過去話で気になる部分が出てきたので修正してます。
・クレマンのスキル:<足殺し>→<部位崩し>
・第4位階の範囲回復魔法:〈集団中傷治療〉→〈集団軽傷治療〉
「ママー、すごく大きな魔獣さんがいるー!!」
「まぁ、なんて立派な魔獣なのかしら!!」
「ありゃさぞかし名のある獣に違いねぇ……!!」
「あれほどの魔獣を従えるって何者だよ……」
皆さまこんにちは。再び王都に戻ってきたツアレちゃんです。
逃げ出すように去ってから数ヶ月ぶりの王都だ。
私たちはそれぞれがハムスケと馬に乗って大通りを進む。
街には相変わらず活気があった。それはとても傾国中の国とは思えないほど。
だが変わった部分もある。ハムスケに乗る私は強く実感する。
それは王都の方――ではなく、私達の
「見ろよ!! 魔獣に乗ってる子達の首元、あれって
「あの、はしたない格好の子達が!?」
「隣にはガゼフ様もいらっしゃるが、どういう関係なんだろうな……まさか妾か?」
「つまりあの際どい格好はガゼフ様の趣味だった……?」
エ・ランテルの冒険者組合は約束を守ってくれた。
途中で乱入が合ったとは言え、デスナイトを討伐したことを評価し、ちゃんとミスリル級の証を用意してくれたのだ。
「ふぅ~~~、人々の賞賛が気持ちEeeee~~~!!」
私は左右に両腕を広げ、そんな街の人々の視線を全身で受け止める。
モモンガ様は恥ずかしがっていたが、私にとっては気持ちいいだけだ。
スポーツ大会の表彰台なんかもそうだが、人々から見上げられるって良いよね!!
「ほーら、ついでにこれがすごい天使だぞ~~~〈
「「「うわぁーーー!!」」」
気分が良くなった私がサービスで天使を召喚すると、人々から更に驚きの声が上がる。
特に驚いているのは神官と冒険者達。ポカンと口を開けたまま、ありえない!! と言わんばかりにこちらを凝視している。また私なにかやっちゃいましたか?
くーっくっくっく!! みんな私の実力にもっともっと驚くが良い!!
「もっと! もっと驚け……ッ!! やばいよクレティー、気持ち良すぎて私イっちゃいそう」
「……この状況で喜べるとか、ツアレは本当に図太いよね。いやここまで来るともう変態? 私は見世物になったようで気が引けるわ」
「だって前はコソコソ逃げるように王都を出たじゃん。でもやっぱり堂々と歩くほうが良いよ!!」
「殿は相変わらずでござるなぁ」
首元にはミスリルの冒険者証が輝き、騎乗しているのは大魔獣ハムスケ。
更に馬で並走しているのは戦士長のガゼフさんだ。
この3つによって王都の人々の視線を独り占めである。
特にハムスケの人気がやばい!! 驚きと黄色い声援しか聞こえてこないよ!!
私たちはエロシスターとか、ガゼフさんの専属娼婦とか、こそこそ言われてるのに!!!
「ハムスケは本当に大魔獣だったんだね。ただの可愛いモフモフ獣じゃなかったんだ」
「そりゃそうでしょ。ツアっちは生盾生革剥ぎ取り獣だとでも思ってたの?」
「大体合ってる……って、冗談だよ冗談」
「酷いでござるぅ!!」
だがその評価も改める必要があるだろう。
なんせハムスケはあのデスナイトを相手に、一歩も引かずに渡り合ったのだから。これは査定大幅アップですよ!!
「今回はハムスケも頑張ってくれたし、報奨金を受け取ったら専用のマジックアイテムを作ろうね!!」
「本当でござるか!?」
「それってさー、剥ぎ取りやすいように痛覚鈍化させるアイテムってオチじゃねー?」
原作では訓練して鎧を着ていたが、私としては乗り心地が悪くなりそうな物はNGだ。
その為、ハムスケ自身の防御力をアップ、あるいは再生力を付与するような装備が良いのではなかろうか?
