GVSウィッチーズ   作:つヴぁるnet

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《追記》
やだっ、やだっ!ねぇ!ヤダァ!
また日刊ランキングに晒されてるよぉ!



第51話

 

 

 

今から三年前のことです。

 

私はほんの少しだけ、やんちゃ娘でした。

ほんの少しだけです…よ?

 

ロンドンに帰る途中の荷車でお利口さんに座らず布に包まれた荷物の上で遊んでいました。

 

父は優しいので悪いことしている私を軽く注意するだけでそれ以上は止めませんでした。

 

そしてバチが当たりました。

 

 

__ブリタニアにネウロイだと!?そんなバカな!?くっ、リネットしっかり捕まっているんだ!!決して叫んだりするなよ!!奴らは人間の恐怖と絶望を見つける!!

 

 

空を見上げた父は馬を急に走らせた。

 

そんな私は父の声を聞いていましたが、初めて見る怪異に恐怖し、掴んでいたはずの布から手を離してしまい振り落とされてしまった。

 

地面に落ち、体を打ち、足が痛む。

 

 

__ぇ、ぃ、ぃゃ…!

 

 

 

遠ざかる荷車と父、近づいてくる黒い狂気の宴たち。置いて行かれたことを悟った。

 

 

 

__だ、誰か助けて…!!

 

 

 

しかし恐怖あまり声が出ない。道のど真ん中で放置された私は絶望する。これは私が悪い子だったから。父にわがまま言ってお仕事について行った私は大人しくしなかったから。だからこんなことになったんだと理解した。

 

 

でも、そんな私に助けが訪れた。

 

その現れた人は私の名を聞いて背負う。

 

 

 

__走るぞ!舌を噛むなよ!

 

 

追いかけてくるネウロイ。

その時の、彼の背中は覚えている。

 

あと首筋に焼けた跡も。

今も残っている。

 

 

 

__ッッ……すまない。

 

 

追い詰められた洞窟の奥で、彼の腕の中に収められた私はネウロイから姿から見えないように隠してくれた。そして強く抱きしめられる。この先が怖くないように。

 

 

 

__ありがとう、ウィッチ。

 

 

迫り来るだろう死の中でも彼は魔女になれた私なんかに感謝の言葉を残した。

 

終わりを迎えさせようとする赤い閃光。

 

しかし、足元で光る魔法陣。

 

彼は魔を討つ兵器を手に入れるとネウロイに向かって引き金を弾き、敵を倒した。

 

 

 

__これは俺と君との秘密な?

 

 

ネウロイを倒したことは秘密にする私達。

そして、彼を乗せて出航する軍船。

 

 

 

__わたしはウィッチになってみせるから!

 

 

次また会えた時、その時は立派なウィッチになることを私は彼と約束する。

 

 

それが目指す理由。

 

 

そして…

 

 

 

__リネット……なのか?

 

 

その二年後にブリタニアで再び出会えた。

 

それまでの彼は『機動戦士願那夢』としての威名を持ってその英雄譚を世界に響かせる。

 

私もその活躍を聞いていた。

 

それでもあの頃と変わらない姿。

 

だから私はすぐに彼だと分かった。

また会えて嬉しい。

 

 

 

でも…

でも…

 

 

 

ごめんなさい。

 

私はまだ立派なウィッチになれていません。母から譲り受けた教科書からまだ手を離せない未熟者なんです。だからまだお兄さんとの約束を果たせるほど私はウィッチじゃない。

 

そう、心の中でこの弱さを悔やんでいたら…

 

 

 

__俺が空を飛ばない日は、リネットを空に飛ばせれるように、そのための時間を設けよう。

 

 

 

彼は私を外に誘うと、空を飛ぶための先生になってくれました。

 

 

 

「黒数お兄さん」

 

「どうした?リネット」

 

「いつも訓練ありがとうございます」

 

「いや、気にするな。むしろ居候の俺が何かできることないかと考えて、こんなことしたできないんだ。お礼なんて言われるほどじゃない」

 

「いえ!わたしすごくありがたいんです!黒数お兄さんのように、あの時のように、誰かを守れるウィッチになりたいと夢見てたんです!」

 

「!…… そうだな。君はあの時、俺を見送りながらそう叫んでくれたな。それは今も変わらないんだな」

 

