GVSウィッチーズ   作:つヴぁるnet

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__君は、生き残ることができるか?


《追加》
日間ランキング載ってるせいなのか急にUAアクセス数が増えたな…
こわいなぁ…戸締まりしとこ。
「最後の扉がぁ!」

ではどうぞ


第25話

 

 

 

「すぅ…すぅぅ………ぅん……ん、ん?あれ?」

 

「お?目を覚ました?」

 

「あれ?…わたし……寝て…」

 

「おはよう犬房伍長。本当は既にこんにちはの時間だけどね。ともかく前夜の夜間哨戒の方はご苦労様。よく頑張ったわ」

 

「あ、はい。ありがとうございます、加東中尉。それで、わたしは確か夜間哨戒に出て、それから、ええと…」

 

「遠征からとんぼ返り、爆撃された基地の瓦礫の撤去作業、その後は睡眠も取らず夜間哨戒へ直行したりと色々あって疲労が溜まり、その後は抱えられて帰ってきたけど気絶するように眠っていたわ。ともかくその日の出来事は()から色々聞いたよ」

 

「彼…?…………ああ!!!」

 

「思い出したようね。しかしそれにしても夜明けに伍長を抱えて戻ってきた時は驚いたわよ。まさか夜間哨戒中に北郷部隊の黒数准尉と出会っていたなんてね。しかも木々に擬態した新型ネウロイから助けて貰ったらしく… いやほんとあの基地から別れた後も相変わらずのヒーロームーブするのね、あの願那夢は。しかもさりげなく情報提供までする始末。その上かなり重要な情報を貰い受けて上層部は大慌てよ」

 

「情報、提供?」

 

「簡単に言えば人類の反抗戦よ」

 

 

 

 

 

 

 

春先から急激に強化されたネウロイ。

 

数多くの新型の到来。

 

去年とは打って変わり、ネウロイ討伐に漕ぎ着けることが困難極まっていた状況だった。

 

しかしある夜間哨戒にて、ひとりの男性ウィッチがネウロイの内部にあるコアの存在を明らかにした。

 

さらにそこから連鎖するように翌日のネウロイ襲来にて、魔眼を持つ第十二航空隊のウィッチ坂本美緒がネウロイのコアの存在を暴き、北郷部隊はコアを頼りにコレを撃破すると『ネウロイの(コア)』の存在を戦闘報告書として上層部に報告。

 

すると流れる水は止まらない。それはウラルだけではない国外。激戦区であるカールスラントでもネウロイのコアに関する報告が相次ぎ、特に魔眼持ちのエースウィッチとして有名なアドルフィーネ・ガランドもネウロイのコアの存在が発覚したことを上層部に告げる。まだ北の地でも投下爆撃中のとあるウィッチが雪床に目立って赤く輝くコアを視認したことも報告。

 

北郷少佐と同じ情報が世界で相次いだ。

 

 

それはまるで…

 

今の逼迫した戦況を誰もが終わってほしいことを願った、赤星。

 

それが例え忌まわしいネウロイの体内に存在する心臓だとしても、その眩い光明は人類の一気好転の鍵として応えてくれたように映っても無理なかった。

 

絶望の中に光を求める。

 

それはネウロイに対する皮肉でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁ……あまりにも情けないぞ、俺……」

 

 

 

ストライクウィッチーズは学生時代に見たアニメであり、既に5年以上が経過している。

 

最初はリアルタイムでパンツだから恥ずかしくない理由で空を飛ぶお話として「ウッソだろお前」と笑いながら見ていた程度であり、そこまで深くストライクウィッチーズの作品に浸透してる訳ではない。ウィッチのモチーフとなった史実の人物を扱っていること、架空の敵ネウロイと戦うシナリオは頭に入れていたが、ガンダムほどのめり込むことなく試聴を終えた。

 

