GVSウィッチーズ   作:つヴぁるnet

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追加(9/11)

ウィルマ・ビショップの情報を変えました。
彼女が本格的に訓練を終えたのは1943年なのか…


ではどうぞ


第49話

 

秋空の中、季節によって日が落ちる時間も早いことを再確認しながらブリタニアの街を見下ろすと何処もかしこも建物から淡い光が溢れており、一つ季節の早いクリスマスのデコレーションのように感じられる。こうしてみると肌寒さを和らげてくれるような暖かな光、暖炉のあるご家庭は冬に向けて試運転中だろうか。

 

そして見下ろしている街から少し視線を逸らせば軍が管理する軍需病棟、そこにはほとんどの時間を眠りに充てて回復に勤しむ友人が一人治療中である。

 

俺は入ることが出来ないから遠くから友人の無事な回復を祈るだけ。

 

代わりに与えてくれたこのストライクユニットを使うことで約束を果たす。

 

望まれし英雄の姿が健在であることを宇宙に刻み続けるために。

 

 

「あっ!彗星だ!」

「見て見て!お母さんっ!」

「あら、今日は英雄様の帰還かしらね」

 

 

空に指差す子供達とそれに釣られて空を見上げる大人達の視線、それと声。

 

これらは直接聞こえた訳でもなく、目を合わせて視認した訳でもないが、戦いを重ねることでニュータイプの真似事が出来てしまうようになった願那夢の俺は人々から送られる矢印がわかってしまう。

 

俺はその期待に応えるようにストライクユニットの出力を上げながらその場で体を捻るように一回転すると、夜闇を描くエーテルの光がペンライトのような芸当を生み出し、自由な流星がブリタニアを照らす。

 

ほんの数秒程度の軽いファンサービスを兼ねた一連の流れをブリタニアの子供達に魅せれば喜ぶような声が聞こえたような気がする。

 

感想もお駄賃も頂くことなく俺はロンドンの夜空を一気に疾り去る。

 

 

「わー!」

「見た!?見たよね!」

「すごーい!すごーーい!」

「見て見て!彗星が回ったよ!!」

「あらあら、声が届いたのかしらね?」

 

 

この夜に運良く、空を瞬かせる彗星に気づいた少数の観客達から届く歓喜を置き去りに、俺は高度を落としてとある()()()のお庭に降り立った。

 

いつ見ても立派な建物だ。

庭も豪華に剪定され、その財力が伺える。

 

無事に到着、もしくは帰還出来たことを喜びながら一息つくとお屋敷の扉が開き、一人の少女が迎えてくれた。

 

 

 

「あ、おかえりになられたんですね」

 

「ただいま。ちびっ子達にはお土産は無しだと伝えてくれ、リネット」

 

 

 

立派なお屋敷。

 

ココは大商人ビショップ家の住まい。

 

何故、俺がこうしてココに降り立ち、そして出迎えられているのか?

 

それは俺がこのビショップ家を『拠点』として使っているからである。

 

 

 

 

 

__あの、でしたら、今日は私の家にお泊まりになられますか?

 

 

 

 

カールスラントに戻る前にブリタニアで適当な宿を探し、そこで一夜過ごす予定だったところにありがたい提案。

 

そうやってホイホイと着いて行った結果。

 

 

__貴方は我が愛する娘の命の恩人、もし欧州でその役割を果たすことが貴方の使命ならば箒の羽休めれる場所は必要な筈。ああ是非この場所でお休まりください。たとえ世界が謳う英雄の願那夢であろうとも貴方の身体は無限ではない、私たちと同じ人間のはず。

 

 

俺は手の甲の訴えに従う使命だけで孤独に欧州の空を飛んでいたが、この戦いを支えてくれるバックアップはひとつも無しに願那夢として身を投じていた。周りからすればいつか身を滅ぼしかねん人類の働きだろう。

 

しかしその意識が浅かった俺はネウロイを討ち滅ぼすのみこの役割に駆けられていた。そのことを理解したビショップ家から俺は大いに心配された。それと同時に過去にリネットをネウロイから命懸けで守ったお礼として、ビショップ家の大きな屋敷を願那夢の拠り所として使えるようにビショップ家は提案した。

 

俺からしたら嬉しい誘いだ。

 

もちろん最初は断ろうとした。

 

