GVSウィッチーズ   作:つヴぁるnet

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投稿を開始してもう二か月が経つのか…
はやっ…

ではどうぞ


第18話

 

 

「んあー、これはまたガタが来てるな」

 

「ある程度は丁寧に扱ったぞ?」

 

「そりゃ中身はそこまで多く無いからな。必要パーツも少ないため仮に損傷を起こしても内部の破損箇所が増えない。あと複雑な関節も陸系の戦闘脚で幾らでも代用できる。正規の整備兵でない非軍人でも修理ならできる設計だ。改修をするならまた話は別だが…」

 

「なるほど。でも改修はしなくても俺のユニットに関してはオーバーテクノロジーだろ?」

 

「そうだな。そもそもジェットタイプのストライカーユニットが頓挫した理由は時代の先取りを目指しすぎた結果だ。まず兵器にはその時に見合った運用や管理環境、次にそれ相応の使用者(ウィッチ)が必要だ。しかし誰もコレを操れない現状として計画はお蔵入り。その時が訪れるまで眠っていたが、そこにお前さんが現れてコイツを思い出した」

 

 

ユニットの外装を戻し、ボルトを回しながらテキパキと作業するハッパさんは続ける。

 

 

「戦技研究の武官だった北郷少佐から得た空戦のノウハウ。ジェットタイプに適応した特別な魔法力。あとお前さん自身の戦闘センスの高さがコイツを乗りこなした。そしてなにより黒数強夏って存在が高いシンクロ率を持ってこのユニットの性能に追いついた。ドンピシャって奴さ」

 

「それはハッパさんが完璧に作り上げたお陰だろ?」

 

「設計図と計画書は完成してたんだよ。作るだけならエンジニアの資格を持ってる物好きなら誰でも可能だ。いいか?この話の注目するべき点はお前さんが()()()()()()って話だよ。オレは今でも覚えてるからな?病院服のお前さんが突然やって来て、訓練も調整も無しにぶっつけ本番で動かしたにも関わらずコイツで空を飛びやがったところを」

 

「ひ、必死だっただけだし…」

 

「あのなぁ… 赤城の航海中で北郷少佐からある程度の魔法訓練を受けたと言ってたがよ、普通なら航空ウィッチってのは半年近くの飛行訓練が絶対だぞ?それをぶっつけで乗りこなすとか普通に考えてどうかしてる。頓挫した計画だから当然ながら飛行試験なんて行ってない。つまりコイツのマニュアルなんざ一つも作成されてない。しかしお前さんは一人目の稼働者として飛びやがった。それも全て感覚でやりきった。ネウロイも落とした。すごいことしたのは分かる。だが同時に思う。お前さんってすげー馬鹿なんか?」

 

「褒めてんのかわかんねぇなコレ」

 

「どっちもだ。整備士からしたら『やってくれやがったな』の感情と『やってしまったのか』の感情だ。それにお前さん分かってるな?それがどう言うことかを」

 

「目立ち過ぎたとは思ってる。でもそれに関しては遅かれ早かれだと前にも言った。そんな訳だからむしろ前線での活躍を重ねることで世界に名を広める方向性に切り替えた。そしたら充分な牽制になったよ。第十二航空隊に黒数強夏ありってな。すると世間から『願那夢』って大層な三文字を貰ったりと誤算が発生したが、結果的にプロパガンダとして成功に収めれたので良かったわ」

 

「扶桑にも届いてるぜ?北郷部隊を支える大黒柱、もしくは魔女(ウィッチ)を支える黒き彗星(願い星)、その名を彗星の魔女ってな」

 

「俺は男だよ」

 

 

 

カミーユの気持ちがわかった気がする。

 

女に間違われるのは辛いところあるなこれは。

 

 

「だがそれだけ有名だと男性ウィッチってだけでも大変じゃねーのか?正直戦果だけ与えられても満足しない軍属は居ると思うが…」

 

「実際にあったぞ?扶桑からも、扶桑以外からも政略結婚を目論んでくる奴が現れた。その遺伝子を寄越せってな。そしたら女子は選びたい放題だってよ。まあ頷いだことは無いし、今後一切頷くこともないが」

 

「入れ込み具合からしてお前さんならまぁそうなるだろうな。てか黒数の人事権は北郷少佐が全て掌握している状態だっけか?こうして考えるとお前さんはかなり自由の効く身だが事実上だと人権や権利を全て北郷に委ねてる状態だ。言いたくはないが表面上の扱い、奴隷だな…」