あとは私の武器も作りたい。
転生したときのことを思い出すと、アルテマ様の足には二本の双剣があった。
魔法詠唱者としては、両手が塞がると魔法が使いづらくなるが、まぁこの辺は工夫次第だろう。どうせなら素材もアダマンタイトにしたい。
「それでガゼフさん、これから私たちはどうしたら良いですか?」
「おそらく王への会見までは数日掛かるだろう。城壁前で分かれたアズス殿が連絡はしてくれていると思うが、邪魔しようとする貴族は多いだろうからな。それまでは何処かに泊まっていてほしいのだが……」
「はいはいはい!! それならアインドラ家に!! 私の家に来るといいと思いまーす!!!!」
宿に泊まっておいてくれというガゼフさんに対して、うちに来いとラキュースが声を上げる。
確かに泊めて貰えるのはありがたい。いまは金欠だからね。
それにラキュースとも、王都への行程でだいぶ打ち解けた。
具体的には、ちょうどいい機会なのでお互いに魔法とか教えあったり。
私が〈天使召喚〉で、ラキュースが〈
どうもこの世界の魔法を覚えるには、〈
つまり何でも覚えれる訳ではないということだ。そういえば原作でも〈
こうなったら〈
ダメ元でたまに練習してはみるが。
あとはPTへの加入申請を断ったぐらい。
だって私は原作の「蒼の薔薇」が好きなのだ。
イビルアイや変態ニンジャが出てこなくなりそうな展開はNGである。
ラキュースにはぜひとも、原作の中二病ロードを爆進して欲しい。
「じゃあ私たちはアインドラ家にお世話(長時間居座る気まんまんのニート)になるので」
「了解した。ではこちらの準備が終わり次第、連絡を送ろう」
それまで待っていてほしい。と言いながらガゼフさんは王城の方へと駆けていった。
アズスを警戒してか、道中ほとんど寝てなかったのに元気な人だ。
ちなみに東の巨人(グ)が持ってた大剣は受け取ってもらえなかった。
残念だが「王国戦士長が毒付きの武器を使う訳には行かない。常識的に考えて」と言われたのでしょうがない。
今度別の何かが手に入ったら渡しにいけばいいだろう。
ぶっちゃけこの王国なんてどうでもいいが、ガゼフさんとのつながりは維持しておきたいから。ツアレちゃんは貢いじゃう系女子なのである。
「私のタレントについても『言いふらさない』って約束してくれたから安心だね。それじゃあラキュース、悪いけど案内してくれる?」
「まかせて!! うちの屋敷は本当に
「びっくり???」
「ねぇ筋肉ー、びっくりってどういう事かなー?」
「悪いが分かんねぇな。実は俺も行ったことないんだわ。あと筋肉じゃなくてガガーランだ」
私たちはラキュースの案内でアインドラ家へ向かった。
何気に貴族にお呼ばれって初めてだ。どんな屋敷なのか楽しみだなぁ……。
「当家にようこそお越しくださいました。お部屋で当主様がお待ちでございます」
案内されたアインドラ家の王都屋敷は、見た目は
しかし執事長のリモチェッロさんに続いて中を歩くと、すぐにその評価は
まともなのは
「なぁにこれぇ!? きもーーーい!!!」
「…………」
「こいつぁひでぇ……」
私とガガーランは思わず口に出してしまった。
クレマンティーヌは黙ったまま。表に出さないだけの常識はあるようだ。
ちょこちょこ育ちの良さを感じさせてくれるね。内心は同じこと思ってるだろうけど。
「……ラキュース、やっぱり帰ってもいいかな?」
「ツアレもそんなこと言うの!? うう、また友達がいなくなっちゃう……」
「いやだって、これはないわ」
ツアレもって、みんな同じこと言ってるのかよ。
だがそれはしょうがないだろう。なんせ屋敷の中は
――
「玄関ホール正面のはまだいいよ」
一番目立つ場所に家族の肖像画を掲げるのは、あるあるだと思う。
たとえソレが縦横3メートル超えの巨大絵だろうと。家族好きならしょうがない。
「でもそこから左右の廊下に、
「……やっぱりそう思う?」
「「当たり前でしょ(だろー)」」
ラキュースの言葉にクレマンティーヌとガガーランがうなずく。私も同じ思いだ。
なんせ廊下の壁には赤ん坊の頃の絵から始まって、奥に進むに連れて徐々に成長していく絵が、コレでもかと並べて掛けられていたのだから。
「……ここまでくると流石にアウトだよ!! 完全にストーカーの隠れ家だこれ!!」
恐らく家主としては、どんな風に成長していったかを、分かりやすく掲示しているつもりなのだろう。
ただ使用人の方に案内された廊下は、太陽光が余り入らない―恐らく絵が傷まない―ようにされており薄暗くて怖い。
「というか家族はまだしも、仕えてる人たちは何とも思わないんですか?」
「はい、私達(使用人)は
「その時に止めろよぉおおお!!!」
いやー懐かしいですね、そう言いながら執事長だという人は笑った。後ろのメイドさん達も笑っている。
でも私は全然笑えない。ホラー屋敷に連れ込まれた気分である。てか、過去に何度もあったのかよ!! 誰か止めろよ!!!
