悲報 転生先が全ての元凶な件   作:ネオ・マフティー

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砂漠の王

 

 

「待ちやがれ…!!」

 

バナナワニの中から出て来たMr.3の能力で作った合鍵によってルフィ達が檻を脱出し、テゾーロの部下タナカの能力で地上へと逃げきった頃、クロコダイルは自身をコケにしたMr.プリンスとミス・プリンセスなる人物を始末するため、フードを被った2人組を追っていた。

 

砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)!!」

 

そして、ついに追いついたクロコダイルは二人に向かって砂の斬撃を放ったのだが、二人の正体はウタの能力で作られた音符の戦士だった。

音符になって消えていく二人の姿を見て、クロコダイルは初めて自分が嵌められたことに気づいたのだった。

 

「舐めたマネしやがって…!奴らは見つけ次第、確実に殺してやる!!」

 

 

 

 

一方、無事に地上に着いたルフィ達はスモーカーに見逃された後、チョッパーが連れてきたヒッコシクラブに乗ってアラバスタの首都アルバーナを目指していた。

 

「なんであのゴージャスなおっさん、俺達を助けてくれたんだ?」

 

「ウタのファンにでもなったんじゃない?歌を誉めてたんでしょ」

 

「うーん…根っからの悪い人には見えなかったんだけど…」

 

敵だと思っていたテゾーロのおかげで地下から脱出できたことで、テゾーロの真意に困惑する一味。

しかし、砂の腕と共に黄金のフックが飛んで来たことで、テゾーロのことは一旦頭から切り離したのだった。

 

「クロコダイル……!」

 

「……クロコダイルは俺がぶっ飛ばす!お前達先は先に行け!」

 

「ちょっとルフィ!!?」

 

「ちゃんとビビを宮殿まで送り届けろよ!!」

 

「何言ってるの!!相手は七武海だよ!私も一緒に…」

 

「ウタ…船長命令だ、ビビを頼む!」

 

「………ずるいよ…そんなの」

 

「安心しろウタ!あいつは絶対俺がぶっ飛ばす!」

 

「……行くよ…アルバーナへ」

 

「いいのウタ!?ルフィさんを置いて行って」

 

「大丈夫よビビ、今までルフィに狙われて…無事でいられた奴なんて一人もいないんだから!」

 

「いいかビビ…クロコダイルは…あいつが抑える。反乱軍と国王軍がぶつかればこの国は消えるが、それを止められる唯一の希望がお前なら…この先ここにいる俺達のだれがどうなってもだ…!!」

 

「ビビちゃん…コイツは君が仕掛けた戦いだぞ。挑んだのはビビちゃんだ…ただし、もう一人で戦ってるなんて思うな」

 

「ビ…ビビビ!!心配すんなよ!!おれガツ…ガッツいて…」

 

「………ビビ…大丈夫だよ、ルフィは海賊王になる男だよ!……絶対、クロコダイルなんかに負けないよ!」

 

「………!ルフィさん!!アルバーナで待ってるから!!!」

 

「おォオ!!!!」

 

 

 

風と共に砂が舞う砂漠の大地でルフィとクロコダイルが相対する。

 

「3分だ…それ以上、てめェの相手なんざしてられねェ。文句でもあるか?」

 

「…いや、いいぞ、ギア…2!!」

 

「一つだけ言っておくぞ麦わらのルフィ、どうあがこうとも……!お前じゃ絶対俺には…」

 

「ゴムゴムの…JETピストル!!!」

 

先手を取ったルフィだった。自然種の能力によって油断していたクロコダイルを覇気を纏い黒く染まった拳で撃ち抜いた。

 

「カハ!!?」

 

「ゴムゴムの…JET銃乱打!!!」

 

さらに追撃とばかりにルフィの拳による連撃がクロコダイルに炸裂する。

 

「なぜだ!なぜ俺に…!」

 

アラバスタに来て久しく感じなかった痛みと、受けた傷から流れた血に動揺し怒りが湧き上がるクロコダイル。

そんなクロコダイルにルフィは尚も容赦なく覇気を纏った拳による追撃を続けた。

 

