Lycoris Record : 彼岸花の回顧録 作:フェデラルジオグラフィック
1960年6月20日 Direct Attack 東京支部
東京にあるDirect Attack 本部にて総理の代理人と長官の間でやりとりが行われるのと並行して、Direct Attack 東京支部では現地部隊を指揮する司令と在日米軍連絡将校の間で実際の作戦計画の調整が急ピッチで進められていた。総理に対しては「自衛隊が動く前に、リコリスがクーデター部隊指揮官を暗殺する」という作戦が開示されたが、実際に行われるのは「アメリカ軍指揮のもと、アメリカ製火器で武装したリコリスまたは自衛隊の一部部隊が自衛隊を武力鎮圧する」ということになる。また、作戦に投入されるリコリスの訓練も作戦立案と同じように大急ぎで進められた。
「…これはいったいどういうことでしょうね。大尉殿」
「どういうこととはなんだ?少尉」
「我々は本来韓国にいる部隊です。転地訓練の一環で一週間前に日本に来たと思ったら、いきなり軍事顧問のまねごとをさせられてる」
そういうと少尉は火のついたタバコを少女たちに向けて話を続ける。
「しかも教える相手はあんな少女たちですよ?訓練所でもあそこまで若い男はいませんよ。日本は戦争もしていないのに少年兵を動員するようになったんですか?」
「…彼女たちに今日中にM1カービンの使用法を教えろという命令だ、我々はそれを遂行するだけだ」
「しかも気味悪いことにあの青服や赤服の少女たちは韓国の新兵連中より命令への反応や銃の扱いの呑み込みが早いんですよ。俺たちは英語で教育しているはずなのに、なんで一回教えただけでM1カービンの使い方をほぼほぼマスターできるんですか?この国はどこかの独裁国家みたいにエレメンタリースクールから軍事教練でもしてるんですか?」
「…あまり考えるな、あまり口にするな」
「それは命令ですか?」
「…これ以上は私でもかばいきれなくなる」
「…わかりました、命令に従い、教練に戻ります」
付け焼刃の訓練課程が修了しリコリスの出動準備が整ったのと、作戦が最終的にまとまったのは6月21日未明のほぼ同時刻であった。訓練終了後間髪入れずにリコリス達はトラックに乗せられて指定された地点へと急行することになる。睡眠はその移動中に交代で行うというあわただしさであった。
最終的な作戦内容は以下のとおりである。なお本作戦とは別に習志野でクーデター準備中の部隊に対しては米軍および防衛庁両方からで現地の第一空挺団へ当該部隊の武装解除を命令する。
Direct Attack 対自衛隊クーデター作戦計画「五方面作戦」
作戦総括
アメリカ陸軍第7歩兵師団
Direct Attack 東京支部
作戦参加部隊
アメリカ陸軍 第31歩兵連隊
Direct Attack支部 東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城、山梨、福岡、山口
投入人員
約2,500人 米軍:1,000、DA:1,500(後始末要員含む)
作戦概要
米軍及びリコリスは習志野以外のクーデター参加部隊の規模に合わせて三つに分割し、それぞれが武力鎮圧にあたる。またこれとは別に枝作戦を二つ実施する。
部隊編成と大まかな行動
東北隊(クーデター実働指揮官の排除)
大宮駐屯地営内への狙撃によるクーデター部隊指揮官の暗殺
米軍狙撃チームを主力とする
常磐隊(対クーデター部隊主力:装甲車あり)
国道 6号線 取手付近にて待ち伏せし武力制圧
対戦車戦闘があるため米軍部隊を戦闘の主力とし
リコリスは道案内と後始末に集中する
中央隊(対クーデター部隊主力:歩兵のみ)
国道20号線 笹子峠付近で待ち伏せし武力制圧
戦闘は米軍部隊とリコリスが半分ずつ担う
東海隊(クーデター首謀者の排除)
寝台特急さくら号に乗車するクーデター首謀者とその取り巻き計四名の殺害
対象が乗る列車に二等リコリス一名を博多駅より乗車させ、拳銃を用いて暗殺する
暗殺実施のタイミングは露見のリスクが最も低くなる関門トンネル走行中の約五分間
失敗した場合は門司駅で追加のリコリス八名が乗車し宇部駅到着までに強行する
宇部駅でDAの要員が鉄道公安官に扮して当該客車を検索し死体を
総武隊(報道対策)
報道管制を実施する時間稼ぎのため千葉県の海底ケーブル通信施設への破壊工作
通信施設への送電を遮断することにより一時機能を停止させ、その間に報道管制を実施する
戦闘任務ではないのでリコリスが担当する
この話モヤモヤしたところが多いからどこかで改稿するかも。
筋書き書いてから在日米陸軍に実働部隊が全くないことに気付き慌てて韓国から引っ張ってくるなど。