そのためストライクウィッチーズや、ウィッチや、ストライカーユニットや、ネウロイといった単語を覚えてる程度で済み、その出典や設定は多く知らない。宮藤芳佳に関しても実際に出会うまでは忘れてたし、宮藤一郎博士もその時に初めてストライクウィッチーズの主人公の父親であることを理解した。

 

あと最近また思い出してきたのは本編の登場人物である『坂本美緒』がアニメストライクウィッチーズの重要人物であることだった。

 

眼帯も付けてるし既視感は強くあった。

 

そのため初めて出会った時から「ん?」とホモ特有の疑わしい眼差しと疑問を投げ掛けてはいたが、竹井醇子と変わらず年相応に随分とおどおどしたその性格や雰囲気からして、やはりコチラも「あ、そっかぁ…」とホモ特有のクソ身勝手な勘違いで終えていた。

 

 

あ、僕はノンケです(自己申告)

 

 

しかし電撃的な形でウラル戦線に身を投じ、厳しい戦闘を繰り返し、段々と逞しくなってくるその姿はやはり勘違いじゃない気がして、少しずつ頭の何処かで引っかかりを覚えて来たある日のことだった。

 

俺は坂本美緒がアニメストライクウィッチーズの登場人物であることを決定付けた瞬間を見かけた。

 

それは…

 

 

 

「はっはっはっはっはっは!!!!」

 

「ふぁ!?くぅーん……ってか、何事だ!?」

 

「美緒ちゃんまた酔っ払ってる!!?」

 

「あー、先生、もしかして…」

 

「うん、どうやらまたあのサイダーを飲んだみたいだね…」

 

 

 

ネウロイのコア発見と人類の反抗戦が決まったその翌日、第十二航空隊は一つの凌ぎを削ったので労わりとして軽く祝う事にしたのだが、その時に港町浦塩から炭酸飲料であるサイダーが届いた。

 

届いたサイダーには果実を発酵させた成分が入ってるため良い香りがするのだが、それはアルコール成分として微量に入っており、アルコールに弱い坂本美緒はコレを飲んで簡単に酔っぱらうと屋根の上で「はっはっは!!私は最強のウィッチになるぞ!!」と豪語していた。

 

普段見られない坂本の姿に関しては面白いものが見られたと思っていたが、北郷の笑い癖よりも強烈な坂本の姿に「(記憶の奥から)頭にきますよ!」とアニメで見たその光景が重なる。

 

やはり坂本美緒の『坂本』ってそういう事なのか?ありきたりな名前を背負ったウィッチではなく本当にあの坂本で良いのか?とトレードマークの眼帯姿もマッチして、そういえば宮藤芳佳もまだ幼かったことを思い出し、そうなると本編のストライクウィッチーズが始まる前の時系列であることを今一度理解しながら、まだ成長途中の彼女達であることを重ねるとその認識は間違いでない事を知った。

 

本当はもっと冷静にこの世界の時系列や歴史を追いかけて情報を整理すれば違和感止まりだった解答にもっと早く行き着いたと思ったが、北郷が俺を准尉にして第十二航空隊の副隊長にしたりと、赤城にいた頃より忙しく日常が駆け巡っていたのでそれどころじゃなかった。

 

しかし今回のことで坂本美緒のことはハッキリとした。

 

そして…

 

 

 

「ネウロイのコアすら忘れてたとか……どれだけ忘却してたんだよ、俺の頭は……」

 

 

ガンダムバーサスの力は強い。

 

大体は当てれば一撃。

 

その力は宇宙世紀。

 

俺専用のストライクユニットも合わせ、この世に存在する黒数強夏だけが何もかも時代の先を行く。

 

自動シールドが使えない代わりにその殲滅力はどのウィッチよりも高く、ネウロイなんてのは基本的に敵じゃない。俺の腕前次第でネウロイは赤子になるか、手を焼く子供になるか、聞き分けのない少年少女になるかの違いで、常にネウロイを葬る人類最大の兵器と化した。故に願那夢といった大層な三文字が与えられて人類の希望にされている。

 

