悲報 転生先が全ての元凶な件 作:ネオ・マフティー
「ルフィ…わたし…」
「ウタ…大丈夫だ…ゆっくり休め」
アラバスタを目指していた麦わらの一味だったが、突然体調を崩し、何やら疲れが溜まっているのか、顔色の悪いウタをルフィが必死に介抱していた。
「ありがとう…お休み、ルフィ」
そう言ってルフィの手を握ったまま、ウタはゆっくりと目を閉じたのだった。
「…ウタちゃんは大丈夫なのか、チョッパー?」
「大丈夫だ、体力を使い過ぎて眠っただけだ!」
「ウタのやつ、一体どうしちまったんだ?」
「あのね…あんた達が酒と食糧の備蓄を考えずに消費したからウタがこんなことになったんでしょうが!!」
新しい仲間、チョッパーが一味に加入したことで、チョッパーに海賊の楽しさを教えようと連日宴を開いて騒いだ結果、船の備蓄はあっという間に無くなってしまった。
そこで、ウタはウタウタの能力で生み出した食材や酒を出して補填していたのだが、能力の使い過ぎでついにダウンしてしまったのだった。
「…これ以上ウタちゃんの能力で食糧を賄う訳にはいかねえ!お前ら、何としても食糧を調達しろ!」
「仕方ねェ…よし、釣りするぞ!」
こうして、食糧の確保を迫られたルフィは魚を釣ることにしたのだった。
超カルガモのカルーを餌にして…
「ちょっと!カルーになんてことを!」
「まて!ビビ!今大物が釣れたぞ!」
大切なカルーを釣りの餌にされルフィを咎めるビビ、しかし、大物が釣れたとルフィは構わずカルーを餌にした竿を引き上げたのだった。
「クエー!!」
「……」
「お、オカマが釣れたあああ!!!」
しかし、釣り上げられた先にいたのは、食べられる魚ではなく、珍妙な格好をしたオカマだった。
「いやーホントにスワンスワン」
そう言った悪魔の実を食べて海で溺れていたというこの謎のオカマは、釣り上げて助けてくれたお礼にと、自身の能力、マネマネの実の能力を披露したのだった。
「ジョーダンじゃなーいわよーう!!」
「驚いた…声も…体格まで同じ…」
「この右手で、顔にさえ触れれば、このとおり誰のマネでも、でーきるってわけよう!!さ〜ら〜に〜メモリー機能付きィ!!」
そう言ってオカマは右手で自身の顔に触れ、次々と違う人物の顔へと変化させていった。
「え……!今のは!?」
そして、部下の迎えが来たことで船を去ることになったオカマ。その頃にはオカマとルフィ達との間にすっかり友情が芽生えていた。
しかし、去り際のオカマの部下達の言葉によって、ルフィ達はオカマの正体を知ることになった。
「あいつがMr.2・ボン・クレー!!」
「あいつが!?」
「…さっき、あいつが見せた過去のメモリーの中に、父の顔があったわ…!!あいつ一体…父の顔を使って何を……!!」
「……例えば王になりすませるとしたら…相当よからぬこともできるよな…」
「確かに…敵に回したら厄介な相手よ…!あいつが私達を敵と認識しちゃったら、さっきのメモリーでこの中の誰かに化けられて、私達仲間を信用できなくなる」
「だが、今あいつに会えたことはラッキーだと考えるべきだ…対策が打てるだろ」
「ん…!みんな、おはよう!」
「やっと起きたか!ウタ!」
「あれ?みんな左腕どうしたの?」
「仲間の印だ!ウタもちゃんと付けろよ」
少し寝込んでしまったものの、ぐっすり眠ったことで回復したウタは、起きて早々、Mr.2ことボン・クレーの話を聞き、一味のみんなと同じ仲間の印を左腕に付けたのだった。
「…見聞色があるとはいえ、厄介な能力だね…マネマネの実の能力」
「よし!とにかく、これから何が起こっても左腕のこれが仲間の印だ!」
「じゃあ…上陸するぞ!アラバスタへ!!」
こうして、マネマネの実対策として印を見せ合った一味はついにアラバスタへと上陸を果たすのだった。
そして、ビビはその印を見て笑みを浮かべギュッと大切そうに握るのだった。
そんな中、一味が上陸を果たしたアラバスタの港町、ナノハナでは、一つの事件が起きていた。
「ハア…ハア…白ひげ海賊団の二番隊隊長がこの国に何のようだ…!ポートガス・D・エース!!」
突然街中で勃発した一人の海賊と海軍の戦闘だったが、海軍を率いる大佐のスモーカーはすでにボロボロの状態だった。
「し、白ひげの一味ィ!!」
「そういやあいつの背中の刺青見たことあるぞ」
「……弟をね、探してんだ」
そう言って、身体に炎を纏っている無傷の男、世界最強の海賊、四皇白ひげ海賊団の二番隊隊長火拳のエースはニヤリと笑った。
「援護します!大佐!」
