助けてチェンソーマン   作:荒ぶる藁人形

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蝙蝠の悪魔が逝ったので初投稿です。



※多重クロス要素が漸く出ます。


未来視×悪魔×過去

「これもお前の読み通りか?」

 

神経質を体現したような痩せた男の言葉に赤髪の女性は肩を竦める。

 

「未来視の個性を持つ貴方に言われると何とも言えない気持ちになりますねサー・ナイトアイ」

 

デスクワークが主とはいえ曾てはオールマイトのサイドキックを務めた歴戦の猛者の殺意すら滲む視線を前にして尚自然体で微笑む彼女はモニタに映る怪人を見て恍惚と笑みを深めた。

 

 

 

 

 

 

「おい」

 

「止めろ」

 

「それは駄目だろ」

 

「お前はオールマイトだろ!お前は正義の味方だろ!何をしているんだ!」

 

 

巨悪の血を吐くような絶叫も聞かずオールマイトはエンジンスターターを思い切り引いた。

 

轟音

 

まるで幾千の心臓が跳ね上がった様な、幾万の人々が足踏みをしたような始動音と共にオールマイトの額をチェンソーが内からかち割りながら飛び出し、曾ての戦いの縫合痕を食い破るように腸が飛び出しマフラーのように首に巻き付く。

 

吹き出す血潮、うねる骨肉。まるで粘土をこねる様に英雄が怪物に塗り替えられてゆく。

 

「■■■■■■■■■■■■!!」

 

まるで理性も知性も感じさせない産声が神野町跡地に轟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「チェンソーマンとの戦いとされるあの事件は本来、オール・フォー・ワンを喰らいに来たチェンソーマンとオールマイトのすれ違いが始まりです」

 

淡々とそれでいて好きな玩具を丁寧に説明するようにハキハキと赤髪の女は語る。

 

「超常黎明期に産まれた魔王たるオール・フォー・ワンは長く生きている事もありこの世界で私を除けば誰よりチェンソーマンを知っています」

 

「だから何だ?それとこの状況になんの関係がある!」

 

穏やかな語り口に苛ついたナイトアイが語気を荒げる。

 

 

「【無限六眼】【魔性菩薩】【六道仙人】【万物複製】【永劫回帰】【時王】【壊世の徒花】【大嘘憑き】」

 

「…何を言っている?」

 

突如羅列された言葉の群れに混乱を深めるサー・ナイトアイを見て赤髪の女は堪えきれなかったかのように満面の笑みを浮かべ言ったり。

 

 

「これはチェンソーマンが喰らった個性の数々です」

 

 

 

「此等のチェンソーマンに喰らわれた個性は一つの例外なく」

 

 

 

 

 

 

「全ての人類の記憶とその身から消え去りました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あああああ!来るな!来るな!来るなぁぁ!」

 

【核熱】【破壊光】【毒炎】【冷凍光線】

 

個性によりワープするなり引き裂かれ死肉の山と化した脳無の群れの上を様々な個性により生み出された致死の魔弾を撒き散らしながら撤退するAFOの顔は恐怖に引き攣り精彩を欠いていた。

 

それもそうだろう。【核熱】を身で受け少し焦げ、【破壊光】でちょっと焦げ、【毒炎】で多少噎せて【冷凍光線】でマフラー代わりの腸に霜が降りた程度で何一つ効いていない。

 

だが、彼の恐怖はそんな些細な事が元ではない。

 

AFOは知っている。

 

眼の前の怪物は個性を喰い消せる事を。

 

AFOは既に思い知らされている。

 

チェンソーマンは恐怖により強くなる事を。

 

 

恐怖した存在の全てを選択して上回れる事を。

 

 

本来放射能と破滅的な熱量で焼き殺す【核熱】でもこの程度。

 

本来射線上全ての物質を対消滅させる事で如何なる防御をも貫く【破壊光】でもこの程度。

 

【毒炎】も【冷凍光線】も本来は個人ではなく対軍や拠点制圧に用いられる程の強固性なのだ。

 

しかし、

 

 

「お前はオールマイトに殺された筈だろ!?お前はオールマイトに負けたはずだろうが!?」

 

 

誰よりチェンソーマンを知り恐怖しているAFOでは永遠に有効打にはなり得ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誰よりも強く、誰もが恐れ、誰にも傷付けられない最強無敵の地獄のヒーローがチェンソーマンでした」

 

 

最早残骸と破壊の余波しか移さないモニタ越しの惨状の余波が窓越しに振動と閃光となり漏れ込む室内で赤髪の女はモニタから視線を外し、ブラインドを指で歪めて外を眺めながら溜息を吐く彼女に。最早英雄も巨悪も映らないモニタの前で項垂れるナイトアイが一つの違和感を覚え口に出す。

 

「ならば何故あの日チェンソーマンはタルタロスに送られ、今日オールマイトを乗っ取って暴れているんだ?」

 

何処か諦めの追いついた溜め息のような疑問の言葉にはオールマイトとの付き合いの長さからか、最後の言葉に籠められた悲壮な決意を感じた故か先の見えない絶望が滲んでいた。

 

それともあの日、オールマイトがチェンソーマンを斃してから一切彼の未来が見えなくなった時から心の奥底に染み付いていた物が溢れ出しただけなのか。

 

「オールマイトはチェンソーマンを恐れず、チェンソーマンに匹敵し、チェンソーマンと手を取り合った故にチェンソーマンを殺せた」

 

そんな絶望を苗床に花が咲く様に赤髪の女は微笑む。

 

「恐怖を糧に無限に強くなるチェンソーマンは反して言えば強い故に他者から向けられる恐怖以外の感情を知らなかった」

 

まるで喜劇の顛末を語る様に語る女にナイトアイは。

 

「要はオールマイトは本当にヒーローだったからこそ…」

 

 

 

「AFOのシナリオ通りチェンソーマンを殺せたの」

 

悪魔を見た。




戦闘シーンに関しては作者の文才の無さ故にチェンソーマンの圧倒的過ぎる強さの表現が困難な為にぶつ切りダイジェストにする筈が何か更によくわからなくなってしまった。

多分後々推敲及び添削で大幅に変わります。
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