ツアレ転生者の華麗な異世界生活   作:さろんぱす。

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前話が1万字超えてたせいか感想が沢山来て嬉しい。
誤字脱字報告もありがとうございます。


#18 準備という名のLV上げ

 王都にあるアインドラ屋敷の一室。

 ふかふかのソファーに座った私たちは、紅茶を飲んで一息を付いていた。

 

 高そうな茶葉を、メイド長さんが直々に入れてくれた紅茶である。

 爽やかな匂いが鼻孔をくすぐり、柔らかな味が謁見で消耗した精神を癒やしてくれる。

 

 当主が親馬鹿なのに目をつぶれば、ここはとても良い所な気がしてきたぞ!!

 

「ふー、この部屋にもだいぶ慣れてきたね」

 

「そうだねー、壁の絵を気にしなければいい部屋だね。たまに枚数が増えてるけど」

 

「それは気にしたら負けかなって」

 

 皆様こんにちは。王城から無事に帰還したツアレちゃんです。

 クレマンティーヌが王子様をぶん殴ってから、私たちは陛下に断って王城を後にした。

 残っても別の貴族に突っ掛かられるだけだからね。君主危うきからすぐ逃げる、だ。

 

 そうしてアインドラ屋敷に戻ってからは、今後についての話し合い。

 テーブルを囲んでるのは、登城した3人娘にガガーランニキを加えた4人である。

 

「それで寛いでいる所に悪いんだけどよ。王子ぶん殴って戦争に参加する宣言したってマジなのか?」

 

「マジまじ。もちろん大マジだよ!!」

 

 話の内容は私が王様に頼んだ戦争への参加について。

 意外なことに一番食いついてきたのは、お留守番してくれていたガガーランニキだ。

 

 えっ、第1王子? そっちはみんな気にしてない。

 あいつはどうせ「計画にあなたは必要ないだけ(キリッ」されちゃうような奴だから。

 

「報奨金を貰いに行ったはずなのに、どうしたらそうなるんだ?」

 

「喧嘩売られてクレティーがやっちゃった。あとはノリで」

 

「すごく気持ちよかったよ~」

 

「ありえねーだろ。お前ら馬鹿か?」

 

 王城での出来事をそのまま告げる。

 隠さず全部だ。というか隠すとこなんて一つもねぇ!!

 おかげでガガーランニキが内容の酷さにドン引きだ。

 

「まぁぶっちゃけ王子の方はどうでもいいんだけどよ。でも戦争に出るって本気か? 俺が言うのもなんだけどな、碌なもんじゃねぇぞ」

 

「てかさー、今更だけどそもそも冒険者は出るのは禁止じゃなかったっけー? ツアっちは知らなそうだけどねー」

 

「いやちゃんと知ってるし!!」

 

 最近気づいたけど、コイツら私を馬鹿だと思ってない?

 それはちょっと見くびり過ぎだと思うんですけど。いや確かに組合の規約は一度も読んでないが(未だに読み書き出来ない。

 

「でも引退後は自由にして良いのは知ってる(原作知識)。だったら問題ない。一度引退して戦争、その後にまた登録すればいいじゃん」

 

 それでも私には原作知識という、最強の情報アドバンテージがあるんだ!!

 えっ、法国の名家出身? ちょっと負ける気がしないですね(ドヤ顔。

 

「それ規則的にありなのか?」

 

「たぶん大丈夫だったかな? ツアっちはルールのギリギリを攻めるのが好きだね―」

 

「それほどでもない」

 

「いや褒めてる訳じゃねーと思うぜ」

 

 私はどうどうと胸を張る。ルールは利用するものだって、はっきり分かんだよね。

 というか、すでに2回登録した身だし。3回目なんて軽い軽い。

 ソシャゲのリセマラに比べれば簡単だろう。SSRがほしければ千回やり直せ、なんて言われなければ楽勝だ。

 

「それに、もしこの国の組合が何か言ってきたら竜王国に行けばいいじゃん」

 

「確かにあの国なら歓迎されるだろうねー。亜人に攻められて滅亡しそうって話だし」

 

「そいつぁ穏やかじゃねぇな」

 

 なんせビーストマン襲来というクソイベ(期間無期限の大サービス)の真っ最中だ。

 国自体が無くなりそうなので、いちいち個人の過去なんて気にしたりはしないだろう。

 むしろ戦える人間なら、冒険者登録は諸手を挙げて歓迎されるはず。

 

 つまり引退も戦争もその後も、何も問題はないということ。……冴えわたる私の頭脳が怖いっ!!