 

「強ち間違いじゃないぞ?まず宮藤博士の使用人って肩書だったけど軍では非公認な人間で、しかも扶桑に住民登録の無い世捨て人。その時点で俺に人権ないだろ。そこで北郷に拾われたから、黒数って生き物は北郷の所有物って事でまかり通るんだよ。多分な」

 

「そこは少佐権限として押し通したんだろ。てかどれだけ身元を掌握されてんだよ。改めてお前さんの境遇を言葉にすると冗談にならねぇな。とんでもないぜ」

 

「知ってる。なので俺を縛ることは不可能だ。俺を動かせるのは俺自身と北郷だけだな」

 

「ああ、そうかい。お前さんがあまり気にして無いなら何も言うことがないが……なんかなぁ…」

 

「まぁ扱いが人間じゃないって言うならもう既に手遅れだよ。既に願那夢って大層な売り文句がこの体に付いてるし。てかこの時代はなにかとカッコ良さそうな異名付けたがるよな?暇なんか?」

 

「それがプロパガンダ」

 

 

 

希望を抱く人類の心の拠り所だろう。

 

そもそもウィッチってのが世界のヒーローだからそうなるのも普通なんだろう。これに航空ウィッチとして空を飛んでるなら尚更だ。

 

穴拭智子も『扶桑海の電光』とか呼ばれて人々の希望になっている。

 

この時代で異名は必要なことなんだろう。

 

 

 

「よし!コレで改修は完了だな!あとは先進した計画書に合わせて設定すればこのユニットはもっと良くなる。さーて、この結果がどうなるかはエンジニアとして楽しみだな」

 

「相変わらず仕事が早い。てかこんなに早く改修が済むならこれならもっと早く呼んでくれても良かったのでは?明後日から12月で真冬到来だぞ。連絡船が航海不能になる前にウラルに戻っておきたいんだけど」

 

「扶桑の船は冬海に強いから心配ねぇよ」

 

「普通に寒いから嫌なんだけどなぁ…」

 

 

 

あ、言い忘れてた。

 

俺、実は『舞鶴市』にいる。

 

二日前にウラルから扶桑に帰ってきた。

 

 

経緯としては二週間前にハッパさんから文が届いたところから始まる。

 

ストライクユニットのメンテナンスと合わせてユニットの改修を行いたから扶桑まで戻って来て欲しい、との事だった。

 

普通ならユニットだけ送れば良いはずだが、俺の場合そうは行かない。

 

理由は簡単。

 

ジェットタイプのストライカーユニットを動かせるテストパイロットウィッチが存在しないからである。

 

これはなんでもそうだが、改修した兵器ってのは実戦で問題なく使えるかを確かめるため試運転ってのが必要不可欠である。これはどの時代になっても変わらない。それが兵器開発。

 

しかしストライクユニットを動かせるのが現状として俺一人だけである。なのでウラルから扶桑に戻ってくる必要があった。そしていま懐かしの舞鶴市でハッパさんのところにいる訳。

 

 

あ、もちろん赤城に乗って帰ってきたぞ?

懐かしの顔も会ってきた。

 

それから前に使わせてもらった部屋を使って寝泊まりした。

 

しかし俺一人だけなので部屋が広い気がした。

少しだけ寂しく感じたのは気のせいだろうか。

 

いつも起きたら奥の布団には…

 

いや、思い出すのはやめておこう。

 

そもそも同室ってのがおかしい。

 

 

 

 

「黒数、飛べるな?」

 

「え?もう飛べるのか?」

 

「何度も言ってるがこのユニットは他のユニットと違って必要パーツが少ないんだよ。黒数一人で自己完結してるからな。だから半分以上は中身を取り替えるだけで終わる」

 

「赤城にいた時間の方が長いなコレは…」

 

「正直お前さんのいたウラルにそのままぶん投げて任せても良かったけど流石に微調整の一つや二つは必要だろ?改修やったけど全然動きませんでしたじゃ笑えねぇからな」

 

「まあ、それはそうだが……なんか拍子抜けだな」

 

「ここからが大事っての。とりあえずとっとと履いて空を飛ぶんだ」

 

 

 

言われたとおりに履いた。

 

いつも通りするりと異空間に足が入り込む。

 

ハッパさんが合図したタイミングで魔法力を注ぐ。

 

すると今までよりも通りが良かった。

 

それも、劇的に違う。

 

