マフティー「ここからが地獄だぞ」
ネウロイと戦う頻度はどの程度か?
そう尋ねられたらこう答える。
春になってほぼ毎日。
いや、正しくは毎日を心掛けている。
__心掛ける。
何故そのような義務感を隣り合わせにネウロイと戦っているのか?
俺には計画がある。
ネウロイの巣を破壊するための計画。
そのためには手の甲に刻まれた
と、言っても、もう既に400コストの武装は解放済みなため400コスト帯の武装を使おうと思えば可能だ。いま考えれる中で広範囲かつ一番火力の出せる武装といえば試作二号機の核攻撃だろうか。この武装ならネウロイの巣は破壊できるだろう。おそらくは。
しかしそれは『小さな巣』を一つだけ破壊する場合に限る話であり、俺が目的として破壊したいサイズは黒海に現れた小さな巣の10倍以上の大きさを誇る『巨大な巣』である。
そしてその巨大な巣には『例のアレ』がいる。
……あ、間違っても、如何わしい意味でもの例のアレとかじゃないぞ?本当だぞ??
俺の言う例のアレとは『黒雲』の事だ。
紛い物を生み出す__黒雲。
過去に半壊したバンシィを回収しようと浦塩の上空に現れたり、その一年後の復興作業中の浦塩を攻め落とそうとして白キュベレイを召喚したりと、アレは『紛い物』を生み出すことに何かしら関わりを持っている。
その黒雲とやらが黒海にいる。
巨大なネウロイの巣に。
「だからトランシルバニアの鉱山を攻略しようとしたんだ」
何故ならアレはネウロイの製造工場だ。
鉱山の鉄はネウロイを生み出す素材。
あの巣自体に恐らく攻撃性はないがしかし、アレをどうにかしなければネウロイは永遠と現れ続ける。
だが。
「やはり400コストじゃ力不足か…」
あの巨大な巣を破壊する手段を持たない。
でも500コストならどうか?
可能としてくれる武装は多い。
相変わらず
原作ならコロニー落としをツインバスターで消し飛ばしたし。
やはりこのギフト頭おかしいな。
これも願い、そして願われた結果か。
「でもやるなら試作二号機の核攻撃だな」
これは前から気づいてたことなんだが色んなコスト帯がありしも『ビームライフル』や『ビームサーベル』と言ったどの機体も共通して使っている武装がある。
この場合わざわざ「ガンイージが使うビームサーベル」とか「イージスガンダムが使うビームライフル」とか「ジョニザクが使うバズーカ」だとか細かに組分けして使わない。
ビームサーベルはビームサーベルであり、ビームライフルはビームライフルだ。
流石にGセルフの「刀身を伸ばせるビームサーベル」のような機体特有の性質を引き出したりする時は武装も細かく選別するが、溶断したりする一般的な武装を使う時は基本的には一律の強さになる。
それは「200コスト帯の性能」とか「300コスト帯の性能」のような形で変化する。
今の俺は400コスト帯。
なのでそれ相応の強さでビームサーベルやビームライフルの火力も上がっている。
あとコレは余談だが、原作とは違ってビーム兵器から放たれるエネルギーはX線の高熱攻撃ではなく、叡智から授かりし魔法力で生み出している
それはそれとして、放たれる魔法力は俺の強さに比例して増強され、威力も変化する。
弱く放とうと思えば200コスト帯に抑えて放てるし、殺傷力を必要とすれば現在の400コスト帯の性能で放てる。まあその場合は召喚するその時に武装性能を設定しなければならないが、ともかく自由は効く。
さて、ここまで説明すれば何が言えるか?
