悲報 転生先が全ての元凶な件 作:ネオ・マフティー
ゴルゴルの実とラキラキの実の組み合わせ、もしかしてウタウタの実とトットムジカの組み合わせと同じくらいヤバいのでは?と思ってしまった…
「見えたわ…」
「あれが、レインベース」
「あそこにクロコダイルがいるのか…」
エースと別れたルフィ達は、反乱軍を止めるためオアシス・ユバへとたどり着いた。
しかし、反乱軍は既にユバを離れており、荒れ果てた町と水を掘っている反乱軍のリーダー、コーザの父親トトが住んでいるのみだった。
そして、ルフィ達は反乱の元凶、クロコダイルを直接倒すため、クロコダイルのいる町レインベースを目指したのだった。
「よし、じゃあ後でワニの家で会おう!」
そして、一味は一旦分かれて、各自でクロコダイルの下へと向かうことにした。
「ビビは私と一緒に来てね!私に秘策があるから!」
「秘策?」
「そう!秘策!」
そして、ウタはレインベースの路上でライブを始めたのだった。
「ちょっと何やってるのウタ!私とウタの顔は町のビリオンズにもバレてるのよ!そんな事したら…」
「"目立つから追っ手が来る"でしょ。大丈夫、私の能力で来た追っ手を一網打尽にするから!」
こうして、町を賑わせる路上ライブと共に、町のビリオンズ達はウタワールドに取り込まれ、制圧されていったのだった。
カジノの町レインベース。その町中を、二人の部下バカラとタナカ、そして複数人のSPに守られたピンク色のスーツといくつもの黄金の装飾品を付けた、派手でゴージャスな印象を与える男が歩いていた。
「騒がしいな…」
「どうやら路上ライブが盛り上がっているようです」
「ほう……どれ、少し見ていこうじゃないか」
男の名はギルド・テゾーロ。黄金帝とも称される、世界に名を轟かせる大富豪だ。
「私は歌で新時代を創る音楽家、U・T・A!それじゃ、次の曲いくよ!」
自らもステージに立つテゾーロには、彼女の歌唱力が異次元の領域にあることがすぐにわかった。
そして、その丁寧で鮮やかな旋律は、テゾーロの心を掘り起こすのだった。
歌はテゾーロにとっても大切なものだ。なぜなら、歌によって彼はたった一つの星に出会えたのだから。
「ステラ…」
「いかがいたしましたか、テゾーロ様?」
「何、少しな…」
そう言ってほんの少しだけ憑き物が取れたような顔をして、テゾーロは群衆をかき分けウタの前に歩み出た。
「ブラボー!素晴らしいショーだったよ!どうかね、ぜひその歌声を私の国グラン・テゾーロに来て披露してくれないか!もちろん、タダとは言わない、5億…いや10億出そう!!」
「ありがとうおじさん!でも、ごめんね…私には今どうしてもやらなきゃいけないことがあるの…だから、私はグラン・テゾーロって所には行けないよ」
「あら、テゾーロ様に逆らうの?」
そう言ってテゾーロの横に立っていた部下の女バカラは、自身の敬愛するテゾーロの誘いを断った女を不幸にしてやろうと、ウタの肩に手を置き自身のラキラキの実の能力を発動しようとした。
おっと、ラキラキの実の能力には干渉させて貰うぞ
しかし、トットムジカが介入し、ラキラキの実に概念マウントをとって無効化したため、その目論みは失敗に終わったのだった。
「バカな!?能力が弾かれるなんて…!」
「ほう…!ますます君に興味が湧いてきた!そのやることは金よりも大事だとでも?」
「そうだよ、大切な仲間のためだもの!」
「仲間…か…まあいいだろう、今回は諦めるとしよう…もっとも、私はいつでも君を歓迎する!是非とも私の国グラン・テゾーロに来てくれたまえ!」
そう言うと、テゾーロは本当に残念そうにしながらも、取り繕った笑みを浮かべてポンと札束を渡すとウタの前から去って行った。
「よろしかったのですか、あのような戯言に付き合うなんて…」
「かまわんよ、今日は気分がいいからな……それに、どうせすぐに思い知る事になるだろう…己の無力さと、金の力の前では全てが些事である事を」
そんな時、ふとテゾーロの耳に部下のSPの笑い声が聞こえてきた。
「それにしてもあの小娘、夢を見過ぎでは?歌で新時代を創るなんて笑っちゃいますよ」
そう言ってゲラゲラと笑うSPの耳障りな笑い声に不快そうに顔を顰めたテゾーロは、自らの指から金の指輪を取り外し、SPの男へと問いかけた。