 

「お、おおお、おうぇぇえ!?!?」

 

「おお、良いじゃねーか。見たところかなり軽そうだ」

 

「マジで軽っ!なんだこれ!?」

 

「簡単に言えばパイプを大きくして詰まりを減らしたイメージだ。あと内側もかなり丈夫になったから暴力的な魔力行使にもある程度耐えれる状態になってる。制御システムも進化してるから無駄なく魔法力を浸透させて飛べるはずだ。だからといってあまり乱暴にするなよ?バケツひっくり返したようになるからな」

 

「未だにバケツ野郎扱いで涙出ますよ…」

 

「じゃああとは自由に飛んでくれ」

 

「雑だな!? てか、微調整良いのかよ?」

 

「今のところデフォルトでピッタリだ。ユニットの細かな違和感に関してはお前さん自身で違和感を確かめろ。少し左右にズレるとか、圧迫感があるのか、些細なことで良い」

 

「だとしてもこんな寒い時に呼ばなくても良いだろうに…」

 

「どうせユニット履けば魔法力で防護されで寒くないだろ?文句言わず行ってこい」

 

「はいはい。あ、それで、どのくらい飛べば良い?」

 

「燃料無くなるまでは飛んでこい」

 

「…あー、それこそどのくらい?」

 

「まあ少し燃料入れ過ぎたからな。まあそうだな。軽く……1時間くらいだな」

 

「長いわ!軽くないわ!」

 

「だとしたも最終的にそのユニットは黒数の魔法力で浸透させる必要があるからこのタイミングで充分に慣らしてこい。じゃ、お前さんが帰ってくるそれまでオレは飯にでもするよ。とっとと行ってこい」

 

「うわっ、酷っ!?へ、へー、なら良いぜ。そんなことなら俺もこのまま飯食べに行ってくるから」

 

「…んあ?なんだって?」

 

「いまから蕎麦食ってくるって言ったんだよ!」

 

「お、おい!?」

 

 

 

ハッパさんを無視して前進する。

 

あの時とは違い焦燥感も何もない。

 

彗星のごとく格納庫から飛び出した。

 

舞鶴の空は久しぶりに俺を歓迎したようだ。

 

 

 

 

 

 

「あー、今日蕎麦屋……閉まってるぞ??って、もうあんなに小さくなったか…やれやれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし舞鶴の海空も懐かしいな」

 

 

 

彗星の如く格納庫を出て数十秒。

 

既に飛行場から遠く離れた。

 

あとハッパさんがなんか言った気がするが…

まぁそれは後で聞けばいいだろう。

 

 

俺は舞鶴の海をスレスレに背中でなぞりながら冬空を見上げる。

 

吐く息は白い。

 

 

 

「そういや『約束』はこの辺りか…」

 

 

 

ビームシールドでネウロイ切り裂いた時、初めて彼女との約束を果たせた気がする。

 

病院服の上からミリタリージャケットを羽織った姿で登場したけど、あの時の俺の姿は彼女の眼にどう映ったのだろうか?

 

少しは頼もしく思えてくれたか?

 

それとも怒ってたかな?

 

ヒーローでもない癖に遅れて登場した悪い大人だったかもしれない。

 

 

 

「てか改めて考えるといまから一時間も飛ぶのかよ。流石に休憩しながら飛べってことだろうけどそれでも長いな。指定限界まで飛ぼうかな?それなら燃料も一気に消費できるだろうし。あー、でもあまり飛びすぎると次は軍がうるさくなりそうだな。 しかし舞鶴の海ってこんなに狭かったか?」

 

 

 

狭くはないはず。

 

ただ俺が飛べるようになったから。

 

小さな子供はいつしか砂場を出てブランコや滑り台で遊ぶようになり、砂場がどれだけ狭いお城の中だったのかを知るようになる。

 

俺も気づいたら砂遊び程度で終わらずに今はそれ以上をこの翼で羽ばたいた。

 

その結果が、狭く感じる舞鶴の海域。

 

もうすぐそこだ。

 

ここから先は扶桑海。

 

軍船がウラルやスオムスに行き来する。

 

 

 

「?」

 

 

 

すると一隻の軍船を見つけた。

 

この位置では小さく見えるが扶桑の船ってのはわかる。

 

さて、アレはなんだろう?