「ゴムゴムの…JETバズーカ!!!」

 

そして、覇気を纏ったルフィの両腕の一撃がクロコダイルを吹き飛ばした。

覇気と速度でクロコダイルを圧倒し、ダメージを与え続けるルフィ。

しかし、怒りと動揺で鈍っていたクロコダイルの冷徹な頭脳が、ルフィによって散々ダメージを受けたことにより一周回って冷静になったことで、目の前の存在が自身にダメージを与えることができている理由として一つの可能性を導き出した。

 

「はあ…はあ…てめェ、覇気使いか」

 

「だからどうした!」

 

覇気、それは偉大なる航路の後半の海、新世界にいる強者達が修めている力だ。

そして、かつて新世界で暴れ回っていたクロコダイルは、当然覇気のことを知っており、覇気使いの恐ろしさを身を持って体感していた。

ゆえに、覇気使いであるルフィの力量を把握したクロコダイルは、これまでの雑魚狩りの気分を完全に捨て、鈍ってはいるものの、王下七武海として…海賊としての戦闘へと切り替えた。

 

「……認めよう、麦わらのルフィ…お前はそこらの雑魚ルーキーとは違うらしい…」

 

そう言ってクロコダイルは毒のフックを剥き出しにすると、スゥと一息を入れた。

 

「特別だ麦わら…俺はお前を明確な脅威として認めてやる……!よって、ここからは3分なんて縛りも捨て、新世界の海賊として、てめェの相手をしてやる…!」

 

そうクロコダイルがそう宣言した瞬間、巨大な砂嵐が発生し、ルフィを吹き飛ばした。

 

砂嵐(サーブルス)

 

さらに顔色一つ変えずクロコダイルは、身体を砂へと変化させて飛び上がり、ルフィの頭上へと姿を現した。

 

砂嵐重(サーブルスぺザード)

 

クロコダイルの威力を増した砂嵐の衝撃波による追撃により、ルフィは今度は空中から砂の地面へと叩きつけられた。

 

砂漠の向日葵(デザート・ジラソーレ)

 

そして、地面に叩きつけられたルフィを砂漠の砂を操作して形成した蟻地獄へと引き摺り込んだ。

 

「コンニャロ!」

 

「クハハハ!確かに覇気は厄介だ…おそらく見聞色も習得しているだろう…だが、攻撃がわかったところで対処の仕様がない場合、そんなもの何の意味もねェよなァ?」

 

そう言うとクロコダイルは身動きの取れないルフィをフックで貫こうとした。

 

「まだだ!ゴムゴムの…JETバズーカ!!」

 

「クハハハ…いいのか?砂以外に何もない砂漠で身動きの取れない空中にいても…!三日月形砂丘(バルハン)!!!」

 

砂の地面をふき飛ばし、何とかその衝撃で飛んで脱出しようとしたルフィを、上空で待ち構えていたクロコダイルが砂で切り裂いた。

 

「!?うわああああ!!腕が…」

 

何とか見聞色の覇気で身体を捻って避けたことによって腕一本で済んだルフィ。

しかし、ルフィの砂で切られた腕は水分を吸い取られ、乾涸びた状態になっていた。

 

「う、腕がミイラになったァ!!?」

 

「動揺して覇気を乱したな麦わら」

 

そして、自分の腕がミイラのようになっていることに動揺したルフィの隙をついて、クロコダイルの毒を塗ったフックがルフィの肩を容赦なくぐさりと刺し貫いた。

 

「離せ!ゴムゴムの…JETスタンプ!!」

 

何とかクロコダイルを引き離したルフィ。

しかし、次の瞬間ルフィは突然の眩暈に襲われガクリと膝をついた。

 

「あ…れ……?」

 

「クハハハ!そう言えば言ってなかったな…このフックには猛毒が塗ってあることを…だがすぐにくたばらないところを見るに、意外とタフじゃねェか」

 

