黄昏と天秤の組曲   作:剣 紅夜

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【1ノ章―白刃のプレリュ―ド―】


シャイニング・ブレイド ―7色の旋律と絆紡ぐ者―
0話 ― 欠けた心と霊刃 ―


 

 

ザァ…ザァ…。

 

 

波の音が聞こえる満天の星の夜。

海の近くにあるボロボロな木片の塊といってもおかしくない廃船。

そこへ空から降り立つ1人の女性。彼女は毛布に包まれた幼い少女を横抱きに抱き抱えていた。

 

そして、少女を甲板の上に寝かせた。

 

 

「……ごめんなさい」

 

 

女性は眠る少女の髪―毛先に向かっていくにつれ桜色に染まっているような銀髪―を優しく撫で……彼女の持ち物と思われる右目部分が壊れている白い猫に似た仮面を顔にかぶせた。

その場から立ち上がり、女性は踵を返す。そのまま…その場から離れようとした時。

 

 

壊れた右目の部分から、薄っすらと光のない緋色の目をした少女は目を開け…満天の星空を眺め…再び目を閉じる。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

何処か真っ暗な世界。

 

 

緋色の目の少女は落ちていき、ゆっくりと欠けた白い台のような地の上に立つ。

 

 

『欠けている…。わたしの心が、欠けている…』

 

 

自分が立つ白い台のような地を心と言った。

虚ろな目で少女は辺りを見渡した。

 

 

『心がない……何も感じられない…わたしは、だれなの?』

 

 

―「キミのココロはなくなってないよ?」―

 

 

『だれ?』

 

 

―「ココロってね?失ってもまた生まれてくるものなんだよ」―

 

―「キミのココロが生まれるまで…ぼくがキミのココロになってあげる。キミを助ける為に、ぼくは願って…キミのココロにいたんだ」―

 

 

『え?』

 

 

謎の声が聞こえた直後、欠けていた部分に光が現れ…それは補われ…。

欠けた心は円形を取り戻し、その地はステンドグラスで少女の心の姿を描いた。

 

 

―「これで、もう大丈夫かな?大丈夫かな?」―

 

『2回言わなくてもいいよ…。うん、もう…大丈夫…多分ね』

 

―「じゃあ、キミのココロが無事に生まれるように…ぼくはキミの心の中からお祈りしてるね」―

 

 

目の前に現れた、まるでドラゴンのようなシルエットをした光の塊は小さな姿になり、少女の中に入っていった。

 

 

―「ほら、眼を開けて?新しいキミが生まれた、夢幻大陸が…エンディアスがキミを待っているよ」―

 

―「またね、ヒカル」―

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

女性がその場から一時的に離れようとした。

が…眠ってた少女―ヒカル―が右手をあげる。

 

 

「!」

 

 

気配に気がつき、女性は驚き振り向いた。

 

少女の右手から、何処からともなく…真っ白な剣が現れた。

 

その剣は刃は黒い以外は真っ白で、持ち手には護拳が付いていた。

そしてその剣から漂われる薄っすらと光りが…。

 

 

霊刃(ソウルブレイド)…」

 

 

女性はそう呟き…ヒカルに近づき…再び優しく抱き上げた。

その拍子に霊刃(ソウルブレイド)は消え…姿を消す。

 

 

「……そうね…一緒に行きましょう…ヒカル」

 

 

そう言い、女性は踵を返し歩き始める。

女性が身につけていたロ―ブのフ―ドが落ちる。

現れるのは黒い長いストレ―トの髪に綺麗な黒い瞳。どこかその顔立ちはヒカルと似ていた。

 

 

〔ぴぃ~?〕

 

「ええ、連れて行くのよ。そうよね…大人の都合で……離れ離れになんてできないものね…」

 

 

彼女はヒカルの顔に触れ、ある人物たちの待つ場所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回

【1ノ章―白刃のプレリュ―ド―】

【1話】
― 古代竜と絆紡ぐ光 ―



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