首に掛けられた縄が上に引っ張られ私は首吊り状態になり、しかしギリギリ足が付くそんな状態
そうして呼吸が困難になり少しでも意識が遠くなると
すぐ足がちゃんとつく程度に縄が緩められ、呼吸が出来ると再び首を吊られる
そんな状態をかなり長い時間続けられた・・・・
体感では随分長いけどきっと実際の時間は短いんでしょうね
足元はさっき自分で漏らしたおしっこで濡れていて、石畳の床が滑る
そこから漂ってくる臭いをすぐ隣にいる女性騎士や近くにいるであろう男性にも
嗅がれていると思うとたまらなく恥ずかしい・・・・・・・
(これは処刑では無く、ただ嬲りものにしているだけみたいね・・・・・)
どうして?と疑問に思ったが少し考えればなんて事は無い
アイシアが近くにいないか確認されているだけだ
(私だってアイシアが真横に来ても全く分からないものね・・・・・・・・)
そうやって首吊りによる拷問が終わってから
しばらく経ち私は自分の現状を再度確認して
自分の間抜けさに呆れかえった
私の口の中に入れられているボールギャグの中に≪火炎魔法≫ファイアーボール≫を発生させる
魔道具が入れられていたことに今の今まで気づかなかったからだ
要するに私の口の中には爆弾が詰め込まれている
(はは・・・・当然だけど・・本当にリオとアイシアは警戒されてるわね・・・・)
もう生きてレストラシオンには帰れないと考えていいわね・・・・・・
まだ書簡の中身を見せてもいないのにこの歓迎の仕方じゃ
見せた後はもっとひどい目に合わされるんでしょうね
無理やり牢屋に閉じ込められ見知らぬ男達に乱暴されたとしよう・・・・・
かつてガルシア学院長に言われたっけ
私は間違いなくトラウマになる人間不信になるかも・・・・と答えたわ
この伝令の任を受けた時点でこうなる事は覚悟していたつもりだったが
いいえ、もし本当に覚悟しているなら、私はアイシアに来ないでなんて言っていない
あの時首を吊られただけでリオとアイシアに助けを求めたりなんてしない
何時間も・・・・・いいえ何日も何か月も何年もここでこうやって
牢屋の中で死ぬまで嬲られ続ける生活をする可能性なんてきっと本当の意味では想像していない
だから、今こうやって拷問されてから慌てているんだろう・・・・・・・
リオ・・・・・アイシア・・・・・・・苦しいよ・・・・・助けてって
本当にアルボー公爵になぶり殺しにされる覚悟があってここに来ているのなら
今この状況で慌てる必要なんて無いのだから・・・・・・
自分の身勝手さがほんと嫌になるわね・・・・・・・・・
来るなと言ってもアイシアはきっと私が戻ってこなければ探しに来るに違いない
大切な仮面を使ってでも私を助けに来てくれるに違いないと思ってる
そして案の定何も出来ずに私は捕まっている
(それにソラが私達の本当の関係を知ったら本気で怒るでしょうね・・・・・・・)
私はリオを冤罪で指名手配している連中の仲間で彼らの為に働き今こうして捕まって
リオ達に助けを求めているなんて・・・・・・・・
「お前は竜王様に多大なご恩があるんじゃないのですか?ならそのご恩を返す為に竜王様を冤罪で追いやった国なんか捨てて仮面の解析に人生の全てをかけろ!」
そう言われるのが目に見えてるわね、ほんと恩知らずにもほどがあるわ・・・・
そうしてまたしばらく時間が経過した・・・・・・・・・
長時間の拘束により足の感覚は無くなり、ボールギャグからは大量のヨダレが溢れ出てきて
首から下げられた大事な書簡を汚している
カツンカツンカツンカツン
そうした音が響いた後、セリアの近くにいた騎士達が全員敬礼のポーズを取った
「ふう、待たせて悪いね思いのほか客人との話が長引いてね・・・・・セリア君も久しぶり
・・・・という訳でも無いか、先日の会談以来だね」