しかしビショップ家の押しが強かったのもあって俺は折れてしまう。何よりリネットの強い要望だったから。あとリネットよりもさらに幼いビショップの子供達も押しが強かった。どうやら子供等は願那夢の話をよく聞いており、その本人である俺がブリタニアに現れたら興奮も止まることなく、子供達はそれぞれ俺の両手を掴んで離さなかった。

 

そんなわけで拒む理由も失い、俺はビショップ家の屋敷で部屋を借りることになった。

 

そうやっていつのまにか活動拠点として与えられたビショップ家の屋敷、願那夢としてネウロイを屠る時はこの屋敷にある小さな格納庫からストライクユニットで一気に飛び出し、航続距離の強みを活かして海を越えてはネウロイをサーチ&デストロイする日々だ。

 

そして今日は強めのネウロイの気配を手の甲が感じ取ったので、その訴えに従い海を超えるとネーデルラント海域に中型ネウロイがのさばって飛んでいた。

 

最近また更に伸びが悪くなったコスト上昇だが、少しでも足しにしておこうと考えて中型ネウロイを撃ち落とそうと接敵に乗り出したらカールスラントからウィッチがやってきたので少し離れたところで動機を観察した。さすがカールスラント軍のウィッチと言うべきかネウロイは討伐された。

 

その後は捜索範囲を広めようとバルト海まで足を伸ばして、それから戻ってきた。しかし流石ストライクユニットと言うべきか一日中飛んでいられる。元々それなりの航続距離はあったのだがハッパさんが俺専用に改修すると燃料が増大化すると概ね倍になった。

 

それのお陰で拠点がブリタニアだろうともジェットストライカー特有の飛行速度も相まってカールスラントまで遠く感じない。だから大体は飛んだその日にはブリタニアのロンドンにあるビショップ家まで戻って来れるのだ。しかし本格化した秋は暗くなるのも早いためいつもより早く戻っている。

 

俺自身色々あって拳ひとつ程度に夜間適正が備わっているが好んで空を飛ぼうとは思わない。

 

それに夜は布団で寝たい。

 

それをビショップ家が用意してくれている。

 

お屋敷の使用人がいつも布団を干して綺麗にしてくれるし、風呂も沸かしてくれる。

 

お陰でめっちゃ眠れる。

 

なので非常事態に追われない限りは夜はしっかり休養して、日中は必要とあらば空を飛ぶ。

 

そうやって体は無理していなくて済んでいる。

 

 

「いまちょうど夜ごはんです。ご一緒にいかがですか?」

 

「もちろん頂きたい。すぐに格納庫にユニットを戻して向かうよ」

 

「はい、では使用人にお伝えしますね」

 

「ありがとう」

 

 

 

トテトテと走り去るリネット。

 

願那夢としての活動を献身的に支えようとするリネットに俺は少しだけ苦笑いする。

 

 

 

「まったく、地に降りた時の俺はただの黒数強夏だよ、リネット」

 

 

 

しかし俺の声はリネットに届かない。

 

何故なら賑やかな家庭の声にかき消されてしまうから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう、そのままだ。いいぞ、リネット」

 

「う、ぐぐぐっ!」

 

「よしよし、やるな。じゃあ錘増やすぞ」

 

「ぇ?…ひゅぃぃぃい!!?」

 

「リネットー!頑張れー!ふぁいとー!」

 

 

肌寒さに慣れてきた11月の秋。

 

寒い季節になるとネウロイの動きも鈍り、その活動も減る。

 

そのため夏と比べて比較的出撃回数が減った秋の季節に俺はリネットに時間を設けるとお屋敷の適当な壁に錘を持って彼女を誘い、訓練内容を告げると魔法陣を使わせて壁に張り付かせる。その後は調子に合わせて錘を増やしてリネットを追い込む。

 

 

「うぐぐっ!」

 

 

落ちないように耐えるリネット。

へー、やるなぁ。

 

バルセロナのイリス・モンフォートは結構苦戦していたが、すぐに適応する彼女はかなり優秀だ。

 

そして、その隣ではやや騒がしく応援しているビショップ家の娘が一人いた。

 

 

 

「リネット!ふぁいとー!ふぁいとー!」

 

「騒ぐとリネットがやりづらいぞ」

 

「えー!頑張っている妹がいるんだもん!」

 

「それなら尚更静かに見守ってやれよな…」

 

 

 

彼女はウィルマ・ビショップ。

 

ビショップ家の長女だ。

 

 

「まあいい。よし、リネット、そのままゆっくり地面に降りろ。ただし吊り下げてる錘を揺らさずにゆっくりだ。良いな?」

 