 

「まっ、本気で行くつもりなら止める気はねーけどな。……ところで、ラキュースはさっきから何を書いてるんだ? ずっと黙ったままなんて珍しいじゃねーか」

 

 3人の視線がラキュースに集中する。

 

「……えっ、私? これはただの日記よ。ツアレと出会ってからは出来るだけ書くようにしてるの」

 

「それ議事録じゃなかったんだ……」

 

 帰っててから黙々と書いてると思ったら日記だったのか。

 同じテーブルで堂々としてるから、てっきりエロ小説かと思ってたのに残念だ。もしくは自作のポエム集。

 

 しかし私以上に気になったのか、ガガーランニキは横から日記を覗き込んだ。

 

「えーと、なになに……褒美を辞退したツアレは王に向けてこう言いました『陛下、もはやこれ以上この国の危機を見逃すことは出来ません。私は超すごい冒険者でありますが、次の戦争にはこの身分を捨て駆けつけましょう。きっとこの国を救い、背負ってみせます(キリッ!!』と。……これ本当かよ?」

 

「ぜんぜん違う」

 

「それどこの絵本の出来事よ……。てか超すごい冒険者て」

 

 なんだこれ?

 日記は日記でも「痛 い 妄 想 日 記」じゃねーか!!

 しかもなんか美化されてるし!!

 

「ラキュースの記憶はどうなってるの? 国なんて背負う気ないんですけどぉ!?」

 

「なんか違うって言われてんぞ?」

 

「だってこれは私達の伝説の始まりだもの!! ならば将来、吟遊詩人に聞かれた時の為にも、ちょっと(最大限)盛るぐらいいいでしょ!? ちゃんと(盛りまくって)書いておくから!! いいえ、書かなければいけないの(使命感)」

 

「いや、わざわざ盛る必要はないっしょー。てか盛りすぎ」

 

 [悲報]ラキュースさん、中二病を隠していない[バレバレ]

 

 原作と違って14歳で中二病になったせいか、隠さず堂々としてやがる。……これは黒歴史確定ですわ!!

 

「あのよぉ、こういう事は言いたくねーんだけどよ、それ将来的にすごく後悔すると思うぞ……」

 

「大丈夫よ、私達の辞書に『後悔』という文字はないわ。そうよねツアレ?」

 

「早く付け足せっ……!! 出来る限り早く……!!!」

 

「一人の少女が戦争に出て国を救うお話……これこそ正に英雄の物語よ!! くぅ~、ティンッ!! ときた!!」

 

 そう言うとラキュースは再び文字を書き連ね出した。もちろん私の意見はガン無視だ。

 手に持った羽ペンは軽やかに動き続け、どんどん追加されていく文字列は止まる気配がない。

 

 ギラギラとした瞳で手を動かす様は、推しアイドルをブログに綴る追っかけのようだ。

 未だに文字が読めないから分からないが、作中の私は一体どうなっているのか……考えるとちょっと怖い。

 

「これはラキュースはもうダメかも分からんね。あとは私も」

 

「いいんじゃないかなー? 恥ずかしくなるのはツアっちとラキュースだけだしー。あと詳しいことを知らないと、確かにそう見えなくも無いからね。実際は追い剥ぎに行くんだけど」

 

「追い剥ぎて」

 

 クレマンティーヌの表現が的確すぎて笑う。

 でも確かに私が欲しいのではアダマンタイトであって、国の将来ではない。

 なら……別に、追い剥ぎしてしまっても構わんのだろう?(赤い英霊のような口調)

 

「まぁ国については偉い人たちがどうにかするでしょ。役職と給料が発生しない物は全部ポイーで」

 

「本当かなー? あのダメ王子を野放しにしてる人たちが?」

 

 と言っても八本指はすでに3部門が壊滅してるようなもんだし。

 麻薬部門から第一王子が金を受け取っていた証拠も提出済みだ。

 

「捕まえたヒルマについても、陛下とアインドラ家が良いように使ってくれるはずだよ」

 

 魅了魔法で幹部会を開かせて一網打尽とかね。

 今ならアズスもいることだし、逃がすこともないだろう。

 

 参加すれば稼げそうだが、地味で長い仕事になりそうなので今回はスルーだ。

 それに経験値的に美味しそうな敵も残ってないから。

 

「王国最大の犯罪組織も、もう終わりが見えてるね」

 

 原作では何だかんだで王国滅亡まで残っていたが、ここではサクっと片付きそうだ。

 

