私はあの時のセリフを思い出していた。
「久しぶりに、遊びたかった…それだけ…。」
お姉ちゃんの言葉を反復する。しかし、考えれば考えるほどに訳が分からなくなっていく。
「それに、昔のあの言葉…あなたは何もしなくていい、私が全部してあげるから…。ダメ、余計わかんない…」
「……仕方ない。カンザシ、こっちへ。」
狩﨑くんが手招きをしている。誘われるまま、彼に近づいてた。
「これを見たまえ…他人の心を覗き見るようで少々気は重いが…。」
彼はモニターに手を向ける。そこにはエビルのデータが映し出されていた。そしてそこには、お姉ちゃんのメンタルモニタリングのデータもあった。
「これって…」
「疑似ISコア(仮)の仕様も相まって、使用者のメンタル状態や思考までモニタリング可能になっている。そして…」
「ありがとう、私ちょっと行ってくる!」
リバイスドライバーを手に駆けだそうとする私を狩﨑くんは止めた。
「全く、姉妹揃って最後まで話を聞かないんだから。はい、これ。」
私の手に何かを押し付けてきた。少しひんやりしているような気がする。
「行ってらっしゃいっ!」
そして、背中を押してくれた。
私は時間も気にせず、お姉ちゃんをアリーナに呼び出した。
現れたお姉ちゃんは既にツーサイドライバーを巻いていた。そして、言葉を交わすことなく…
《レックス!》《バット!》
「「変身」」
高らかなものではないが、確固たる意志の籠った変身だった。
《仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
《仮面ライダーエビル!》
手を鳴らし、オストデルハンマー(バイス命名)を振り回しながら構えるバイス。
「バイス、手…出さないでね。」
「え~、なんでぇ~。」
「お願い。」
「……わかったよぉ。」
やる気のあったバイスに釘を刺し、オーインバスターを構える。
エビルもエビルブレードを構えて、いつでも行ける状態のようだ。
しばらくは見合う時間が続いたが、先に動いたのはエビルだった。私もそれに合わせるように、相手に向けて駆けだす。
エビルブレードの斬り上げとオーインバスター振り下ろしがぶつかり合う。
つばぜり合いは拮抗し進展がないことを互いが察した。そして、ほぼ同時に蹴りを入れ合う。
エビルは転がり体勢を整え、私は無理に耐えた。そのせい、エビルの攻撃に私は反応できず、直撃を受けてしまった。
かなりノックバックがあったが、すぐにオーインバスターをガンモードに持ち替え、すぐに銃撃で応戦。しかし、半分ほどを避けられる。
「やっぱり、私とお姉ちゃんの戦闘経験の差が大きい!」
以前はゲノムチェンジによる翻弄と、エビルでの戦闘が不慣れだったことで、勝てたが…。
エビルブレードでの斬撃を受け、私は地に伏した。
が、その時だった。部屋を出る前に渡されたものが地面に転がった。それに手を伸ばし、掴み取る。
「これは…」
私は、もう一度立上がり、【ソレ】とレックスバイスタンプを構えた。