「はい、変わりません。わたしの行き着く先が黒数お兄さんほどのウィッチになれずとも、この腕で誰かを守れるなら、わたしはそうなりたいですから」

 

 

 

偽りなく告げる。

今もそうでありたい願いを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1940年4月

 

中型ネウロイの数が増えてきた。

 

それだけ戦力が増強されてる証なんだろう。

 

だがそれと同時に…

 

 

「キィィィ!!」

「キィィィ!」

 

「冬明けにガンダムMK-2とかまた重たいの来やがったな。しかも僚機に黒の魔窟(カミーユ機)まで連れてくるとか、両機共々カートリッジ式メインで着地取る気満々じゃねーか。エゥーゴに帰れ!」

 

 

真っ黒が黒マークII。

薄く灰色っぽいのが白マークIIか。

 

ともかく対面状況としてはバンシィよりはマシ。

そんな感想。

 

だってバンシィの時はビームマグナムやぞ?

真面目に正面から受けたら死ぬわ。

 

なのでまだ普通のメインの方がマシ……いや、マシもクソもねぇな。

 

こっちは魔女の保険(自動魔法壁)も無く一撃で死ぬかもしれないってのに。

 

 

「まあ良い、スーパーガンダムにならない魔窟なんてのは黒と変わらないな」

 

 

こちらの飛翔と合わせて白マークIIは装甲から粘土のようなモノがグツグツと溢れ出る。

 

するとそれはバズーカに変化した。

 

 

「うわっ!賢い!アイツ!」

 

 

俺は体を捻り、バズーカの弾を緊急回避。

 

バズーカから放たれた弾は途中でバラけちり散弾となって空を焼く。

 

 

「っ、あんなのがシールドの手段を持たない軍隊に放たれるのか思うとゾッとする…!」

 

 

ビームライフルのような攻撃は一人だけしか狙わないが散弾となると話は別。

 

戦車のような装甲が盾にならない限り生身であんなのまともに受けてはならない。

 

そうやって人型の驚異性を再確認しつつ、いつも通り太陽を背中に距離感を狂わせながら青白いエーテルの光を瞬かせ、白マークIIの頭上を取るとビームライフルを連射する。

 

 

「ギィ」

「キィィィ!」

 

 

しかしロッテとして組んでいるだけあって連携能力が高いのか、ビームライフルの雨から後退する白マークIIに入れ替わって黒マークIIが盾を構えながら上に向かってビームライフルで迎撃してきた。

 

それに対して俺は魔力を多めに込めたビームサーベルと、イフリート・シュナイドが扱うスモークグレネードを同時に投擲、ビーム攻撃の中で爆発させるとビームの衝撃波と煙幕が一気に広がる。

 

 

「キィィィ!?」

「キィィィ!!!?」

 

 

「熱感知型の弊害だ!魔力熱と共に居場所を失ってしまえよ!」

 

 

俺の姿を見失った紛い物達は顔についているモノアイを動かして姿を探る。

 

その時、黒マークIIが衝撃波の横から飛び出した物体に反応してビームライフルを構える。

 

しかし、飛び出したそれは俺ではない、別のモノだった。

 

 

「キィ!?」

 

 

 

「そらよ!」

 

 

煙幕から放り投げたのはガンダムバズーカ。そこに繋がれた有線式のワイヤーを引っ張って魔力反応を起こすことでトリガーを遠くから起動させる。すると放り投げられたガンダムバズーカからカチャリとトリガー音が響、銃口から砲弾が放たれ黒マークIIを狙う。

 

それと同時に俺もジム・マシンガンで乱射して逃げ場を奪うと黒マークIIは足が止まる。

 

 

「キィィィ!!?」

 

 

そして奴の上半身はバズーカの餌食となった。

 

 

「ギィァ___」

「キィ!?」

 

 

「ちっ、完全に破壊はできんか。構えてた盾が威力を阻害したらしいな。だが再生前に撃ち落とせば、関係ない!」

 

 

一対一になった以上、射撃戦で制圧する必要も無い。いつも通り白兵戦で一気に決めようとジム・マシンガンを乱射しながら再度召喚したビームサーベルを構えて白マークIIを狙う。

 

白マークIIも白兵戦を感知してビームサーベルを背中から取り出しこちらの攻撃を受け止める。

 