 それからついでに、レエブン侯の事情についても話しておいた。

 アインドラ伯爵に聞いた所、とっくに子供が生まれて親馬鹿化していたのだ。

 すでに第2王子にも接近してるっぽいし、これはもう改心してるのは間違いない。これで上手くいけば、王派閥の動きは原作よりマシになるだろう。

 

 まぁ目指す先は同じ者同士、なのに牽制し合うとか無駄でしかないからね。

 ならチャッチャと和解して協力したほうが良くね? と思った次第である。

 

 ランポッサ三世はその辺の懐だけは深いから、きっと良い方向に向かうはず。

 裏切って帝国と内通してる貴族さんについても、レエブン侯から伝わるだろう。

 

「とまぁ王国の将来と、ラキュースの妄想は置いといて。私たちは戦争の準備を始めようか」

 

「といっても時期的には半年後ぐらいっしょー? 今から何するつもりー?」

 

 私が売られたのは収穫が終わってからだったので、戦争はまだ大分先だ。

 準備としては訓練とマジックアイテムの補充が基本的になるだろう。

 

 だけどその前に、私にはどうしても一つやっておかなければならない事があった。

 

「ラキュース、悪いけどもう一人子供を預かってもらうことは出来る?」

 

「それぐらいならお父様に頼めば許可を貰えると思うわ。でも誰を連れてくる気なの?」

 

「ああ、それはね――私の()だよ」

 

 原作と違って両親が生きてるとは言え、そろそろあの村に残しとくのは限界だろう。

 それに殴った件で第1王子が報復に動かないとも限らない。

 

 なのでさっさと迎えに行こう。ちょうどキリも良い。

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆ ◆◆◆

 

 

 

「――という訳でやってきました。ここが私が生まれた村でーす!!」

 

 いぇーい! とテンションを無理やり上げながら、同行者の2人に村を紹介する。

 

 王城でのアレコレからは2日が経過。

 私はクレマンティーヌとハムスケの3人で、生まれた村を訪れていた。

 位置は王都から北北東、王国北部にある寒村の一つ―『クルクルッパー村』である。

 

「どう? 頭が回ってそうな村でしょ? 悪い意味で」

 

「みんなお薬決めてクルクルしてそう。でも、どこもボロボロなんですけどー?」

 

「人の気配が全然ないでござるな。きっとこれが廃村(?)という奴でござる」

 

「いやこれでも一応は歴とした村だし!!」

 

 村の入口手前にある、なだらかな丘から全体を見渡す。

 太陽が頭上にある時間帯なのに、外に出ている人は見当たらなかった。代わりに崩れた家がチラホラと目に付く。

 

「どうみても廃村だよねー?」

 

「私が売られた時は、もう少しましだったんだけどなぁ」

 

 うーん、モンスターにでも襲われたのかな?

 手入れが出来ていないのか、周囲に広がる畑も雑草が乱雑したままだ。

 これでは今年の収穫は期待できないだろう。むしろこれ、あと一年持たないんじゃね?

 

「来年には本当に廃村になってそう……あの馬鹿村長共、ちゃんと管理しろよ」

 

 全く良い記憶がないとはいえ、さんざん扱き使われた村だ。

 それが消えて無くなりそうなのは、ちょっとイラっとする。

 

 私はそんな廃村もどきを進み、生まれてから過ごしていた家に入った。

 中は半分崩れかけていた。壁の一部は崩壊していて、隙間風も酷い。

 

 それでも奥まで進むと、何もない寝室には11歳の少女が倒れていた。

 

「おっ、セリーだ!! ただいまー、元気にしてた?」

 

「えっ、ねえ、さん……?」

 

 栗色の単髪に痩せすぎて頬骨が浮き上がった顔。

 床に仰向けで倒れていたのは、私の実の妹であるセリーシア・ベイロン(原作のニニャ)だ。

 他に誰もいなかった。両親はどこに行ったんですかねぇ?

 

「久しぶりで積もる話もあるけど、しかしその前に餓死しそうな状態をどうにかしましょうね~。まずは〈水創造(クリエイト・ウォーター)〉、それから〈調味料創造(クリエイト・スパイス)〉:塩。それに他諸々を木製容器(蓋付き)に入れてっと。はい、クレティーこれ振って」

 

「しょうがないなぁー」

 

 魔法で水と塩を生み出して合成シェイク!!

 さらに持ってきた牛乳と麦も混ぜてセリーにシュー!!