 

そこまで艦船は詳しくないんだよなぁ。

 

名前とか聞けばある程度わかるけど。

 

てか、あの船。

 

こっちに来て………いないよな。

 

気のせいか。

 

でもなんか視線的なのを感じるな…

 

これも気のせいか?

 

てかここら辺は防衛領域か?

 

前と比べて随分と狭まったな。

 

そんなにネウロイ近くに現れてるのかよ。

 

さて、あまり邪魔はできないな。

 

これ以上は進行しない方が良いだろう。

 

このあたりで引き返し………んん?

 

 

 

「なんだ?発光信号…か?」

 

 

 

 

俺は一度後ろを見る。

 

しかし船がいない。

 

つまりこれは俺に向けての光か?

 

 

 

ピッ、ピッ、ピッ

ピー、ピー、ピー

ピッ、ピッ、ピッ

 

 

 

 

「………」

 

 

 

んんー

 

んんー

 

うん。

 

あかん。

 

わからん。

 

太すぎるっ『ピッ!』しかわかんねぇ。

 

クッソどうでもよい知識が先行してやがる。

 

もちろん閃光だけに。ははは、ワロス。

 

お腹減ったなぁ…

 

 

 

「とりあえず近づいて訪ねるか?俺に向けてるなら…え?」

 

 

 

黒い煙?

 

緩んでいた空気が一気に引き締まる。

 

俺は体を起こして目を凝らす。

 

 

 

「!??」

 

 

 

よく見たら艦船から煙が出ていた。

 

なんだ?

 

あれは、なんだ??

 

まさか火災なのか!?

 

何故っ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__お願いッッ、届いてよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッッッ!!!??」

 

 

 

ソレを見て無意識に魔法力を手に巡らせる。

 

無意識というより体が反応した。

 

しかし決定付けたのはひとつだけ。

 

それは黒い装甲の影があったから。

 

つまり、そういう事だ。

 

 

 

「ネウロイッッッ…!!!」

 

 

 

憎悪を込めて異空間からバーサスの武装を取り出すとそれを両手に持って、一気にブーストダッシュを行い発光信号を飛ばした船に近づきながらスコープを覗く。

 

 

あと、今になって思い出した。

 

見たことあるし、聞いたことある。

 

 

 

 

ピッ、ピッ、ピッ

ピー、ピー、ピー

ピッ、ピッ、ピッ

 

 

 

 

それは『S O S』ってこと。

 

それから『声が届いた』ってことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、ぅぐ…」

 

 

爆発に意識が持っていかれそうになる。

 

歯を食いしばり、立ち上がる。

 

 

 

「新藤隊長!大丈夫ですか!?」

 

「な、なんとか……」

 

 

 

突如、急接近してきた厄災。

 

ネウロイ接近の警報も間に合わない速度で接敵するとビームを放ってきた。

 

そしてそのビームは翔鶴の格納庫に直接的な打撃を与えて、火災を起こした。

 

 

 

「ユニットは…!?ぜ、零戦は…?」

 

「片方だけ回収できましたが、残りは予備のパーツごと破壊されてしまいました…」

 

「なっ…」

 

「…」

 

 

なんてことだ、ウィッチの意味を奪われた。

 

 

 

「いま扶桑に援軍を呼んでます!しかしそれまでこの船が持つかわかりません…」

 

「武器を拾え!ウィッチは甲板からでも戦える!」

 

「!」

 

「急げ!船を守るんだ!」

 

 

 

まだ動けるウィッチを集めて、痛む体に鞭を打ちながら床に落ちている機関銃を握りしめる。

 

焼ける香り。

 

既に被害は出ている。

 

その厄災を止めるべく甲板に出る。

 

その先にはネウロイのビームによって薙ぎ払われる兵の姿だった。

 

 

 

「ぐあっっ!」

 

「がぁぁぁあ!!」

 

「ぐっ!?ぁ、がぁぁ…ごほっ…」

 

 

 

シールドも張れない兵士達。

 

それでも果敢に挑むみ、だが容易く薙ぎ払われる。

 

無惨に手痛く返され、甲板を赤く染めた。

 

 

 

「ウィッチ達はシールドを張りながら救出を!これ以上犠牲者を出させないで!」

 

「「はい!!」」

 

 

 

「あぁ…ぁぁぁ」

 

「ちくしょう……ちくしょう…」

 

「ネウロイめ……あの、ハリネズミが…ぁ!」

 

 

 

血を流す兵士達をまだ動けるウィッチや救護兵が救出して、私はその間に機関銃を持って甲板から射撃を行う。

 