基本的に紛い物は人間よりも二回りほど大きく形偽っているが、魔法力で身体強化したウィッチとは筋力的にも互角、俺は強引に切り抜けながら足裏で白マークIIを蹴り飛ばし、一度距離を取りながら弾の残っているジム・マシンガンを連射する。

 

バランスを崩しながらも白マークIIは堪らず盾を構えてマシンガンを受け止める。

 

するとバランスを崩しながら後方に倒れ込み、地面に倒れていた黒マークIIを背中から押し潰してしまい両機共々地面に倒れた。

 

 

「これで終わり___っ!」

 

 

ビームサーベルで二体同時に突き刺してやろうとブーストダッシュをしようとした瞬間に背筋から殺意を感知、その場から体を捻って回避。

 

横を見ると小型ネウロイがコチラに飛びながらビームを放ってきた。

 

 

「まるでカットだな。エクバぽくて少し感動しちまうな」

 

 

車線上から体をずらしながらジム・マシンガンで迎撃、すると小型ネウロイは回避行動を行い上空に逃げようとするが、回避方向にビームサーベルを投擲、それが突き刺さり、機動性を失ったところにジム・マシンガンの弾幕で小型ネウロイを破壊した。

 

 

「南側の取りこぼしか?カールスラントのウィッチは何をやっているんだ…」

 

 

それだけ戦線が混沌としているのか。

 

いやでも確かに、トランシルバニアの鉱山から多くの鉄を回収できたのか年明けて現れたネウロイは更に強くなっている。分厚くなった装甲や高くなった回復力。そのため通用しない武器が増えている現状として取りこぼしも発生している。何よりオストマルク陥落から半年が経過したいま戦線が広まってきた。

 

このような邪魔も入るのだろう。

 

 

「!?、弾切れか」

 

 

カートリッジを取り替えるよりも召喚した方が早いと考え、ジム・マシンガンを放棄するとビームライフルを再度召喚。

 

地面に仲良く倒れている白黒のマークII達にトドメを刺そうと銃口を合わせた、その瞬間だ。

 

定めた銃口の先から異質なオーラを放つマークII達はガコン!ガコン!と音を立てて装甲を組み替え始めた。

 

 

「っ!」

 

 

ビームライフルを放ち攻撃する。

 

しかし倒れたまま地面を滑るように回避するとそのまま滑らかに飛び立ち、コチラと再度相対する。

 

 

 

「な、なるほど、お前らはそうするか…!」

 

 

ここからが本番とばかりに現れた一機。

 

元々は二機だったが上半身を失った黒マークIIの装甲を利用した白マークIIはネウロイ特有の再生力と構築性を活かすと一機に変身。

 

いや正しくは『換装』だろうか。

 

機体は白マークIIそのままだが黒マークIIの装甲を武器に変えた奴は『強化』された。

 

原作ゲーム通りだ。

 

 

「なるほど『スーパーガンダム』か。そういや扶桑海事変でも似たことあったな」

 

 

吹き荒れる颱風の中でバンシィ・ノルンと決戦を挑んだ時、本体にトドメを刺そうと渾身の思いで扶桑刀を突き刺したが、胴体あった筈のコアをバンシィ・ノルンの持っていた大きな盾に移して実機を乗り換えるとその盾を実機として生きながらえたネウロイ。アレには大層驚かされた。

 

あとウラル戦線でも犬房柚乃を助けた時に現れた蜘蛛型のネウロイ。元々はバラバラで木々に擬態してたが合体してあの姿になった。

 

そのことを思い出すと人型の紛い物だろうがネウロイとしての本質は変わらず、装甲を切り離したり、くっ付けたり、組み替えたり、合体したり、その戦闘力を保たせるための自由性の高さはネウロイならではの厄介だ。

 

結果、スーパーガンダムとして現れた。

 

やってくれる。

 

 

「ガンダム好きとしてはスーパーガンダムの換装に少しだけ感動したよ。でも沈んでもらおうか!お前はネウロイだからな!」

 

 

スーパーガンダムはわかりやすいくらいの遠距離機だ。

 

だからクソ真面目に射撃戦に付き合ってやる理由もない。

 

ビームライフルとビームサーベル。

 