だからガンダムからしたらネウロイなんてのは原作アニメよろしく攻撃を当てればその装甲は容易く貫かれると「綺麗な蝋燭だね!」と空で弾け散ってしまう。

 

その攻撃性はたしかに小型機でも脅威だが、コアが発覚する前の防御性は低い。

 

だから攻撃を当てれば倒せる。

 

本当にそれだけ。

 

つまり弱点ってやらがネウロイにない。

 

そのため『コア』があることを忘れてた。

 

発覚する前は元々コアは無かったけど。

 

 

まあ、結局俺は何を言い訳として述べたいのかをすれば。

 

ガンダムの俺teee(強ええ!)状態だったことが原因だ。

 

もう一度言う。忘れてたのだ。

 

原作に、ネウロイのコアがあることを。

 

コレを覚えていればどこかでコアが無いネウロイに違和感を覚えてなぜコアが無いのかを考えていたはず。それがまだ先の設定(はなし)であることや、もしくはコアを持たない理由がネウロイ側にあるなど、何かしら思考して、もしそれが原作基準としてネウロイのコア持ちが現れても良いように、周りにはうまく理由付けして対策にしていた筈だ。

 

しかも身近に判断材料はあった。

 

幼少期の宮藤芳佳や、部下の坂本美緒。

 

しかしガンダムの俺teee故の慢心。

 

そして忘却。

 

薄っぺらい原作知識だろうと、ストライクウィッチーズのアニメを見ていたらまず覚えてたはずだろう主人公達の脅威(ネウロイ)の重要な設定(じゃくてん)なのに、それをほとんど一撃で屠ってきた俺は自分はガンダムバーサスによって強いと勘違い起こす始末。

 

__俺なんかやっちゃいました??

 

馬鹿野郎。

あまりにも情けなさすぎる。

あたまヘビーアームズ(ピエロ)かよ。

この猿ぅ!

あ ほ く さ。

ほんま(原作知識)つっかえんわぁ…

やめたらこのガンダム(しこど)??

 

 

あー、だめだ。

 

うわぁぁ、ほ、ホモが脳内を練り歩いてる。

 

クッソきたない語録がワシ((20才))に襲いかかる。

 

気を抜いたらいつもこれだよ。

 

ああもう無茶苦茶だよ。

 

 

 

「く、黒数、どうした?」

 

「アレは彗星かな?いや、違うな。だって彗星はもっと。バァーとしているもんな」

 

「黒数っ!?黒数どうした!?」

 

「オウ、マイケルじゃないか。そんな顔をどうしたんだい?なに?ピーナッツに襲われる夢でも見たって?おいおい俺は何度も言ったじゃ無いか。自分の殻を破るのも大事だがピーナッツの殻を破るのも大事だってな」

 

「君がまずどうした!?」

 

 

 

隣から心配される声が聞こえる。

 

あれ?もしかして、北郷?

 

ああ…

彼女にはあまり心配かけたく無いなぁ…

 

 

 

「大丈夫、北郷、おれ、平気、ネウロイ、マルカジリ」

 

「な、なんか目の色怪しいぞ!?つ、疲れてるなら一眠りしたらどうだ?最近は夜間哨戒の任務に出る毎日だ。生活リズムが歪んでるなら無理せずに一度眠__」

 

「北郷」

 

「ッ!…な、なんだい?」

 

 

 

キミは___ああ…

 

そうだな。

 

キミはなんと言うか__こう。

 

 

 

「いつもバタバタと忙しいのに物資もそこまで豊富じゃ無いのに、でもちゃんと毎日身だしなみ整えてさ、しっかり格好を付けてさ、髪も綺麗に伸ばして、無理ない程度に自分を大事にして、模範となる君は本当に皆の隊長で、部下も周りに自慢したい北郷で、それでいて、いつも君は綺麗で、そして素敵な女性だよな…」

 

 

「ななななッッッ〜〜!!!???」

 

 

 

そう、彼女はそれほどの女性。

 

まず俺は自分と同じくらいの年齢を持ったこれほどの人間を見たことない。

 

自己評価が低い彼女だけど、俺は何度でも北郷章香って人間を褒めるし、その人が隊長であることを誇りに思っているし、誰にも文句は言わせない。

 

今もこうして表情が赤………なんで?

