JURASSIC STRATOS 作:free&peacemaker
隙間から入る陽光が差し一夏は目を覚ます。痛み、我慢しながらも体を起こすとそこは1張りのテントの中だった。一夏は自分の体に目をやる。足や肩、脇腹には血がにじんでいるが包帯が巻いてあった。
一夏は自分が寝ていたベッドから立ち上がり周りを見る。使い込まれた古い机に棚、椅子がある。棚には本があり、机には小さいながらも化石の断片が置かれていた。
「ここってもしかして、古生物学者のテントか?」
と疑問に思っていると、テントの入り口が開いた。そして1人の男性が水の入った桶を持って入ってきた。
?「ああ、起きた?ちょっと待って」
と言ってテントの外に顔を出すと
?「誰か、先生呼んできて。例の子が起きたって」
学生「分かりました」
やり取りが終わると男性が一夏に顔を向ける。
?「もう大丈夫、ただもう少し横になってた方がいい」
と言われ一夏は再びベッドに横になる。すると誰かがテントに入ってきた。一夏と男性はそちらに顔を向ける。
入ってきたのは中折れ帽をかぶって髭を生やした男性だった。
?「気が付いたかい、川岸で倒れてた君を彼が連れてきたんだ。おっと名乗ってなかったね」
と言ってそばの椅子に男性2人が腰掛けた。
?「私はアラン、アラン・グラント。こっちは助手の」
?「ビリー・ブレナンだ、よろしく」
と名乗る。最初に名乗った人物に一夏は驚く。
「え、あのグラント博士ですか!?ラプトルの研究で有名な」
と聞くとグラントは笑いながら答える。
グ「私のことを知ってる人がいるとは驚きだな。ここドイツで発掘作業してから3週間経つが」
「俺、あなたの本読んだことあります。とても素晴らしい内容です」
グ「そうか、ありがと」
と言って微笑む。
ビ「そういう君は?」
とビリーが聞くと一夏は渋りながらも答える。
「い、一夏。織斑一夏」
それに2人は驚く。
グ「あのモンド・グロッソ2連覇の織斑千冬の弟か?行方不明の」
ビ「ニュースじゃ死んだことにもなってます」
と聞くと一夏は
「はは、そうか。やっぱり捨てられたか」
その言葉に2人は驚く。
グ「どういうことだい?それは」
とグラントが聞いてきたので、一夏は自分の過去を話した。話し終えると、グラントは一夏の頭に手をやり撫でた。
グ「辛かったのによく我慢してきたね」
と優しく声をかける。その言葉を聞いて一夏は涙を流し鳴き始める。
しばらくして、一夏が泣き止むとグラントが聞いてきた。
グ「なぁ一夏、もし行く宛がないなら私達とこないか?来週はここを引き上げて帰ることになってるんだ」
と一夏に聞く。
一夏は少し考えたが意を決して答えた。
「俺、あなた達についていきます」
グラント博士、そして3で登場したビリーが登場しました。次回は一夏は博士一行と共にある島に。