わかりやすいくらいの武装を構えると機動力でねじ伏せる目的で俺は一気に飛翔する。

 

再び太陽を背中にしてスーパーガンダムに飛び込んだ。手の甲の数字にするために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「偏差撃ち……いや、刺しか?足元の敵を気にかけながらも片手間に処理した。アレが願那夢…」

 

「おいおい、どうしたんだ?ラル」

 

「マルセイユか。人が少ない時は構わないが中尉と付けろ。また隊長殿にドヤされるぞ」

 

「はん!バルクホルン程度のウィッチがなんだってんだ。ああそれよりも!今さ!願那夢って言わなかった?絶対言ったよな!」

 

「?まぁ、言ったな。前日の取りこぼしを片手間に倒してくれた。敵地に逃すならともかく友軍地に追い込んでしまうのは失敗したな…」

 

「おいおい失敗なものかよ。そもそもな話!火力が足りないんだよ!願那夢みたいな火力が!薄い奴ならともかく現状の兵器だと一撃でネウロイが倒せなくなっているんだよ!武装面での撃破能力が低下してる今、余計にアレコレと考えても仕方ないだろ」

 

「だからこそ連携力が必要だ。一人でダメなら二人分で補って確実に倒すことだ」

 

「なら私に必要な僚機を連れてくるんだな。トロトロと戦えないね。で?黒数とはなんか話したのか?」

 

「随分と彼にお熱だな。いや、特に。目は合ったがな。()()()()()()も終わらしておいたぞとばかりに彼からアイコンタクトを拾った。その後は何か感知して飛んでいった。だから会話は特にしていない」

 

「へー、そうかそうか。なるほどなー。やっぱり黒数はすごいな!あー、あー、私のロッテが黒数のようなスゲー奴だったらもっと撃破数伸ばせるんだけどな」

 

「そういえばこの部隊JG52に来る前に願那夢とは模擬戦をしたことあると言ってたな。それならマルセイユが黒数に置いて行かれる側になるのは想像に容易いのでは?飛び去る際も彗星のように早かった。あと偏差攻撃。アレがただ技術ならおこぼれなんか期待できない。下手に組む方が余計になる」

 

「そりゃそうだろ。だって黒数だぜ?何言ってんだ?組んだところで全面的に追いつけねぇだろ」

 

「……組みたいのでは無いのか?」

 

「ああ!組みたいな。そんでアイツの背中でもっと見て飛んでみたいな!」

 

「……でも追いつけないのだろう?」

 

「はぁ?何当たり前のこと言ってんだ?黒数に追いつけれるわけないだろ」

 

「……」

 

 

脳が焼かれるとはこう言うことなんだろうか。

グンドュラ・ラルは軽くため息を吐く。

 

しかし理論派の彼女はよく考える。

それはやはり願那夢のこと。

 

彼という本質や人間性はともかく、願那夢として空を飛ぶアレは野放しにしているからこそ人類側の大戦力になる。

 

それも軍という組織の縛りに収めることなく自由にさせれば、その翼は幅広く、見通す先は開放的であり、強いネウロイを優先的に嗅ぎつけてはその大きな力で葬ってくれる。

 

つまりコチラから余計なことをしない限り願那夢が勝手にネウロイを倒す。

 

人類にとって良いことしかない。

 

そして『人型ネウロイ』との戦闘が始まる際は軍用の無線通信に『警告』を飛ばし、天空に向かって戦闘の合図を知らせる閃光弾を放ってくれる。

 

これによって軍は不用意に近づかないように踏みとどまり静観するようになっている。

 

もちろんその際も軍は彼の戦いを望遠鏡などで観戦し、戦技研究するが、まあ彼の戦いが参考になるかは別だろう。

 

何せ異空間から兵器を取り出してネウロイを圧殺する。仮にそうじゃなくとも元から兼ね備えているその戦闘技術は人間を超えてるように感じていた。大体が未来視したような動き。つまり彼に攻撃が当たらないのだ。

 

だから人は言う。

やはりウィザードの再来か?

