ギアス世界に転生!! ……って神様のばらまいたEX-ARMのせいでメチャクチャなんだけど 作:ナナシのG愛好家
「……何が……起きているの……!?」
ボクは、思わずそう呟いてしまった。だってそうだ
おびえる金髪の男を抱える包帯で肌を隠したフードの女の子。その女の子に向かって
そう。ここは神聖ブリタニア帝国総督専用の指揮車。G-1ベースのブリッジ。おびえる男はクロヴィス・ラ・ブリタニア。そう、本来ここで死ぬはずだった男だ。
「そりゃぁ、こっちが聞きたいね。」
サムライ風の男が、ボクにそう言う。
「気を付けてくださいクレイヴ。そろそろEX-ARMの攻撃が来ます。」
「おう。」
フードの女の子にクレイヴと呼ばれたサムライ風の男は女の子にそう答えた。フードから覗く女の子の右目は、「3」の文字が記された機械でおおわれている。
「どうしてこんなことに……!」
そう毒づきながら、私はEX-ARM №11の能力である『電磁パルスによる重力操作』を発動してクロヴィス達三人に限り、重力を反転させる。
「くおっ!?」
「ヒッ!」
「クロヴィス様!」
空中で体をひねって、刀を杖代わりに天井に着きたてて衝撃を殺したクレイヴ。浮いたクロヴィスが天井に叩きつけられる前に机を蹴って加速して空中でクロヴィスを抱えて着地する女の子。ネコか何かか……。
「そこ!」
「シッ!」
隙と見たルルーシュが拳銃を撃つが、フードの少女が太もものホルスターから引き抜いたリボルバーで弾丸を撃って弾いた。
「チッ、」
ルルーシュが舌打ちする。
「す、すまないアルル。」
「問題ありませんクロヴィス様。」
アルル。と呼ばれたフードの女の子はそう答える。クロヴィスはルルーシュに顔を向けて、
「な、何故だルルーシュ!! なぜ、私に銃を向けるのだ!! 私は、私は、お前を見殺しにしたイレヴンを恨んで、これはお前が私に与えた、あのチェスの続きだと思って、ここまで来たというのに……。」
そう声を出すクロヴィスを、ルルーシュは冷ややかな瞳で見つめる。
「……私が日本人を恨んでいる、とでも? つくづく政治に向かない方だ。兄上。」
「何……だって?」
啞然とするクロヴィス。本来なら、ルルーシュがこんな言葉をかけることも、クロヴィスがこんな言葉を言うことも無かった。ボクは
そんなボクにも分かる。この異常事態の大本は、アルルという女の子の右目に、ボクの左腕についている機械、EX-ARMが原因だと。
なぜこんなことになったのか。それは遡ること15年5ヶ月7日間と5時間ほど前、ボクが死に、この世界に生まれたその日にある。
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「ここは……。」
ボクが目覚めたのは、何もない白い空間だった。立っているはずだけど、床なんてない気がする。どこまでも続いているようで、須吾底に壁があるようにも見える、不思議な一面真っ白な空間。
「ボク、何をしてたんだっけ…………。」
ぼーっとする頭を押さえて、そう呟く。そもそも『ボク
「ボクは、そう。ボクは泉 亮介。日本人で15歳。高校一年生。」
だんだん頭がはっきりしてきた。高校には通ってない。ボクは、確か、
「そう。あなたは病のせいで床に伏していた。」
「誰?」
声のした方を振り返ると、漫画や壁画でしか見たことが無いような、白を基調とした衣服を着た女の人が歩いてきた。
「
そう。ボクは長く生きられなかった……。AIDS。俗に言う性病のせいで。
「そう。あなたは死んでしまったのですよ。哀れにも、悲しくも、運命には抗えなかったのです。」
「……運命、か。」
何故だかわからないけど、その運命っていう言葉は、ちょっと嫌な感じがした。
「でも、おめでとうございます!」
「え?」
その人は、パチパチと私に向けて手を叩いた。それにボクは唖然とする。
「幸運なことに、貴方は生まれ変わりの権利を得たのです。勿論五体満足。生まれ持った病気などのない健康な体で。」
「生まれ、変わり。」
凄く、魅力的な響きに聞こえた。また、会えるのかもしれないと思えた。
「あ~、何を期待しているのか知りませんけど、」
でも、そこから続く言葉は、どこまでも残酷だった。
「
「え?」
元の……世界? それってどういう
「あなたが生まれ変わる先は、貴方の暮らす世界とは文明も常識も違う世界。そんな異世界に出向いてもらうのです。俗にいう、異世界転生って奴ですね。おめでとうございます!! あなたが小説の主人公ですよ!!」
そう言ってクラッカーを鳴らすその人の言葉が、急激に冷えていく。そっか、やっぱり会えないんだ。
「ま、右も左もわからない世界で苦労するかもしれませんが、でも安心。あなたには特典を選ぶ権利が」
「いらない。」
「へ?」
気が付いたら、そう口に出していた。でも問題ない。これが僕の本心だ。
「いいんですか? どんな願いでも叶うんですよ? 俺TUEE!!も出来ますし、その世界を思うがままに支配することだって」
「興味ない。」
女の人が耳を疑うかのように聞いてくるけど、ボクの答えは変わらない。
「な、何故? 特典を断るなんて前代未聞!! そもそも、右も左もわからない他の世界に生まれ変わるんですよ!?」
狼狽えたように女の人が言ってくる。たしかにそっちから見たらありえないのかもしれないけど、
「だって、ボクが行く世界って、別世界なんでしょ? そこに自分だけ特別な物を持っていくなんてズルいし、いきなりそんなところに放り込まれるだけでもムカつくのに、そこでズルを提案されるなんてのもムカつくし、それに、」
