「今働いている会社を辞めて、フリーランスで働いてほしいです」
この言葉を聞いた時、今年の4月からの光景がよみがえった。
自分は今の企業に、何も期待することなく入社したのを今でも覚えている。
そこに、希望も絶望もなかった。
「今の会社を3年たったら辞める」
このことは美晴に公言はしていた。
美晴もそれには了承してくれた。
その背景にあったのが……
会社にいる自分と、プライベートの自分が、嘘偽りの自分であったから。
自分はプライベートを優先するし、仕事は今の会社では最低限出来たらいいと思っていた。
期限が決まっている以上、人と仲良くするつもりもないし、表面的な付き合いも苦手な部類だ。
他にも、向上心が強く、勉強することを止めないから、生活スタイル含め、一般的な人とはかけ離れていた。
それを美晴は受け止めてくれた。
それがうれしかった。
だから今の自分があるのだと感じた。
それが今の企業に目を向けたらどうか。
全く持ってしたいことができていなかったし、プライベートも公開させようとしてくる。
どうして人は興味を持つのか、僕には到底理解できなかったし、それがストレスになっていた。
そして最大のストレスは……「仕事内容」だったのかもしれない。
僕は爆発的に伸びるのは遅い方だと思っているし、それをするにはある程度の下積みが必要だと思っている。だからこそ、スロースタートである。
専門的なことを積極的に学び、業務知識が多く身につくようなことはしたくないと思っていた。
だから、僕にとっては、これが最大の悩みでもあり、理由にしていこうと感じていた部分はあった。
OJTが始まってみると、業務が全く持ってつまらないと感じた。
人とすることの楽しさもなく、考えることも少なく、ただただ手を動かして言われた通りのことをするだけ。
これがとても退屈で仕方がなかった。
自分にとって大切なのは「自由」と「裁量」であることに初めて気が付いた。
振り返ってみると、僕は「自由」な人間だったかもしれない。
やりたいことに対して、好きなようにできていたり、自らが考え、答えを出すことが好きだった気がした。
同じ志や目標を持つ仲間と一緒に取り組んでいきたいと感じた。
それが今の企業ではどうか。
一緒に取り組みたいと思えるような仲間はいない。
ましてや尊敬する人なんていない。
自分で答えは出せず、決定権や裁量権がない。
そんな今の環境が嫌だった。
振り返ると、ストレスになっていたことって何だろう。
自分の変える時間が遅くなってしまったら、美晴と接する時間が減ってしまうのかもしれない。
それが、本当に僕が……いや、美晴が望んでいることなの……?
美晴が望む自分と、僕が望むもの。
それにもちろん差はあるし、あって当然だと思う。
それを埋めていくしかない。
それってどうすれば埋まるの?
僕と美晴の共通点は何?
自分の頭の中がアンテナで張り巡らされる。
そして、1つの答えにたどり着いた。
「自由……だ……」
今や、企業で働くことがすべてではないこの時代。
ましてや、ITができる自分にとってはなおさらだ。
頭の中が1つ、また1つとクリアになる。
でも、自分だけで全部クリアになるわけではない。
やっぱり、自分はプライベートも大事にしたい。
何より、美晴と一緒にいる時間を増やしたい。
それは、僕も美晴も、きっと願っているはず。
簡単なことではないのは百も承知。
それでも、美晴は僕のことを信頼してくれている。
それに全部応える、とまではいかないが、その責務は僕にあると思ってる。
だから最後に僕はこういった。
「わかった。やってみる」
美晴は笑顔だった。
皆さんこんにちは、投稿主のおみです。
この度は「3.11 Op.18」を読んでいただきありがとうございます。
また更新が遅くなり申し訳ございませんでした。
元気に活動はしていますよ。
そろそろ定期投稿も書かないとなあと思っています。
さて、もうすぐ冬を迎えますね。
今年の冬はどんな冬となるのでしょうか……
寒いですので、皆さんも体調には十分気を付けて過ごしてください
それでは次話もお楽しみに!