「…一つ、教えてくれないか?なぜ…私より先に笑う?」
「て、テゾーロ様!?」
「何が面白いか決めるのは誰だ?言ってみろ…」
「も、もちろんテゾーロ様です!!」
「そうか、わかってくれたか!……ならもういい」
瞬間、テゾーロの黄金の指輪が黄金の液体状になりSPの男を包み込み、あっという間に男の全身を金で固めてしまった。
そして、暫くすると、そこには一体の黄金の像が出来上がっていた。
「どうしますか、新しくできた黄金像は?」
「町に寄付してやれ」
そう言って、かつてSPだったものを残してテゾーロはクロコダイルの所へと向かうのだった。
「10億か〜あのおじさんすごいお金持ちだったね!いつか行ってみたいな、グラン・テゾーロに!」
……あまり、行ってほしくはないな
「なんで?きっとすごいお金持ちの国だよ!それにあのおじさん優しそうだったし…きっと神様みたいな人だよ!」
……神様か…まあ、神のような権力者ではあるな……
ウタ…テゾーロはきっと本当になりたかった神様にはなれず、怪物に成り果てた男だぞ。
そう思いながらも、トットムジカはその言葉をウタに言うことなく飲み込んだのだった。
「さて、これでこの町のビリオンズの制圧は完了だね!」
ああ、そして、やっと本命の登場だ
「久しぶりねお嬢さん、随分と派手にやってくれたじゃない」
そう言って現れたのは、Mr.0のパートナー、ミス・オールサンデーことニコ・ロビンだった。
「ビビは先にクロコダイルの所に行って!私はこの女を倒してから行くから!」
「わかった!お願い!」
「…王女様には逃げられたけど、あなたの力は厄介そうだもの…ここで始末させてもらうわ」
そう言ってハナハナの実の能力を発動したロビンだったが、ウタが生み出した音符によって能力を妨害された。
「ちょうどよかった…私もあなたに用があったから」
そして、歌声が響き渡った。
「こうみょうな罠だ」
「ああ、しょうがなかった」
「敵の思うツボじゃない!バッカじゃないの!」
一方、海軍大佐スモーカーに追われていたルフィ達は、まとめてクロコダイルの巧妙な罠?によって海楼石の牢に捕まってしまっていた。
「共に死にゆく者同士、仲良くやればいいじゃねェか……!!」
「クロコダイル…!」
「オーオー…噂通りの野犬だなスモーカー君、残念だが君には事故死してもらうことにしよう」
「おい、お前ェ!」
「麦わらのルフィ…よくここまでたどり着いたな…安心しろ、ちゃんと消してやるからもう少し待て…」
暫くして、クロコダイル達の下へ、ウタと別れたビビがやって来た。
「やァ…ようこそミス・ウェンズデー、よくぞ我が社の刺客をかいくぐってここまで来たな」
「来るわよ……どこまでだって……!!あなたに死んでほしいから……!Mr.0」
「死ぬのはこのくだらねェ王国さ…ミスウェンズデー」
「……!!お前さえこの国に来なければ、アラバスタはずっと平和でいられたんだ!!!」
そう言ってクロコダイルに向かって行くビビだったが、あっという間にクロコダイルのフックで押さえつけられてしまった。
「そう睨むな…ちょうど頃合い……パーティーの始まる時間だ……それに、計画の出資者もおでましだ」
クロコダイルがそう言うと、部屋の扉を開いて、テゾーロがゆっくりと階段をコツンコツンと降りてやって来た。
「遅れてすまなかったなサー・クロコダイル…いや、Mr.0」
「誰だあのゴージャスなおっさん?」
「ギルド・テゾーロ…世界の20%の通貨を掌握している新世界の怪物だ…!」
「せ、世界の通貨の20%!!?」
「とんだ大物が出てきたもんだ…!テゾーロ!テメェ、政府を裏切る気か」
「裏切る…?私はハナから政府の犬になったつもりはないさ…まあ、スモーカー君、万が一君が生きて情報を伝えたところで、そんなものはどうにでもできるから安心したまえ」
「テメェには感謝しているぞテゾーロ。フラミンゴ野郎とよろしくやってるテメェからの申し出は疑ったが、提供された資金のおかげで計画を順調に進めることができたからな」
「かまわんさ、
「ああ、約束通りフラミンゴ野郎も天竜人どもも聖地ごと消してやるさ」
「おっと、ドフラミンゴだけは生かしておいてくれよ。彼には敬意を表して、このゴルゴルの力で引導を渡してやると決めているからな」
