォギアを纏って私を助けた。だからだ、あの天羽々斬を防いだデュランダルが禍々しい光を放って響の身体を侵食した。
「えっ!いや…何が!駄目……来ないで!」
欠けていたはずのデュランダルの刀身が蘇り、響の目が赤く染まった。その目には既に何もない、ただじっと私を見ている。
「なぁ!」
振り下ろされるデュランダル、だがいくら待っても私にソレが来ることはない。
「エター……ナル」
「速く……逃げろ」
エターナルの持っていたナイフが砕けて、身体がバッサリと大量の血を流しながら斬り捨てられる。
「ぐっ……」
「エターナル!!」
「やられた……ドライバーも……完全に」
エターナルは苦悶に満ちた顔をしてる。
「……クリス、コレを持って戻れ」
「これって…メモリと壊れたアイテム?!ンナの」
「……良いな、戻れ。俺は……戦う」
「戦うって!巫山戯んな、そんな体で」
エターナルは何時もクソ餓鬼とか、悪口ばかり言ってくる奴だ。でも、彼奴は
「…餓鬼が泣くのは嫌いでな」
「……判ったょ、必ず、必ず帰ってこいよな」
彼奴が居ないと、フィーネは泣く。泣いちまう、それに、それに始めてなんだよ。兄貴分がいるのは。
「だから……帰ってこいよ、鶴見兄」
「……デュランダルの攻撃は俺の身体に傷を与えわ回復すらさせないと来た」
「………」
響は何も喋らない、翼も今は完全に気絶しているようだ。むしろ、コイツはいい。
「なぁ、感謝してる。お前は、ただの子供らしい奴だ。お人好し過ぎるのが玉に瑕だな、俺にもお人好しなんだからな。しかし、無意識に殺して泣くのは見たくない。くそ…これじゃあ仮面ライダーじゃねぇか。俺は…仮面ライダーだが、悪の仮面ライダーなんだがな」
無駄口を叩きながら、俺は残ったメモリを取り出す。
《ウェザー》
「んで、今からドーパントだ」
《ウェザー》
「少し、頭冷やしな」
かつて、井坂深紅郎という男が使用した悪魔のメモリ。そのT2を俺が自身の肉体に刺した。
「やるぜ!」
ウェザーの能力を使い自身の周りに雨を降らせる。そして、その雨が掌に触ったものから瞬間冷凍させ絶対零度の剣を作った。
「はぁ!」
降るたびに弾かれ、防ぐたびに砕ける。だが、この雨がある限り俺の剣が無くなることはない。
「滅する」
「なっ」
ありえない程の能力だった、まるでマキシマムブレイクに相当するようなダメージが俺の肉体に入る。傷も治らないこの状況でこれ以上は不味い。
「でもな…取ったぜ。クソガキ」
デュランダルを奪った俺は響を寝かせた。
「逃がすと、本気で思っているのか」
「……クソ」
左足が斬り落とされる、もう痛みすら感じない。
朧気だが、シンフォギアを外したクリスが見えた。せめて、逃げてくれれば良いが。
OTONAside
その日、我々2課は多大な被害と同等の戦果を手にした。日本において誰もが知るテロリスト、捕まえた報告を入れた瞬間待っていたのは即刻死刑という通信だった。
私は情報の確保が必要という了子君の指示で監禁している。
「それで…了子君、エターナルの正体は」
「…アタシは話さないぞ。エターナルは恩人だ」
「翼!今はそんなこと」
「響を止めたものエターナルだ」
「二人共!やめてください!」
昨日の一件からエターナルに関しては奏と翼で対立がました。それを響君が諌めている。
「……兎に角、エターナルの正体は日本人よ。ただし、現代の日本人では無いわ」
「どういう事だ」
「細胞データ、血液型、全てを調べてみたの。そしたら、2007年に誘拐されて行方不明だった。鶴見待雪君の物と特定されたわ」
「そんな…それじゃあお爺ちゃんじゃ無いとおかしくないですか?」
そうだ、了子君から齎された物には当時7歳の少年となっている。だとしても生きていたら40歳は越えている。響君、おじいさんではないぞ。
「……弦十郎君、財団Xとガイアメモリ、この2つに心当たりは?」
「…財団Xは滅んだ。仮面ライダーという存在によって。ガイアメモリは、翼、奏お前たちの方が詳しいのでは無いか」
「……ガイアメモリ、わかんねぇ。俺もエターナルから渡されて使ってただけだし」
「…私は、御祖父様から渡されました。この力があればお前は勝つと」
「くそっ……孫になんてものを。そうだな、財団Xは既に滅んでいる。今更説明する必要があるかは判らないが、その実態は死の商人だった。人体改造、ガイアメモリの販売、流通、場合によっては戦争すら引き起こす」
「……あの、了子さん。その人体改造って」
「2010年、もう合併して無くなってしまった風都と呼ばれた都市で、彼と同じ仮面ライダーエターナルと仮面ライダーダブルと呼ばれた仮面ライダーが戦ったわ。これがその資料」
「大道克己」
「彼はNEVERと呼ばれる一種の改造人間だった。けして死なない、薬を撃ち続ければ生き続ける化物」
「待ってくれよ!エターナルはそんなことは」
「恐らくは、完全なNEVER」
「……捕まったか」
「エターナル!」
「奏か……悪いな、色々と」
エターナルはまるで奏君に優しい目を向けている、そんな目を出来る君が何故、あそこまで。
「……俺の話か?いいぜ、どうせ地獄まっしぐらだ。と言いたいが、話すきはねぇ」
「お前!あの子は」
「……奏、悪かったと。ごめんって伝えてくれ」
「なんだよ!一体……」
《ゾーン》
「エターナル!」
「流石だな、クリス。よくやったよ」
誰かが現れ、エターナルを開放した。
「修理も完了か、一晩で良くやってくれた」
《エターナル》
「変身」
《エターナル》
「さぁ…地獄を楽しみな」
エターナル、だが、我々の知っている姿じゃ無かった。腕の炎は蒼く染まり、マントを纏っている。
「やっとだ、やっと真の力に覚醒した。さて……これなら、フィーネも、クリス、お前も用済みだ」
「お兄ちゃん!」
「何が…何が起こっている!」
エターナルが消えたと思ったら基地自体が揺れだした。
「くっ!なんて事を!」
「了子君、何を」
「皆、逃げるわよ!」
了子君が何かを唱えると、基地に詰めていた全員が外に出ている。そこには、そびえ立つ一本の柱が存在した。
「カ・ディンギル」
「エターナル!貴方は…貴方はそれで何を」
「……終わりだ、俺を創り出した世界も、人間も、全てを零に戻す。デュランダルで斬られ、俺の覚悟は決まった。最後の……最後の俺が、俺であると言える最後の仕事…世界を滅ぼす」
「ふざけるな!桃季ちゃんはお前を」
「腐った人間も、綺麗な人間も同じだ。ゼロから蘇らせる。俺の……邪魔をするな!」
《エターナルマキシマムドライブ》
「逃げるのよ!」
私達はこの日、負けた。
はい、新年あけましておめでとうございます。
開幕から全てをぶっ飛ばしてクライマックス方向でございます。