 

そう噂されては、願那夢を神格化し、願那夢の英雄譚に希望を抱き、しかしとある者は彼を野放しにするべきではないなど危険視する。

 

 

__彼は危険人物だ。

__武力の秩序を乱す、者だ。

 

 

正直に言えば、あの者は謎は深い。

 

二年前の扶桑海事変では扶桑海軍第十二航空隊の副隊長としてウィッチの育成に当たりながら戦技研究を行い、同時に撃破数が三桁に迫る勢いでネウロイを討ち滅ぼし、どの戦線でも幾度なく友軍や民間人を助けながら機動戦士願那夢の名に相応しい活躍をしてきた。初めて人型を倒したのも彼だ。たしかに英雄のそれである。

 

しかし情報はそれだけ。もう少し掘り起こしても民間協力者という情報だけだ。他には何もない。もう残りの情報としては、空を飛んだとき彼は恐ろしく強いと言う事実だけが残る。それも現代進行形で。

 

それよりも何故、彼は欧州にいるのか?

これがやや謎だ。

まず扶桑海軍を脱退したのは確かだろう。

やはり民間協力者って情報は正しい。

 

だからここまで自由なのだろう。

 

ただ欧州の空を我が物顔で飛ぶ願那夢に良い顔をしない上層部もチラホラいるみたいたが、そんな彼に強くは言えない。

 

国民的がヒーローを望んでいるから。

 

しかしそんなヒーローも人間。

羽休めだって必要になる。

 

そのため現在はブリタニアのとある大商人のバックアップの元で飛んでいるようだ。

 

そこが現在の願那夢の拠点であり、また黒数強夏という男が寝泊まりしている場所になる。

 

こうして聞くと普通の人間だ。

 

ネウロイ絶対倒すマンと化した戦闘マシーンなのは空限定の話。

 

現にマルセイユも黒数強夏という男にお世話になったらしく、そんな男のことを自分のように自慢する。

 

なるほど。このウィッチが懐くほどか。

そうなると人格者であることも窺える。

 

軍から遠のいてもウィッチの育成に当たれた人間だけあって人付き合いは上手いのだろうか。

 

それにあの部隊、第十二航空隊のウィッチ達は特に幼かったと聞いている。軍神のウィッチとして有名に北郷章香がいたとしても両手で数える以上の幼い部下を激戦区でまとめ、そんな少女達の精神を守りながら扶桑皇国を最後まで守り抜いた。ただの戦闘マシーンには不可能だ。

 

脳が焼かれているマルセイユを見ればその信憑性も高まる……気がすると、しよう。

 

それにとある新聞記事ではチェロスを美味しそうに齧り付いてる姿がある。彼の存在を危惧する上層部はただのフェイクニュースだとか言っているが、願那夢の存在にヒーロー性を感じる国民達の間ではチェロスが一つのブームと化している。売り上げが伸びたとか。ちなみに私もチェロスは好きだ。腹持ちが良い。

 

それにはマルセイユも黒数強夏は極度のチェロス好きと言っていた。ならこれが真実だろう。

 

それでも、空を飛べばあの恐ろしさ。

 

今はネウロイに向けられているが、それがなくなった時、あの者は地を降りて戦いを辞めるだろうか?わからない。

 

抑止力が無い以上、危険人物として見てしまうのも無理ないか。やはり言葉を交わさなければわからないことが多すぎる。

 

まあ、だからと言って私が何かする訳でも、何か出来るわけでもないが、しかし願那夢として謳われるその男に興味だけはある。確かだ。

 

 

「マルセイユ、彼はどんな人間だ?」

 

「それは黒数か?そうだなぁ。一言で表すならめっちゃ良い奴だな!しかもめちゃくちゃ強いぜ!私なんて固有魔法で偏差撃ちを補強してるのに黒数は技術だけで偏差撃ちしてくるんだよなぁ!やっぱり扶桑海事変の英雄ってあんな奴ばかりなのか?」

 

「さてな。しかし国運を賭けた戦いに打ち勝った兵士達だ。そうなれば強者は存在する。そう考えれるだろう」

 

「じゃあ黒数は間違いなく強者(ソレ)だな!」

 

 

黒数強夏に関して1つだけ聞こうとすれば3つは返ってくるマルセイユの口の軽さを再確認しながら時計を見る。

 

そろそろ哨戒任務の時間か。

 

 

「なぁ、ラル」

 

「?」

 

「エルベ川を放棄するって話、本当か?」

 

「このまま行けばな、恐らくな」

 