「それにしても父上、昼間に来た時よりこの部屋臭くありませんか?」
私の足元を見た後にシャルルがわざとらしく鼻を覆いながらそう言った
「ふん、躾も満足に出来ていないようだな他家の屋敷で粗相をしおって恥ずかしくないのか」
アルボー公爵とシャルルは2人して今の私の姿を笑っている
私も自分が漏らしたことが分かっているだけに死ぬほど恥ずかしかった
「まぁ私も暇ではない、さっさと本題に入ろうか」
「目隠しと口枷、後は手枷も外してやれ、そのままだと伝令の役目を果たせんからな」
まず目隠しとボールギャグが外され、自分の唾液が大量に入ったボールギャグが私の足元に落とされた
最後に手枷が外されそうして私は数時間ぶりに周りを見る事、口を閉じる事
両手を動かすことが許された、周りを見渡すと
「はぁはぁ・・・・はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・・・・・」
予想通り私が連れて行かれたのは牢屋の一室だった窓の無い石造りの部屋で出入り口には鉄格子がはめられ
部屋の中にあるのは粗末なベッドとトイレ用と思われるバケツが1つ・・・・後はさっきまで
私を苦しめていた囚人を吊るす為と思われる鎖と室外にはそれを操作すると思われる滑車があった
そして私の横には女性騎士が1人立っている
鉄格子の外にはアルボー公爵とシャルル、護送中私の横に常にいたもう1人の女性騎士
予想はしていたがプロキシア帝国の大使であるレイス=ヴォルス
先程まで私を苦しめていた滑車の操作をしていた男性騎士の合計5名がいた
(予想通りアルボー公爵とは鉄格子越しの対面ね・・・・・・・)
首の縄は繋がったままだからここから一歩も動くことは出来ないし
アルボー公爵の命令一つでまた私は窒息死寸前の責め苦を味合わせられるだろう
ボールギャグにしても私の足元に落としたのはわざとだろう・・・・・・・・
魔封じの枷はその特性上魔法が使えなくなるだけでなく身に付けているだけで
装着者の魔力をどんどん吸い取っていくその為現在のセリアは魔力が全く残っていない状態だ
自力で脱出する場合、魔封じの枷を外した状態で丸一日以上休息を取る必要があるのだが
(そんなのどう考えても無理よね・・・・・・・・)
「ず・・・・・随分な歓待ですね・・・・・・・」
首に縄を付けたまま書簡を読ませようとしているアルボー公爵に抗議の意味も込めたが
「また賊の手引きでもされたら困るので完全に拘束しろと命じただけだがなにか問題でもあったのかね?」
アルボー公爵は何か問題でもあったのか?と言わんばかりの態度で私に返答した
「さてセリア君伝令としてクリスティーナ様の書簡を届けに来たそうだね?早速読み上げて貰えるかな?」
無駄話をするつもりが無いのかアルボー公爵は手に持っている書簡を早く見せろと訴えてきた
「わかりました、こ・・・・ちらが、クリスティーナ様からお預かりしたしょ・・・書簡になりますご確認下さ・・い」
私の首の縄はそのままだから動くことも出来ないしずっと口を開けたままだったので
上手く喋れない中で必死に言葉を伝えた
そして自分のヨダレでベトベトになっている書簡の片方を開封して真横にいた女性騎士に差し出した
そうして自分はもう片方の書簡を開封して読み上げようとした次の瞬間
「こ・・・これは!?!?!、一体ど・・・ど・・・・どういう事ですか??」
「急にどうしたのかね?セリア君確かにこの書簡は随分と汚れているがそれはこちらの不手際、君が気にする必要はないよ?」
「それよりもセリア、伝令として早く書簡を読み上げてくれないか?」
アルボー公爵がニヤニヤと笑いながら私の方を見て芝居がかったことを言い
隣のシャルルもこちらを見ながらニヤニヤと笑いながら早く書簡を読み上げろと催促をしてきた