悲報 転生先が全ての元凶な件 作:ネオ・マフティー
「いよいよだ…お前ら、仲間の印を忘れるなよ!」
「ウタちゃん、ビビちゃんを頼んだ」
「わかった、みんなも頑張ってね!……もう誰も、この国の人達を死なせないから!」
いよいよ、一味のアラバスタの反乱を止めるための戦いが始まった。
決戦の地、アルバーナ。その西門にバロックワークスのオフィサーエージェント達が一同に介していた。
「要は王女を消せばいいんだろ」
「本当に来るんだろうね?…王女とその仲間達は」
「消せと言われた奴を俺達は消せばいいんだ。」
「きぃ〜」
「じゃあ、反乱が先に始まっちゃっタラバ、あちし達はドゥーすればいいのう!?」
「て〜」
「…ドゥーもしなくていいんじゃなくって?戦争が始まったら王女といえど、もう何もできないわ」
「る〜ぞ〜」
「…何ィ!!?さっさと言わねぇかいこのノロマ!!」
「「「「!!!!?」」」」
Mr.4の方を一斉に見るエージェント達。彼らの見た先には立ち上る砂煙と共に複数の謎の存在達がこちらに向かって来ていた。
「カ…カルガモ!?」
「…何人増えようが標的は王女一人だ、何をうろたえている…」
「王女一人消せばいいって……?じゃあオメー…どれが王女だか当ててみなよ」
「んげげ!!あいつら全員同じマントを!!これじゃあどいつが王女なのかあやふやじゃないのようっ!!」
そして、バラバラに分かれて門へと向かうビビとその仲間達。それを追って、オフィサーエージェント達もまたそれぞれの門へと向かった。
そして、走り去って行くオフィサーエージェント達を砂埃に隠れて見つめている二人の人影がいた。
「急がなきゃ、反乱軍はすぐそこまで来てる…行くわよカルー、ウタ!!」
「うん!……止めるよ、絶対に!」
その正体はビビとウタだった。
二人は仲間達がオフィサーエージェント達を引きつけている間に、反乱軍のリーダーであり、ビビの幼馴染であるコーザと接触することで反乱を止めようと考えていた。
そして、二人は王都アルバーナへ向かって進撃してくる反乱軍の前に立ち塞がった。
「止まりなさい!!!反乱軍!!!この戦いは仕組まれてるの!!私の話を聞いて!!!」
「ん!?」
一瞬、ビビの声が聞こえた気がしたコーザは、声が聞こえた方へと向かおうとする。
「へへへ、残念だったな」
しかし、突然の国王軍からの砲撃によって巻き起こった砂埃が、二人の接触を阻んだ。
「おい!まだ砲撃の命令は出していないぞ!」
「へへへ…すみません…」
砲撃した兵士の腕には、バロックワークスの刺青が入れられていた。
「怯むな突っ込めェ!!我らが国の為!!王を許すな!!!」
「お願い!止まってェ!!!!」
「…スパイが紛れ込んでいたのか…仕方ない、止めるよムジカ!」
了解だ、国王軍と反乱軍…悪いが、しばらく大人しくしてろよ…
瞬間、ウタの背後からトットムジカの恐ろしい量の覇気が放たれる。
アラバスタの砂の大地が震え、戦場の空気を一瞬で塗り替えた魔王の覇気によって、指揮官を努めていたチャカを除く国王軍と、リーダーのコーザを除く反乱軍は、その意識をもっていかれたのだった。
「な…なにが…?」
「!!?お前達!しっかりしろ!!……ビビ?」
「少し手荒だったけど、とりあえず目標達成かな…」
これで反乱が終わる…ウタがそう思った時だった。
「やってくれたな…!ミス・プリンセス!!」
砂嵐と共にクロコダイルが現れた。
「クロコダイル……!!」
「ビビ!コーザを連れて王宮に行って!クロコダイルは私が相手するから!」
ビビ達を逃がすため、クロコダイルと向き合ったウタ。
そんなウタには、どうしてもクロコダイルに確認しなければいけないことがあった。
「ねえ……ルフィはどうしたの?」
「ああ…お前の愛しの船長なら俺が殺した」
瞬間、ウタを中心に発生した莫大な衝撃波によってクロコダイルは吹き飛ばされた。
「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!!お前なんかに、ルフィが負けるハズない!!!!」
ウタはルフィを信じていた。ルフィが海賊王になるまで負けるハズがないと。
「クハハハ!わかっているハズだ…麦わらではなく俺がここに来たのが答えだろう?奴がここに来なかった理由は一つ、麦わらはもう……この世にいないからだ」
しかし、現実は残酷だった。
クロコダイルは誇示するように、血に染まったフックを見せつけ、ルフィの死を宣言した。
「ルフィが…死んだ……?もう……いない……?」
「……案外呆気なかったな、船長の死一つで動揺するとは、情けねェ女だ」
そう言って反乱軍と国王軍を鎮圧した覇王色の覇気に警戒しながらも、クロコダイルは呆然としているウタにトドメを刺そうとした。