「………ちっ」

 

「…」

 

 

 

私達が所属する『JG52』は資質の高いウィッチ達が集っている。

 

一見するとネウロイの殲滅力の高さを買っているように見えるが、しかし。

 

ネウロイの勢力拡大に遅れを取り続けている以上、この部隊がどれだけ強かろうとも人類側に勝利はない。戦いはそういうものだ。

 

それに人類はネウロイに後手、後手の状況。

 

言葉に出さないが、カールスラントはネウロイに追い込まれている。

 

それは明白だ。私として敗北主義は好きじゃないが、しかしネウロイも、現実も優しくない。

 

それ故に現在の軍事力ではエルベ川を越えられるのも時間の問題だ。

 

勝てる戦いになっていない。

 

だから軍を保持するためこの部隊がある。

 

コンスタントにネウロイを押さえつけ、軍をしっかりと保持しながらジリジリと撤退戦を繰り広げ、その間に民間人の避難に勤しむ。

 

それが目的。

 

……バルクホルンはこの引け腰な戦を気に食わなそうにしているが躍起になったところで勝てる相手じゃない。

 

 

 

「……願那夢…か」

 

 

強力なネウロイ……主に人型の討伐を目的としてサーチ&デストロイを繰り返す彗星。

 

正直、凶悪な人型ネウロイはそこらのウィッチで勝てる相手ではないことは明白。

 

だから凶悪には凶星をぶつける。

それでバランスが保たれている現状。

 

しかし願那夢一人存在して打破できるほどこの怪異は優しくない。

 

人類は間違いなく……追い込まれている。

 

 

 

だが。

 

それでも。

 

人は 願い (また) 夢みる。

 

あの彗星の魔女ならなんとかしてくれる。

 

この忌々しい怪異を押し留めてくれるはず。

 

英雄がいることは、勝利に近づける。

 

そう信じているから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「455…コストか…………まだ…足りない」

 

 

 

握りしめた拳。

 

その手の甲に刻まれた数字。

 

それが満たされた時。

 

終わりの引き金は引けるだろうか?

 

 

___君は、生き残ることができるか?

 

 

そんなタイトルがこの世界に訴える。

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルリンの上空にネウロイの巣が発生した。

 

本当の怪異(げんさく)はここからだ。

 

 

 

 

 

つづく

 





やはり欧州でも化け物として扱われる黒数くん。
いや君どこぞの地上最強なん?
彼の場合、最強は空なんだけどさ。


【黒数強夏】
欧州でもとうとう危険人物扱いされてしまうが、願那夢としての覚悟は決めているためどのような空でもネウロイを屠り続けている。年が明けてもチェロスが心の栄養。

【グンドュラ・ラル】
ネウロイを逃した先で願那夢と目が合ってしまったカールスラントのウィッチ。実力も個性も強い集まりと化したJG52でもネウロイの撃墜スコアを着々と伸ばしているエースウィッチであり、同時にこれからの欧州の行方を気にする。ちなみにグフに乗る方のラルじゃないぞ?強いのは確かであるが。

【ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ】
もし自分が扶桑人として生まれていたら黒数強夏の元で飛びたかったと良く言っているほどに、すっかりと黒数強夏のことで脳がこんがりと上手に焼けましたー!な問題児は相変わらず、撃墜スコアは着々と伸ばしている。あと彼に真似してチェロスをよく食べている。



なんか同じ内容ばかり書いてる気がする…

よし!もうこうなったら!終わらない激戦に疲れ果て、しかし願那夢としての役目を果たすため投じ続け、しかし次第に精神が擦り切れ、心も壊れ始め、殺戮マシーンとして廃人化寸前、過去お世話になった欧州のウィッチ達はそんな弱り果てる彼を見てしまい「私が守護らねば!」と目目ハイライト消失からクソ重かつ激重感情マシマシに主人公くんを過保護に扱い始めるストパン流行りのヤンデレな展開とかになってドロドロしてどうぞ(俗物)




とか、思ったけど心の中には常に【北郷章香】がいるので心は壊れないし決意マシマシ侍で「章香しか勝たん!」なスパダリくんなのでそんな展開望めないんだよなぁ、仕方ないな!


ではまた

どの程度の描写が好きですか?

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  • 日常3割・戦闘7割
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