しかしそれでも我慢してホラー屋敷を進むと、いつの間にか当主の部屋へ辿り着いていた。
どこをどう通ったのかは記憶にない。左右の壁を見ないようにしていたからかな? もしかしたら空間がねじ曲がっているのかもしれない。
「よく来てくれた。私がアインドラ家当主のリキュール・アルベイン・デイル・アインドラだ。どうかこの屋敷を、自分の家だと思って寛いでほしい」
「それはちょっと無理かなって……難易度高すぎィ!!」
左右の壁にこれまたでかい肖像画が飾られている部屋で、高そうなソファーに腰掛ける。
だが座ったのは私とラキュースのみで、残りの二人は何故か座ろうとはしなかった。
なんだろう? 歴戦の戦士としての勘が、座ったら不味いと告げているとか?
例えばこのソファーに〈
「それでは最初にお礼を言っておこう。娘を助けてくれて感謝する」
「あっ、はい」
そんな不安を抱いている私を置き去りにして、前に座っている伯爵が話を始める。
すらりとした体型の男性だ。弟のアズスとは違って文官系らしい。年は40代かな?
その表情からは愛娘を自慢したい!! という欲望が溢れている。間違いない、これは親馬鹿の顔だ!!
「……この状況で遠慮なく話を始めるとか、このマイペースっぷりは間違いなくラキュースのお父さんだね」
「私はこんなに酷くないわ!!」
「それほどでもない」
「旦那様、褒められてる訳ではございません」
私が思わずお世辞を口にすると本気で喜んでいた。この伯爵、無敵かよ!!
そしてそれから始まったのは長い口上だ。
予想通り、途中で2時間ぐらいラキュース自慢が挟まったが、要約すれば「めっちゃ感謝してるよ! 困った事があったら何でも言ってね!!」ということだ。
「ありがとうございます。そういうことならアダマンタイトの武器が欲しいです。よろしくお願いします」
「えっ」
なので私は遠慮なく吹っかける。
ドワーフ国でモモンガ様が言っていたが、誠意とは言葉でなく物品!! なのだ。
本当に感謝してくれてるなら、きっとくれるに違いない。
「あー、その、申し訳ないがアダマンタイトは無理だ」
「ガーン、です」
――がっ、駄目!!
「というか、そもそも売ってないのだよ。王国にはアダマンタイトが取れる鉱山が無くてね」
鉱山ないってマジで??