「まて!お前らァ!」
「おっと、わりィが
スモーカーを援護しようと、海兵達が勇敢にエースへと突撃した。
しかし、次の瞬間、エースから放たれた強烈な威圧によって、スモーカーを援護しようとした海兵達はバタバタと倒れていった。
「…!スモーカーさん…今のはローグタウンの広場の時と同じ…」
「無事だったか、たしぎ…このプレッシャー…間違いなく覇王色の覇気だ」
かつてローグタウンの広場でトットムジカの覇王色を受けたことで、たしぎはエースの覇王色を耐えることができたのだった。
しかし、すでにエースとスモーカーの力の格付けは済んでおり、自然種であるはずのスモーカーの身体はボロボロ、状況は海軍側の圧倒的不利な状況だった。
「お前達じゃ、俺に勝てないのはわかっただろ…退くのなら見逃してやるぜ」
「却下だ…!俺が海兵で、お前が海賊である限りな…!!」
「そうかい…!」
尚も闘志を見せ退く様子のないスモーカーを見て、仕方なく
しかし、両者の戦いは突然の乱入者によって幕を閉じたのだった。
「うはーっ!!メシ屋だ!腹へったー!!」
「!!?ぐあァ!!!」
突然の背後からの衝撃によってスモーカーが吹き飛ばされたのだった。
「ス、スモーカーさん!!?」
衝撃の正体は、飯屋にゴムゴムのロケットで突っ込んで来たルフィだった。
そして、ただでさえエースとの戦いでダメージを負っていたスモーカーは、ルフィの一撃がトドメとなりダウンしてしまったのだった。
「ちょっと!何やってるのルフィ!てあれ…エースじゃん!どうしてここに!?」
「エース……!?」
「変わらねェな…ウタ、ルフィ」
こうして、エース、ルフィ、ウタの3人が久しぶりの再会を果たしたのだった。
「それにしてもルフィに兄貴がいて、おまけに悪魔の実の能力者だったとは…」
「うん、俺もビビった」
「ん?」
「昔は悪魔の実食ってなかったからな!それでも俺は勝負して一回もエースには勝てたことはなかった…とにかく強ェんだエースは」
「あ、もちろん私はエースにもルフィにも、そしてサボにも全勝だよ!」
「よく言うぜ、散々ムジカ使って不正してたくせに…親父達から聞いたぜ、
「出た、負け惜しみィ!!そんな事言ってるから、エースは所詮敗北者なんだよ!」
「…敗北者……?取り消せよ今の言葉!!」
「断じて取り消すつもりはないよ!」
そう言ってウタは手をニギニギする負け惜しみポーズをした後、何やらエースを煽るラップを始めたのだった。
「大丈夫なの?あれ」
「ししし!いつものやつだから気にすんな!」
やがて、いつもの言い争いが終わり、落ち着いたエースはルフィ達へと声をかけた。
「ルフィ、ウタ…お前らウチの白ひげ海賊団に来ねェか?もちろん仲間も一緒に」
「「いやだ」」
「プハハハ…あーだろうな、言ってみただけだ」
「白ひげ…やっぱその背中の刺青本物なのか?」
「ああ、俺の誇りだ…ホラ、お前達にこれを渡したかった」
「何だこれ?」
「ビブルカード!」
「そいつを持ってろ!ずっとだ…いらねェか?」
「いや…いる!!」
「…できの悪い弟や妹を持つと……兄貴は心配なんだ、おめェらもコイツらにゃ手ェ焼くだろうが、よろしく頼むよ……」
そして、エースは自身の目的、仲間殺しを犯した黒ひげの始末のことを話し、ルフィ達へと別れを告げるのだった。
「次に会う時は、海賊の高みだ」
しかし、別れようとするエースとルフィ達の前にバロックワークスの艦隊が立ち塞がった。
「白ひげんところの二番隊隊長が来てるって!?」
「間違いねえ!奴を仕留めればエージェントへの昇格間違いなしだ」
「邪魔だなあいつら…」
「ねえ、せっかくだし久しぶりに勝負しようよ!」
「ししし!いいぞ!今ならエースにも負けねェ!」
「おもしれェ、のった!誰が一番沈められるか勝負だ!!」
そう言って、3人はバロックワークスの艦隊に向かってそれぞれの技を放つのだった。
「火拳!!!!」
エースの炎化させた腕から繰り出された燃え盛る炎の一撃は、船団を炎で飲み込んだ。
「ギア…2!!ゴムゴムの…
ルフィの覇気と炎を纏った拳による一撃は、船団を貫通し、同時に船を焼き払った。
「限定顕現!いくよ!ムジカ!!」
ああ!!『
そして、ウタによって放たれたトットムジカのレーザービームが残った船を薙ぎ払った。
圧倒的火力の3人の攻撃によってバロックワークスのビリオンズの艦隊は壊滅したのだった。
「来いよ高みへ、ウタ、ルフィ!!!」
こうして、ウタ、ルフィ、エースはそれぞれの道へと進んで行くのだった。