「は、はぃ…!」

 

「わー、キツそー。魔女学校入学前にやらせる訓練じゃないよね?これ大変そうだもん。しかも揺らすなって相当スパルタ!」

 

「リネットの魔法力はかなり多い。それは潜在能力が高いってことになる。そうなると半端な魔力行使は魔力制御の訓練にならない。なので錘だけに重めな訓練で魔法力に負荷をかけるのが効果的だ」

 

「なるほど」

 

「訓練の効果は保証するよ。ここら辺を優先的に鍛えると飛行訓練で自然と良い成果を出せるようになるし、何より息切れしなくなる。ウィルマも試してみてもいいぞ?」

 

「あー、いやー、あははは、わたしはまだ遠慮しておこうかなー」

 

 

やや顔を引き攣らせるウィルマ・ビショップはブリタニア連邦の魔女候補生だ。

 

絶賛訓練中の身であるためリネットのやっている訓練の厳しさは分かるらしい。

 

そのため笑顔ながらも遠慮したいオーラを放ちながら視線を合わせようとしない。

 

その代わりに妹を絶賛応援中だ。

 

加えて、妹大好きオーラが溢れている。

 

ちなみに俺との自己紹介も済ませてるし、俺が居候の状態でこのお屋敷でお世話になってることも知っており「部屋ならいっぱい空いてるからね」と歓迎してくれた。気配り上手で優しくてとてもいい人だよ。

 

ただし妹リネットのことになるとうるさくなってしまう。シスコンってやつだな。

 

 

 

「この世には磨けば光る原石って言葉があるけど、まさにコレなんだよな」

 

「ふふーん、でしょ?リネットはやる時はやるんだよ!ビショップ家は兄弟がいっぱいいるけどリネットは特に!私の自慢の妹なんだから!」

 

「お、お、お姉ちゃんっ!は、恥ずかしいからあまり褒めないでぇ…!お、落ちそうになるからぁっ!」

 

「リネット、もし途中で落ちたり、錘揺らしたりしたら最初からな?」

 

「うぇぇっっ!!?」

 

「おおー、大変だね。ふふっ、がんばれ私の自慢の妹リネット!揺らしても良いのは急に大きくなったお胸だけだからね!」

 

「ちょっとぉ!!?」

 

「おいおい…」

 

 

ウィルマの声援に俺は反応を困らせる。

 

そういやあの頃に比べて二回り以上は背が伸びているリネット。まだ魔女候補生だった頃の竹井よりは身長はあるかな。

 

ちなみに彼女の年齢は10歳であるが既に膨らみがあったりと、発育良いのはブリタニアクォリティーってことにしておこう。

 

 

「おやー?妹のどこ見てんのかなー?」

 

「彼女の未来」

 

「おおっと、うまく逃れられたか」

 

「妹の成長録をダシに揶揄うなよ…」

 

「まぁまぁ、将来有望株ってことを世界の願那夢ちゃんである黒数君にリネットの魅力を覚えて貰おうかなってね」

 

「魔女候補生って意味では既に見出してる。あと俺には扶桑に許嫁がいるのでその点は諦めてくれ、大商人の娘」

 

「へー、そうなんだ。あ、ちなみにお相手は誰かな?」

 

「元扶桑海軍所属、名は北郷章香」

 

「あっ、知ってるよ。二年前にブリタニアまで渡欧してきた北郷少佐だよね?一緒にお茶したことあるよ」

 

「マジか」

 

 

とんでもないところで章香の人脈を知ってしまったな。世界は狭いのか広いのか、もうこれわかんねぇな。

 

 

「ヒュ…ヒュ……お、終わりました…」

 

「おう、上出来だ。錘はそこまで揺れなかったし、比例して集中力も高く、魔法力の乱れも浅かった。流れてる血はかなり優秀だな」

 

「あ、分かるんだ。うんうん、そのとおり。私のお母さんはブリタニア空軍の元ウィッチで鉄の箒に跨っていたんだ」

 

「ウィルマ母のミニーさんから聞いたよ。第一次ネウロイ退散で戦っていたってな。そうなるとリネットはしっかり受け継いでるらしい。確かに自慢だな」

 

「ふふーん、そうでしょう?」

 

 

リネットのことを自分のように自慢するウィルマは本当にリネットのことが大好きみたいで訓練後の疲れで息をゼェゼェと荒げる妹の頭を撫でて褒めている。

 