少しでも注意を引いてシールドで防げばこの翔鶴が落ちる前に援軍が来るはずだ。

 

 

 

「キィィィ!!」

 

「!?」

 

 

 

鋭いビームが襲いかかる。

 

最初の一撃は防いだ。

 

だが続けて放たれるビームは違った。

 

シールドが緩んだ瞬間に重ねてきた。

 

 

 

「きゃぁぁあ!」

 

「隊長!?」

 

 

 

頬を熱が掠めて、手の甲に血が流れ落ちる。

 

その間にネウロイは真上を通過して回り込むと誰も防衛が追いつかない方面からビームが放たれて幾つかの連絡路が破壊された。

 

中には海の中に落とされる兵士まで。

 

 

 

「ぁぁ、うそ…嘘っ!………ッッッ!!」

 

 

 

隊長として周りを不安にさせないため、あまり出さないはずの悲壮感を思わず口から出してしまい、そんな自分が情けなく感じたから歯を食いしばって立ち上がる。

 

周りを見渡す。

 

損傷は大きく、これ以上の打撃は危険。

 

修理が追いつかなくなり、沈んでしまう。

 

翔鶴に乗員してるウィッチは私含めて4名。

 

しかしユニットは全て………破壊された。

 

……残った零戦の片足で飛ぶ?

 

できたとしてもアレにどうやって戦う???

 

対抗策はない。

 

できるのは援軍を待つだけ。

 

でも、それで、助かるのか??

 

っ…

 

し、指揮官として…

 

隊長としてできる事は…??

 

 

 

「キィィィィィィ!」

 

「っ、固有魔法!」

 

 

 

使ったのは『三次元空間把握能力』

 

ネウロイを捉えるために特化した能力。

 

しかし無意味だ。

 

こんな機関銃で落とせるわけがない。

 

先ほど弾かれたところを見た。

 

もう今のネウロイはそれだけ装甲が強い。

 

でも、今はそれでいい!

 

数秒でも注意を引くんだ!

 

援軍が来るまで持ち堪えれる!

 

そうでなくてはこの翔鶴は…!

 

この翔鶴に乗っている人たちは……!!

 

なんとしても!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Z___________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぇ?」

 

 

 

 

何かが、捉えた。

 

翔鶴の遠くで、ナニカを、捉えた。

 

それは、異端な魔法力。

 

ネウロイではない異質なナニカを。

 

私はその方角を見る。

 

そこには、誰かがいる気がした。

 

ウィッチか?

 

それともネウロイか?

 

いや、もうこの際、奇跡でも、なんでもいい。

 

どうかこの翔鶴を、人々を助けてほしい。

 

 

 

「これで、たのむ、光を、見てくれ…!」

 

 

 

甲板に飾られていた照明。

 

今は昼だが、天候の暗い冬。

 

光の一つや二つは届くはず。

 

 

頼む、届けッッ

 

届いてくれ、頼む!

 

頼むッ!!

 

お願いッッ、届いてよ!!

 

 

 

 

 

キィィィィィィィィィィィ!!!!

 

 

 

 

 

しかし、私に届いたのは絶望の音。

 

人類を葬ろうとする厄災の光。

 

それはあまりにも無慈悲に思えた。

 

 

ああ……

 

間に合わない。

 

 

固有魔法を使って魔法力が弱まっているから。

 

なんとか展開しても薄いシールド。

 

それを張ったところでビームは防げない。

 

赤い光が、最後の光景に……

 

 

 

 

 

『やらせるかよ』

 

 

 

 

 

刹那____一つの閃光が疾った。

 

誰もが気づかない程の速さで通り過ぎる。

 

唯一、私だけが見えていたらしい。

 

周りの人たちは何が起きたのか理解してない。

 

そして把握もしていない。

 

今こうしてネウロイの装甲を砕けたことも。

 

しかしこれだけは…

 

 

誰もが、耳に届いたぞ。

 

 

 

 

 

 

 

届いたぞ、声

 

 

 

 

 

 

まるで願いを叶える、流れ星。

 

彗星の如く、人類の願いがココに現れた。

 

 

 

 

 

 

つづく

 






まーたこの人ピンチに駆けつけて助けてるよ。
北郷と扶桑の脳を焼き続ける男。それがこの人。

ちなみにこの後はネウロイをしっかりボコボコにして翔鶴の乗組員を救いましたとさ、めでたしめでたし。


ではまた

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