「でもでも、ガゼフさんの鎧ってアダマンタイト製なんですよね?」
「いやあれは国宝だからね? 詳しくは知らないが、確かこの国ができた時に献上された物だったはずだよ」
「え~~~」
そのまま詳しい話を聞けば、昔はドワーフの国から輸入されていたのだが、それもすでに途絶えているという。
なのでこの国でアダマンタイト製の武具を買うのは無理らしい。
うーん、これは期待が外れた。
別の方法を考えないと駄目みたいだ。行けると思ったんだけどなぁ……。
「……はぁ、なんかやる気なくなちゃった。残りの6腕でも狩ろっか。どう思うクレティー?」
「いやそんな高い下着買いに行こう、みたいなノリで言われても……」
「アダマンタイト製の武器が買えないから、代わりにアダマンタイト級の敵を狩りに行くってことだよ!!」
「分かりづらっ!!」
それから連絡が来るまでは、六腕の残りを狩りながら暇を潰した。
協力者は麻薬部門の幹部であるヒルマさんだ。
彼女は日頃からせっせと貴族家の次期当主達を家に招いてコネ作りに精を出しており、その為に貴族の間ではそこそこ有名人だった。
おかげで所在地はあっさりと把握できた。
というか調べるまでもなく、アインドラ伯爵が知っていたのだ。
なので攫ってハムスケの魔法で魅了するのは難しくなかった。
あとは幹部の名を使って、六腕の残りの人たちを呼び出して貰ったのである。一人ずつ順番に。
「……なによその魔獣、どうして王都にこんな化け物がいるのよ!?」
まず犠牲になったのは"踊る
ダンスという魔法のかかったシミターー思考で操るファンネルもどきーを使いこなす、6腕の紅一点。
「ハムスケの可愛さが分からないとか、これがジェネレーションギャップって奴かな?」
「それはちょっと違うんじゃないかなー? でもおばさんみたいだし、しゃーないか」
「このガキ共がっ!!」
エドストレームが叫ぶと、薄暗い倉庫内をシミターが舞う。
「――今度こそっ、死になさい!!」
扇風機の羽のようにグルグルと回転する刃物――それが全部で6本。
シミターは敵を引き裂かんと、踊るような軌道で空中を走った。
これだけの数の刃物に襲われれば、普通は対応など出来ずにバラバラになってしまうだろう。
しかし――
「その武器はちょっと弱すぎるでござるなぁ」
――キンキンキンキンキンキン!!
「んなぁーーー!?」
ハムスケの外皮はその刃を余裕で弾いてしまった。
それもこれで3回目だ。ここまでくればエドストレームも勝てないことを悟っただろう。
「私の辞書には『諦めたらそこで試合終了』という格言があってね。だから諦めたら?」
「ちくしょうッ!!」
私は絶望で棒立ちになっている、ヒラヒラ服のエチエチお姉さんに降伏を促す。
こんな事になっている理由は、純粋に攻撃力の不足である。
浮かんでの自律行動は手数を増やすという意味では確かに強い、しかし筋肉による振りを加えられない分だけ、威力的な面では弱体化しているとも言える。
その為、ハムスケの外皮を抜いてダメージを与えることが出来ないのだ。
……まぁ私の支援魔法がありったけ掛かってるから、たぶん手に持って振るっても無理だけどね!!
「まだよ! 六腕のわたしが!! こんな所で負けるわけない!!」
「どうしたでござるか? そんな玩具では、某は倒せないでござるよ」
「こ、このくそ魔獣がっ!!」
再び宙を舞ったシミターを弾きながら、ゆっくりとハムスケが前に進んでいく。
「この無敵感よ」
さすがは巻末のステータス表示で、物防>HP>魔防>物攻 だっただけある。
生粋の生盾(タンク)、ハムスケさんカッコいいぞ~~~!!
「んじゃ降伏しなさそうだし、そのまま潰しちゃって。生かす意味はないから首取ってどうぞ」
「了解でござる!!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!! やっぱ降参……んヒィ!!」
最後は降伏宣言中にハムスケの尻尾が直撃。
こうして踊る三日月刀さんは死んでしまった。
それから2人目に選んだのは"不死王"デイバーノックだ。
こいつは自然発生したエルダーリッチであるが、神官の私にとってはそれほど強敵ではない。
「てめぇら、俺を騙しやがったのか!?」
「その通り。ふふふ、本当におっぱいプルンプルンのアンデッドなどいると思った?」
「ちくしょぉめぇーーーー!!!」
しかしこいつは予想に反してかなり厄介だった。というのも――
「こんな所にいられるか! 俺は逃げるぞ!! ――〈
デイバーノックは状況を理解した瞬間、魔法で飛んで逃げたのだ。
どうやら街に入った時の天使召喚を見ていたらしい。
同じ位階の神官相手だと相性が悪いと判断し、迷わず逃げを打ったのだ。
それも上空には飛び上がらず、家や壁を遮蔽にしながら、路地裏を縫うように奥へと進んでいく。
「六腕の誇りはどうしたの!? 舐められたらおしまいなんでしょ!!」
「知るかっ! 六腕なんてただの資金稼ぎだ!! 滅ぶまで戦う訳がないだろ!!!」
私は慌てて追いかける。ついでに挑発してみるも、帰ってきたのは意外な答えだ。
でも確かに言われてみればその通りだね。……アンデッドの癖に賢いやつだ。
「だが逃がさん!! ――〈
「ちぃっ!!!」
使ったのは信仰系第4位階の飛行魔法だ。
背中から天使のような翼を生やして、空を飛べるようになる魔法である。
〈
町という入り組んだ場所での追いかけっこで、どちらが有利かは言うまでもないだろう。
私は一対の白翼で宙を駆ける。
翼を羽ばたかせる度に景色が後ろに流れていく。壁を走り、住民の間をすり抜け、逆さのまま敵を追い詰める。召喚しておいた
「アハハハハハハ!! 鬼ごっこぉおおおーーー!!!!」
戦闘中だがすごく楽しい。昔プレイしたニンジャのオンゲみたいだ。切り捨てゴーメン!!