 

??

???

 

アレ?ボクなんかやっちゃいました?

 

てか、なんか変なこと言った?

 

彼女の良いところを言って。

 

それで褒めただけよな?

 

んー…???

 

んーんー…

 

うん。

 

ダメだ、考え過ぎで思考が追いつかん。

 

脳内にホモと申年が多すぎて定まらん。

 

でもなんか「ウッキー!」と祝ってくれる。

どうしたん?

なんか悪いものでも食ったか?

 

それよりも脳内のキャパシティーが足りない。

 

ごめん。

 

やはり言われた通りちょっと寝るわ。

 

夜間哨戒もあるし。

 

ふぁぁ…おやすみ。

 

ガチャ。

 

 

 

 

 

「______ぅぁぁぁ!!!

ほ、ほんと…!!

きみはいつもそういうところだ…!!」

 

 

 

戦いに忙しく、ウィッチである以上は青春時代を望めない少女達であり、一人の兵士としてそれを理解してる故にあまり意識をしないが、それでもウィッチである前に少女達はいずれ未来でそうなりたい女性である。

 

だから不意に襲う、意識する相手からの混じりっ気の無い言葉はネウロイの攻撃以上に、魔法シールドさえも容易く突破する。

 

 

 

つまり。

 

クソボケは良い意味で悪い文化である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、相変わらずの夜間哨戒。

 

ナイトウィッチだけでは夜の空が足りずに夜間適性の低いウィッチでも経験があるなら駆り出されるこの頃、今日も俺は夜空を飛ぶ。

 

まあ夜間適正に関しては俺にもほんの少しあったので臨時といえども抜擢された。

 

それと俺に夜間適正が少しほど存在している理由はおそらく孤児院暮らしと生い立ちが関わっているのだろう。今はこうして明るく生きているが幼少期は一気に転落して閉鎖的な暮らしだった。

 

孤独を知った。失意を知った。でも一人願う。

 

それが心の経験として持ち合わせているからナイトウィッチとしての適正が少なからずあったのだろう。

 

これを嬉しがるべきかは微妙なところだが…

 

 

それよりも唐突な昼夜逆転はきついところある。

 

夜ふかしとかは慣れてるが昼を寝て夜は起きる生活するのはまた話が変わり体の時間の違う。

 

寝てるはずの時間で生活するのだ。

しかも夜闇の中での戦闘。

故に毎秒襲う緊張感。

訓練してないと精神面も追いつかない。

 

あとそれから…

 

 

「竹井が不安がってたな…君はもう魔女候補生の頃とは違って充分強いのに」

 

 

これは竹井だけじゃない。第十二航空隊のウィッチ達は俺の不在に対してほんの少しだけ不安を抱いている。ただ俺が不在でも北郷が現隊長として部隊にいるため戦力的にはそこまで不安を抱く必要はないが、北郷曰く精神的柱としての力が大きいためまだ10代前半の娘達にとって俺は必要らしい。

 

たしかに、彼女達はウィッチの前に少女だ。

それはその通りである。あ、北郷もね?

 

ちなみにルーデルのようなのは希少とする。

てか風呂上りだったのはわかるけど…

素っ裸で歩かれたのはマジ驚いたゾ。

思わず目力先輩した。え?恥じらい?