何とかフラフラになりながらも立ち上がるルフィの姿を見て、笑いながらも油断せず、クロコダイルは能力で砂嵐を発生させる。

 

「いいか麦わら…この砂嵐が風に乗って進んだ先に何があると思う?」

 

「ハア…ハア……知らねェ!!」

 

「ユバさ」

 

「…!!お前!何やってんだ!やめろ!!今すぐ止めろ!!」

 

「クハハハできるなら止めてみろ!」

 

「カラカラのおっさんは……関係ねェ!砂嵐も…お前も……絶対にぶっ飛ばしてやる……!ゴムゴムの…暴風雨(ストーム)!!!!」

 

クロコダイルが発生させた砂嵐と、ルフィの覇気を纏った嵐のような拳の連撃が衝突する。

全身に毒が回り、ルフィは満身創痍でギア2が解除されながらも、出しうる全力の一撃で砂嵐を吹き飛ばし、そのままクロコダイルをも吹き飛ばそうと迫る。

 

「麦わら…もしてめェがユバを見捨て、覇気を乱さず戦っていれば、俺もただじゃ済まなかっただっただろう…だが、その甘さ、未熟さが命取りだったな」

 

しかし、吹き飛ばした砂嵐の先には、クロコダイルが高密度の砂の刃を構えていた。

 

砂漠の金剛宝刀(デザート・ラ・スパーダ)!!!!」

 

毒で弱り、覇気もギア2も解除され、砂嵐をふき飛ばしたことで、威力を落としたルフィの一撃を圧倒するクロコダイルの高密度の砂の斬撃が、ルフィを切り裂き致命傷を与え、その身体から根こそぎ水分を奪い取った。

 

 

 

 

「な、なんだあの砂嵐!!?」

 

「…アイツだわ」

 

クロコダイルの起こした砂嵐は、遠く離れたウタ達にも見えていた。

 

「ルフィ……」

 

ビビの前では気丈に振る舞っていたウタだったが、最初からウタはルフィのことが心配でたまらなかった。

本当は今すぐトットムジカの力を使ってでもルフィを助けに行きたい。

それでも、船長の命令の重さを知るウタは、ルフィに託されたビビを頼むという言葉を苦渋の決断の末、優先したのだった。

 

「平気よみんな!ルフィさんは負けない!約束したじゃない、アルバーナで待ってるって!!」

 

「ビビ…」

 

そんな様子を見て心配しながらも、ルフィを信じて明るく振る舞うビビを見て、これ以上ビビに負担をかけないようにとウタもまた、ルフィが勝つと信じて反乱を止めるために気持ちを切り替えたのだった。

しかし、ウタの不安は皮肉にも的中してしまった。

 

 

 

 

「終わりだ麦わらのルフィ…つまらねェ情を捨てれば、お前はもっと長生きできた…!!」

 

砂漠の流砂に沈みゆくルフィにクロコダイルがゆっくりと声をかける。

切り裂かれた傷口から噴き出した血を全身に浴び、身体中の水分を奪われた上、毒が全身に回ったルフィは最早死んでいるも同然だった。

 

「確かにテメェはこの前半の海では表彰台に立てる程度の実力はあった。だがな……俺がいた海にはテメェレベルの奴なんざいくらでもいたのさ」

 

「ウ………タ…………」

 

「苦しそうだな…!!だが、直に楽になれる……ああ、安心しろ、直ぐにお前の愛しのミス・プリンセスとやらもお前と同じところに送ってやるさ……!!ハハハ」

 

「……カ……うプ!!!…………」

 

完全に砂漠に沈み、沈黙したルフィの姿を見て、クロコダイルは笑いながら砂となって飛び去って行った。

そして、ルフィの命の灯火は今にも尽きようとしていたのだった。

 

「……これも運命なのかしらね……Dの名を持つあなたとの…」

 

そんな瀕死のルフィの前に、ミステリアスな雰囲気を持つ謎の女、ミス・オールサンデーことニコ・ロビンが現れた。

 

 

 

 





次回…「ルフィのいない新時代」

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