結論から言う。
__500帯の強さを秘めた試作二号機の核攻撃はかなり威力が上がっているのでは?
最高ランクの500コスト。
例を挙げるなら、万能力の
500コストレベル相応の威力と性能。
黒海に浮くネウロイ巣を破壊はできるはず。
もし仮に500コスト相応になった核攻撃で破壊尽くせなくてもメガ粒子砲やツインバスターライフル、あとまだ召喚できるかわからないがサテライトキャノンなどで残りを消し飛ばせば良いだけだ。体の負担は半端ないだろうが死にはしないだろう。
ただし、その1回で全て済ます。
2回目なんてチャンス、あると思うな。
__ネウロイは学ぶ。
奴らは学んで人類を追い込む。
それは願那夢も例外ではない。
もしネウロイが願那夢は「そこまでやってしまう」という経験と情報を与えた場合、奴らは学んで対策してくる。
扶桑海事変の時もそうだが、ネウロイは扶桑皇国が機動性の高いユニットを作ると、それに対してネウロイは装甲を厚くして攻撃を通らなくしてきた。更にいえば【コア】を作ることで破壊され辛くなった。同時に回復力も高めて被撃退率を下げ、インフラ爆撃も学び、人類を戦線から遠のかせるやり方を得て、最終的に浦塩にある鉄類を吸収して『山』は海面から浮いた。
ネウロイは人類から学び、人類を凌駕するために進化する。
だから俺はネウロイと戦う際、ビームサーベルとビームライフル、バズーカのようなオーソドックスな武装を限定的に、あとはストライクユニットと合わせたフィジカルだけでネウロイ圧殺しようとしている。
未だ『バンシィのビームマグナム』や『ZZのダブルビームライフル』を引っ張り出さないのはそのためだ。まあ小型や中型ネウロイを倒す際は普通の武装で事足りているから強力な武装を引っ張り出す必要が無いのだがまだ使う時ではない。これだけでも充分やれる。
充分だから、慢心なく気をつける。
知識を蓄えるネウロイに手札を明かすことはいずれ対策されることだ。
対人戦と同じ。奴らは学ぶ。
だからここは原作ゲームのエクバらしく、初見殺しかつ、対策もままならない状態で奴らをゲームエンドに追い込みたい。
だから、俺はまだ巣を破壊しない。
やるなら一撃で。
やるなら一回で。
やるなら一手で。
アナベル・ガトーのように一つで終わらせる。
それが俺の考える計画。
この原作の名を借りるなら…
「星の屑作戦」
だからコストを上げる。
コストを重ねて500にして更にこの強さを解放する。だからネウロイを屠る必要がある。
ネウロイを、特に強いネウロイを、この数字の一部にできる質量を持った敵を、俺は求める。
そのため毎日と飛んでいる。
しかし、手の甲に刻まれた数字の上昇はかなり遅くなった。
中型ネウロイを撃墜させても『1』あがるかどうかのレベルになっている。
例えば一ヶ月前の白と黒のマークII達。
あれも二機撃墜してやっと『1』上がった。
その後現れる雑兵も同じ。
200と300コストはもう足しにならない。
ある程度の上昇は見込める400コストの紛い物も稀にしか現れない。
やはり文字通りコストが掛かるのだろう。
そういった強力なネウロイを作るのは。
だからこちらの撃墜によるコスト上昇にあまり大きな成果はない。
故に、手の甲を気にする回数が増えた。
まだか……??
まだなのか??
そう焦りも生まれる。
っ、焦りは……危険だ。
落ち着かなければならない。
そう、落ち着こう。
だから、こんな時は…
「チェロス食べよう」
思いついたが吉と言うやつだ。
すぅぅと息を吸い、標高2000メートルあたりから宙返りして頭から地面に落ちながらブリタニアに戻ろうとした時だ。
手の甲と一瞬流れる電流のような痺れと、脳裏と背筋に走る憎悪の感覚。
___奴らを、倒せ。
すると腕ら勝手に動いてしまう。
頭から落ちながらも手慣れたようにビームライフルを召喚した。
「(そこか!)」
感じ取れる方向に体を捻りながら構えたビームライフルのトリガーを引く。
桃色に奔る光線銃。
ネウロイを貫き、更にその後方にいたもう一機のネウロイの羽を砕いた。
「(二機いたのか!)」
考え込んでいたせいでネウロイの存在を細かに捉えれなかった。
しかし2枚抜きできたことに驚きながら、俺は半壊したネウロイにとどめ刺そうと再度ビームライフルを構えると…
