軍隊学校生でしたが誘拐されて求婚されたので提督になりました。   作:隼型一等水雷艇 隼

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のべりすとを使用し書いてみました。


求婚されて軍に拉致られましたがどうすればいいですか?

2030年12月7日、日本時間午前3時開戦。

   [対深海棲艦戦争]

思い返せば、あれが全ての元凶だったと思う。

あの出来事がなければ俺は今頃、普通に高校生活を謳歌していたはずなのだから...……

***

「……っ!」

目を開けると、そこは見慣れた自分の部屋ではなかった。

俺の目の前には見知らぬ天井と必要最低限の明るさが確保された石畳の壁が広がっている。

(ここはどこだ?)

状況を確認するため起き上がろうとするが体が動かない。いや、正確には体を動かすことが出来ないのだ。

何故なら――。

「ん~! ん~!!」

口の中に布のような物を突っ込まれており、喋ることもままならないからだ。

(何なんだ一体!?)

必死にもがくが状況は変わらない。

それどころか手足を拘束されているため芋虫のように這いつくばることしか出来なかった。

(くそっ! なんでこんなことに……)

記憶を辿るが、俺はいつも通り学校へ登校するために家を出ようとした直後からの記憶が無い。

(訳がわかんねぇよ……)

いくら考えてみても答えは見つからない。というかこの状態から一刻も早く脱したいというのが本音である。

そんなことを考えているうちに部屋の扉が開く音がした。

そしてコツッコツッと足音を響かせながら誰かが近づいてくる気配を感じる。

恐らくは俺のことを拉致監禁している犯人だろう。

(マジで勘弁してくれよ……)

恐怖心を抱きながらも何とか打開策はないか考える。だが無情なことに何も浮かばない。

やがて犯人と思われる人物が俺の前に立った。

そしてその人物はおもむろに俺の顔を覗き込むようにしゃがみ込んだ。

「あら? もう目が覚めたのかしら?」

「うぐぅ……」

その人物の声を聞いた途端、背筋が凍りつくような感覚に襲われた。

それはまるで蛇に見つめられている蛙になった気分であった。

しかし相手は全く動じていないようで淡々と話を続ける。

「まだ麻酔薬が完全に抜けきっていないようね」

そう言うとその女性はポケットの中から注射器を取り出して針先を指先につけた。

何をしようとしているのかわからないほど鈍感ではない。

これから行われるであろうことを想像して冷や汗が流れた。

「安心しなさい。別にあなたを取って食おうって訳ではないわ。むしろ逆なんだけどね」

彼女はそう言ってクスリと笑みを浮かべる。

その姿はとても美しく魅力的だったが今のこの状況では悪魔の微笑にしか見えない。

「さぁ暴れると痛いわよ?」

彼女の言葉を聞いて抵抗しても無駄だと悟った俺は大人しく身を委ねることにした。

すると首の後ろにチクリとした痛みを感じた後すぐに意識が遠退いて行った。

***

再び目を開けた時には既に辺りは薄暗かった。どうやらかなり長いこと眠っていたらしい。

「起きたかしら?」

聞き覚えのある声がする方に顔を向ける。そこには白い軍服を着た女性が立っていた。

年齢は20代前半くらいだろうか。スタイルが良くとても美人だと思った。

しかしその美しい容姿とは裏腹に俺を見る目はどこか冷たい印象を受ける。

「あんた誰だよ? というかなぜ俺をここに連れて来た?」

連れ去られた身としては至極当然な質問をしたが、女性はクスクスと笑った。

「私は八咫海月。階級は大将ね。ちなみにあなたを連れて来た理由は私の夫になってもらう為よ」

「はいぃ?」

正直訳が分からなかった。確かに見た目はかなり良い方だと思うけど初対面の男に対していきなり求婚してくるとは思わなかったからだ。

「まあ突然言われても困るのは分かるけどとりあえず詳しいことは私達の基地に来てから話すことにするわ」

こうして俺は謎の女性に連れられていくことになったのだが……。

俺は今、軍服の女性ー八咫さんと一緒に森の中を歩いている最中である。

今のところ目的地については全く知らされていないため、不安しかない。

だからと言ってこのまま黙っているわけにもいかないため、恐るおそる聞いてみた。

「……それで、まずはどこに行くんだ?」

「ふむ、そうだな。取り敢えずは我々の基地に向かっているところなのだが……」

(我々?)

その言い方に疑問を覚えた俺は更に詳しく聞こうとしたが――。

そしてその直後、俺達の前に1人の少女が現れた。

(なんだこいつ……)

現れたのは白を基調としたセーラー服に身を包みなぜか頭に鍋を被った銀髪の少女だった。

(まさかこいつが例の艦娘なのか?)

そんなことを考えているうちに2人は互いに自己紹介を始めた。

「こちらは駆逐艦の響だよ。よろしく頼むよ、司令官」

「えっと……、俺は筒雲紅牙。一応、学生だけど……」

俺が名乗ると、今度は彼女が尋ねてくる。

「ところで、どうしてこんなところに居るんだい?」

(横にいる人が拉致したからです!)