「その数はきたねぇぞ!! ……こうなったら――〈
ちょっと怖がらせすぎたかな?
デイバーノックは途中で逃げ切るのは無理だと悟ったのか、上空に昇り魔法を撃ってきた。
地上から上昇してきた私に向かって、夜空から魔法が飛ぶ。
だが――
「なにっ!?」
「きかねぇんだよ!!(ちょっと焦げて痺れてるだけ)」
それでも私の進行を止めることは出来ない。
だって〈
あと面倒なのは〈
魔法一発で回復である。おまけに天使たちが背中を押してくれるので、速度はほとんど落ちないから余裕だ。
「はい捕まえた」
「ま、待てっ! 降伏を……ひでぶっ!!」
「はいはい、ご苦労さまでした」
最後は距離を詰めた天使を組み付かせ、魔法を封じた状態でデイバーノックを滅多刺しにした。
こうして不死王は夜空に散った。バラバラに散らばって落ちていく装備品を天使たちに回収させながら、私も地上へと戻った。
そして残った最後の一人、”空間斬”ペシュリアンは――
「……なぁ、流石にこれは酷いと思わないか?」
彼は20畳ぐらいある広い部屋の中で、私達を前に全てを諦めたような表情で立ち尽くしていた。
「酷いって、それは睡眠中に奇襲したこと? それとも今の貴方がフルチンなこと? どう思うクレティー?」
「たぶん両方じゃないかなー? あっ、ちょっと小さくなった……」
デイバーノックの様に逃げ出されると面倒なので、塒を特定して寝込みを襲う事にしたのだ。
残念ながら私たちは隠密が得意じゃないので、ぎりぎりで気づかれてしまったが、それでもご自慢の鎧を着る時間は無かったようだ。
重戦士が鎧を身に着けてないとか、これはもう最初から勝負は付いてる様なものである。
……寝るときは全裸派だったのが仇になったね!!
「何か言い残すことはある? あっ、空間斬のタネは割れてるから。細い鋼糸でしょ? 近づかずに魔法連射でおk」
「お前らは何なんだ……パンツだけ履かせてくれ」
それが彼の最後の言葉だった。
「OKOK、じゃあ武器から手を離して。……クレティー、やっておしまいなさい」
「はーい♪ 武技――〈三光連刺〉!! からの、スキル部位崩し発動!!」
「ア゙ーーーーーッ!!!!」
もちろん履いてる途中でクレマンティーヌが刺した。
どことは言わないが、それはもう念入りにザクザクと。
こうして八本指自慢の六腕は壊滅し、部屋にあった財産は私達の物になったのだ。
再び懐が暖かくなってツアレちゃん大満足である。
ちなみにヒルマには不正の証拠を提出させ、ふん縛ってアインドラ伯爵に預けてある。
憲兵に突き出したりはしない。してもコネで出所されるだけなのは原作で知ってるからね。
これも報告すれば、きっと報奨金が上乗せされることだろう。
フフフ、王城に行くのが楽しみだ。
三日月刀「攻撃効かないとかクソゲー」
不死王 「同格の神官+天使12体とかクソゲー」
空間斬 「フルチンで戦えとかクソゲー」
アヘアヘ麻薬おばさん「捕まったんだわ」
王様との会見まで行こうとしたけど無理でした。