「ニコ・ロビンの報告からお前の能力に検討はついている…歌さえ聞かなければ、例え覇気使いだろうが…」
「うるさい!!」
『
ウタの身体をドロリと黒い泥のようなものが覆い、彼女の姿を黒い翼を生やした魔王のような姿を変化させる。同時に世界が侵食され、現実世界がウタワールドの法則へと改変されていく。
ウタは後悔していた。ルフィの覚悟を尊重し、ルフィと共に戦わなかったことを…世界の目を恐れて、トットムジカを使わなかったことを。
ゆえに、ウタを止める枷は完全に外れてしまった。
「私のせいだ……私がルフィを守らなかったから……助けに行かなかったから……」
「そっか、私に覚悟が足りなかったんだ!」
「ルフィ!今すぐ新時代を作ってルフィのところに行くね!」
ルフィを失った喪失感によって、ウタは暴走し、狂気的な笑みを浮かべた。
『
「この力はルフィ相手にも使ったことがないんだ…いくら修行でも、もしルフィにこの力を向けたら、きっとルフィが死んじゃうから……でも、あなたが相手ならいいよね?」
ゾクリ、とクロコダイルの背筋が凍る。
次の瞬間、ウタの姿が消えると、一瞬でクロコダイルの前に現れ、覇気を纏った刀の斬撃で吹き飛ばした。
「…まだまだシャンクスには程遠いかな…」
残念そうに言うウタだったが、その威力は凄まじく、一撃を喰らったクロコダイルはかつて白ひげに敗れた時を思い出す程の大ダメージを受けていた。
「ありえねェ…!なぜ、お前が白ひげのジジイのような覇気を持っていやがる!!?」
「さあ、なんでだろうね…」
そう言いながら、ウタは自らの手に持つサーベルのような刀に、さらに覇気を纏わせる。
「いつまでもテメェの好きにさせると思うなよ…!」
砂漠の地面に手を置き、砂に干渉し操作しようとするクロコダイル。
しかし、クロコダイルがいくら能力を発動しても、砂漠の砂はピクリとも動かなかった。
「残念!そこはもう、あなたの知る
そう言ってウタがパチンと指を鳴らすと、それまでピクリとも動かなかった砂がサラサラと小さな砂嵐を形成してウタの手のひらに収まった。
「この世界は私の世界!私の決めた法則が適用される!だから、あなたの能力はこの世界の砂には効かないよ」
そう言って動揺しているクロコダイルを覇王色を纏った拳で容赦なく殴り飛ばした。
確かにクロコダイルはウタの歌声は一度も聞いていない。しかし、実際にクロコダイルはウタウタの世界に連れて来られているのか、目の前の少女にまるで歯が立たないでいた。
「どうなってやがる!?ウタウタの実にこんな力があるなんて聞いたことがねェ…!!………まさか、テメェ!!?」
クロコダイルの冷徹な頭脳は、この異常事態に普段のクロコダイルなら呆れる程の馬鹿げた仮説を導き出した。ウタウタの実、ウタウタの世界、魔王、現実の侵食…クロコダイルの知識から導き出した仮説がもし当たっているなら、それは世界を滅ぼす力を目の前の少女が持っていることを意味するのだから。
しかし、その仮説は皮肉にも的中していた。
「気づいたんだ…でも残念!もう…遅いの」
『
「この世界そのものをウタワールドに取り込んで創ってあげる!!みんなが自由になれる新時代を!!!!」
ウタの姿が更に魔王のような衣装へと変化していく。
背中には魔王のような黒いマントが加わり、頭にはトットムジカと同じ禍々しい帽子を被ったその姿は、最早魔王そのものだった。
そして、ウタによって現実世界のウタワールドへの侵食が強まり、アラバスタが幻想的な色づいた宇宙のような景色へと変貌していった。
「クハハ…こんなふざけた話があるか…こんな小娘が、あの
ウタウタの実の能力、そして、魔王の存在を知るクロコダイルは目の前の馬鹿げた光景に乾いた笑い声をあげ、前代未聞の目の前の化け物にどうする事もできなかった。
「ねえ、クロコダイル……死んじゃいなよ!!」
ウタの号令で数えきれない程の音符の戦士達が出現する。もちろん一体一体が覇気の使えるパシフィスタクラスの強さの存在だ。
最早、この世界にウタの敵は存在しない。彼女にとって、クロコダイルもいつでも消せる存在でしかなくなってしまったのだった。
「さあ、新時代を…」
「ウタァー!!!」
突如、滅亡の危機を迎えた世界。そんな時、希望は空からやって来た。
その頃のトットムジカ…
クロコダイルが来た時… まあ、(原作知識でルフィが生きてるのわかってるから)大丈夫やろ!
ウタ暴走… ま、まあ、ルフィが来たら止まるから大丈夫やろ!
完全に世界の危機… ヤ、ヤバい!!ルフィ早く来てくれ!ウタ、一旦落ち着こう!な!
ムジカは少し黙ってて!!
…ハイ…
こうなったら、強制的に解除するしか…
ルフィがペルと共に来る… ルフィー!!!(歓喜)
相変わらず戦闘面以外は使えないトットムジカだった…