俺は錘を解除してリネットが張り付いていた壁を見る。この訓練始めたての頃は魔力行使の壁の張り付きに何度か失敗していたリネットだったが、繰り返す事で自分の体重以上の錘吊り下げれるようになった。しかも2日目で。ここまで急激に成長されると教える側も教えることなくなって困る。優秀過ぎるのも悩みものだな。

 

 

「はぁ…はぁ…っ、あの、お兄さん、訓練にお付き合い頂き、ありがとうございますっ!」

 

「構わないよ。居候として住まわせて貰っている身だ。俺にできることならなんでも」

 

「ふむふむ、しかしスパルタだったね」

 

「そうか?おおよそリネットの要求通りだろ」

 

「え、リネット?そうなの?」

 

「ふぇ?…ええと………」

 

 

 

ウィルマはやや疑うようにリネットを見る。

 

するとリネットはコクコクと頷く。

 

そんな妹の努力にウィルマは目を見開き。

 

 

 

「ッ〜ー!!!立派になったね我が妹っ!」

 

「わわわわ!お姉ちゃんっ!?」

 

 

 

そして抱きつく姉。

 

ブリタニア出身は随分と感情にオープンだ。

 

 

「まあ少しだけ厳し目にしたが共に死線を乗り越えた仲だ。この程度なら大丈夫だろうって考えての上だけど…リネット、キツかったか?」

 

「ふぇ!?うううん!だ、大丈夫だよ!錘はキツかったけど訓練の意味がわかると全然苦じゃないからっ!」

 

「そうか」

 

「うん。あ、あっ、でも…」

 

「「?」」

 

 

少し戸惑いながら胸元でツンツンと指を突き合わせながら、リネットは小声で…

 

 

「あまり意地悪されると私どうしたらいいかぁらないから……だからぁ……そのぉ…」

 

「「……」」

 

 

 

目をうるうるとさせながら訴えるリネット。

 

小動物のように振る舞う。

 

そんな彼女を見て腹の奥からよからぬ感情が芽生えようとする。

 

これが嗜虐心に煽られるというやつか?

 

いやこれ竹井醇子に似た感覚だ。

ああ、なんか思い出してきた。

そうだよ、あれだ。

頭めっちゃ撫で回したいアレだ。

ああ確かに。

今めっちゃこの娘を可愛がりたい気分。

よく頑張ったと頭を撫で回してやりたい。

そんな気持ちに久しく駆けられる。

 

しかし俺なんかよりも隣でプルプルと震えている姉は既に覚醒ゲージ満タン。そのまま全覚醒抜け横格ブンブン覚醒落ちコストオーバーリスポーン位置失敗の勢いでリネットに飛びつきそうになっている。もちろん妹との距離は赤ロック圏内。格闘振れば余裕で当たる。

 

さて姉は耐えちゃう?

このまま耐えれるのか?

 

 

「リネットー!かあいいよー!かあいいよー!お持ち帰りー!」

 

「ぴぃぃぃぃ!!?」

 

 

ああ、今回もダメだったよ。

 

あの子は言うことを聞かないからな。

 

とまあ、姉は耐えきれませんでした。

 

 

「かわいいかわいいわたしのリネットかわいいとてもかわいいうふふいい香りかわいいかわいい大好きだいすきよじゅる」

 

「うわわわわ!!?」

 

「えぇ…(困惑)」

 

 

目の前で妹を抱きしめて可愛がっている。

 

わしゃわしゃと撫で回し張り付く勢い。

 

頬までキスして愛しい妹の名を繰り返す。

 

我が妹は世界一可愛いだとか、色々。

 

そんなリネットは目をグルグルしてなすがまま。

 

対してウィルマは肌がツヤツヤになっていく。

 

 

 

「はい、今日の訓練終わりな。あとウィルマは自分でなんとかして」

「黒数お兄さん!?ぁ、ひゃぅん!!」

 

「リネット〜、ちゅちゅ!」

 

 

 

ブリタニアのスキンシップはかなり強めらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございます、リネットの訓練にお付き合い頂き。こちらお紅茶を淹れました。お召し上がりください」

 

「あ、ミニーさん、どうもありがとうございます。娘さんとても優秀ですよ。魔法力に対する理解が高くて、それでいてなかなか根性があります。リネットはその前まで何かされていたんですよね?」

 