ボクは、
「お母さんを悪く言うような人は、大嫌いだから。」
ちょっと声色が低くなってるとはボクも思う。ひょっとしたら、睨みつけてもいるかもしれなかった。
「おお、怖い怖い。しかし、困りましたねぇ。」
だけど、全く怖がってなさそうにこいつは言った。
「しかし、転生者には転生特典を授けるのが決まり。そういう事でしたら仕方がありません。私の方で、特典を用意させていただきます。」
「え?」
そう言うと、グイグイと僕のことを押してくる。
「え、ちょ、ちょっと!!」
「そちらが選ばないのでしたら仕方ありませんよねぇ? お任せください。世界にピッタリのを選んで差し上げます!!」
「ま、待ってよ!!」
後ろの方に光の輪っかみたいのが見えた。
「ささ、それをくぐったらあなたはめでたく転生ですので!!」
「まっ」
「あなたが悪いんですよ?」
「ッ!!」
その時聞いた声は、恐ろしく冷えていた。
「わざわざ厚意で哀れな死を遂げたあなたに快適な人生を用意してあげるというのに、それを無碍にするだけでなく、神様に嫌いだなんて、無礼もいいところです。せいぜい後悔してくださいね?」
それだけ言うと、すぐに明るい顔に戻って、
「それでは、第二の人生を!!」
「う、うわあぁぁ!?」
そう言って光の輪っかに放り込まれた。
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そして、ボクはここ、エリア11のトウキョウ租界に、ブリタニアの貴族レナート家の嫡男、キオ・レナートとしている。
エリア11。それは、人型起動兵器
「はぁ、嫌になっちゃうな。」
ボクはこの世界を知っている。ブリタニアの皇族でありながら、母を殺され、弱肉強食を国是とする帝国の国是に見捨てられ、ブリタニアを恨む青年、ルルーシュ・ランペルージことルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが帝国に人の精神に働き続ける不思議な力、ギアスを使って反逆する物語、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の世界だ。
「はた迷惑な神様のせいでメチャクチャだよ。」
そう呟く原因は、ボクの右手にある。ボクの右腕にはまっている、11の番号が掘られた機械。EX-ARMだ。
EX-ARM それは『EX-ARM』というタイトルの漫画に登場する、世界に全部で30機存在するという設定の、物理法則を無視したすさまじい能力を持つ超兵器だ。そして、その殆どが、金属の分子運動を利用して熱を発生させたり、高周波ブレードを生み出したり、全世界に自在にハッキング出来たりと、一つあるだけでやり方次第じゃ国も滅ぼせる暴力的な物で出来上がってる。
「何でボクが持たされるのが№11なのさ。」
EX-ARMは有名じゃない。漫画は人気だけど、アニメのクオリティがあまりに低すぎて大炎上を起こしたから、壱話目を見て離れた人もほとんどだ。
そんなEX-ARMの中でも飛び切り強力でイカれてるのが、右腕に装着するタイプのEX-ARM№11
その能力は電磁パルスを利用した『重力操作』。原作ではこれを利用して小さなブラックホールをいくつも発生させて『東京テロ』を起こして日本を滅茶苦茶にした。
エネルギー消費がバカにならなくて、エネルギー増幅機構である№12がないと連続使用が出来ないし範囲も限られてるけど、それでもブラックホールを生み出せる時点でどうかしてる。
「は~あ。それにしても、『今日』になっちゃったか~。」
携帯を見てみれば、ニュースがやってる。曰く、東京で日本開放を謡うレジスタンスによるテロが発生して、毒ガスがばらまかれたらしい。
「嫌になっちゃうよ、責任を押し付けてさ。ねぇ、クロヴィス総督閣下。」
このエリア11を納める総督、それがブリタニア第三皇子クロヴィス・ラ・ブリタニア。政治に向かない芸術家気質の人間で、租界に住むブリタニア人の為に民を盛り上げるイベントとかを計画するのは得意だけど、政治や軍事は点で駄目。だからこのエリア11には賄賂が横行して政治が腐ってる。
今回の騒動も、実際にレジスタンスが行ったのはクロヴィスの研究機関からある物を盗み出したこと。そして、盗み出した物って言うのが、精神に干渉できる摩訶不思議な力、『ギアス』を授けることのできる不老不死の人間、『コード保持者』のC.C。それが入ったカプセルだ。
それをもってレジスタンスが日本人たちの住処、ゲットーの一つシンジュクゲットーに逃げ込んだ。だからクロヴィスは、それを取り戻すためにゲットーのレジスタンスを殲滅しようとした。
「嫌になっちゃうよ。」
気に入らないんだ。そうやって、嘘をついて、民をだまして悪いのはレジスタンスだって言って、平然と踏みにじるの。ゲットーには無関係な人たちも居るのに。その人たちに被害がいかないわけがないのに。
「でも、悪い人じゃないんらしいんだよね。」
ボクはルルーシュのアニメについて、原作1期の前半くらいしか知らない。設定もほとんど知らない。でも、彼
が熱く語ってた。
クロヴィスは主人公のルルーシュとよく遊んでいた兄で、政治や軍事には向かない優しい人だったらしい。
「とりあえず、この状況を止めよう。」
原作一話。ルルーシュが初めてブリタニアに抗う第一歩。どうせ転生したんなら、この世界に巻き込まれてやろうと、ボクは一歩を踏み出した。