投下爆撃と共に捨ててしまったらしい。

世界平和の前に取り戻すモノあるだろうよ…

 

 

まあ爆撃狂いはともかくとして、昼夜逆転の俺が基本稼働出来ないことに不安抱く第十二航空隊のウィッチ達。そこまで動揺しなくても良いはず。何せ彼女たちは充分に強い。ウィッチとしてのキャリアは第一戦隊の者達に劣るが訓練の濃さは第十二航空隊の方が上である。みんなよく出来る子だ。

 

副隊長として鼻高です。

 

あ、いま飛んでる高度も高いぞ。

 

月の光を強く浴びないとマジで見えない。

 

 

「俺もガンダムのアンテナみたいに魔道針出せないかな?魔法力でビームシールドを形成できるくらいだから会話は出来なくても魔力感知力を高めるくらいは出来る… 訳もないか。そもそもナイトウィッチが天性の賜物だから作ろうと思っても作れないのが普通だな…」

 

 

 

そもそもこの力は貰い物だ。

 

厄災を払うために戦いへと特化した力。

 

俺の場合は宇宙(そら)に思い馳せているからそれがガンダムとして叶えられて今こうなっている…と思う。

 

まあ元々厄災と戦ってきた英雄達の武具が魔法陣に込められていた訳で、そりゃ与えられし力は強力だけど、それってつまり言い方を変えれば戦い以外で役には立たないって事だ。なのでナイトウィッチの真似事は不可能に近いのだろう。

 

ただ魔力変化が可能ならパーフェクトガンダムのアンテナ立てるとかで似たような事は可能になると思うけど… いや残念。

 

パーフェクトガンダムはガンダムバーサスには登場しないのだ。

 

 

「穴拭にも言った通り、どれだけ強大だろうと結局は戦いにしか役に立たない能力だ。これなら幼い頃から軍の人間として世界に貢献している北郷の方が何倍もマシだ。あの人やっぱり凄いよ」

 

 

ぐるぐると体を捻りながら空を飛ぶ。

 

夜空が見えたり、森が見えたり、見える光景を目まぐるしく変えながら固まっていた体をほぐし、すぅぅと息を吐いて、大きく吸う。

 

飽きたら真っ直ぐ飛び、星座を数え、オーバーヒートを起こす前に陸へ降りてブースト回復を行い、その間にビスケットを齧り、また一気に空へと飛翔する。

 

それの繰り返し。それだけ何もない夜空は暇すぎる。夜は鳥も飛んでないのだから暇つぶしに目で追えるモノは何一つ存在しない。

 

やはりナイトウィッチみたいに空で会話できたら良いのだが俺には声を感受する力もないため月明かりだけを頼りに空を飛ぶ。

 

一人に慣れてないと気が狂うわこんなの。

 

ちなみに今日で5日目だ。

 

急な昼夜逆転は未だ慣れない。

 

なんとか無理やり昼は寝ている。

 

でも夜明けは大体うとうとしてる。

 

早く帰って床に眠りつきたい。

 

でもあまり気持ち滅入っても良くない。

 

何かで紛らわせるか、もしくは考えるか。

 

良いことを…

 

そう、何か良いことを考えて…

 

それを原動力に…

 

 

 

 

__おはよう、いつもありがとう。

__無事な姿を見れて何よりだよ。

__急な役割を与えて申し訳ない…

__??……ふふっ、そうか。

__そうだな、君はそんな人だった。

__もうしばらくの辛抱だ、どうか頼む。

__ともかく…

 

 

 

 

 

おかえりなさい、黒数。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、よし、がんばろ」

 

 

 

いつも朝早く迎えてくれる人がいる。

 

朝の鍛錬も兼ねての出迎えだが、朝日の日差しを吸収した艶やかなポニーテールを靡かせながら労わりの声と慈愛に近しい表情を見せてくれる彼女がそこにいる。

 

それは、どの特効薬よりも効き目が強く、眠気も吹き飛ぶほど元気になれる。

 

ならこの時間はどうってことない。

 

俺にはそれ以上の恵みがある。

 

一年戦争のアムロもそうだった。

 

帰れる場所がある。

これほど嬉しい事はない。

 

たしかにその通りだ。

 

なら俺も、帰れる場所に帰え____

 

 

 

ゴゴッ

 

 

 

 

「ッ!!??」

 

 

 

咄嗟に武器を取り出した。

 

強く握りしめたジム・ライフルを正面に構え、背筋に走った威圧感の正体を見る。

 

しかし何も見当たらない。

 

暗くて見えないせいか?