「ええ、娘は黒数さんに助けられてから魔女を目指そうと勉強を始めました。まだ魔法力が完全に開花する前ですので、私がまだ現役の頃に使っていた教本や戦闘記録書などを強請ると机に向かって魔女を学ぶことを選び、それから少しずつ魔法力のことも理解するようになりました。ちょうど近くにウィルマがいたお陰でもありますね」

 

 

この方はリネットの母ミニー・ビショップ。

 

第一次ネウロイ大戦後期に鉄の箒で空を飛んだ飛行ウィッチであり、ネウロイの撃破数は二桁という優秀な戦果を残している。ちなみに現在佐世保で教官をやっているジュンコ・ジェンコとは同期にあたるらしい。ジュンコさんに関しては元々欧州生まれ聞いていたけれどあの人何かと顔広いな。あと佐世保といえば皿うどん娘は元気だろうか?また空腹で空から落ちてなきゃいいが。

 

 

「この調子なら魔女学校も優秀な成績で卒業できるでしょう」

 

「あら、北郷部隊の副隊長さんがそういうのなら間違いないですね」

 

「おや?そこまで知ってましたか」

 

「知ってのとおり子供達が願那夢の大ファンでして、陸海の混合部隊の写真や扶桑海事変の新聞記事など持っているんです」

 

「なるほど。大商人だけあってそういったものは流通するんですね」

 

「ええ、特にブリタニアだと盛んに。なので子供達が夫に強請って願那夢に関するの記事を多く持っています。それで私も興味がありましたので子供達のコレクションを読んでしまいまして、ふふっ」

 

「家族総出で願那夢ファンか。なるほど。そりゃ願那夢がここに泊まりって分かると子供達から喜ばれるわけだ」

 

「ええ。こうして飛ばない日はリネット共々私の子供達のお相手してくれてるみたいで、いつもありがとうございます。子供達も喜んでいます」

 

「子供は好きです。かわいいですよね」

 

「ええ、それはもう」

 

 

 

ちなみにミニーさんは9人の子供を産んでいる。

 

大商人の婦人かつ大家族だ。

 

そして元魔女だけあって未だ美人さんである。

 

この場合そのまんまの意味で美魔女って呼んだ方が良いのか?

 

 

 

「ミニーさん、冬になると自分に何かできることありますか?」

 

「冬、ですか?」

 

「はい。寒い季節になるとネウロイは動きが鈍り活動能力が低下します。そうなると自分はネウロイの討伐のため出撃することもあまりなくなります。するとそんな自分この家に居座っているだけになりまして…」

 

「あら、そんなこと気にしなて良いのに?むしろ娘の命を救った分のお礼はこの程度じゃ足りないのですよ。もっと私達からも何か出来ることはありませんか?」

 

「いえいえ!充分すぎますよ!衣食住どころかストライクユニットを整備するための格納庫まで頂けて!至れり尽くせりですから!?」

 

「あらそう?ふふっ、それは良かったです」

 

 

どうやらこれと言ってそれ以上に出来ることはないらしい。なのでこれからも変わらずリネットの魔法訓練に付き合ってあげたり、子供達の相手をしてあげたりと、ビショップ家は自分の家のように寛ぐことが彼女達の恩返しになるようだ。まあ寒い季節に全くネウロイがいないなんて話はないからな。冬でも飛ぶ日もある。

 

この先のことを思い浮かべながら紅茶を飲んでいると慌ただしい足音がこちらに向かってきた。

 

 

「見て見て、黒数にいちゃん!」

「引き出しにこんな写真あったぞ!」

「この写真ってどんな時なの?」

「教えて!教えて!」

 

「どうどう、落ち着け。てかもう夜だろ。まだ寝てなかったのか?」

 

 

子供達が騒がしく俺に質問を投げてくるときは大体が願那夢に関する写真や資料が見つかった時であり、その度にビショップ家の子供達は嬉しそうに駆け寄ってくる。

 

そうやって写真集や扶桑から届いた当時の新聞記事などを引き金に昔話っぽく願那夢の活躍を子供達に聞かせてやるとそれはもう喜ばれる。

 

まあ主に扶桑海事変までの内容ばかりであるがそれでも中々に濃密な部隊運営をしてきたので語ろうと思えば色々話は浮かんでくる。

 

 

「わかったわかった、じゃあ寝室まで行くよ。今日は夜話してやるよ。ほら!枕と布団綺麗にしてこい!俺もこれ飲み終わったら追いかける」

 

「「「わーい!!!」」」

 