「キィィィ!?」
「?」
別の方角から、空を焼く弾幕が降り注ぐ。
そして半壊していたネウロイは砕け散った。
「方角的にベルリンの方から。てことは…」
カールスラントのウィッチだな。
そう考えて振り向くと。
「あらあら、もしや願那夢ちゃん?」
「うわでた」
しかも知っているウィッチだ。
名はヨハンナ・ヴィーゼ。
去年のオストマルクのトランシルバニア反抗作戦の時、同じ部隊で飛んでいたカールスラントのウィッチで戦うと無言になり変貌する人。
「ええー、何よ、その反応」
「男性に『ちゃん』付けしてくる女性ってのは怪しんだよ」
「なるほど。つまり魅力的な女性ってことね」
「ポジティブかよ。相変わらず強いなぁ…」
「あら、そうでもないわ。ベルリンが落ちそうだもの。正直焦っているわね…」
5月の半ばにネウロイの大攻勢が一回発生。
エルベ川を越えようと飛行タイプのネウロイが多く襲いかかりカールスラント軍は迎撃に勤しまれた。
北側にエース級の飛行ウィッチを集中させるも武装面で性能が足りず、一機のネウロイに対して数名の飛行ウィッチというリターンの取れない状況が生まれる。
なにより後方支援の人員も人手追いつかず、ネウロイに対して有効な打撃を見出せぬまま常に後手として追われる状態。
結果として首都ベルリンに数機のネウロイの侵入を許してしまい、ベルリンの街はネウロイの航空爆撃の被害を受けてしまう。
この出来事によりカールスラントの国民はネウロイに街を食い破られる未来を察した。
軍は混乱を起こす前に軍は民衆避難を発令するとガリアの方へと大勢逃すことになる。
避難を支援しながらもカールスラント軍はなんとか膠着状態に止めるが、しかし、エルベ川を破られるのも時間の問題とされている。
戦況は芳しくない。
「ねぇ、もしも人型のネウロイなんて存在しなければ、願那夢ちゃんは普通のネウロイの殲滅に力を入れれるのかしら?」
「そうだな。人型なんて異常なネウロイが存在しなければ俺も足並みを合わせる」
「そしたら、ネウロイは押し返せれる…?」
「それはわからないな。空の俺は滅茶苦茶強いって二人の中佐*1が言ってくれたけど、質より量には敵わない。扶桑海事変の時だって本国の海上決戦まで追い込まれたのは事実だ。誰か一人でなんとかなる問題じゃない」
「そうか……そうよね……」
「だから適材適所で耐え凌ぐ。俺は人型ネウロイを討ち続ける。それで被害を留める。戦えない人達を逃す。そしていつか、打開できるその時が訪れることを信じる。血の包帯を撒いて進軍してでも戦争に折れぬように」
ヨハンナ・ヴィーゼはわかっている。
願那夢の俺でなければ『紛い物』と憎まれる人型ネウロイを討ち倒せない。
アレは何もかもが初見殺し。
オストマルクの代表的なウィッチとして有名なゴロプですら、フラッグの高速変形戦闘に対応できず殺されそうになった。
だから、知識的にも、経験的にも、画面越しに戦ってきた俺が迎えって余計な被害を減らす。
人手不足も良いところだ。
しかし、一つ幸運なことにも紛い物達は原作ゲームのシステムを守っているのか基本的に3機までしか出てこない。
ここはトライアドモードの仕様か。
あのモード、平気に3機分出してくるからな。
ロック替えが面倒なんだよ、アレ。
もし原作仕様のシステムが関係なくともネウロイにも製造キャパシティーが関わっており、紛い物をそうポンポンと多く出せないのか。
実際に紛い物も毎日のペースで現れない。
大体は3日ペースで現れる。
もしそれよりも長いスパンが設けられる時は強い奴が現れる予兆と見ている。
過去経験上を語るなら、低コスト撃退後は一週間ほど紛い物が現れず間が空き、しばらくは小型ネウロイが現れる程度で大人しかったが、ある日強い憎悪を感じ取りその方向に飛んでみればら低コストを僚機に引き連れた百式が。その5日後に試作一号機と試作三号機が揃って現れた。
星の屑作戦でも嗅ぎつけたのか?と迎え撃った先月の話。
機動力が取り柄とはいえオーソドックスな武装ばかりの百式と試作一号機に手間は取らなかったが、代わりに試作三号機の実弾属性による地上の被害が酷すぎて笑えなかった。コンテナミサイルも最初から召喚した状態から開幕マイクロミサイルの嵐。
コチラで弾幕を6割型爆撃したが、残りのミサイルが後方に降り注いだりと、自然破壊は楽しいゾ。