 

「超エキサイティンッ!! ってことで、はいセリー。ツアレお姉ちゃんの特性ミルク(粥)だよ!! 沢山飲んでね?」

 

「えっ……んっ、んぐっ……!!」

 

 私は作った粥を、むりやりセリーの口に流し込む。

 いや無理やりでも食べさせないと死ぬし。このままだと持って半日だったかな? これでも私は空腹は詳しいんだ(実体験)。

 

「まだまだお代りもたくさんあるよ? さぁさぁ!!」

 

「まって、鼻から、入ってる……あばばばば……」

 

 それから私はしばらくセリーを看病し続けた。

 ある程度落ち着いたら、最後は〈清潔(クリーン)〉で汚れを落とす。

 これでもう死ぬことは無いだろう。ギリギリセーフ!!

 

「ふー、これで一安心。移動速度を優先して3人で来てよかった」

 

「確かに、馬車とか用意してたら間に合わなかっただろうねー」

 

 こんなに可愛いセリーが死んじゃうとか悪夢でしかない。

 才能的にもフールーダに近づけるほどだからね。死んだら国家クラスの(人材)損失ですよ!!

 

「それでパパとママはどうしたの? ここ出る前にあいつら一発殴りたいんだけど」

 

「あっ、パパとママはその……少し前に病気で死んじゃって……」

 

「えっ」

 

 まじかよ。いやまぁ、もともと体が弱ってたところあったし?

 そもそも私の両親は書籍版・WEB版、どちらでも死んでいたキャラだ。

 

 それが生きていたのは、この世界の私がイレギューラーだったせいだろう。

 私になる前のツアレの記憶によると、村にいた時は回復魔法を毎日掛けていたみたいだから。

 それでギリギリ延命されていた訳だ。言わば私は命綱だったのである。手放したらそりゃ死ぬわ。

 

「えーと、それじゃあ、あのいけ好かない村長は?」

 

 だがそういうことなら両親の分は村長への仕返しに追加しとこう。

 元を辿れば私が売られたきっかけは村長のせいなんだし、遠慮なくやっちゃっていいよね!!

 

「えっと、その、村長さんももう死んでて……。姉さんを他の村にバラした張本人ってバレて、村のみんなにボコボコにされちゃった」

 

「って死んでんのかよ!!」

 

 おっかしいなー? 絶対に殴りたかったんけどなー?

 まぁ村の共有財産()を失うきっかけを作ったんだから、村八分(物理的な意味で)は当たり前のことなのかな? ……田舎の村の闇は深い。

 

「じゃ、じゃあ、モンスター相手に、私を囮に使ってた野伏(レンジャー)さんは? 外に人は居ないみたいだったけど、どこに居るか知ってる?」

 

 こっちなら流石に生きてるよね?

 クラス的にも隠れてやり過ごすのは得意そうだし。私に殴られる分、残っとけよ!!

 

「……その人も死んでる。近くの森でモンスターに襲われて食べられちゃった」

 

「ええぇぇ……(困惑)」

 

 だがそんな私の気持ちはたやすく裏切られた。

 

 なんで斥候職がまっさきに食べられてるのかな?

 私という高性能デコイを使った狩りに慣れ過ぎたせいで、素の腕が鈍ってたとか……?

 

 どちらにしろ、これは酷い。

 

「なにそれ、殴りたかった人が残ってないじゃん。クレティー、どうにかして生き返せない?」

 

「いや神官はあんたでしょ。てか無理して殴らなくていいんじゃない?」

 

「えー、クレティーはきっちり復讐果たしたくせに」

 

 自分は拷問のお返しにコッコドールをきっちり殺っといて、この言い様は酷い。

 だがこうなると、もうこの村でやることはない。ならさっさとセリーを連れて出て行くのが吉だろう。こんな村二度とこねーぞ!!!!

 

「じゃあ後は家を燃やして村を出よう。クレティーとハムスケも予定通りによろしく」

 

「オッケー、じゃあ私は適当な空き家を燃やしてくるねー」

 

「某もセリー姫を乗せて、村から離れているでござる」

 

「えっ、姉さん? 燃やすの? 何で……?」

 

「それはね、私達の趣味だよ!!」

 

 クレマンティーヌとハムスケが外に出ていく。戸惑ったままのセリーを連れて。

 私もすぐ外に出て、クレマンティーヌにタイミングを合わせて家に火をつけた。

 

 わざわざ家を燃やすのは、セリーの行方を眩ませるためだ。

 追手なんて来ないとおもうけど、念には念を入れて。他の家はただの偽装。あと趣味が8割ぐらい。

 

 その後、私たちは無事に王都に戻り、アインドラ家にセリーを預けた。

 

「姉さん、この屋敷すごく怖いんだけど……壁に絵が沢山……」

 

「大丈夫大丈夫、そのうち慣れるから!! ホラーハウスじゃなくて、美術館だと思えば平気でしょ?」

 

「無理だよぉ……」

 

 震えて涙目のセリーはすごく可愛い。思わず背筋がゾクゾクしてくる!!

