あの後、軽めの聴取を終え、私物を抱え部屋に戻った。
戻ると既にカンザシは部屋に戻っていた。
「ヘイ、体調はどうだい?」
「……あのシステムをお姉ちゃんに渡したのは…」
「あぁ、私だ。」
背を向けたままで私に聞いてきたカンザシは、そのまま質問を続けた。
「私と同室になったのも、リバイスシステムを渡して来たのも…全部お姉ちゃんの差し金なの?」
「それはNOだ。全ては偶然だ。」
「そう…どうして、お姉ちゃんにドライバーを?」
「あれは…」
クラス代表決定戦後、整備室
「……待っていたよ!そろそろ接触してくるんじゃないかと、思っていたんだよ…」
私の反応にやや困惑しているが、お構いなしに動きつづけ、リバイスドライバーを収納したケースとは別のケースを開く。
「君、これ使ってみる気はない?」
私が差し出したのは、リバイスドライバーとは別の、緑色のドライバー…ツーサイドライバーだ。
「こいつは疑似ISコアを搭載した試作品だ。本物は動かせないが、ほぼ同等の戦闘力を得られる。つまり、貴方のISコアを使う必要はない…ねぇ、生徒会長の楯無さん?」
「私のことは知っているのね」
「えぇ、IS学園生徒会長兼ロシア代表。専用機は自作フルスクラッチモデルで、重度のシスコン。そして、対暗部用暗部「更識家」の17代目当主。」
そこまで言うと、首元に扇子を押し付けられる。私はゆっくりと手を挙げる。
「そこまで知っているのね、ねぇあなたは一体何者?」
「私は、ただの大天災の弟子だよ。それで、どうする?」
押し付けられた扇子を気にせず、ツーサイドライバーの入ったケースを持って詰め寄り、圧に負けるようにケースを受け取った。
「これを使えば、簪ちゃんみたいに…あんな変身ができるの?」
「Yes!まぁ、唯一の欠点があって、って…あっ!行ってしまった」
「と、まぁ背を向けた瞬間に持ち去られてしまったってわけさ。」
「…それ、ある種窃盗だね。で、そのデメリットって?」
「本人の願望を強くコアが反映し…人格に影響を及ぼすんだ。」
私の言葉に何かが引っかかったのか、考えるような仕草を取る。
「そうかあの時のセリフは…でもお姉ちゃんの意図がわからない…。」
思考を回す時間というのは大切だ。私もそれは熟知している。タブレットに視線を移し、現状得ているデータの精査を始める。
「……試作に入るには十分なデータが集まったな。あとは、製作と実践データを確保したいが…。」
タブレットを操作し、別のプラン資料を表示する。
「まずはこれから行くか…。」
オレンジと紫のバイスタンプイメージを確認し、タブレットの電源を落した。