久しぶりにブチ切れたわ。
試作二号機のビームサーベルでぶった斬った。
星の屑は成就させてやるよ、ネウロイ。
怯えて待っていろ。
まあ、そんな感じに強力な機体を生み出すもネウロイ側の製造ラインの関係でそうポンポンと紛い物を生み出せないらしい。
俺からしたら都合の良い。
何せコチラは人間だ。
航続距離と飛行時間に提供のあるストライクユニットだからといって毎秒飛べる訳じゃない。
補給も必要、つまり有限である。
でも紛い物と対等に戦えるのは俺しかいない。
もし俺抜きで紛い物と戦うならダブルロックするように多人数で押すしかないが、そのためのウィッチを随時用意する余裕が軍にあるかと聞かれたら渋い顔をするだろう。仮に倒せたとしても何かしらの被害受けた上での勝利になる。希少なウィッチでそんなリスクを背負っての戦闘行為なんてナンセンスだ。
もし多人数戦に持ち込まず俺のようにタイマンの状態で紛い物に立ち向かうというのなら、それこそ全盛期の北郷章香のような初見殺しにも対応できる戦術知能が高いウィッチでなければ対面してはならない。
ギリギリ可能なのはゴロプくらいだ。あとはガランドくらいか?決定力がなくとも彼女なら経験の量でなんとか凌いでくれそうだ。
しかし倒せなければ去年のエディータ・ロスマンのように追い詰められてしまう。
対策がなければ結局はそうなってしまう。
じゃあ、アレの対策を教えれば良いだって??
いや、無理だろ。
あんなの教えたところで勝てない。
対面に現れるの、そう言う奴らだ。
それは画面越しに何度も経験した筈。
だから、それを言ったところで、それを説明したところで、じゃあモビルスーツ相手に死なずに生き残れますか?ってそれ、できるウィッチ存在する訳ないだろう。
もちろんある程度のことは伝えてるし、なんなら扶桑海軍として北郷章香が参考書類として人型ネウロイの危険性とか情報共有で世界に伝えてるし、そこら辺はわざわざ言わずとも軍に浸透している。
だから協力関係にあるカールラント軍にも「俺しか倒せない」「だから極力アレとは立ち向かわないように」と強く釘刺している。
そのくらいに……対策しようがない。
なら経験がある俺が最初から戦えば良い。
それだけの話だ。
「私達も願那夢ちゃんのように、彗星の如く戦えたら良かったのにね、ふふっ」
「色々条件が必要だぞ。まずはこのユニットを動かせるほど魔法力の分厚さと流動性が無いと動かないな」
「流動性?あと分厚さ?」
「水道のホースあるだろ?蛇口捻ってドバーと放つように魔法力を流さないとユニット動かないんだよ。入り口が重たいんだ。代わりに開いたら想像の倍動くけどな。それで分厚さは純粋に魔力濃度だな。魔力量じゃない。魔法力を放てる分厚さ。まあ弱いとダメってことだ。突飛つして強くないとこれは動かない」
俺は「少しそこで見てろ」と一言、ヴィーゼに投げながらビームシールドの容量で腕に魔力を纏わせる。それをグッと力を入れて魔力エネルギーを分厚くすると空に向けて水平に薙ぎ払う。
するとユニコーン三号機フェネクスが放つ『メイン』のような緑色の光が放たれる。
てか、フェネクスの真似だ。
殺傷性は皆無だが文字通り『分厚い』魔法力。
「!!?」
そしてわかりやすく驚くヴィーゼ。
10メートルほど進んだ光は散布して消える。
「俺は男性だからなのかウィッチ特有の自動シールドが使えない。だから魔法力を構築してそれで防ぐ手段考えた。その結果が魔法力を分厚くして攻撃から身を守るやり方。今のはその成果によって出来る芸当。これに殺傷力を加えれば斬ることだって可能だ」
「だから分厚さなのね。そして常に濃く放てる状態の魔法力。それが流動性の意味。そのジェットストライカーを動かすためのメカニズムが願那夢ちゃんの体にある。そうなのね?」
「ああ。だからコイツは今のところ俺だけが使える。もし正式にカールスラントが噴流式の飛行ユニットを開発したら、ユニットの内部構造が簡易化されるまでは魔力行使が巧みなウィッチを選ぶだろうな。これそのくらいのことなんだよ」
「ええと、一応… 噴流式ストライカーユニットの開発プランはカールスラント技術開発部の秘密裏の計画なんだけどね?私もたまたま聞いてしまった話なんだけど…」