 

夜は子供の燃える延長戦。

 

願那夢から始まるお話タイムが決まると子供達は嬉しそうにリビングを去って寝室に向かい夜話の準備に勤しむ。

 

俺はやれやれと紅茶を飲み干した。

 

 

「あらあら、いつもごめんなさいね?」

 

「構いませんよ。外の世界を知るのは悪いことじゃないです。それにお目目を光らせてくれる子供達がいるなら自分も話し甲斐があります」

 

「ふふっ、それは良かったわ」

 

「紅茶ありがとうございます。ブリタニアのは上品でいつも美味しい」

 

 

ティーカップを置き、席を立って子供達の後を追いかけ、寝室を開ける。

 

するとそこには綺麗に布団を伸ばしてスタンバイしている子供達。

それから…

 

 

「さぁ!お話待ってたわ!」

 

「いや、君はもう子供と言うには大人だろ…」

 

 

何故か末っ子の布団にはフェルマもいた。

 

何やってんだお前…

 

まあ末っ子の面倒を見てるお姉さんってことにして俺はスルー決めると新しく見つかった写真を受け取り、テーブルのカンテラの光を強くする。

 

さてさて、この写真はなんだ?

 

 

 

「なるほど、これ零戦のユニットか。あとこれ扶桑か?となると、最終決戦前に舞鶴で行った最後の飛行訓練の写真か。てか、これ見切れてるウィッチは皿うどん娘か?まあいい。

じゃあ、とりあえず………

こほん………

さてさて、今宵も記憶の限りに引き出したこの話に待ち受ける内容、それは扶桑海事変に於ける最終決戦前を目前とする最終調整のこと、時は8月25日、夏の終わりを知らせる舞鶴市のことである」

 

「「「!!!」」」

 

 

 

落語家のように小洒落た雰囲気を保ったままブリタニア語で喋るのはまだまだ慣れないが、これも一つの練習として俺は夜話に身を投じることにする。

 

そして、こうしていると懐かしく思う。

 

孤児院の頃にこうやって子供が寝るまで夜話して寝かしていたから。

 

少年少女の夜は続く。

 

ネウロイが現れない限り、空を飛ばない願那夢は黒数強夏として語れるから。

 

 

 

 

 

つづく

 





ブリタニアを一つの出発地点として手に入れたけど、国境を悠々と越えれるほどの航続距離を持ったストライクユニットだからこそ成せる技であり、普通の移動だけならともかく戦闘込みでの燃料消費なら補給しない限り普通は帰って来れない距離です。これも扶桑から欧州まで自力で足運んだことある黒数くんだからこそやってのける荒技。参考にしてはいけない。


【黒数強夏】
ブリタニアのロンドンにてリネット・ビショップと再開する。過去に娘の命を助けた恩を返すべく、また願那夢の活躍を支えるため衣食住を提供してくれたビショップ家を拠点に活動する。昼夜問わず強力なネウロイを察知してはロンドンから飛び出し、その日で帰ってくることもあれば2日や3日は帰って来ない事もザラに有る。最近だとストライクユニットを履いたままチェロスを頬張っている願那夢の姿は度々見られるらしい。お陰でチェロスの売り上げが増したとか。

【リネット・ビショップ】
黒数強夏と共に死線を乗り越えた仲。そんな彼も扶桑に帰投(?)後は願那夢として活躍し、その話が届いたリネットは絶賛脳が焼かれてしまう。それから彼との約束を果たすため発現した魔法力と共にウィッチを目指すため勉強を開始したその一年後、ブリタニアで黒数と再会を果たし再び脳が焼き直された。現在は黒数強夏から魔力行使の訓練を施されては把握優秀な成長具合を彼に見せている。いつかまた共に彼と戦える日を夢見て。原作だと後の501部隊。

【ウィルマ・ビショップ】
リネットの姉であり、ビショップ家に滞在することになった黒数強夏を歓迎した。休みの日は黒数と共にリネットの訓練を見てあげたり、または彼女自身も黒数から飛び方を学んだりと充実している。家の兄弟達が大好きであり、特にリネットを可愛がっている。ただし成長期に入ったリネットの胸を揉んでは姉好みな大きさにしていたりと性格はまあイタズラ好き。現在はブリタニアの魔女候補生として研鑽中であり、ストライカーユニットによる飛行経験は10時間程度だが、ウィッチの家系だけあってお手本となる飛行を既に見せている。


ではまた
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