蝙蝠がエビルから離れ、生身の体が露出していく。そこに現れたのは…
「嘘、なんで…。」
「はぁ~い、簪ちゃん」
「お、お姉…ちゃん…。」
見知った顔…それも肉親ということに、私はショックを隠せなかった。そっと、変身を解除し、少しずつ距離を詰めていく。
「私を襲ってきたのが…お姉ちゃんだった、なんで!」
「久しぶりに、遊びたかった…それだけよ。」
「あ、遊び?」
「そ…それじゃあ、彼によろしくね?また、遊びましょ~」
そういうとお姉ちゃんは、蜃気楼のように消えてった。
「…
私は戦いの疲れもあってからか、膝から崩れ落ちてしまった。
気絶したカンザシを抱え、保健室を目指す。
ベッドにゆっくりと寝かせ、タオルケットをそっと掛ける。
「あの戦いの後にカミングアウトとは…なかなか重いね、君の姉は」
ベッドに腰掛け、顔にかかった淡い色の髪をそっと避ける。
「…ありがとう。お疲れ様、ゆっくり休むといい。」
そっと、保健室から退出し、アリーナを目指す。私物を置きっぱなしにしているため、やや急ぎ足での移動だ。
その道中には、ボロボロの織斑一夏に肩を貸す…アレ、名前なんだったっけ?
「貴様!一夏に何を使わせた!!」
肩を貸していた一夏を忘れるように胸倉を掴んでくる存在X。いやはや、怖いね。
「私はデメリットは伝えたよ、その上で使ったんだ。」
胸倉を掴んでいる手首を捻り上げ手を放させ、上着を整える。
「そんなことより、彼を早く保健室に連れて行かなくていいのかい?」
先程放り投げられた織斑一夏は、ほぼ瀕死だ。それもそうだろう、初戦でフィッティング未調整のゲノミクスの二重掛けだ。無理もない、むしろ、織斑一夏だからこの程度で済んでいるようなものだ。
「くっ、すまない一夏。行こう…」
再び織斑一夏に手を貸す存在X。それを見送らず、私も目的地へと急ごうとしたのだが…
「狩﨑、話しがある。」
と、織斑先生に捕まってしまった。が、足元には私の目的のモノである私物もある。
「わかりました、同行しましょう。」
諦めが肝心な場合もあることを、私は再確認した。
連れてこられたのは、地下の一室だった。
「ここは…」
「学園地下にある…まぁ研究室だとでも思ってくれ。さて…。」
織斑が壁のスイッチを操作すると、一か所がライトアップされる。そこには先程までリバイスたちが戦っていたあのISがあった。
「随分と破壊してくれたが、ある程度分析は進んでいる。さて、これに関してお前の意見を聞きたい。」
「なるほど、そういう…。あくまで私の推測になりますが、こんなモノを作れるのはおそらく地上に1人…」
「あぁ、そしてそれは…」
私は無言で返した。同意の無言であることは織斑先生にも伝わるだろう。
ゆっくりとISに近づき、再度状態を確認する。そして、織斑先生に向き直り…
「私の
そう告げるのだった。