「宮藤理論通しての開発だろ?そもそもこれがあるってことはそう言うことじゃん。てかカールスラント第七中隊でロスマン先生を待ってる時に色々と驚かれたよ。本物だー!って実際に調べられて、整備してもらうのと同時にデータも取られたした。俺が遠回しに『作るの?』って聞いたらそれらしい返事は貰った…… ってことを内側事情を得意げに喋りすぎる俺はこの先どうなるんだ?」
「え?」
そういって後ろを振り向くと。
「さてさて、どうかな。空で確かな強さを語る願那夢に後ろ指差せるほどカールスラントは強気じゃないことは確かだがな」
「フーベルタ隊長…!」
「ヴィーゼ、哨戒任務の調子はどうかな?その過程でネウロイを落としてたら上出来だが、何か土産話あるかい?」
「ぅえ!え、ええと、そうですね、途中一機を落とし……た?」
「おや?なぜ疑問系?」
「ああ、それなら彼女は先ほど小型ネウロイを一機撃ち落としてたぞ」
「おお、なるほど。英雄たる願那夢のお墨付きなら間違いないだろう」
「……いえ、正直に話します。こちらの願那夢の攻撃によって半壊したネウロイを私が横取りしてしまう形で討ちました」
「君がわざわざ横から狙ったと言うことは、撃ち漏らしだったのかな?」
「はい…」
「あっ、アレってそうなんだ」
てか、ヴィーゼが撃ち漏らすほど今の機関銃って攻撃力のか。それはしんどいな。
「それと久しぶりだな、フーベルタ」
「久しいね。活躍は聞いてるよ、黒数」
「あ、あら?お知り合い?」
「「第七中隊で少しな」」
「そ、そうなのね」
彼女はフーベルタ・フォン・ボニン。
カールスラント空軍のエースウィッチでヒスパニア戦役の頃から活躍している大先輩。
初の顔合わせは第七中隊でエディータ・ロスマンの帰りを待ってる時だ。
ちなみにその部隊にいる間、今後の紛い物と戦闘時に友軍が巻き込まれぬよう被害縮小も兼ねるため軍との無線を合わせたり、戦闘合図を軍に知らせるための閃光弾の色を決めたりなど彼女が色々と働きかけてくれた。故にこうして心置きなく戦えるのは彼女のお陰である。
あと彼女の趣味であるチェスで勝負した。負けて悔しかったので彼女にフラッシュ暗算を試したがこれが得意だった。この人頭良すぎる。ガランドと言いカールスラントの上官魔女ってのは頭が良くキレるみたいだ。
「そうだ、そうだ、君にまた会えたら一つ提案しようと考えていたことがあるんだが聞いてくれないか?」
「提案?」
「ああ。君はいつもブリタニアから飛んできていると聞いている。ロンドンの街からほんの少しだけ離れた場所にある大きな屋敷。ブリタニアを代表とする大商人ビショップ家を拠点にしているよね?」
「そうだな。この半年間は心強いバックアップを得ているよ。それがどうした?」
「まぁなに、これは私個人の見解の元で喋ってているだけだ。ただ君はいつもブリタニアから海を渡りカールスラントまで飛んでこの場所に来ている。それも毎回だ。そのジェットストライカーだからこそ長距離飛行を可能としているが、しかし、それは大変だとは思わないか?」
「別に?海跨ぐ程度誤差だよ。あと慣れた」
「あ、そうなのかい?… 普通はそうはならないと思うんだけどね。大体は往復分考えて海まで跨ごうとは思わないんだけど…」
「このユニットは特別性なんだよ。そっちも調べてるから知っているだろ?スピットファイアの四倍近くは長く飛べて、最高速度を出せば概ね倍の速さは出る。これがスオムスからとかなら話は変わるがブリタニアのロンドンからと言うなら許容範囲だ。ゆっくり飛んでも小一時間で着く」
「……はぁ、そこまで言われると何も提案できないじゃないか。これは参ったね」
「フーベルタ隊長??」
ヴィーゼが隣で首を傾げ、フーベルタは苦笑いしながら諦めたように肩を下げる。
まあ、彼女が何を提案するかはわかる。
「君は軍人嫌いだね?」
「ああ、まなあ」
「!?」
「はっはっは。やれやれ、即答か」
「と、言っても、全部を嫌っているわけじゃないな。ただ組織という立場を強固に正当化させる以上、そこに蔓延る、要求、利益、欲望、など、そんな
「そういう君の考えも、なかなかに子供だよ」
「じゃあ言い換えるよ。アホは嫌いだな」
「なるほど。それはしんどい限りだね。過去に何かあったのかい?」