 

いや、今日は月が大きくよく見える。

 

ならネウロイくらい見つけれるはずだ。

 

森の中か?

 

雲の上か?

 

また木に擬態してるのか?

 

だが先ほどドロッとした感覚はなんだ?

 

普通じゃなかった。

 

俺は…

 

なら俺は何に向けて銃口を向けている??

 

 

 

「ここから先は敵陣か…」

 

 

 

あくまで哨戒任務だ。

 

威力偵察を目的としてない。

 

敵が防衛ラインを超えてないかを確認するために哨戒している。

 

もちろん目の前に敵が現れたのなら戦うが、新手を叩くための侵攻はまず軍が決める。

 

だから勝手な侵攻は許されない。

 

下手に刺激してネウロイの大群が基地に襲ってきたらそのまま蹂躙される未来が見える。

 

だから俺は慎重に距離を保ち、しかしジム・ライフルを構え、威圧感を放った先に銃口を向けて息を呑む。

 

そして…

 

俺は目を見開いた。

 

 

 

「ッ!!?」

 

 

 

森の中から突如、四角い箱らしきモノが飛び出す。

 

手のひらサイズの小さな固形物。

 

黒い装甲で形成されたソレはやはりネウロイ。

 

俺はトリガーを引き、それを破壊する。

 

小さいのに良く当たった。

 

そう安堵して、また同じことが起きる。

 

 

 

「なに!?」

 

 

また森の中から箱状の装甲が。

 

しかしそれは一つだけではなかった。

 

また一つ、もう一つ、次々と森の中から箱状の四角いネウロイの装甲が集まり、目の前でナニカを形成している。

 

ソレはまるでデータが集まるように、四角形の粒子が均等にくっつき合い、定められたシステム通りに、ソレを形作る。

 

 

まさか…

 

いや、まさか!

 

 

 

「これも原作(エクバ)と言うのか…!!?」

 

 

 

 

ウラル戦線の空。

 

ネウロイとネウロイが集まり、小さな固形物はいつのまにか『人型』として大きく形成されると、ソレは既視感ある姿へと変える。

 

俺だけが知っている。

 

俺だけしか知らない。

 

そして、思い知る。

 

いや、思い出す。

 

この世界はストライクウィッチーズだけど、俺にとっては画面越しの続きであり、原作には無い設定や要素が混ざり合った、空と宇宙が共にする世界。

 

だから、目の前に現れた『人型』だって、それはおそらく俺が迷い込んだストライクウィッチーズでは起きて当然なんだ。

 

 

 

「!」

 

 

目の前の『ヤツ』は顔を上げる。

 

そして目を薄く光らせる。

 

原作なら、黄色。

 

しかしネウロイの光によって、赤色。

 

だが、形はまさに知っている……ソレ。

 

ネウロイと原作が合わさり絶望の姿をする。

 

黒い鋼鉄がガチャン、動く。

 

分厚いマニピュレーターが存在感を出す。

 

己を象徴するアンテナが俺を威嚇する。

 

まるでガンダムを殺すべくそこに現れたことを知らせるように。

 

 

 

「これが俺に向けられた画面越しの続きとでも言うのかよ!」

 

 

 

ジム・ライフルを片手にビームサーベルを取り出して戦闘体制に入る。

 

目の前のネウロイ……いや、違う。

 

ネウロイによって形作られた__原作。

 

その名は…

 

そいつの、名前は…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RX-0 UNICORN GUNDAM 02 BANSHEE(ユニコーンガンダム2号機バンシィ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

憎悪が込められた機体だった。

 

 

 

つづく

 

 

 







初のモビルスーツ戦にバンシィとかいう鬼畜ゲー
君は300コストで戦えるかな??

あ、モビルスーツ(ネウロイ)は人間より一回り大きいです。


ではまた
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