 

 私は今年の戦争が終わるまで一緒にいれないが、この家ならば悪いようにならないだろう。

 ついでに貰った報奨金で魔力系の家庭教師をつけてもらえるように頼んでおいたし、次に合う時はきっとセリーも魔法詠唱者(マジックキャスター)になってるはずだ。

 

「じゃっ、私たちはこれから修行に行ってくるね!!」

 

「お土産を期待しといてねー」

 

「某ももっと強くなるでござる!!」

 

 後顧の憂いを断った私たちは、それからまたLV上げを始めた。トブの大森林に籠もって。

 なお、ラキュース(とガガーランニキ)は別行動だ。密着取材でこれ以上、変なことを書かれるのはごめんだからね。

 

「水と塩は魔法で出せるし、汚れも魔法で落とせるからよし!! 持っていくものは最低限で」

 

 普通なら森に籠もるには十分な物資が必要だが、私たちは魔法があるから準備はそんなに要らない。

 

 特に〈水創造(クリエイト・ウォーター)〉〈調味料創造(クリエイト・スパイス)〉そして〈清潔(クリーン)〉が便利である。

 この3つの魔法があるだけで、サバイバルの難易度は大幅に下る。生活魔法の有効性すごい!!

 

「食料切れを心配する必要がないって素晴らしいねー」

 

「小動物なら、某の〈全種族魅了(チャームスピーシーズ)〉で簡単に捕まるでござる」

 

 それにトブの大森林は生物が豊富だ。

 食べ物でいちいち補給に戻らなくて済むのは、時給(経験値効率)を上げるのに大変役立つだろう。

 大森林大虎(トブ・グレーター・タイガー)雪山脈大亀(アゼルリシア・アイアン・タートル)など、味的に美味しい生き物も多い。紫長虫(パープル・ワーム)とかはキモくて食べる気にならないけど。

 

「なので、あとはずっと修行だよ!!」

 

「今のままだと4騎士に勝てるか微妙だものね。それにこっちは装備も劣ってるし。勝ってるのはハムスケと、ツアっちのタレントぐらい?」

 

「タレントは内緒にする方向で」

 

 戦争に出るとは言っても、出来ればタレントは使いたくない。

 観客が何万人もいる場所だと、隠すなんて不可能だから。

 なので戦争までに、出来るだけ自力を上げておく必要がある。

 

 だが幸いなことに私達の才能は保証されてる。

 装備の差で帝国4騎士が+LV3されると仮定しても、こっちがLV30もあれば負けないはずだ。

 

「だから後は戦争までに、どれだけモンスターを狩れるかが勝負」

 

 森に入った私たちはゴブリンとオークを部族単位で狩り、地下洞窟にいたのも狩り、ウルフ系やスネーク系も湧いた端から狩った。他のも目についた端から狩っていく。

 

 たまにギガントバジリスクみたいなやべー(うめー)やつも。

 ハムスケはすでにLVが高いのでバックアップに、倒すのは私とクレマンティーヌがメインだ。

 

「まじで森のめぐみ(経験値)はんぱない……。ただし中央の瓢箪湖南にいるリザードマンは(原作で好きだったので)スルーで」

 

「千匹単位でうじゃうじゃいるっぽいしー、戦ったら楽しそうなんだけどなー」

 

「あの数は無理だと思うでござるよ。やはりクレティー姫も頭おかしいでござるなぁ……」

 

 代わりに北側にいたトードマンは美味しく頂かせてもらったけどね!!

 でっかい魔獣を飼いならしていた上に、近づいたら向こうから襲ってきたので、遠慮なく経験値にさせて貰った。

 

 ついでに沼地の双子魔女も倒して4至宝も一つゲットだ。

 戦闘で使えるものじゃなかったので、こっちはただのオマケだけど。

 

 

 それからも狩って狩って狩って、一心不乱に狩り続けて。

 

 そうして私とクレマンティーヌが、ようやくLVが30に到達した頃……。

 

 ――ついに実りの秋(戦争の季節)がやってきた。




今回の話を投稿前に見直して気づいたこと。
……またレ()ブン侯(貴族)がレ()ブン侯(傭兵)になってる(´・ω・`)

頭のコジマ汚染が酷すぎてやばい。誰か助けて。
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