「さてね。ただフーベルタほどの上官なら聞いてるんじゃないのか?軍組織の上層部が願那夢をどう取り扱う…… いや、どう取り置いておくべきか悩ましい現状を」
「……」
「え、えっと、あのぉ……?」
よくわからずオロオロとし始めるヴィーゼ。
それに対してフーベルタは何を言葉に変えるべきか迷いながら少し目線を逸らす。
まあ、わかっていたさ。
結局、俺がどう扱われてしまうか、を。
「軍人如きが『放置』も『管理』も願那夢に仕向けれるはずない。この役割は怪異を討つためだけに選び取られているんだ。されどこの彗星を危険人物と怯えていたいのなら重力下でそうしていれば良いさ」
俺はオーバーヒート状態になる前にブースト回復しようと二人をその場に置いて下に降りる。
完全に回復するまで大地を踏みしめながらブリタニアの方角に歩みを進める。
人型も倒した。
もうこのまま帰るか。
しかし…
「??」
何かを捉える。
……これはなんだ?
何か、が集まって…いる??
……まず間違いない、ネウロイだ。
ネウロイの気配がする。
俺は再びブーストを蒸して真上に飛び立つ。
すると上にいた二人もこの嫌な気配に気付いたのか少し騒がしく周りを見渡している。
「……この方角、ベルリンか?」
春明けの済んだ空。
しかし目を凝らすと段々と濃くなる。
それを理解した時、空気が変わった。
「「「 !!?? 」」」
ベルリンの上空にネウロイの巣が現れる。
___本当の地獄の始まり。
「ネウロイ!?な、なんで!?」
「なぜだ!?瘴気はそこまで来てたのか!?そんなバカな!」
「……なるほど、雲よりも上か」
「え?」
「なに?」
「あの巣は雲の上からやってきた。つまり地上の攻撃は囮。ベルリンを直接叩くために下に意識を向けさせて時間をかけていたんだ」
「「ッッ!!??」」
これは後に教科書に乗るだろう。
ビフレスト作戦。
また__カールスラント撤退戦。
これは欧州壊滅の始まりであることを。
つづく
次回!
(原作なら)カールスラント死す!
デュエルスタンバイ!
【黒数 強夏】
欧州の軍勢、特にカールスラント軍からはその強大過ぎる力故に『危険人物』として扱っており、上層部では『放置派』と『管理派』の派閥が彼の扱いを決めようとしている。現状は放置派の意見が多く、対抗手段の浅い対人型ネウロイを願那夢が勝手に討つため横から口を出さずとも戦闘成果は出ている。ただ人型ネウロイが関わらない時は軍の協力にやや消極的であり、協調性にかけると『管理派』は騒いでいるが、願那夢本人は手が空いていればネウロイ殲滅を手助けしているし。しかし管理派的にはもっと手伝え!とのこと。そういう時は甘いチェロスを食べて落ち着けよ。な?
【ヨハンナ・ヴィーゼ】
願那夢に対する不安な噂は聞いていたが、それはともかくオストマルク反抗作戦以来に出会った黒数の変わらない姿に喜んでいる。現在は第54戦闘航空団(JG54)に編隊されており、フーベルタを中隊長にネウロイとの戦闘に追われる毎日にある。同部隊のマルセイユと同じように願那夢を見習ってチェロスで甘味を摂取するようになっているらしい。
【フーベルタ・フォン・ボニン】
ヒスパニア戦役の頃から戦っているエースウィッチであり、階級上昇の速さに提供ある欧州だけあって現在の階級は中佐。黒数とは第七中隊の視察(マルセイユとハルトマンを後のJG54に加えるため)へと足を運んだ時に出会っており、対人型ネウロイ戦闘時に友軍が巻き込まれぬよう測り動く。チェスで人の思考を読み取る能力があり、実際に黒数強夏の人間性を理解している。
ではまた
どの程度の描写が好きですか?
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日常9割・戦闘1割
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日常7割・戦闘3割
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日常5割・戦闘5割
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日常3割・戦闘7割
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日常1割・戦闘9割