「俺は……もう、後戻りは出来ないな」
家族を裏切り、カ・ディンギルを起動させた俺にはもう何もない。
全てを滅ぼす気はない、月の破壊もさせない。
呪いが有るというのなら、俺が止めるだけだ。
そのために、何が犠牲になっても。
「止めてみろ、子供達」
俺は自身をカ・ディンギルへと接続する。
俺には仲間はいない、生きてもいない。
「相棒、力を貸せ。最後まで」
エターナルを見ながら俺は最後の変身を行った。
「手加減か……」
できるはずが無かった。少なくとも、手加減をする気が起きない。止めてほしいと思うが、自身を生み出した者への憎しみが増している。
「転生直後なら、こんな事は思わなかった」
ブルーフレアになった影響か、完全に俺の頭の枷が外れた。無くなった記憶すら呼び戻され、何があったかすら鮮明にそして、痛々しいほどに思い出される。
「……マシな奴も、裏切り消える。なぁ、大道克己。お前は、何を持ってライダーになったんだ」
死んだ男の影を追い続ける俺、自分自身、それが間違っているのか、正しいのか。もう……。
だが、一つだけ言える、俺を作り出しガイアメモリが未だに存在するこの世界に価値はない。
「……やるか」
「なっ…これまでの黒幕が君だと言うのか!了子君!!」
「えぇ、私とクリスが貴方達2課を追い詰めていたわ。ノイズと、私の所持する聖遺物を使ってね」
私の前でエターナルに全てを壊されたフィーネが燃え尽きた様に2課の奴等に話している。
全てが話し終えた時だ、それは流れた。
「…はじめましても者も…久しぶりの者も居るだろう。俺は…仮面ライダー……エターナル」
それは地獄の再来だった。
「俺はこれから日本を手始めに破壊する。お前たちなら理解できるだろう、迫害を未だに続ける愚か者共、自分だけはマシだと逃げる人間、犯罪を続ける人間、俺はこれから殺す。手始めにだ」
〘ウェザー〙
その音と共にエターナルの映像が変わった。嵐だ、激しい嵐がその映像から流れてる。
「今、日本の全てがこの大嵐に見舞われている事だろう。さしずめ、ノアの降水だな」
エターナルの言う通り、2課の特設基地から日本中の映像が見えた。たった1分に満たない時間で既に洪水レベルの被害が出ている。
「っと、これで理解して貰えたな。一度効果を止める、そして!そして5時間後!より激しく、苛烈な嵐が日本を襲う!!
さぁ、俺を止めようと言う勇者達、俺は逃げも隠れもしていない。殺してみせろ!!!」
それはエターナルの挑発だった。誰もがエターナルに対しての憎悪を述べている。
「エターナルは……彼奴は…………」
私は理解できてる、倒せるはずがない。
エターナルは人間すら超えた存在、神にも等しい力を持っているんだから。
「……仕方ないわね、弦十郎君。言うわ、エターナル。彼を倒したいならガイアメモリの力しかない、でも、エターナルは全てのガイアメモリの頂点に位置するメモリ」
「それじゃあ、アタシのユートピアが消えたのはエターナルの力だってのか」
「そうね、エターナルは26本のメモリを同時にマキシマムブレイクさせるつもりよ。それは…カディンギルなんて目じゃないわ。日本どころか…世界が滅びる」
私は、エターナルいや、お兄ちゃんを殺したくはない。
エターナルside
「…心地良いな、この風は」
それは俺自身の記憶なのだろうか。
カ・ディンギルの頂上には変わらない風が吹いている。青天から贈られる祝福、それが俺を包む。
「ガイアメモリは使用不可能、俺を止める手立てはない。だが…来るか。お前達」
エターナルローブをはためかせ、俺はゆっくりと降り立った、
「いい景色だろ、世界の終わりは」
「何故だ、エターナル。なんでこんな事を」
「…お兄ちゃん」
「鶴見さん!聞きました、家族を裏切ってまでそれが貴方のやりたいことなんですか!」
「……」
風鳴翼は変わらない表情で俺を見ている。
奏、響、クリスは何故俺に優しげな顔を向けられる。
「さぁ、来いよ。俺を殺せば……だろ?」
「あぁ…死ね。エターナル」
「待て!翼!」
「3人、迷うならそこで見ていなさい。エターナルは私の獲物よ」
アメノハバキリ、俺と何度も因縁のある兵器だ。
「ふっ」
今、コイツの動きがまるでスローモーションの様に見えた。俺はエターナルマグナムを撃つ。
「ぐっ……」
「次はこれだ」
メタルシャフトではない、エターナルシャフトだ。俺の力で振るわれるソレは簡単にアメノハバキリを砕いた。
「くっ……」
「これが差だ。お前たちと……俺というな」
「エターナル、お前は世界が憎いのか!お前の…真の目的は」
「風鳴翼、教えてやる。お前は……俺の敵だ。奏でも、母さんでも、クリスでも響の嬢ちゃんでもない。俺の…真の敵、俺と同じエターナルに選ばれたお前だからだ」
《ゾーンマキシマムドライブ》
俺は風鳴翼以外をこの場から遠ざけた。いや、俺とこの翼だけの最高のステージを作り上げた。
〘エターナル〙
「何故…そのメモリが」
「餞別だ、受け取れ」
もう一本のT2エターナルメモリ。そして、ロストドライバーを投げる。
「来い、俺を倒し、お前が俺を継いで地獄となれ」
「ふざっ……けるなぁぁぁぁ!!!」
〘エターナル〙
ブルーフレアよりも黒い漆黒の炎、感じたがやはりこいつは俺よりも地獄が相応しい人間だ。
「何故だ、何故こんな」
「お前と俺はエターナルに選ばれた。お前の炎は憎悪、嫉妬、俺とは違い負の感情により燃え上がる炎だ。名付けるなら、ブラックフレア。俺というブルーフレアではない、お前という炎の姿だ」
「!!!!」
〘エターナルマキシマムドライブ〙
「初っ端からか…まぁいい」
〘エターナルマキシマムドライブ〙
二人のエターナルのマキシマムドライブがぶつかる。ゾーンにより切離された空間が現実世界と繋がる。
「エターナル!!!!!」
「良いぞ!風鳴翼!!!フフッ…フハハハハハ」
エターナルの蒼炎が黒炎に侵食されていく。
「違う、コレは私の力じゃない!」
「ハハッ…フハッ……フハハハハハ……お前が地獄だ」
俺の肉体がゆっくりと落ちていくように感じる。
世界が、時が、俺を……
《タイム》
「なに」
そして、俺は時間を越えたんだ。
違和感しか残らない終わり方ですが、第一部はこれで終わりです。次から番外編に移ります。