とは思ったものの口には出さず、代わりにこれまでの経緯を説明した。

だがそれを聞いた彼女達は―――。

「……なるほどね。つまり君はここがどこだか分からないということかな。なら、私が案内しよう」

響と名乗った子はそう言うと森の奥へと歩き始めた。

俺と八咫は慌ててその後を追う。

「あのさっきの話に戻るんだけど……俺のことを旦那にするってどういう意味なんだ?」

「そのままの意味よ。あなたには提督適正があるの。」

「提督適正? なんだそれ?」

聞いたことのない単語に思わず首を傾げる。

「簡単に言えば指揮官としての才能を持っているかどうかのことよ。普通に生活していただけでは絶対に身に付かない能力ね。

そしてその能力はここ日本では貴重とされているわ。だからこそ私たちはあなたの力を必要としている。」

俺にそんな才能があったなんて驚きである。しかし疑問なのはそこじゃない。

俺はまだ高校生で結婚どころか恋愛すらしたことがないのだ。なのに何故そんな俺にプロポーズしてきたのかということである。

「その提督適正と結婚云々は関係ないがどうして俺を選んだのか理由を教えてくれないか?」

「それは簡単な話だ。一目見た時から君のことが気になっていたからね。」

彼女は一旦言葉を区切ると顔を赤くしながらボソッと呟いた。

「……あと、私の好みだし」

「ん? 何か言ったか?」

「なんでもない!」

そう言うと少しだけ歩くペースを上げた気がする。

よくわからない人だと思いながらも特に気にせず後を追った。

それからしばらく歩いて行く内に目の前に大きな建物が見えてきた。

「あれが私たちの基地”大奏警備府”だよ」「へぇ~結構大きいな」

思っていたよりも立派な施設だったのでつい見入ってしまった。

すると後ろの方からも気配を感じ振り向くと見慣れぬ格好をしている人がいた。

その人はこちらを見ると小走りで来た。恐らくこの人も軍人だろう。その証拠に大人の女性にしては高い身長と整った顔立ちをしていたからである。

彼女は俺たちの顔を見比べた後、ハッとした様子を見せると話し掛けて来た。

「もしかすると貴方が新任の司令官の方でしょうか?」

「ああ、多分そうなんじゃないかと思うぞ」

まだ確信は無いけれどおそらく間違いないだろうと思っているとその女性は急に頭を下げて来た。

「申し遅れました。私は本日付けで当鎮守府に着任しました軽巡洋艦の大淀といいます。以後宜しくお願い致します」

***

<side:大淀> 1週間前、突如日本近海に現れた正体不明の人型の敵対生命体”深海棲艦”により日本及び世界各国の領海は封鎖された。

政府は自衛隊による海上防衛作戦を立案したが敵戦力の規模及び目的が不明な以上、迂闊に攻め込むことが出来ずにいた。

そのため日本政府は苦渋の選択を迫られることになった。

すなわち他国への救援要請を行ったのである。その結果アメリカを始めとする世界各国は我が国の防衛に協力することを約束してくれたのだが……。問題はここから先にあった。

なぜならば各国とも自国のことで手一杯でありとても助けられる状況ではなかったからだ。結局、他の国に頼ることが出来ないと判断した政府はすぐに決断を下した。

それが唯一対抗出来る力を持つ海軍を派遣し敵の侵攻を阻止するという方法だった。

こうして急遽、各海域から集められた艦隊が集結し迎撃態勢を整えたが、こちらの兵器での攻撃はほぼ無傷、アメリカの核爆弾やロシアの水素爆弾でようやく駆逐艦を倒せるレベルだが、

ここは日本、その様な武器は無く、集められた艦隊が蹂躙されている中で救世主が現れた。それが”艦娘”現在人類が深海棲艦戦にただ一つだけ対抗出来る手段だった。

そして、今回派遣された艦隊は、日本の自衛隊の中でも主力部隊であった。

彼等の活躍により日本の領土は守られたが、それと同時に多くの仲間を失った。その為、今回の任務では新たな人材の確保が最優先事項とされていた。

そこで白羽の矢が立ったのは横須賀鎮守府に隣接する軍隊学校所属の新人士官の筒雲紅希だった。

彼は元々優秀な成績を収めており、さらに今回は彼の所属する部隊の司令官であるの海月大将の推薦もあった為、推薦状と共に配属が決まったのである。

(彼がどんな人物なのか非常に楽しみですね)

私ー軽巡艦娘の大淀はその期待を込めて筒雲さんの方を向きながら笑みを浮かべたのだった.....

***

<in執務室> 俺は今の状況を整理していた。どう考えてもこの人達が言っていることはおかしい筈だ! まず何より一番問題なのは彼女たちが全員女の子であること!

それにそもそも俺は男だ!いくら見た目が中性的だったとしても俺は歴とした男だ!

……でも本当になんなんだこの状況!?

一体全体どうしてこうなったんだ……??????考えれば考える程分からなくなってくる……頭が痛い……誰か教えて下さい……神様……!!(切実)






注意・この小説は試験的な運用なので消える可能性があります。
   しかし、人気だったりすれば投稿し続けます。

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