食事の並んだテーブルにつき冷酷に笑う二人の邪悪な存在に、国を踏み躙られたビビは怒りを募らせるも、圧倒的強者の二人を前に何もできない自身の弱さに打ちひしがれていた。
「せっかくだ、世界一のエンターテイナーでもあるスポンサー殿に一つショーでも見せてやろう」
そう言って追い討ちをかけるように、クロコダイルはビビの前でルフィ達が捕まっている海楼石の牢の鍵を、部屋の下のバナナワニの巣へと落とした。
さらに反乱軍の情報をビビに教え、ルフィ達仲間を助けるか、この国の国民達を助けるのかを選ばせてビビの悩み苦しむ姿を見て嘲笑うのだった。
しかし、そんな上機嫌なクロコダイルのデンデンムシがプルプルと鳴った事で、事態は一変する。
「遅かったじゃないか、ミス・オールサンデー…!」
「あなたがクロコダイルでしょ…よくもビビの国を…!」
「誰だテメェ…!!…ミス・オールサンデーはどうした?」
「そうだね…ミス・プリンセスとでも名乗ろうかな!あなたの部下とパートナーさんには眠ってもらったよ。詳しくはMr.プリンスから聞いてね!」
そう言って、ウタからかけられたデンデンムシがガチャリと切れると、クロコダイルはこめかみに青筋を浮かべながらデンデンムシを睨みつけた。
「ナメた真似しやがって…!」
「いいじゃないか、そんな小娘放っておいて」
「黙れ……今までも全員殺して来たんだ…俺をコケにした奴ァな…!!」
そう言ってテゾーロの窘める声を無視すると、今度はMr.プリンスを名乗る男からのデンデンムシがかかってきた。そして、話を聞いて怒り心頭のクロコダイルは身体を砂に変化させ、ウタ達のいるであろう地上へと飛び去ったのだった。
「やはり能力者だったか……面白い!」
「テゾーロ様?」
「私は先に帰らせてもらおう…この程度のショーにも飽きたからな…だがもし、麦わら達が檻から脱出できたら、彼らを地上へと脱出させてやれ」
くつくつと笑いながらテゾーロはタナカへと指示を出した。
「スルルルル、かしこまりましたテゾーロ様」
「さて、麦わらのルフィとその仲間の諸君、運が良ければまた会おう」
そう言ってバカラを引き連れて出て行ったテゾーロと入れ違いに、ウタとサンジが部屋へと入って来た。
「オッス、待ったか?」
「みんな、お待たせ!」
「「プリンス〜!!プリンセス〜!!」」
「バカやってねェでさっさと鍵を探せ!」
「よかった……!」
「…よろしかったのですか?クロコダイルと敵対する者達を助けて」
「かまわんさ、端から金以外は信頼していない。どうせプルトンを手に入れたら奴も裏切るつもりだろう……それに、ミス・プリンセスとその仲間達には興味がある…とはいえクロコダイルへの備えは必要だな…
「はい、
「そうか…!では万が一クロコダイルがプルトンを手に入れた場合も問題ないだろう…聖地を消してくれる分には歓迎するが、敵対するようなら
「最高のショーになりそうだ…!イッツ・ア・エンターテイメンツ!!!」
「さすがはテゾーロ様です!しかし、偉大なる航路が消滅すれば、かなりの損害が予想されますがどうしますか?」
「なに、金ならいくらでもある…その時は創ってやるさ…黄金によって支配される新時代を!!!」
星を失い怪物に成り果てた男の笑い声が、世界へと虚しく響き渡った。
人物紹介
ギルド・テゾーロ …ウタの歌を聞いてちょっとだけ浄化された。でも星(ステラ)を失ったテゾーロはもう心の底から救われることはないので、グラン・テゾーロに来たら屈服させてやろうとは思ってる。グラン・テゾーロに来るまではもしかしたら支援してくれるかも?
バカラ …ラキラキの実の能力者。実は対クロコダイルのためにグラン・テゾーロの奴隷全員の運気を吸って来ていたので、ある意味一番のトットムジカ案件だった。もし敵対していたらコイン一枚でルフィもクロコダイルも確殺されていた。
タナカ …タナカさん。ヌケヌケの実の能力者。
用語解説
ダイナ岩 …古代兵器にも匹敵するヤバい岩。空気に触れたら島一つ消し飛ぶ大爆発を起こす。
エンドポイント … 新世界にある3つの火山島、ファウス島・セカン島・ピリオ島の総称で、全て破壊すると新世界の海を焼き尽くすほどの大破局噴火を起こすことができる。テゾーロは新世界にクロコダイルが攻めて来たらこれをやるつもり。